素晴らしき3番ポジション!

足の3番ポジションってご存知ですか?   知らない人でこのブログを読んでくれていたら、 1)バレエを始めたばっかり!な大人バレエトレーニー※さん 2)娘のバレエ生活を応援しています!な親御さん 3)ダンサーについて勉強中の治療家・トレーナーさん ってところでしょうか?   ※DLSでは大人でバレエレッスンを受けている方々をトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます   知っている人でも、「何のためにあるの?」とか「いつ使うの?」とか言われたらちょっと答えにくいかもしれないよね。 だけど、私は3番ポジションをたくさん!使います。 特にリハビリ。 なので今日はそのエリアをお話していきますね。 足のポジションの簡単歴史 分からない人達もいるかも、ってところで肝心の3番VS5番ポジションのお話に行く前に、ちょこっとだけ。 現在使われているバレエの足のポジションは昔むかし、フランスでバレエにめちゃめちゃハマったルイ14世がバレエ学校を設立した際に彼のダンスの先生と一緒に作られたと言われています。 これは1660年あたりのお話だからね、かなーり古いのが分かりますよね。   それから時は過ぎ、男性主演から女性ダンサーが強くなり、どんどんスカートが短くなって笑 つま先で立つようになって、細くなって、脚の高さが上がってきて、ぐるぐる回るし、見上げちゃうくらいの高さで飛ぶようになったのが今、2017年笑   昔は1番だって5番だって180度!!じゃなきゃいけない見たいなのはなかったようですが、 いつからそうなったんでしょうね… 足の3番ポジションってレッスンでやります? ということで、今日のテーマである3番ポジションに戻ってきましょうか。 足のポジションは5つ、1,2,3,4,5番ポジションってのがあって、いつからか6番ポジションってのも主流になってきてますが、3番ポジションをレッスンで使うことって少ないですね。 皆さんはどうです?ありますか?   だいたいはプリエのエクササイズでも、1番、2番からロンデジャンプで4番にいかない?…

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ジャンプの時にかかとが浮いちゃう本当の理由

この質問はDLSセミナーもそうだし、メールでもそうだし、オンラインコースでもよく来ます。 アキレス腱が短いんです。どうしたらいいですか?   でね、どうしたらアキレス腱が短いと思うんですか?って聞いてみたら 「ジャンプの着地でかかとが浮いてしまうんです」   ジャンプの着地でかかとが浮いてしまう原因はアキレス腱が短いだけではありません。 確かに、プリエの浅い子っています。ただね、その原因はアキレス腱じゃなくって他の原因の方が多いんですよ。   特に、ジャンプの着地でかかとが浮いてしまうって悩んでいる子。 最初のウォームアッププリエのかかとも浮いちゃうんですか? そう聞くと、90%がいいえ、って言います。 じゃ、バーでは大丈夫なの?はい。 そう、ここにヒントも隠れているからね。   プリエが浅い=アキレス腱!っていう考えは他の原因を確認してからにしましょうね。   考えられる理由1: 膝が前に落ちている 1番ポジションで立ってプリエしてみて。 そしてひざを敢えて前におとしたらどうなる?   かかと浮きましたでしょ? 転びそうになっちゃうから。 これが一番多く見られる原因です。 ターンアウトが出来ない!って訳じゃないですが、ターンアウトをコントロールしていない、って事、つまりジャンプの着地の脚アライメントを保つことが出来ない子達が多いって事です。   無理やり開いた足のポジションに戻ってこようとしている子達もそうですが、 床の摩擦を使ってターンアウトをキープしている嘘つきターンアウトではジャンプ(空中)ではどうしようもなくなります。 →ターンアウトが使えない原因は? →踊っている時にターンアウトがなくなってしまう・・・…

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脚が太いからターンアウトが出来ない!?

