解剖学をレッスンに(時間内に)取り込む4つの方法


解剖学をレッスンに(時間内に)取り込む4つの方法

 

 

  • 解剖学の大切さは分かりますが、どうやって普段のレッスンに取り組んだらいいのか分かりません。
  • エクササイズを取り組みたいのですが、時間配分に困っています。
  • 生徒のみんなに体を知る大切さをわかって欲しいのですが、どこから始めたらいいのかしら?

 

今日は私がどうやって解剖学メソッドをあるバレエ学校に定着させたのか、

それと私の教育に関する考えをお話ししようと思います。

 

いつもよりも長くなってしまいましたが、これが私が20年の歴史のある学校のシステムを変えた方法です。

言葉も違いますし、簡単な道のりではなかったけれど、正しいと信じて今まで来ました。

 

 

私ができたら、みなさんもできますよ!

 

 

Dancer’s Life Support.Com のミッションは3つあります。

Treatment - 体のケア

Training – 体を知った上でのエクササイズ

Education -教育

 

この「教育」という事ですが、皆さんに知ってもらいたい!という教育

そして教育者の育成、という「教育」、両方を視野に入れて活動しています。

 

 

私の働いているバレエ学校は海外にありますし、

今でこそ他のスタッフから理解がいただけていますが、ほんの4,5年前はそうではありませんでした。

 

タイムテーブルの時間を割いてフィットネスをしよう!なんて事が始まったのは去年が最初です。

6年以上の活動の中で、ここ2年、やっと理想の形のクラス構成を作ることが出来ました。

 

 

押しが強い!

馬鹿の一つ覚え!

頑固!

 

私の性格が見えてきたでしょう(笑)

 

 

今日はその活動の中で上手くいった4つの方法をシェアしようと思います。

 

その1、生徒に勉強している、と思わせない勉強のさせ方を取り入れる

教育に関して、私はスペシャリストではありませんが、国認定のトレーニング資格保持者です。

その資格のために、学習心理学、教育心理学をちらっと勉強しました。

素晴らしく簡単にお話しすると、人間が何か覚えるときに大まかにわけて3種類方法があります。

 

見て覚える

聞いて覚える

行動で覚える

私が実際に行ったこと。

 

骸骨の模型や解剖学の絵を置いておく=みんな驚きます。

特に小さい子たち!触ったり叫んだり大変です。

レッスンの注意と共に(注意=聞いて覚える)ポスターを指さし、場所を目で見てもらう。

そのことでより多くの情報を同じ時間で取り入れてくれます。

 

セミナーに来てくださった方は知っていると思いますが、

私は模型、ポスター、資料、シール、道具・・・

考えられるプロップすべて使っています。

 、

日本のお教室に合わせるなら、

  • 模型やポスターをスタジオに並べる
  • 生徒の着替えるスペースに参考書を置いておく
  • 骨盤の話をするときには、骨盤の3角形にシールを貼る

 

色々な事ができます。これは時間をとりません。

生徒の意識を変えるのならば、出来るだけ情報をスムーズに頭に入れてもらう事。

そこからリピートすることで定着していきます。

 

 

その2、解剖学を考えてもらう「きっかけ」づくり。

教師の仕事はきっかけをあたえること。

チャレンジすること。

私もそうでしたが、最初に解剖学を学んだ時、みんなに教えたくって、教えたくって大変でした!

そして生徒が質問に来た時に必要以上の情報をバーッ!と流していたのを覚えています。

 、

これではダメ。

 

それは今でこそ分かります。

私たち教師は、特に解剖学を勉強したい教師は過去に何かを経験しています。

「もっと早くに知っておきたかった・・・」

この気持ち、ありますよね。

だから早い時期に出来る限り教えたいんです。

 

でも生徒が一番勉強するのはアクティブに問題にかかわっている時

パッシブに話をしていても右耳から左耳に流れて終わり。

 

つまんないからもういいや。になってしまう。

 

解剖学やエクササイズもそう。

「ターンアウトってステップ?ポーズ?」

「どの筋肉がつま先を伸ばすと思う?」

 

