バレエ教師の悩み事 パが汚いダンサーへの指導法

Table of Contents

パが汚いダンサーへの指導法

 

「アレグロが汚い」

「ポーデブラが汚い」

「アラベスクが汚い」

って現場に立つことありませんか?

 

声を枯らして生徒に注意しても一向に良くならない。

それどころか、つまんなそうな顔をされたり!!

 

なので今日は

「ステップが汚い」とはどういうことなのか?

という事を分析しましょう。

 

汚いってどういう事でしょうね。

 

まず、このレッスン上で言葉が使われるとき様々な知識不足が背後に隠れています。

 

例えばどこが悪いのかイマイチわからないけれどビデオをみたら変だった。

その場合、

(なんでだか上手く言えないけど)アレグロが汚い

ってなります。

 

形がしっかり理解できていない場合もあります。

(脚は上がっているし、キープもできているのだけれど)アラベスクが汚い

ってなりますよね。

 

または総合的コーディネーションを指していることもあります。

(形一つ一つはできているのだけれど、動きがスムーズでなくって)ポーデブラが汚い

ってなるからです。

 

 

部屋が汚い。っていうのを例にとりましょうか。

 

子供に、部屋が汚い、という場合

そのあとにくる言葉は何でしょうか?

「片付けなさい」

「掃除しなさい」

「整理しなさい」

 

 

 

バレエのテクニックが汚い時もこの言葉たちが必要です。

 

ステップがバタバタしているから「片付ける」べきなのか?

パに無駄なものがたくさんついているから「掃除しなさい」なのか?

動きの理解ができていないから「整理しなさい」なのか?

 

汚いステップを、汚いなーって思っていてもきれいになりません。

汚い部屋を眺めていてもきれいにならないでしょう?

 

 

でも片付けたり、整理したり、掃除したり。

そのためには

「最初にある位置」

っていうのが理解できていないとダメですよね。

 

お洋服はどこにしまうのか?

きれいな部屋とは何なのか?

何が必要で、何がごみなのか?

 

こういうものが理解できていないと掃除はできません。

 

そして、小学生に部屋を整理して、という場合、最初は一緒にやってあげる必要があるかもしれませんし、

机の上だけ、とエリアを絞って行う必要があるかもしれません。

何をどこに仕舞うのか?と何度も説明しなければいけないかもしれません。

 

 

アラベスクの時。

  • 後ろの足は上げている肩の延長上?それとも軸足の延長上?
  • サイドの腕は肩の横?それとも後ろ?
  • サイドの腕の高さはどこ?
  • 骨盤は倒す?倒さない?
  • 骨盤は開く?開くならばどこまで開く?
  • 軸足は足のどこに乗っている?

 

こういうことがわかって初めて、きれいにするってことが分かるのです。

 

 

実際に上の質問に答えてみてください。

明確に説明できれば説明できるほど、生徒の飲み込みは早くなります。

 

 

教師のためのバレエ解剖学講座を受講した人たちは、

モジュール2の膝を伸ばす、っていうときに違う言葉を使うメリットをお話ししましたので、

同じ注意でも2,3個言い方を変えたバージョンを作ってみてください。

 

 

教えている場合、ダメなところが分かるだけでは足りません

どうすれば直るのか?

を教えてあげないと。

 

1+1=5

が間違っています!って言ってオシマイになってしまう。

ここで説明するのが算数の先生ですよね?

 

 

バレエの先生も同じような職業でしょう?

だから、

「パが汚い」

だけで終わらせないでくださいね。

 

知識ができたら強化しよう!

知識が分かっただけでは舞台で使えません。

机上の解剖学、っていう事で腹筋を使ってお話ししましたね。

あれと同じ。

 

ここからは努力を正しい方向に向けて頑張るように理解させなければいけません。

 

 

例えば。

サイドの腕の肩がどうしても上がってしまう

両肩を力んではいけませんよ

肩が力んでしまう理由は?

体幹が弱くてキープできない

軸足がフラフラしていて力が入ってしまう

腕を上げると肩が自動的に上がってきてしまう

それに合わせたレッスンを組み立てるのです。

 

 

 

例えば体幹が弱いんだったら、

アラベスクの足を低くしてバーで練習。

 

軸足が弱いんだったら、まずはクドゥピエやルティレで安定感を探す練習。

もしかしたら両足でしっかり立つ練習からやる必要があるかもしれません。

 

腕を上げると肩が上がってしまうのならば、

鏡の前でアンファセでポーデブラだけの練習が必要かもしれません。

腕の2番ポジションで背中を広く保つ、という感覚を作る必要があるかもしれません。

 

確かにここで、解剖学的なことを知っていると便利ですが、

上で挙げた例はバレエの先生として食べている人は知っていますよね。

 

こうやると、「汚いパ」というのが減ってきます。

 

 

確かに、この後は生徒自身の努力なのですが、

折り紙で千羽鶴を作りなさい、っていうのと、飽きちゃうし、折り方を知らない子もいるかもしれませんが

折り紙で最初に真ん中を折って三角を作りますっていってできない子はいないと思いますよ。

 

努力しやすい環境に運んであげる、っていうのは先生の腕の見せ所ですよね。

 

 

もっと知りたい人

片足プリエを考えた記事はこちら

ジャンプを分析してみた記事はこちら

ピルエットを分析してみた記事はこちら

 

 

もしくは鬼の愛に会いにくる笑

 

 

Happy Dancing!

ai

Share This Post

Facebook
Twitter
LinkedIn