ダンサーはジムに通うべき?

  この前インスタライブで 「(バレエ学校の、だと思われる)学生が絞りたいときにジムに行くのはいい事ですか?」 という質問をいただいて、ライブで答えたんだけどいい質問だと思ったのでエクストラ情報をつけて記事にしました。   ライブでは「絞る」って何か?そしてダンサーに必要なのか?というのをお話したんだけど、 今日のブログでは話をジムにフォーカスしたいから飛ばします。 ジムって何を指すの? 日本だとちょっと手を出しにくい…とか近所にない、って人もいると思うし、 未成年は使えない(もしくは変質者がいる…)というケースがあると思うんだけど海外ではジムって結構身近にあります。   24時間やっていて、ウエイトマシーンとフリーウエイト(ダンベル、バーベル)、バイク、トレッドミル、クロストレーナーが置いてある程度の場所から、 会員になると、プール、サウナ、ハイドロセラピーが出来る場所や、グループエクササイズクラスも無制限で受けられるところまで。   私の家の近所のジムは早朝は近辺の学校のスイミングチームがトレーニングをしていて、 お昼くらいはシニアがアクアエクササイズ(水の中で動く)のをやっていて、ちびっこたちの水泳教室が反対側で行われているとか、 学生割引があって、モテたい子達?が団体で来て(妙なテクニックで)ウエイトしているときもあります。   シティのホテルやアパートメントだと、住民が無料で使えるジムとプールが勝手についてくることもあります。 (そういう人と友達になると無料で使える…笑)   ジム(gym)=トレーニングができる施設、なのでサイズや置いてある器具に決まりはありません。 ジム=パーソナルトレーナーがついてくる訳でもありません。   バレエ団のビルの中にジムが入っている場合もありますが、 大きな学校やカンパニーでないと、バレエ団の近くのジムと提携が組んであり、ダンサーは少しディスカウントが受けられるところもあるだとか。   最近のプロダンサーだったらジムでウエイトを上げているのは結構当たり前になってきていますので、 どこかでちゃんと習う機会があるんでしょうね。  …

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治療「だけ」じゃ痛みなく踊れるようになりません!

*この記事は2016年3月のものを大幅に加筆修正しアップデートしました。 DLSのセミナーに参加してくださる人やメール、SNSにくる相談などで目に留まるのが 「毎週整体に通っています」 「鍼治療を受けています」 というダンサーの声。   そして彼らの年齢は…小学6年生から痛みが始まってとか、現在13歳!とか。 これらのメールから分かることは、 年齢が若い 慢性の痛み 治療をしても結果、変わらない(多分、その直後は良くなるんだろうけどね)   メールには書いていなかったけれど考えられる点は バレエを頑張っている(当たり前ね、バレエのセミナーにくるんだから) 踊っているときに痛い(普通の生活はある程度できるのでしょう。バレエやっているんだから、普通の生活ができない痛みではないと思われる)   この記事では、習い事で治療に通わなければいけないようなケガをしていることと、治療だけでは痛みなく踊れるようになれない理由についてお話ししていきましょう。 バレエは痛いものではない 確かにね、バレエをはじめスポーツで体を使えば、ある程度の痛みが出るときがあります。 筋肉痛の痛みだったり、疲労が溜まってだるい、トウシューズが下ろしたてだから違和感がある、とかさ。 だけど、これらが週に3~4回、1回2時間のレッスンを受けているだけで「毎日」起こることはありません。   例えばバレエ学校に入ったばっかりで、いきなり毎日5時間、今までとは違うレベルで、違うジャンルのダンスも科目に入っているような、 踊る生活に体が馴染んでいなくて、痛いということはあるかもしれません。   プロになって毎日公演があるっていうときにも、振付の関係上、同じエリアを何度も使うから慢性の痛みが出ることがあります。   だけど、これらは小学生がバレエスタジオでやっているわけないんですよ。 成長期に体の回復が間に合わないくらいの練習量 偏った使い方で痛みが出る…

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癖を取る、癖を付ける・・・ テクニック克服のヒント

12歳の子だろうが、20歳でセミプロだろうが、 コンディショニング、トレーニングをしている時にやっている事。 それは 癖をとること と 癖をつける事 です。   そして、この「癖をつける」、つまり無意識で出来る状態まで持って来る、というのは テクニック克服のヒントになるんです! どうしてか?って部分を今日のブログでお話します。 癖を知る 癖を知っている人は癖をとることから始められますが、 それすらわからない人の場合、自分の癖を知る事から始めます。   ここでいう癖って体の事だけでなくって、考え方やメンタルも含まれます。 辛かったら力を抜いちゃうのか。 頑張ろうとして無駄に力んでしまうのか。 30分以上経つと頭が次の予定を考えてしまうのか。 他の人と比べてしまうのか。 何を見ているのか分かっていないのに鏡ばかり見ているのか。   これらも立派な癖です。 そしてこれを知らなければなおせませんよね。   癖を「正しく」知るというのも大事です。 私は肩が上がっちゃうんです。 というのは癖を知っている事になりません。   腕の動かし方が悪くて肩が上がっている…