これだけでもいいんです。

生徒の頭の中で?が生まれてくれたらそこから興味を持ってくれます。

 

 

1レッスンで1つ、課題を作ってみる、

というのも日本のスタジオのスタイルに合っていると思います。

 

「来週のレッスンまでにどこを使ってつま先を伸ばすか考えてきてね。」

または、

「今日は骨盤の3角形をレッスン中忘れないようにしよう」

そして全ての注意をこの部分に集中する。

レッスンの時間やリハーサルを短くすることなく、取り入れる例です。

 

 

その3、教えすぎない。

普通の人間の覚えていられる注意は3つまで。

ですから、たくさん注意したいところを我慢して一人当たり3つにしましょう。

 

これも最初は難しかったですが、生徒をよく観察していると、

他の子が注意をされるとみんな直すのですよね。

 

3つ!?少ない!!と思っても3つ×生徒の人数分、生徒は注意を「聞いています」

年齢によっては3つでも多すぎるかもしれません。

 

同じ注意でも

  • つま先を伸ばしましょう。
  • 足のアーチを持ち上げて!
  • 足の指を遠くに持ってきましょう。
  • 足先まで意識を持とう
  • 足の固有筋を使おう

と、様々な言い方が出来ます。

その中で豆電球が光る言葉、というのは生徒によって違いますが、

同じ注意をしているので混乱することは少ないです。

 

バレエのレッスンで解剖学、エクササイズ、テクニックを最初から入れるのは不可能です。

ですが、うまく混ぜる事は可能。

 

つま先を伸ばす筋肉、固有筋を例にとってみると

つま先を伸ばしましょう。


ほら、足のアーチの筋肉が動いていますね(触ってみる)

ドームのエクササイズをするとツリそうになったでしょう?(3秒ほどでできるエクササイズです)

では、タンジュのエクササイズをやるときに、この筋肉、固有筋を使ってみましょうね。

 

10秒くらいで終わる会話ですが、

  • 筋肉の場所を教え、
  • どうやってエクササイズするかみせ
  • 筋肉の名前を教えて、
  • その上でクラスに取り込む。

というステップが全て可含まれています。

 

 

このあとはリピート。

最初からすべてを上手くできる訳がないです。

 

もしからしたら、「固有筋」という言葉しか覚えてくれないかもしれない。

エクササイズの形だけしか覚えられないかもしれない。

それでも立派なステップアップです。

 

 

その4、一人で悩まない。

これは私が経験した中で一番大切だったことです。

どんなに解剖学が大切だ、と分かっていても一人で戦うのは大変です。

 

始めた当初は、自分に疑問を抱くことがたくさんあります。

その時に、私は色々な先輩と話したり、スペシャリストにインタビューに行きました。

 

自分の中に自信が出来れば、出来るほど、

しっかりと教えられるようになります。

逆に言えば、自分で分からない事は人に教えられません。

「こんな感じだろう・・・」では生徒はついてきてくれません。

「こうなるから大切です!」と言い切れる自信。

 

 

同じ悩みを持っていたら相談したい。

ですから、私はダンス教師の為のマスターマインドを作りたいと思っています。

月に一度、勉強するテーマを決めて話し合うほか、

悩みをみんなで相談する場になってほしいからです。

せっかく未来のバレリーナを作っているのだから、みんなで協力できたらいいのに・・・

 

いつになるか分かりませんが、今の私のゴールの一つです。

(追伸 この記事をアップしたのが2013年。

2015年1月、DLSから教師のためのバレエ解剖学講座が生まれました。

FBグループで参加者が話し合う場所もできました。

夢は叶うってことですね。)

 

 

一人で悩まない方法の一つにゲストの先生を呼ぶ、という手もあります。

もちろん、本来ならば、自分たちで必要だ!と分かって興味を持ってくれるのが一番です。

ですが、そこに行く前に講習会、という形でだましだまし進める、こともできます。

 