  こういう質問をされると正直腹がたちます。 特に最近は摂食障害の子達と関わっているし、私自身も太いからできない、って何度も言われてきましたし。 が、よく来るって事は先生方も先生方で悩んでいるのでしょうから、ここで一気に答える事にします。   確かに!お肉は関節の動きを止める…けど むかーし、DLSがまだ新しい時に関節の動きを止める原因は4つほどある、って説明をしました。 1)骨と骨がぶつかってしまう 2)関節の周りの靭帯が硬い 3)骨と骨をつなぐ筋肉が固く、短い 4)筋肉、または脂肪がぶつかってしまう。   たしかにそうなんです。 ただし、ターンアウトだけに関しては4番目はほとんど関係なくなります。   だってさ、股関節の動きを考えてみてよ。 ターンアウトしてるって、骨盤のソケットの中で大腿骨が回るんだよね? ひざみたいに、グランプリエしたらハムストリングとふくらはぎがぶつかっちゃう!とかじゃないんだもの。 特に、脚を「外側に回す」のだから太い太ももとかは外に回される=邪魔じゃないところに行く。 だから、ここで脚が太いから彼女はターンアウトが出来ない、というのは言い訳です。 (うちモモの方がぶつかるところまで回せてたら、ターンアウト出来てるじゃん!!)   ターンアウトが出来る=5番ポジションが入れられる、ではない 多分、先生方が言いたいのは「5番にしっかりと閉まらない」という事だと思われます。 だけどさ、脚が太かったら実は5番ポジションちゃんと閉まるンですよ。 だってお肉たちが先にぶつかるから、タイトな5番ポジションにする前に両脚が閉まったように見えるんですもの。   わかります? 確かに、右足前の5番ポジションで、右足の子指と左足の親指はぶつからないかもしれないけれど、 そこまで出来てる子って、特に動きの中でね、殆どいないんだって考えたら、脚の太い彼女だけ特殊なことじゃないでしょう?…

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踊っている時に首のリキミが取れません!

DLSのフィードバックシートには「今悩んでいる事は?」というコラムがあります。 進路、テクニック、体型、表現力、バレエスタジオ運営、親子の関係・・・ まー様々な悩みが書いてあるのですが、今日は首のリキミがとれない!という声にお答えしてみましょう。 首のリキミとは何? 踊っている時に首がマッチョになる(笑・・・って書きたいが笑えない)見た目の問題から、 首が固くなり、エポールマンが付けられなくなる=ラインが崩れるという問題や、 スポットがつかない、首の膠着から重心が後ろに落ちてしまう=テクニックへの影響などすべてをここでは指していきます。   ホールドしている時、バランスをとろうとしている時、ジャンプの踏切りの時・・・ などその場所だけで起こるときもあれば、 バレエになったらいつでも首が力んでしまって・・・という方もいますね。   という事でいくつか原因があるので今日は4つの原因を見ていきましょう。 ちなみに1番が一番多くみられる原因で、番号が上がるにつれてあまり見られない(けどありえる)原因を並べてみました。 原因その1:コアの弱さ 首と全く関係のないように感じますが、大事なところ。 簡単にいうと、体がしっかりとサポートされていないため、首に影響が出てしまう、というケースです。 特に踊りこんできている子達にはよくある問題。 テクニックはある程度こなせるし、ポーデブラを柔らかくしなきゃいけない、とかステップをスムーズに踏まなければいけない、っていうのは分かっているし、練習をしてきている。 ただ、基礎となる体の芯の強さ(コアの事ね)が出来ていないから、どこかに力みがでてしまう・・・という場合。   あえてここでは体幹、腹筋、とかではなく、コア、とお話しているところにも注目してください。 このような子達はプランクは結構できるし、腹筋もできるように見えます。 もっともっと、深くて目に見えずらい、そしてコントロールしずらい部分の問題です。 しかもコアはぎゅっと力を入れていればいいような筋肉でもないので、力を入れ過ぎる=筋肉を使うことだ、と間違えて理解している頑張りやサンは要注意です。   コアの説明、そしてイメトレの方法は既に記事にしているのでコアマッスルについてのシリーズを読んで下さいね。 腹筋も弱いんであれば、下向き腹筋の様にぎゅっとしない動きの中で、首や肩に力が入っていないか?を確認することができますから、そちらも参考にしてください。 原因その1.5:ポーデブラが正しく出来ていない 1.5、と書いた理由は上の「コアが使えない」と繋がっているから。…

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アキレス腱に力を入れる?入れない?

DLSにはオンラインコースがあります。 これは地方に住んでいる、もしくは海外に住んでいる、子供が小さい、時間がない・・・などの理由で 勉強したいけどセミナーに参加できないバレエ教師、 もしくは教師のためのバレエ解剖学講座を受講したいけれど、みんなに混ざって勉強できる自信がまだない、なんていう予習、 そしてDLSのセミナー、もしくはバレエ解剖学って果たして自分に合ってるの?なんてことをチェックする場です。   勉強内容以外に私にメール相談ができるのも一つ。 だから愛さんに聞いてみよう!シリーズができちゃうだけの質問が来るんだよねー。 (もちろん、愛さんに聞いてみよう!ライブに参加してくださった方々からの質問もあるけど) ※オンラインコースはリニューアル準備中につき、現在募集を停止しています。     さて、今日の質問はそんなコースを受講している方から。そしてよくあるヤツだったので取り上げました。 では質問を読んでみましょー   >愛さん >沢山のアドバイス有難うございます。勉強になります。 >アキレス腱の件ですが、つま先の伸ばし方で質問があります。 >足指を真っ直ぐ伸ばすはもちろんですが、その時アキレス腱とふくらはぎを緊張させない伸ばし方の生徒とそうでない生徒がいます。 >アキレス腱を緊張させない生徒させる生徒もアキレス腱の炎症になる子はなります。 >私自身アキレス腱が痛かったことがないので、どうしてなのかよく分かりません。 >どちらの伸ばし方がより良いのでしょうか? >H   これは、足首の使い方、つま先の伸ばし方について話し合っていたメールの続きですが、 アキレス腱について気になる人が多いと思ったのでそこだけピックアップしていきますね。     アキレス腱って何か?を再確認しよう 名前通り腱ですね。ってことはね、筋肉みたいに伸び縮みしないんですよ。…

