踊りで使える筋肉コントロール

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筋肉の収縮を考えるシリーズはかなり人気でした。

筋肉ってね、3種類の収縮ができるんですよーって話だけれど、せっかく細かく書いてあるので、

短縮性収縮(concentric contraction)

伸張性収縮(eccentric contraction)

等尺性収縮(Isometric contraction)

という言葉が分からない人、もしくはうろ覚えの人はそっちのシリーズを先に読んで下さい。

 

筋肉を固めないで使うってどういうこと?という質問からシリーズが生まれたんだけれど、

今日の記事はその応用編っていう位置づけです。

愛さん、その記事2014年にアップされたんですよ、というつっこみは辞めましょう。

色々と書きたいことはあるのよ、だけどね普通の仕事もしないといけないからさーブツブツ

 

 

エクササイズをやってもレッスンで使えないって事ありません?

あるでしょー

それにはいくつか原因があります。

 

一番大きな原因はエクササイズが間違っている。

そりゃーレッスンで使えないわね。

腹筋シリーズでその部分は色々と説明していますが、一番わかりやすいのが普通腹筋

レッスンで使いたい腹筋の場合、

脚の付け根(それって腹筋じゃなく脚の筋肉でしょ?)が頑張っちゃってる

腹筋を使うたびにタックにしてる(骨盤動かす練習してどーするの?)

腰椎をめちゃめちゃ丸める、頭が地面に戻ってきた時に肋骨が開いちゃう(背骨ぐにゃぐにゃじゃない…)

ってしてたら50回やろうが、100回やろうが踊りで使えるようにはなりません。

 

「エクササイズ」や「筋肉」に悪いものはありません!

ただ、その職業(もしくは求める動き)にマッチしないものや、自分で思っている効果とは違うものがあります。

(そして嫌われやすい大腿四頭筋はとても大事な筋肉です!)

 

例えば、DLSで持ちあげているプランク。

これは真っすぐをホールドできない子、背骨を感じられない子、エクササイズの習慣がない子には素晴らしいです。

ただね、プランク攻略本でも書いているけれど何種類もちがうプランクが存在します。

(プランク攻略本ではそのうちの10種類を紹介してます)

だから、何を求めてるのか、どのレベルなのか、自分がチャレンジしたいのはなんなのか?

が合わなきゃだめ。

 

上に挙げた腹筋だったら、お腹を使いたいんだから、脚に力入っちゃダメでしょ?ってことね。

頭の中でバレエの動きとマッチしていない

いくら素晴らしいエクササイズでも、ダンサー自身が分かってなかったら使えません。

例えば、腹筋を100回やっても、

  • 踊っている時におなかを引き上げておくってどういう動きなのか?
  • おなかを使って脚を上げるってどういう事なのか?
  • アラベスクでおなかを閉じておくって感覚はなんなのか?

が分かっていなかったら、レッスンで考える、感じる、使うのは難しいですよね。

ただでさえいっぱい考えなければいけない事があるじゃない、レッスン内ではさ。

 

 

まずは理解。

これは私がダンサーと話す時に一番最初に説明する事。

理論→運動

別に理論は解剖学じゃなくてもいいんです。

こうやってお腹を使いたいじゃない?どんな感じがする?

大変だよね、じゃ、この筋肉を強くして、楽にポジションが作れるようにしよう!

だけでもいいんです。

彼女が何のためにやっているのか分かってくれるから。

そうやって初めて自発的に「考える」ダンサーが生まれます。

→その反対がロボットダンサーね。

バレエのステップの理解不足

すごく才能のあるダンサーだけど、手術を考えている痛みを抱えている子からメールが来ました。

「アキレス腱をしまえ、といわれたダンサーはそうなるように必死で練習します、というブログの文章、まさに私でした。」(彼女足首のケガしてます)

 

今ロンドンに留学している子との話が元で筋肉の収縮を考えるシリーズを書いたのだけれど、彼女から

「大腿四頭筋を使わないように、立つたびに触って柔らかいか確認していました」

というメールが発端。もちろん、彼女は膝の痛みに悩んでいましたとも!

