バレエと年齢について腹を割ってお話しましょう。

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alasecond

オーディション時期になるとよく聞く言葉。

私はもう年だから。

10歳にそんな事を言われたら私はミイラ化してしまうのではないか?と思います。

 

ちなみにバレエ学校で働いていると、

16歳の子が「I’m too old!」なんて言っています。

 

そんな子たちに私、後少しで30だよ?というと目ん玉が飛び出るんではないか?!という顔をされます。

 

確かにアジア人は年上に見えない、っていうメリットもあるし、

頭にリボンつけてたり、Tシャツにジーンズ、ブーツなんて格好で仕事をしているせいもあるかもしれません。

または、治療している部屋のライトが暗いからかもしれません。

 

ま、どちらにしても年齢とは不思議なものです。

若すぎたら「若造が生意気な事をいって」と言われますし、年だったら「古い考え」なんて言われますし。

 

バレエにおける「年だから」っていつの事をさすのでしょうね?

プロのダンサーと関わってきた経験から様々な国でのプロ、そして学生、大人バレエトレーニー(大人でバレエレッスンを受けている方々をDLSではトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます)などパターンに分けてみてみましょう。

 

女性ダンサーに限る!

ここで話すダンサーは主に女性だと思ってください。

バレエ人口では女性が圧倒的に多いため、男性は下手でもカンパニーに入れるケースが沢山あります。

2、3年前になりますが、オーストラリアンバレエ団が世界各国からダンサーをよび、ガラコンサートをしたときの、某日本男性ダンサーの酷さったら!

 

今でも話題になるほどです。

悲しいね。

 

パドドゥクラスを行う関係上、男性ダンサーと女性ダンサーを同じだけクラスに取る、という学校も多く、女性ダンサーの方が人口が多いから、男性だったら年齢や実力に多少幅があっても大丈夫ってこともあります。

 

ヨーロッパ、アメリカエリアのバレエ団で踊る場合

これらの地域に初めて行く場合、若い方が便利です。

なぜか?

 

それはオーディションで戦う(という表現は変ですが、通じますよね?)相手も、バレエ学校卒業生たち、つまり17、18、19歳だからです。

コンクールについて書いた記事にも載せましたが、カンパニーとしては若い才能を、自分のバレエ団流に混ぜ合わせて踊ってほしいと願っています。

他のバレエ団でソリストあたりまでいっていない限り、年齢が上がるとチャンスが少なくなるのは残念ながら真実です。

 

同じ才能、体型であれば、若い子の方が踊れる時間が長い。

特に女性は子供を生むために引退したりする事も考えるので、早くプロになればなるほどいい、とカンパニーは考えているようですね(怪我の面で言ったらそんなことはないんですが)。

 

 

アジア圏内のバレエ団で踊る場合

 

アジア圏のバレエ団、例えばシンガポールやマニラバレエなどはもう少し規定が緩いようです。

それはアジア圏のダンサーが勉強両立しているケースが多く、大学を出てから真剣にバレエダンサーを目指す訓練をしている、という事がよく見られるからです。

 

なので、私の生徒の中でも24、5歳でこれらのカンパニーに入った子たちもいますし、

23歳で今仕事を探している子も、アジア圏を狙っています。

 

これらのバレエ団は団員としての給料がとてもよい訳でもなく、環境も一番いいとは言えません。

ただし、最初のステップとしてはいいものですし、

その後ゲストなどで他のバレエ団と部分契約、なんて事も出来るそうです。

日本に戻って踊る場合も、「なんとかバレエ団プリンシパル」と書くと履歴書受けがよくなりますし。

 

ちなみに南アフリカや南米などにもバレエ団があります。

4年前に生徒が南アフリカでのコントラクト(契約書)をもらって踊っていましたが、様子はよくわかりません。仕事にはなっているらしいし、彼も19歳あたりだったと記憶しています。

 

日本のバレエ団で踊る場合

これは年齢よりもコネクションらしいです。

私は日本を拠点としていないので聞いた話だけですが、仕事として成り立たないので若い子が両親のサポートを受けて「バレエ団員です!」という顔をしている、というケースが多いらしく、

本当に仕事として自立できているか?というと分かりません。

 

 

先ほど挙げたアジア圏では生活費用も安くすむので、安い給料でも大丈夫ですが、

日本の物価を考えると難しいですね。

 

 

小さめのバレエ団で踊る場合は、年齢なんて関係ありません。

自分でカンパニーを作ってしまう、という手もあります。

 

 

結局、「バレエ団」というのビジネスですから、スタジオ経営みたいに起業してしまう、という手もあります。

つまり、DLSバレエ団を作ってしまう、という事も可能なわけです。

その後お客さんが集まるか、は別として。

 

自分の好きな作品を踊る、という点からも、年齢という点から考えてもかなりフリーな状況になれます。

 

海外留学する場合

留学についての記事はいくつか書きました。

年齢だけで見た場合、場所を選ばなければ10代から20代であれば留学が可能かと思います。

 

短期留学であればもっと自由に場所を選べますし、バレエ教育法のために留学するのならば40、50代でも大丈夫かと思います。

留学のメリットとデメリットは忘れないように。

 

趣味で踊る場合

年齢なんて関係ありません!

それよりも関係してくるのは忍耐強さ笑

 

 

というのはやはり小さい頃から習っていると動きが体にしみこんでくるんですよね。

例えば私達バレエを幼い頃から踊っている人にとってグリッサードときたらアッサンブレバチュ。

だとかトンベ、バドブレ、グリッサードっていうのが1、2、3!みたいなモンだったり。

 

それを大人になって新しく身につける、というのはそう簡単ではありません。

だけどそれが楽しさの一部。

 

若い子達をみて、あれができない、これが出来ない。って嘆いたら逆に失礼です。

彼女達は小さいころからたくさんの時間をかけて練習してきたのですから。

よって忍耐強く、体を使ってあげる必要があります。

焦って怪我すると治りづらいですからね、気をつけましょう。

 

 

確かに年齢が左右する部分もありますが、考えたいことがあります。

どうしてプロにならなくてはいけないのか?

あなたの答えは何でしょう?

 

 

Happy Dancing!

ai

 

 

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