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動画で振り付けを覚える 最近のダンサーに必要なテクニック

YouTube。 今やなくてはならない存在になってませんか? 暇つぶしはもちろんの事、発表会、コンクールの振り付けやら、勉強ツールやら。   これね、2005年に作られたそうです。 そう考えると新しいんですよね、結構。 何の話をしているか?といったらビデオから振り付けを覚えるという事について書きたいから。 動画を見て振り付け? そう、昔じゃ考えられないけれど、動画をみて振り付けを覚えなければいけないシチュエーションってかなり多くなっています。 言葉で、ではなく動画で説明されることが多いのが視覚芸術。   ローザンヌ国際コンクールを始め、コンクールで規定された振り付けがある場合はよくありますね。 バリエーションだけでなく、コンテの振り付けや、オーディションのフットエクササイズなど。 その団体が見たい動きを説明されている事があります。 モデルに選んだ、という事はその踊り(人、表現)が好きだから。 という事は振り付けだけでなくそのモデルがやっている些細なところまで意識を向けたいところ。 音のとりかた、ため方、顔の付け方、タイミング・・・そんな部分まで勉強できちゃうツールが最近の子達はあるって事なんですよ。   ちなみにピアニスト、オペラ歌手は聞くことをメインの練習法にしている事が多いですよね。 やはり職業によって左右されるんですねー 海外にゲストで呼ばれたらこの部分も必要になってきます うちのバレエ学校では毎年プロのダンサーにゲストになってもらう他、他のバレエ学校の上手な子や、コンクールの奨学金の一部として、ゲスト出演をお願いしている事があります。 その場合、他のスケジュールもありますから、毎回リハーサルがあるたびにその人達が来られるわけがない。 なので、バレエ学校は前のパフォーマンスを送り、覚えてきてね、と説明しています。   バレエ学校内のバリエーションクラスや、コンサートの内容なども、 振りわたしの時間はあるものの、この振り付けをやるよ、とDVDを見ておきなさい、といわれることが多いです。   覚えられていたら、最初のリハーサルからしっかりと自分を魅せられます。 ということは、いいポジション、役をもらえるチャンスがふえるって事です。…

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グラン・フェッテを考える

DLSの元にはいろいろな質問が来ます。 ほとんどの質問は基本的なテクニックについてなのね。 例えばターンアウトとか、つま先を伸ばす、とか引き上げるとか。   難易度の高いテクニックで質問されることはあまりないのですが、グランフェッテは違います。 これね、よく来ます。 多分、発表会などでなんとかの3幕、だとかなんとかのグランパドドゥ、だとかをやることがあるからでしょうね。 見栄えはするしね。   今日はグランフェッテを分析してみます。 が。 グランフェッテにチャレンジする前に、自分はフェッテができる実力があるのか冷静に見直してください。 舞台でフェッテが使われる時。 それはcorps de balletではありません。ソリスト以上です。 それだけのテクニックがついているのか…その答えはご自身でわかるでしょ。   グランフェッテという動きを分けてみましょうか。 ピルエットでスタート 軸足の強さ・正確さ 動足の動き 胴体(体幹)の強さ コーディネーション力 体力 もちろん、意志力も必要だと思われますが、どうです?     ピルエットでスタート ピルエットとフェッテは違う動きですから、ピルエットが3〜4回転できるから、といって…

