ダンサーが正しく腕立て伏せをするために

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「腕立て伏せを練習しなさいと言われましたが、正しいフォームでできません。

変な筋肉がつくのが嫌なのですが、どうしたらいいでしょうか?」

 

これが今日の質問です。

腕立て伏せってダンサー、特にクラシックバレエダンサーにとても大事なエクササイズなのですよ。

嫌いな人が多いし、私も嫌いだけど笑

なのでこの質問を使って、どうして腕立て伏せが大事か、正しいフォームって何なのか?そして変な筋肉ってどんな筋肉!?かを考えていきましょう。

どうして腕立て伏せが大事か?

腕立て伏せ、というと腕のエクササイズみたいに感じるけれど、それだけじゃないんですよね。

大胸筋、小胸筋、という胸の筋肉を強化してくれる(なのでバストアップにいいとか言われるのだけれど笑)というのは定番かしら。

 

ダンサーに向いている最大の理由は、プランクのポジションをキープしながら行うエクササイズだ、ということ。

プランクで鍛えられる体幹の意識、腹筋、背筋をホールドしておく感覚(ピルエットやジャンプのときに大事だね)

を腕を動かしていても、体の重心の位置が変わっても、ホールドする。

いわば、腕立て伏せってプランクの応用編の一つになるわけです。

 

よくプランクをしても、ダンサーの体幹って動きの中で使えないと意味がない、何て言う人がいるんだけれど、私は

動きがないところでホールドできなかったら、動きの中でホールドできるわけないじゃない!

だから、最初はプリエとタンジュからレッスンが始まるわけですよね。

確かにプリエもタンジュも、センターで使えなくっちゃ意味がないけれど、だからと言って、バーでのタンジュ、プリエ、もしくはそのためのエクササイズが役に立たないわけないじゃない?

 

体幹を作るため、というだけではなく、クラシックバレエ、特に小さなスタジオでは、

パドドゥの練習をすることがほとんどありませんね。

そして発表会の時にいきなりリフトやら、プロムナードやらをやると!大変なことになるのは先生方はご存知の通り。

 

男性と踊る場合、女性の腕の強さも更に大事です。(普通に踊っている時も必要よ!)

腕だけでなく、肩甲骨から背中と腕が繋がっている感覚があるダンサーは踊りやすいわけよ。

 

そのような練習をすることができないのならば、

自分の体重を支える腕立て伏せはパドドゥのためにもやっておきたいところ。

 

他にも考えて欲しいことは、最近のダンサーがバーサタイルだってこと。

これは2016年のDLSカンフェレンスでのテーマだったから知っている人も多いと思うけれど、

ダンサーはクラシックばっかり踊れたらいいわけではない時代なんですね。

そうすると、コンテで怪我しちゃ困るわけで。

強い体っていうのは表現力が増すわけですね。

できる動き、技、動きの幅が増えるわけだから。

そういうことを考えても、ダンサーに腕の力、上半身の力は必要不可欠ですよ。

腕立て伏せの正しいフォームって何?

腕立て伏せの正しいフォーム・・・これは目的によって変わる部分もありますが、

絶対に変わらない部分。それは体幹の部分。つまりプランクの注意を守っておくこと!です。

 

プランクの部分はすでに何度もお話ししているのでプランク記事を読んで復習してください。

また、腕立てを取り入れなきゃいけない!って気がついたダンサーはプランク攻略本、というDLSが出しているeBookと音声ファイルがあります。

音声ファイルでは私が隣で応援しているのを聞きながらエクササイズができますから、

3日坊主になっちゃう人は是非、私と一緒にやりましょう。

 

プランクと同じように、膝をつけている方ほうが膝をつけていない腕立て伏せよりも簡単です。

ですが、背骨をしっかりとキープできず、肩甲骨が飛び出しちゃっているくらいならば、

膝をつけて行ってください。

 

プランクはできるけれど、肘を曲げた途端大変です!という腕の筋肉ゼロの方は、

壁でできる腕立て伏せ、というのがあります。

これは、体幹がしっかりと出来ていない子でも使いやすいです。

(もっと知りたい人は教えて下さい。これだけでエクササイズの記事にします)

 

プランクだけだと生徒が飽きちゃうし、出来ない子が多すぎる・・・という先生は、

バーを壁の代わりに使った腕立て伏せをレッスンのウォームアップに入れてあげるといいかもしれませんね。

 

スタート。肩と同じ高さに手をおいて、プランクの体を意識します。肩甲骨が飛び出ない様に!(右がダメな例)
スタート。肩と同じ高さに手をおいて、プランクの体を意識します。肩甲骨が飛び出ない様に!(右がダメな例)
腕立て伏せと同じようにひじを曲げます。この時に横から見た体のラインが変わらないように注意。ひじ関節だけ曲がりますよ。
腕立て伏せと同じようにひじを曲げます。この時に横から見た体のラインが変わらないように注意。ひじ関節だけ曲がりますよ。

(楽屋でとった写真なのでちょっと動きが見えづらいですねーごめんなさい)

 

ちなみに基本的には腕を肩幅よりも広くすればするほど、胸筋に効きます

逆に狭くすれば腕の筋肉、狭く、そして肘を体の隣にピタッとつけた形でやると上腕三頭筋(フリソデのところね笑)に効きます。

私がバレエ学校で指導するときはすべてを混ぜ合わせて行うことで、腕と上半身、そして背中などに効かせています。

変な筋肉がつくトレーニング!?

変な筋肉がつく、と言って筋トレを嫌う人がいます。

でも変な筋肉ってなんでしょうね?

 

どんなところについていても、筋肉は筋肉。

なので基礎代謝をアップさせるという面だけで見たらどこにあっても問題ないんですよ。

 

ただ確かにバレエに使わない筋肉、とかラインのための、という事は言えますね

だからこそ、上で説明したような正しいフォームというのは非常に大事な注意点です。

 

ただし、正しいフォームができるまで待っていると…プロになるチャンスを逃してしまうかもしれませんよ。

確かに正しいフォームっていうのは大事、何度も言うけれどね。

ただバレエでもそうだけれど、正しいタンジュができないから。って言って踊らなかったら上達しないでしょ。

 

私、股関節からのターンアウトできていませんから、レッスンはやりません!

ってことになっちゃいますからね。

股関節からのターンアウトを気をつけながら、注意深く、しっかりと計算されたレッスンを行う。

レッスンを行う、という部分を抜いちゃったらバレエにならないのよ。

当たり前だけれど、筋トレでも同じことが言えますよ。

 

正しいフォームでできないから腕を鍛えない!?

ではなくって、

  • プランクで体幹を作る
  • 壁腕立て伏せで腕の力を作る

なんてことをやりながら、やっぱり腕立て伏せにチャレンジしなきゃ、腕立て伏せはできるようになりません

 

自転車に乗りたいなーって思って、筋トレしてても、

実際に自転車に乗らなかったら、乗れるようにならないでしょ。

そして実際に自転車に乗ってみたらあれ?結構簡単にできるかも、って思うこともあるでしょ。

結論!ダンサーが正しく腕立て伏せをするために…

ダンサーだったら腕立て伏せを練習してください

どうしてもできなかったら、問題がどこなのかを考えて(知識は大事!)他の方法で体を鍛えていきましょう。

ただし、チャレンジしなかったら絶対にできるようにはなりません。

 

人生なんでも一緒だよねー。

理解し、自分の弱点を知って、努力、チャレンジし続ける。

そんなもんですって。

 

 

Happy Dancing!

ai

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