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サプリメントとしてのエクササイズ #2016春期来日ツアー

  今年で5年目となるダンサーのためのボディコンディショニングセミナーはいつも通り東京で行われました。 #2016春期来日ツアーのテーマはTシャツにも書いてあった通り 「違う結果が欲しかったら、違うことを試さなきゃ」   私の中でも色々と違うことを試しました。 初めての場所、人達、ゲスト・・・ 5年も続いた東京セミナーでは何を変えたのか?   ストリームライン化しました。   エクササイズの数をがつっと減らし、だけど「正しく」できることにフォーカスしたのです。   毎日のようにDLSには相談メールが来ます。 ほとんどは○○を上手にするためのエクササイズ。   最近、特にDLSでバレエレッスンを行うようになった去年からひしひしと感じているのは、 餅は餅屋。 という言葉です。   ダンサーは踊らないと結局上手にならないんです。 いくら足の裏の筋肉を鍛えても、ポワントで踊らないと、ポワントでは踊れるようになりません。 ターンアウトのための整体に行っても、レッスンで使えないと意味がありません。   特に教師の人達はエクササイズが好きな傾向にあるのも気づきました。 もちろん、正当な理由から。 生徒がケガしているから、普通のレッスンに参加できない。 他のスタジオからうつってきたので、基礎が出来ていない。 受験で休んでいるからその時のエクササイズ・・・  …

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芸術性のための筋トレ

芸術的な引き上げ、という記事は不思議な記事だったと思います。 解剖学的に引き上げを説明していた、と思ったら実はフィーリングコレクション、 つまり感覚で理解する注意だったりね。   解剖学はツールであり、言語であり、ルールである。 最近、とっても感じることの一つです。   解剖学はツール。 例えば、一見バレエに向いていないような生徒をより早く、確実に上達させるツールになります。 体の構造をしって、どうやってバレエで使うのかを理解しレッスンでできるようになったら、 ただ、真似して動けるように見えるナチュラルダンサーよりも 上手にさせちゃうこともできるツール。   また、ケガをした時のリハビリでも早く復帰をするためのツール。 体を理解し、どうやって動くのか?を考えることで、自分のケガを理解することができるし、 そこから復帰するためのガイドラインにもなります。 この関節はここまで動くはずだから、まだ100%ではないんだな、とかね。   解剖学は言語です。 この部分は色々な記事で説明してきました。 お医者さんと話す時に同じ言葉を使えると便利だし、 インターネット検索や、参考書を読む助けにもなります。 言葉は知っていれば知っているほど自分の幅が広がるよね。   解剖学はルールです。 事故ゼロを目指せ!という記事で書いた通り、 交通ルールをみんなが守れば事故が減るのと同じ。 教師もダンサーもみんな解剖学的、つまり生理的に正しい訓練をすれば、 ダンスから来るケガが減りますでしょう?  …

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エクササイズを「知ってる」と「やってる」

突然ですがみなさん、いくつエクササイズを知っていますか? これじゃあ、質問の幅が広すぎですね。 ではこれでどうでしょう? 「自分の苦手な部分を克服するためのエクササイズはいくつ知っていますか?」 ちなみにDLSではエクササイズを色々とご紹介してきました。 だから苦手な部分が肩関節の固さや、首のラインだったら 首のストレッチも、肩関節の可動域を上げるエクササイズも2つ紹介してあります。   腹筋エクササイズ版は6つの腹筋たち。 バランスが苦手だったら、バランスパットの使い方。   1番ポジションの立ち方も紹介してあれば、 片足フォンジュのレッスン法も紹介しています。 ストレッチの方法も説明していれば、 体の左右のバランスを整えるエクササイズも。   ここに上げたのは一例ですけどね。 まだまだあるんですよ。 無料で手に入る情報だけでも。 その他にセミナーや講習会などもありますよね。 (ここで上げた記事のリンクは一番下につけておきました。参考にしてください)   さて。 何が言いたいか?というと エクササイズを「知っている」という事と エクササイズを「やっている」って言う事は全く違う次元の話だって事です。   エクササイズを知っていてもやっていなければ筋肉は強くなりません。 筋肉が強くならないと、レッスンでは感じられません。 レッスンで感じられなかったら、舞台では使えません。…

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分からない事は、分からないから、わからない!

