ジャンプの時にかかとが浮いちゃう本当の理由

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この質問はDLSセミナーもそうだし、メールでもそうだし、オンラインコースでもよく来ます。

アキレス腱が短いんです。どうしたらいいですか?

 

でね、どうしたらアキレス腱が短いと思うんですか?って聞いてみたら

「ジャンプの着地でかかとが浮いてしまうんです」

 

ジャンプの着地でかかとが浮いてしまう原因はアキレス腱が短いだけではありません。

確かに、プリエの浅い子っています。ただね、その原因はアキレス腱じゃなくって他の原因の方が多いんですよ。

 

特に、ジャンプの着地でかかとが浮いてしまうって悩んでいる子。

最初のウォームアッププリエのかかとも浮いちゃうんですか?

そう聞くと、90%がいいえ、って言います。

じゃ、バーでは大丈夫なの?はい。

そう、ここにヒントも隠れているからね。

 

プリエが浅い=アキレス腱!っていう考えは他の原因を確認してからにしましょうね。

 

考えられる理由1: 膝が前に落ちている

1番ポジションで立ってプリエしてみて。

そしてひざを敢えて前におとしたらどうなる?

 

かかと浮きましたでしょ?

転びそうになっちゃうから。

これが一番多く見られる原因です。

ターンアウトが出来ない!って訳じゃないですが、ターンアウトをコントロールしていない、って事、つまりジャンプの着地の脚アライメントを保つことが出来ない子達が多いって事です。

 

無理やり開いた足のポジションに戻ってこようとしている子達もそうですが、

床の摩擦を使ってターンアウトをキープしている嘘つきターンアウトではジャンプ(空中)ではどうしようもなくなります。

→ターンアウトが使えない原因は?

→踊っている時にターンアウトがなくなってしまう・・・

→バレエ解剖学中級編ターンアウトを助ける4つのヒント

考えられる理由2: 足首がロールインしている

1番目と似ていますが、今度は足首がロールイン、つまり内くるぶし(内踝)が前に落ちてしまっているケース。

この場合、だいたいはひざも前に引っ張られていますが、

ひざは少しだけ前に落ちている、ただ足首はスーパーロールイン!なんて人も多いので挙げておきます。

ターンアウトのコントロールであることは説明しなくてもいいよね。

 

→足首のロールイン

→足首のグラグラ!

 

考えられる理由3: 全体的な脚の筋力不足

またまた似ているように感じるけど、これは、脚全体、ターンアウトが、とかじゃなくって大腿四頭筋も、ハムストリングも、そしてふくらはぎも全て。

筋力が不足しているままでジャンプの着地をするとがくって落ちちゃいます

それを止めるために、関節を固めて着地している人達が多いのね。

 

安全に柔軟性を高める方法、っていうビデオやブログでもお話したけれど、

関節は危険だって感じると防御作用を行います。

そうしたら、足首も固めて着地するので、結果足首が浮いちゃうのね。

浮いちゃうって言うか、浮かせちゃう、って言うのか。

 

ダンサーの足セミナ―でお話していますが、(春の部はもう定員なので、狙っている人は次回9月に東京で行われます)

ジャンプの着地でかかる負担は体重の4-6倍、ジャンプの種類や床によっては8倍。

それだけに耐えられる筋力がなければ安全に、ソフトでコントロールされた着地は不可能です。

 

考えられる理由4: 重心が前すぎる

理由1でやってもらったように、ひざが前に落ちると重心が前に落ちます。

なのでかかとが浮きます。

重心が前のままで垂直に飛ぶことはできないし、だんさーには見られづらいので、

大体のダンサーは体をそらせてジャンプし、着地の時に前かがみになる。

そうすることでかかとが浮いているように見える。

 

体を逸らせてしまう理由は、からだを振り子のように使って跳躍力を作っているからなので、

ま、理由3番にもつながるんだけどね。

 

考えられる理由5: 足の裏が硬い

足の裏!?

そう、甲が高い子に多いのですが、足のアーチを上げなさい、といわれ続けてきた頑張りやサンダンサーにも多く見られます。

足のアーチはね、上がったら終わり!じゃないんですよ。

動きます。

 

使いこなせていないショートフットといわれるエクササイズ、もしくは間違っているショートフット、

固有筋を鍛える、と言いながら親指を持ち上げたり、足首に力をいれてエクササイズをしてきている子達がぶち当たる壁です。

 

この部分、文章で説明も、写真も、ビデオもすごく難しいので、ダンサーの足セミナ―で実際にみんなの足を見ている時にコメントしているんだけど、基本的な部分だけ書いておきます。

ダンサーをトレーニングしている人達は考えて下さい。

 

 

(いっきに難しい説明になります。分かんない人達は飛ばそう笑)

↓↓↓

ダンサーが固有筋を鍛える理由は、外在筋VS内在筋で見たときに内在筋が劣勢だからトレーニングします。

なので、内在筋をトレーニングしている時は内在筋「のみ」にフォーカスできるエクササイズを選ぶ必要があります。

そうではないとダンサーは踊りの中でトレーニングの感覚を模索してしまいます。

つまり、前脛骨筋が抜けていないショートフットを練習してきている子は、普通に立っている時、もしくは教師にアーチを上げなさい、といわれたら、前脛骨筋もスイッチオンするようになり、ミッドフットが膠着します。

ダンサーは器用なので、長母指屈筋を使ってアーチリフトをしている可能性もあります。

これではプリエに使えません。

 

また、内在筋はやるけれど、内在筋と外在筋のバランスを練習していない子達は、踊り始めたら外在筋有利になってしまいます。

内在筋フォーカスのエクササイズの後、ブリッジ(懸け橋)となるエクササイズで内、外在筋のバランス、スイッチの順番などを練習しないとアレグロやポワントでは使うことが難しくなります。

 

特に、アキレス腱をしまう、なんて言われている子達はポワントで立つときも、ジャンプの踏切りも、力を抜くのだ、と思って練習してしまい、大きなケガに繋がります。

当たり前に聞こえますが、ダンサーの多くは「使うな」と言われると本当に使わなくなるまでトレーニングしてしまいます。

 

多くのダンサーがトレーニングのせいでケガ(長母指屈筋炎など=アキレス腱を抜くため、長母指屈筋への負荷が増える)になるので、十分気を付けて下さい。

治療家・トレーナーのためのダンサーの足セミナ―でもっと説明しています。

↑↑↑↑

 

 

はい、難しい説明終わり!

よくわかんなかった人達は、足のアーチは柔らかく使うんですよ、って事と、

ロールインしない=アーチが上がるではないので気を付けて!って覚えておいて下さい。

 

アーチ=足の裏にある形(筋肉で支えられている)

ロールイン=足首の動き

OK?

 

アキレス腱の短い子

っていうのは存在します。

ただね、アキレス腱短いよ、の一言で終わらせられないくらい複雑な問題だよって覚えておいて下さい。

 

そして深くプリエに入れなくても、プリエの使い方を徹底すれば舞台では分からないくらいに踊れます。

実際に、この前バレエ団の舞台裏で働いていた時、長身の男性ダンサーのプリエがすごく浅くてびっくりしました。

でも、着地の「魅せ方」ができるので問題ないと。

 

プリエの深さを争うのがバレエではありません。

体をいいわけにせず、正しい使い方を一緒に勉強していきましょうね!

足のお悩みや知りたいことがある人は、ダンサーの足セミナーがおすすめ。
4時間みっちり足に特化したセミナーで、足マニアになりましょう笑

 

 

Happy Dancing!

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