リハーサル生活を覗き見してみました オーディションシリーズ番外編


リハーサル生活を覗き見してみました
ただいま私の働いているバレエ学校では、
年末公演のための準備があわただしく行われています。
いつもは我らが校長先生がディレクターとして作品を監修しているのですが、
今回は特別にMaina Gielgudという方が振り付けをしてくれています。
彼女は日本では有名ではないのですが、元オーストラリアンバレエ団のディレクターを始め、

様々なプロフェッショナルバレエ団で作品を作っている凄腕です。
日本のバレエ団ではどうだか分かりませんが、
海外では、作品を作る人、つまり振付家がキャスティングをすることも多く、
そこで気にいられればいい役をもらえるだけでなく、
キャリアアップのステップになることも。

→wikipedia(英語)に彼女のページがありますよ笑 それだけ有名人

 

 

彼女は今までバレエ学校レベルのダンサーと仕事をしたことがなく、
彼女のリハーサルの様子は、まさにプロのダンサーの世界を覗き見している気分になります。
今日の記事では、そんな経験を皆さんにもしてもらえるように、
時間枠に沿ってリハーサルの様子を追ってみましょう。

 

 

リハーサル初期

去年の年末試験で、ゲスト試験官として彼女が来ていました。
その時から、生徒たちをピックアップしていたようです。
いきなり!を手に入れるために。
という記事で書いたように、チャンスはどこに落ちているのか分からないのです。

どんな子にどんな役を渡すか?
全体的なレベルは?
なんてことをチェックしていたようですが、
幼いバレリーナの卵にお気に入りの女の子を発見!
彼女が使いたい、ということで、急遽新しい役を作ってしまったほどです。

年齢的には彼女は足りないし、身長だって、テクニックだって
お姉さんダンサーにはついていけないけれど、何か光るものがあったのでしょう。
オーディション記事で書いたように
ずば抜けたら、とってくれる。
それを目の当たりにしました。

 

今年の初めには既に、いくつかのエリアで配役が決定していました。
発表会まで時間があるから。なんて言っていることができない。

今の実力でチェックされる、という現実を、特に一年生たちは感じたようです。
2年生と比べたら、テクニックだってまだまだですし、
バレエ学校の先生たちはそのような話を知っています。

前と比べたらよくなったね!
というのが通用するのはバレエ学校まで。
プロの世界ではその日、その日の実力がものを言うのですよね。

その中でも、抜擢された1年生も何人かいました。
年齢や、クラスではなく全体的に選ばれている、ということが分かります。

 

 

リハーサル中期

世界中を飛び回っている彼女が、ずっと一緒にリハーサルができるわけではありません。
振り渡しが終わったら、自分たちで練習を続けなければいけないのです。
よい役をもらった子はその分、リハーサル時間が増えます。
逆に、あまり踊る場所がない子たちは、早くお家に帰れるようになります。

 

やったー早く帰れる!
と喜んでいたら、ダンサーにならない方がいいでしょう。

元々差があった才能に、練習量というプラスがかかるのですから。
練習量は嘘をつきません。

→練習量について考えよう

テクニック的に正しくできているか?は置いておいて、
長時間踊り続ける体力。
長いリハーサルに耐える精神力。
何度も同じ振り付けを練習することで自然と生まれるコーディネーション力。

 

本来ならば、選抜されなかったダンサーたちこそ、
時間と体力があるのをうまく使って、自主練に励むべきなんです。

苦手なエリアを克服したり、
ラインを美しくしたり。
そして、次のチャンスに備える・・・

そうできた子たちと、そうではない子の差はコンクールや、中間試験の結果でよく見えました。

 

リハーサル後期

これが今です。
毎日、配役も最終決定していっています。
この前、ソリスト役に選ばれていた10人くらいの子達が
バッサリと切られました。

そして「この役は背が高くて、手足が長くて、細い子がいい」
と一言で、それに当てはまらない子たちは落とされました。

 

2つのソリスト役に8人、
つまり1役当たり4人に絞られています。
そんなことを言われたリハーサルのあと、彼女が
「これからは一人一人とリハーサルがしたいわ。
みんながみんな、同じように踊らなくていいからね。」
と一言。

 

ここが、生徒のリハーサルとプロのリハーサルの違いなんだ、と思いました。

 

  • いきなり!が手に入れられるだけのテクニックの準備ができていて、
  • 長期のリハーサルをこなすことができて、
  • 役にあった雰囲気、体型を持った子が

舞台でその役を行うことができるんだって事。

よーく観察してみると、
最終段階までは、自分の責任なんですよ。

 

  • テクニックを身につけるのも自分。
  • いつでも準備ができているように生活するのも自分。
  • 長期のリハーサルをケガなくこなせるようにスケジュール管理をするのも自分。
  • 自主練を続けて、振り付けを自分のものにするのも自分。

その後に、ちょっとした運が重なるわけ。
その運だって、輝く何かがあったらストーリーを変えちゃうほどの
配役チェンジもアリなんだから、毎日の積み重ねが作るのかもしれません。

 

いつも解剖学的なテクニックの説明をしているDLSブログですが、
ゴールはプロフェッショナルなダンサーになること。
舞台で感動させられる芸術家になること。

 

私にとって、解剖学的に正しい体の使い方は
すべてのチャンスを手に入れる確立をできるだけ高くする秘密兵器だと思っています。

そして70歳を過ぎた今でも、世界各国のバレエ団で引っ張りだこの
素晴らしい振付家、Mainaを観察して、そんな考えが正しかったと確信。

 

解剖学的に動かした体は長持ちします。
正しくトレーニングされた体はどんな振り付けも、スケジュールもこなすことができます。
基本に忠実なダンサーはどんな色にも染まることができます。

 

1月9日のオフ会ではこの事をより詳しくプレゼンしようと思います。

バーサタイルなダンサー、つまりどんな色にも染まることができるダンサーの作り方裏話、って感じです。

チケット・詳細はこちらのページから「DLSオフ会」をクリックして下さい。

 

Happy Dancing!

ai

 


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