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踊りのザツなダンサーの特徴

2016年も残り少し。 バレエ学校の年末試験も終わり、年末公演に向けてのリハーサルがどんどん増えてきました。   うちの学校では年に2回試験があるのですが、そのたびに記事に書けそうなことがたくさん浮かびます。 (んでもって、書くことがたくさん過ぎて間に合わず、どんどん忘れていきます・・・あーあ)   今回の試験では特に目についたので、今日は踊りのザツなダンサーについて考えてみましょう。 ちなみに私の幼い時のビデオを見ると、踊りのザツさがよく見えます・・・ 誰か、こういう事を教えてくれればよかったのに、なんて責任転嫁をしつつ、将来のダンサーのために書き綴っておきませう。   踊りのザツなダンサーは動けますし、踊れます. 回れるし、飛べます。 だけどなんだか乱暴だし、雑だし、なによりもオーディションに通りにくいです。   コンクールは選曲によってどうにかできるけれど、基本を見られるオーディションではアラがみえまくり。 コンクールに出なくてもプロになれるけど、オーディションをしないでプロになることはないんだから、しっかりと考えておきたいところですね。   (そう、コンクールにでなくてもプロになる人はたくさん! 特に若いころから才能のある子たちは、有名どころバレエ学校に入学しているのでコンクールなんて出ていません。忘れない様に!)     特徴1)バランスはとりっぱなし 先ほどお話したように、踊れちゃうわけだからバランスをとることはできるみたいです。 ただ、100%確実に、毎回に・・・ではなくてロシアンルーレット的にですが。   バランスがとれたとしても、しっかりとしたポジションに戻ってこなかったり、 変な形でバランスをとってたりします。   妙なポジションで止まっちゃうので、テクニックのなさが余計に目につくんですよね。 これはラインが崩れるという問題だけでなく、役柄に合わないガサツな踊りにもなってしまう。…

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方程式を暗記してもダンサーは指導できない

毎回、日本に行くたびに思うこと。 それは、日本のみなさんって暗記が素晴らしく上手! バレエの先生方は、先生以外にも家族のお世話や、お掃除やら色々こなしている上で、先生やってるでしょ。 努力家だし、勉強熱心だし、バレエへの愛情をたっぷりと感じます。   でもね、それでは生徒を指導するのは難しくなります。 治療するのは、トレーニングするのはもっともっと難しくなります。 problem solving。問題解決の力は学校システムであまり重きを置かれないのよね。 「猫背」もいろいろ 2016年5月の教師のためのバレエ解剖学では初めてモジュール3を持ってきました。 そこでは上半身についてお話していたんだけれど、 肩、肋骨を直す時に気を付けたいこと。 それは 肩が原因なのか? 他から来ているのか?   肩という1か所VS他、という無限大の可能性だったら、 無限大のほうが確率が高いでしょ笑   だから、そっちを理解しないとだめですよーってお話しました。 モジュール3に行く前に、モジュール1&2を繰り返してねっていうところはココ。 骨盤、背骨を見る目が育っていないと、その上にある肋骨、肩関節を指導できませんよね。 体って繋がってるから。   猫背、って言っても色々な姿勢の問題があるのです。 つま先を伸ばすために必要な事も色々 足の固有筋さえ鍛えておけば!! つま先が伸びるようになったら私の仕事はないわけで。  …

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片手バーVS両手バー 使い分けの方法

片手バーVS両手バー。 なに言ってるのかさっぱり分からない人がいたらメールください。 どうやってDLSを探したのか知りたいです笑   さてさて。 今日はバレエ教師の方からいただいた質問、片手バーと両手バーどこからはじめたらいいのか分からない、というものについて。 すっごくシンプルに言ってしまうと 両手バーからでございます。 で終わっちゃうので、バレエレッスンでのバーの使われ方、エクササイズ的にみる方法、そして自主練の時の使い分け(もしくは指導の時のヒント!)という感じでこのトピックを見ていきましょう。 バレエレッスンでのバーの使われ方 私はバレエ史専門でないので深いことはお話できません。ご注意ください! という免責を書いておいてからはじめましょっか。   ルイ14世がバレエをやってて足の5番ポジションとか作っていた時にはバーレッスンはなかったようです。 その後、バレエダンサーを作る学校が色々な国でできて、そこでテクニックを育てるものとしてバーレッスンが活躍したみたい。 だから、どんなバレエのシラバスをみてもバーレッスンが入っています。 シラバス、っていうのはプロのバレエダンサーを育てるために作られたシステムだからね。   シラバスについての深い話は既にしているので、気になった人はそちらを読んで下さい。   うちの校長先生(彼女についての記事はこちら)はACBシラバスというのを作った人。 ACB=the Australian Conservatoire of Balletの略でうちの学校の名前です。 ワガノワメソッドをベースにしていますが、ワガノワでは扱われない3,4歳のダンサーがレッスンにくるオーストラリアやアジアのために、若い子たちのレッスンまで書きこまれています。 彼女によると、最初に両手バーではじめるのは当たり前だけれど、 シラバスの途中で新しいステップが出てきたら、両手バーに戻るように作られている、といっていました。  …

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