筋肉を固めないで使うってどういう事?筋肉の収縮を考える その3


 

筋肉の収縮3

長くなってしまいましたが、よくあるバレエ界での注意

「筋肉を固めないで使う」

という注意を理解するための3パート目。

 

ダンサーが踊るためには筋肉を使う必要があります。

これは原則。

 

筋肉を固めないで使いなさい

筋肉をやわらかく!

 

って言うのを理解するには

まず、筋肉が動かして「動き」を生んでいるので、筋肉の収縮の3つの動きを理解する必要がある、っていう話でしたね。

 

そしてその3つ、っていうのは

短縮性収縮 (concentric contraction)

伸張性収縮 (eccentric contraction)

等尺性収縮 (isometric contraction)

 

では最初の質問に戻ってみましょう。

 

「筋肉を固めないで使えって言われたから筋肉は柔らかくなくっちゃいけないんでしょう?」

早い話、これは不可能です。

 

筋肉を縮める(プラス)、伸ばす(マイナス)、同じ長さに保つ(イコール)、のどの動きを見ても、

筋肉を使っているとき、筋肉は硬くなっています。

 

だから、ふにゃふにゃの筋肉で踊れるわけがないんです。

 

筋肉を使う、ってことは筋肉が収縮するんですから。

 

よって、大腿四頭筋がふにゃふにゃのままで膝を伸ばすことなんて出来ないんです。

物理的に不可能。

 

それを頑張ろうとするまじめなダンサーは残念ながらケガをします

 

関節って、骨と骨で出来ている、ってお話しましたよね?

そして骨と骨を結んでいるもの、それが靱帯の紐だったり、筋肉だったりするんです。

靱帯は紐だから、結んでくれるけれど動きは生まれません。

よって動くためには筋肉が必要です。

 

その筋肉を使わないように、そして動こうなんて不可能だってお分かりになりましたか?

 

 

 

でも、愛さん、「このような注意は間違っていません」って言ってたじゃない?

 

そのとおり。

 

動きにかかわる全ての筋肉たちがバランスよく働いてくれたとき、

ひとつだけの筋肉が頑張り過ぎなくて済みます。

筋肉の収縮、つまり動きには3種類ある、って話しましたよね?

 

この3種類の動きを、動きにかかわる全ての筋肉たちがバランスよく行ってくれたとき、

ひとつだけの筋肉が頑張りすぎて「硬くなり過ぎなく」なるんです。

わかります?

 

 

大腿骨の周りの筋肉のお話は既にしたので、これらを例にとってお話しましょう。

ハムストリング大腿四頭筋内転筋臀部の筋肉・・・

 

 

確かに脚を持ち上げるときに大腿四頭筋が働くけれど、

ハムストリングが伸びながら働いてくれたり、

内転勤がアシスタントに来てくれたり、

軸足の臀部の筋肉が骨盤を支えてくれたら!

 

大腿四頭筋だけ頑張りすぎて大きく育っちゃう!という事がなくなるんです。

 

人間の体の場合、前方にある筋肉が強いと言われています。

これは大胸筋の話をしたときにしましたね。

 

そして、その癖を知らず、正しくレッスンをして来なかった場合、

使い易い大腿四頭筋だけ大きくなってしまうケースが見られました。

そのせいで「大腿四頭筋を使わないで!」という注意が生まれたのだと思います。

 

 

他の子たちも助けに来てあげることで、大腿四頭筋だけ働かせ過ぎなくて済むようになる、っているだけです。

確かに、他の筋肉たちは弱いのでサポートとして強化エクササイズをしてあげる必要がありますが、

それって、大腿四頭筋を100%スイッチオフしろ!ってことではないの。

 

 

 

筋肉に良い、悪いはありません。

必要だから筋肉があるんでしょう?

必要なかったら進化の過程でなくなっているはず。

 

 

動きによって使う必要のない筋肉、っていうのはありますよ?

 

例えば足をデベロッペするときに、首についている筋肉は助けてくれませんよね?

だから首を力んでしまったり、肩に力が入っても、脚は高く上がりません。

 

そしたら無駄の力になってしまう。

そして見た目も悪い。

 

 

だから

正しい筋肉を使う=正しくない筋肉を使わない

ではなくって、

正しい筋肉が働ける環境を作ってあげること。

これがゴールです。

 

そのためにはまず、筋肉のついている骨格を正しいところに持ってきてあげる必要があるんです。

 

だから私達は骨から勉強しましたよね?

 

そして、筋肉には怠け者と頑張りやさんがいるってお話したように、

怠け者筋肉たちをしっかり働かせられるように鍛えてあげる必要もあります。

 

これが答えです。

 

(ひとつの)筋肉を固め(すぎ)ない!

っていう注意だったの。

 

こうやって使うことにより、筋肉のバランスが良くなるので

ケガをしづらくなる。

 

骨格を正しいところで保つことが出来るので無駄なエネルギーを使わなくて済む(アライメントの話参照

ひとつの筋肉グループだけ働きすぎないで済むので、脚のラインがきれいになる

 

ってわけ。

 

そして動きを止めない!という事をこのシリーズの最初に話したでしょう?

だから筋肉も常に動き続けている必要があるんです。

そうすればがちっ!って硬くならなくて済む。

バレエの動きにロボットは必要ありません。

 

 

あー長かったですね。

わかり易く説明したつもりですが、もっと詳しく知りたかったら、

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Happy Dancing!

ai


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  • 筋肉を固めないで使うってどういう事?筋肉の収縮を考える その3”へのコメント

    • September 12, 2014 at 12:26 am

      すごく分かりやすくて、なるほどと思いました!
      マイナスの、細く長い筋肉は美しいなあとダンサーの写真などを見ているとよく思います。でも自分で真似してみると、例えばデコーテデブロッペの時、アンデオールが十分でなく前の方の筋肉を使ってる感覚がとてもあったりします。
      まずは足を低くしてバランス良く筋肉を使う練習をします!

      Reply
      • September 12, 2014 at 8:31 am

        れいなちゃん、
        マイナスの筋肉が細くなるとは限りませんが、細く見えるようにはなります。
        ターンアウトが十分でなくて前のほうの筋肉を使っている、と言うよりは腸腰筋をはじめとした、お腹の部分の筋肉が弱い可能性があります。
        ですので、脚を低くして練習するのもいいですが、お腹を使って脚を上げられるようになると良いですね。また、軸足のおしりも大切です!

        Reply
    • September 13, 2014 at 5:35 pm

      わかりました。脚だけ考えていてはだめですね!やってみます!

      Reply
      • September 15, 2014 at 8:33 am

        ね、考えることがいっぱいありますよね。でも、このお尻の使い方だったり、お腹やアライメント、と言うのは小さい頃からしっかり習っていれば今なら身についていることなので、本来なら考えることがたくさんあるわけではないんですよね。ま、過去に戻ることはできないので、今から頑張って練習していきましょう!

        Reply

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