  題名を見て、なんだそれ?って思いました? 賢く、スピーディーに上達したかったら、このコンセプトを頭に入れておく必要があります。 大丈夫、一度分かるようになると、分かるから!   題名の説明はこちら。 自分の分からない事は、分からない事も分からないから、 結果どうやって勉強したらいいのか分からないので、分からないままである。   これで説明したの!?と思う方もいらっしゃると思うので、例を見ながら詳しく研究していきましょう。 例1 フェッテができないと悩んでいるダンサー 練習しているけれど、グランフェッテができない。だからいつも後ろに回されてしまう。 と言ってきたダンサーがいました。 (彼女はクラシックバレエダンサーではなく、ジャズダンサーでした)   そこで、何ができないの?何がいけないの?と聞いてみたところ、 「分からない」   何ができないのか分からないから、どうやって練習したらいいのか 「分からない」   必要な練習が「分からず」がむしゃらに繰り返すだけなので結果が変わらず。 本人は努力しているつもりだし、これ以上どうしていいのか「分からない」。 例2 いくつもセミナーを受けても指導が変わらない先生 子供の時にバレエレッスンはできてたと思ってたので、スタジオを開きました。 ひょっとした事からDLSを知って、教えるって、体って、こんなに複雑で、自分は何にも分かっていなかった…と凹んだ。   なので毎回DLSセミナーがある度に申し込んで、無料のビデオも全部見て勉強しています! ビデオを見ている最中や、セミナー会場では「うんうん、分かるようになってきたぞ!」と感じるんだけど、 生徒に質問されたら…やっぱり答えられないし、SNSで見る有名ダンサーがやっているストレッチを見ると「あーやっぱりこうやって指導しないといけないのか」と心が揺れる。…

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そのストレッチ、本当に役に立ってるの?

  バレエストレッチの代表といえば、スプリッツ。 アビーはスプリッツなんてお手の物で、 180度以上の開脚だってできちゃいます。 でも、 そのストレッチ、本当に役に立っているの? ということでチェック。   スプリッツは「前後開脚」と言いますね。 名前通り、 前に開く という動きと 後ろに開く という動きが必要になります。   では後ろからチェック。 後ろ脚は伸びているけれど・・・ 前の足がターンアウトしきれていないのが見えますね。 ということは、彼女のデヴァンは弱いのではないか? と推測できます。 (デヴァンとは前の事だから、前に足を動かすすべてのステップを指します) でもいい感じですよねー。   では前をチェック ここでズルの正体が見えました。 ハムストリングを伸ばしたときに見える体の固さ、 見えますか?   トレーナーの上からも見える腰椎の丸み。 そして骨盤のタック(後傾)!…

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バランスと反復とダンサーズライフ

鬼の愛で話題のこの記事で、 トレーニングには原則、って言うのが存在するんですよー だから鬼だったんですよーっていう 素晴らしくテクニカルな言い訳をさせていただきました。 まだ読んでいない人はこちらから。   今日の記事は他の原則をご紹介しつつ、 ダンサーの生活を見ていこうと思います。   今日取り上げる原則は 全面性の原則 と 反復性の原則 ではいってみましょー     全面性の原則 トレーニングでは、1カ所だけでなく全体的に体を鍛えることで 効果があがる、という原則です。 つまりバランス良いトレーニングをして、って事。   これをダンサーの生活で見てみましょう。 バーレッスン、センター、アレグロ、ポワント・・・ 全てにおいて全身を使って踊らなければいけないエクササイズたちばかり。   だからこの全面性の法則はオッケーじゃん? って思いますでしょ?   落とし穴として 1)同じようなアンシェヌマン。…

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鬼の愛とオーバーロードの原則

  2015年の私の中でのキーワードは 「バウンデリー」 でした。   それについての記事を書こうと思っていたのだけれど、 なんだか凄く重くなってしまったし、 長くなってしまったので、 もう少しわかり易くご紹介できるまで隠しておきます。       2015年隠れ(ていないけれど、Unofficialということで)キーワードは 「鬼の愛」 でした!!   セミナー参加者の皆さんはもちろんのこと facebookフォロアーさんたちも様々な人たちのブログ、 感想を既に目にしたかと思います。 どこでもちりばめられている言葉   鬼!   これね、一応(笑)トレーニングにおける原則に沿っています。 あとから言うと言い訳っぽい?   まー聞いてください。   トレーニングにはいくつかの原則があります。 そのうちのひとつは…

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