特別講習会なら、親御さんの理解や意識も変わるかもしれません。

その後、その先生に解剖学を取り込む大切さを親御さんたちと話してもらってもいいですね

もちろん中学生を超えたら、自分で自分の責任を持つべきですから、

親御さんとではなく、彼らとの対談時間を作る、というのも意識改革に繋がります。

 

最近の子供、高校生であろうが、小学生であろうがテクノロジー世代の子たちは情報を取り組むのが上手です。

一回きっかけを与えれば、自分で楽しく勉強する方法を知っています。

 

 

問題は、情報がたくさんありすぎる事。

そして一つの事に集中できない事。

 

 

きっかけを与えないと、そして与え続けないと他の事に流されてしまいます。

私たちの仕事はそんな彼らを理解し、自分で勉強する、

自分の責任をとれるダンサーを作ることではないでしょうか?

 

Happy dancing!

ai


  • 先行予約受付中!

  • 解剖学をレッスンに(時間内に)取り込む4つの方法”へのコメント

    • November 25, 2013 at 1:58 pm

      どのように指導したら伝わるか悩んでいる若い指導者の人たちにとって、愛さんのアドバイスは、とても参考になったと思います!
      私が指導する対象はオープンスタジオなので殆ど大人です。理論が言葉として脳にインプットされるだけで、理解しているつもりの人が多く見られました。以前はクラスの中で筋肉の名前を使いすぎていたことに気づき、最近は、筋肉の場所のみを指し、普段の生活の動きを例にあげ「いつも普通に使ってるはずね!だからバレエも同じ。ラジオ体操でもへたくそな人はうまく使えてないですね!バレエではポジションがあるからこうかな!」と・・・「姿勢のいい歩き方の人って、胸を張ってるだけじゃなくて背中の筋肉が長~くなってて背が高く見えるでしょ。。。はい! 後ろのタンジュの時はそんな感じでね~」なんて・・・・結構この方がビンゴします!

      方法が少し極端かもしれませんが、大人のほうが頭が固いので子供はもっとすんなりとできますよね!

      Reply
      • November 26, 2013 at 9:43 am

        福田様、コメントありがとうございました!!
        大人クラスの方々と子供の教え方の指摘、素晴らしいです。確かに、生活と結びつければ、バレエレッスン中でなくてもその動き、注意を思い出せるかもしれませんし、
        頭に入ってきやすいのでしょうね。年齢によって、そして今までの人生経験によって頭のうえで豆電球が光る言葉や注意というのは変わってきますし。
        もちろん、何をレッスンから得たいか、も子供と大人では変わってきますから注意の仕方が変わるというのは有能な教師にとって自然な事であるはずですね。
        お恥ずかしい事に、記事を書いている時、全く思いつきませんでした。勉強になります!

        Reply
    • March 23, 2015 at 8:46 pm

      初めてHP見させて頂きました。感動してます。もう感動で震えてとりあえずメッセージを送らせて頂きました。
      私は英国のバレエ留学中に身体を壊しました。私の場合は、海外で解剖学や教授法を学ぶ勇気が無く、整体・解剖学・トレーニングを学び、現在出身地でバレエ教室&バレエ整体をやっております。解剖学や指導法の勉強会にはたくさん参加しますが、愛さんの仰った通り、どれだけ学んでも本物の自信が付かない感じがしています。この学びは果てしないですね。ただ、私もやるなら本物のバレエ、本物のトリートメント・トレーニングを伝えていきたいと思い、日々奮闘してます。
      愛先生のセミナーをいつか絶対受講させて頂きたいです!たくさんの勇気を頂きました。ありがとうございました!

      Reply
      • March 27, 2015 at 9:08 am

        なつきさん、
        ご連絡ありがとうございました。是非ともセミナーに遊びに来てください。
        皆で一緒に考えられる、そしてセミナー後に同じ夢がある人たちとつながれるセミナーを目指しています。
        DLSファミリーへようこそ!

        Reply

    コメントはお気軽にどうぞ

    メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
    また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

    内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。