選ばれる子 2016年冬期バレエ講習会を終えて

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言いたいことはたくさんあるし、書きたいことも山ほど生まれました。

毎回生徒を指導すると、その生徒の数だけ、そして注意の数だけ書きたいことは募ります。

DLSブログのネタが尽きないのはきっとこのせい。

解剖学のことももちろん書きたいけれど、今日はこの前行われた冬期バレエ講習会から学んだことの一つ、「選ばれる子」について書きたいと思います。

ダンサーをしていれば選択されるのは日常茶飯事です。

この役にこの子を選ぶ、このポジションにこの子を選ぶ…

平和に見えたバレエ講習会も、発表会で二グループに分かれたため、
私たち教師はダンサーを選抜しました。

コンクールで決戦に行けるのも審査員に「選ばれた」から。

どうして選ばれるのか?を考えていきましょう。

 

今日トピックにあげたいと思っているダンサーは3人います。

2人は2015年冬期バレエ講習会に参加してくれたリピーターの子たち、

そしてもう1人は北海道から参加した、バレエ学校の生徒です。

 

リピートしてくれた2人は写真審査から違いが見えました。

写真で見える体づきは1年前と大きく違いました。

あの5日間の後相当努力したんだなというのが見えました。

特にそのうちの一人は春のボディコンディショニングセミナーにも参加してくれていましたから、彼女がすごい量のエクササイズをしてきたのも見えますし、去年から教えていた講師軍全員気づきました。

 

今年の彼女は違う。

2人とも別に目立つテクニックや手足の長さがあるわけではありませんし、

クラスの中で一番上手だったわけではありません。

ただし、私はこの2人の成長具合をみて奨学金を出しました。

リピーターのみんなが皆、上達したわけではない事からも色々と学びましたが、それはまた今度のお題

選ばれる鍵 その1 努力、成長が見えること。

昔のブログで書いたと思いますが、過去の生徒でヨーロッパのあるオーディションに行った子。

オーディション時はどこにも引っかからなかったのですが、
6か月後たまたまその時見たディレクターが彼女をどこかで見て、
6か月の成長具合がすごくてカンパニーに入った子がいます。

誰も見ていない、と思われるところでできる努力。

これは選ばれる鍵だと思います。

 

誰も見ていない、と思っても私たち教師は見ています。

誰が残って練習してきたか?
誰が言われたことを忠実に行っているか?

 

もう一人の子は今まで色々と選ばれていました。

まずバレエ学校入学の時に2年生に飛び級。

その時校長は「いい子がいる。伸びると思う」と話していました。

その後、有名なディレクターが来て行われた学校公演でもソリスト役をゲット。

そこでも選ばれていたんですよね。

 

いつも選ばれる子。

確かにいい子だし、スタイルもいいけどどうしてだろう?と思っていたら、
今回の講習会でその答えが出ました。

選ばれる鍵 その2 いつも本気である。

講習会中、レッスン見学者に聞いた、どの子の踊りが見たいですか?という質問でも選ばれた彼女。

見学者のほとんどはバレエの先生だったので、毎回のレッスンで本気で踊っているところが見えたのでしょう。

驚いたのは見学に来ていた8歳の女の子も彼女があこがれのダンサーさんになったそうで。

 

本気で踊ると年齢やバレエ歴に関係なく、
そして振り付けやレッスンに関係なく人の心をつかむことが出来るのだ、

と芸術家としての深さも感じました。

 

帰国してから整理している写真を見ても、彼女はいつも後ろで練習している姿が見られます。

ただ立って話を聞いているだけではなくってね。

 

発表会で本気を出した子たちもいました

ただし、そのような生徒は先生たちの中では不評でした。

「彼女、こんなに踊れたんですね」とスタッフに言われたダンサー。

この一見ほめ言葉のように聞こえる言葉の裏には、

この子は普段は怠けている、

という意味が隠れていることをお忘れなく。

 

初めて見てくれたお客さんにはよく上がる足や、とってつけた表現力など、

それだけでいいかもしれませんが、

ある程度目が肥えているディレクターであれば、筋肉のラインなどでそれはバレます。

体は嘘をつきませんから。

絶対に。

 

同じレッスンを、同じ先生から受講していても違いが出ることは才能の一部なんでしょう。

ここでいう才能はバレエむきの体とか、テクニックの強さではなく、

見えないところでの努力、
いつでも本気で自分と向き合う、というメンタル的な才能だったんだ、
ということがよく分かる5日間でした。

今年上手になりたい子たちはこの2つの点、どれだけできているか正直に向き合ってみましょう。

 

Happy Dancing!

ai

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