過伸展の膝なのに大腿四頭筋ふにゃふにゃってさ、ケガのレシピだよね?

 

バレエのステップへの理解不足。

ダンサーももちろん勉強しないといけないよ、だけどね、そういう事を指導している先生(バレエだけでなく、トレーナーでもなんでも)。これは本当に殴ってやりたいです。

 

もちろん、私だって頑張って伝えたことが本人に伝わってなかったり、

新しい研究がでて、昔のやり方を変えなきゃいけない、って事もあります。

だから指導者がいつもパーフェクトじゃないって分かってるけど、絶対大事な自然の摂理ってありますでしょ?

 

筋肉使わなかったら踊れない。

踊っちゃったら、他の部分に負担がかかる→ケガ。

 

これは変わらないね。

力を抜くって言ったら、その代わりにどこを使うのか?をペアにしないと。

そしてそれが本当にバレエのステップで使われるのかも考えないと

→例えば肩に力が入っちゃう子、それがどうして?なのかを考えないと、「肩下げなさい!」ではなおりません!

筋肉のコントロールができない

上で挙げたすべてが出来ていても、うまくいかないケースがあります。

これは特に勉強熱心で頑張りやサンに多いケースですし、かなり上級者向けです。

 

all or nothing!

 

私がダンサーにエクササイズを指導する時、最初はコントロールは置いておいて筋肉のスイッチオンとオフを勉強します。

特に若い子達。

ちょっとくらい筋肉痛になる事で、そこに筋肉があるんだ!という頭とのつながりを作ってほしいし、

わー弱い!だからトレーニングが必要なんだ、

レッスン中でも考えることができる!気を付けよう

ってつなげてほしいから。

 

その後に調節をはじめます。

難しく聞こえるけどね、蛇口の調節って考えて。

 

最初はつまりとか、使ってないサビとかあるからさ、必死で水を出すんです。

んで、必死に止める。

(トトロで、井戸使うシーンあるでしょ?

さつきちゃんが必至でこいで、じゃーって水が出るやつ!)

 

それが出来るようになったら、水をちょろちょろ出すとか、半分の水圧で出す、とか

ちょろちょろから半分、そして全開!

もしくはちょろちょろから全開!そしてすぐに半分に戻す、とか。

 

そういうコントロールが必要になってきます。

 

とーっても難しいです。

指導する方も、理解する方も。

 

だから来日セミナ―ごときではこの部分やりません

だってまず最初はみんなにエクササイズの形を覚えてほしいし、

どこを使うのか感じてほしい。

セミナ―のゴールは私がいなくても安全に続けられる最低限の理解が出来る事だから。

 

ただ、毎週見ているダンサーとか、パーソナルトレーニングとかだとここまでやる。

やらなきゃ踊れないもん!

 

どうやって練習するの?

じゃーさ、愛さんに会わなきゃこういうトレーニングできないわけ?

そうです笑

ウソウソ!!できますよーもちろん。

 

例えばね、今日何度も例に出している普通腹筋をバレエ腹筋にできました、と。

そこまでコントロールも、理解も、練習もしてきました。

そうしたら、頭を上げるスピードを調節してみて下さい。

 

ゆっくり4カウントで持ちあげて4カウントで降りてくる

1カウントでアップ、4カウントで降りてくる

2カウントでアップ、1カウントで背中が地面に触るぎりぎりまで下してキープ

息の吸い方を変えたり、音楽に合わせてやってみたり、

徐々にスピードを上げて、ホールドする長さも上げて、クレッシェンドしてみたり…

 

ね、クリエイティブに頭を使ってどういう時に腹筋が必要なのかを想像してみましょうよ。

アレグロで使いたかったら早く動かないと!

長時間使いたかったら長時間トライしてみないと!

踊りの幅を広げたかったら、動く幅を広げないと!

スムーズに流れるように動きたかったら、エクササイズの時もそうしないと!

 

ね、正しいエクササイズで、バレエの動きを考え、本当にステップに必要なのかを解剖学的に再確認して、

コントロール。

 

これが出来たら佐藤愛は必要ないよ~!

 

Happy Dancing!

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