水曜日 レイチェルと考えるバレエ教師の仕事


 

学校シリーズ3日目 水曜日:レイチェルと考えるバレエ教師の仕事

今週の学校シリーズ、今日で3日目です。

今日はバレエ学校ではなく、私のクリニックであった話。

 

レイチェルとママがクリニックに来ました。

バレエ学校以外の生徒、そしてプロのダンサーは外部のクリニックで診ています。

レイチェルもその一人。

 

メルボルンでかなり大きなダンス学校に長年通っていた彼女は

去年の終わりに「学校を辞めなさい」と言われたそうです。

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理由は太すぎるから。

 

ミーティングで「そんなデブではバレエはもちろん、ダンス関係の仕事全て無理。諦めたら。」

と言われたそうです。

そんなこと誰も何も言わなかったので青天の霹靂とはまさにこの事。

 

レイチェルはまだ14歳。

思春期でぽっちゃりはしていますが、身長は既に170㎝に届くくらい。

身長も体重も大幅に伸びる時期です。

 

その半端ない成長スピードから2年前背骨のケガをし、

6か月以上踊れない、走れない、ジャンプできない日々が続いていました。

そのストレス、そして動けないケガのせいで体重も増えたところもある、と言っていました。

 

14歳の子供に

「踊りに関わる全ての仕事は太り過ぎてて無理」

と言い切れる自信はどこからくるのでしょうか?

 

学校の入学、退学、というのは学校側の勝手、

というと言葉は悪いですが学校側が独断で決められることです。

 

結局、彼らの学校ですから、好きな生徒を選べるし(オーディション、というのはそういうことです)

嫌いな生徒は辞めさせればいい。

 

そして体重というのはダンサーにとって大事なトピックの一つです。

 

太っていればケガをする確率も高くなるし、

関節にかかる負担も大きいので将来に影響するダメージを作ってしまうことだってあります。

だから、ミーティングで体重のせいで退学、といわれても仕方ないところがあります。

 

けれど、体重に関する注意、警告なしでの退学だったところと、

そして年齢がすごく若いのにダンサーになれない、と断言されたところ。

このせいで、レイチェル、そしてレイチェルの家族は途方に暮れてしまいました。

 

体重にしろ、才能にしろ。

教師の仕事はラベルを張るのではなく、

サポートし、指導し、生徒の持っている才能を最大限に出せるような「人間」を育てる事ではないでしょうか?

 

「太り過ぎだから退学。」という前のサポート。

例えば「最近体重が増え始めているから気を付けてね。ダイエットの先生に相談する?」

というところでもいいし、

「去年のケガが復活しては困るから、背骨に負担をかけない強化エクササイズしてる?」でもいい。

 

毎日会っている生徒なのだから退学前に出来る事がたくさんあったはず。

 

「気づかなかった」というのは教師として最低ですし、

「気づいていたけれど何もしなかった」というのはもっと最低です。

 

サポートを与えて、それを聞くか、無視するか、は生徒の責任です。

体重管理も生徒の責任。

 

けれど、教師の仕事は生徒にダンサーになるための大事な事を教える事でしょう?

テクニック、体の事、ケガのこと、精神的な強さ、注意の受け方。

説明しないでわかって欲しいなんて勝手ですね。

 

レイチェルは今、今後のゴールを探しています。

踊りたい!

その気持ちは強いけれど、先生にダンサーになれないってここまではっきり言われたのだから

諦めて一生ウエイトレスでもするべきなのか…と思ってしまう気持ちと戦っているそうです。

 

「太り過ぎだから夢は叶わない」というレッテルを張られた14歳の心の傷、

私のトリートメントでは直せません。

 

ダイエットに関する記事たち

⇒ダンサーの体重と解剖学

⇒ダンサーダイエット論

⇒ダイエット中のダンサーをサポートする方法

⇒食べることをやめられないダンサーへ

 

 

次回は「木曜日:トムに学ぶ注意の受け方」です。

Happy dancing!

ai


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