たかが親指、されど親指!ルルベを強くするためのストレッチ

  昨日、生徒と絶対にやりたくない職業、という話が出まして。 その時に彼女は「絶対に歯医者になりたくない!」って言ってました笑 口の中って汚いし、臭いし、腐った歯の根っことかあるし!!   その時、「トウシューズのくさい足を診る方が絶対マシだね」って言ったんだけど。 本当にその通りで。   私、ダンサーの足を診るの好きです。 だって、たっぷりヒントが詰まっているんだもの。 踊りの癖はもちろん、トウシューズが合っているか、どれだけレッスンしてるか? 何歳からポワントを履き始めたか?捻挫をどれくらい繰り返したか? なーんて見えてくるんですよ。   筋肉の具合を見ると性格まで分かります笑   変な人ーーーーーーーーーーー!   さて今日のテーマは親指。 親指については結構な数の記事がありますのでサイト内を検索してみて下さい。 今日は親指とデミポワント、つまりルルベを考えていきます。   つま先を伸ばしたい!という声はよく聞くのよ。 トウシューズで立つために大事だからね。 だけどよくみんなが忘れてしまう部分、それはデミポワント。 デミ、半分、ポワント、ということでポワントに立つための途中経過だよね。   それがしっかりとできていないと、フルポワントに立つ強さは作られません。 少ない面積でしっかりとバランスをとる 重心を正しいところに移動させる…

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ダンサーの足と表現力

やさしいダンスの解剖学という本はアマゾンによると1972年に原本が出版されたらしく、 もちろん内容もちょっと古い部分があるのですが、 70年代からこのような解剖学的アプローチが海外にあったということは画期的だったんでしょうね。 ちなみに日本語版になったのは1999年だそうで、言葉の壁というか、需要の壁というかを感じますが・・・   この本の第7章 足という部分の最初に書いてある言葉を引用します。   「・・・生まれつきの関節の形は変わるわけではないが、足については状況は違ってくる。 どのタイプのダンスにおいても、足にはかなりの役割が求められる。 特にバレエでは、特殊な役割が要求される。 足はしなやかで、かつ、手と同じように感受性豊かにならなければならない。」   9月に来日し、新しいセミナーたちをご紹介しようと思ったとき、おおきな壁がありました。 もちろん、それはこっち(バレエ学校やクリニック)の生活を犠牲にすること。 1月、5月、に引き続き9月のセミナー準備。 それに伴う仕事増加と、比例するストレスや、家族との時間の消失。   それ以外にも、こんなに来日したらみんなに飽きられちゃうんじゃないか?なんていう自信のなさも一つ。 これね、毎回そういうことを言うからスタッフに怒られます。 愛さん、ネガティブなこと言わないの!!って笑     どーしよーかなーとかなり長い間考えていたのですが、 ダンサーから足に対しての質問はおおいし 足のケガはダンサーにとって致命的で。(修復しない疲労骨折、手術の失敗、意味のないギブス・・・今まで実際に診てきたやつね。)   だけど、どうせDLSとしてダンサーの足セミナーを行うのならば、 足先が、甲が出るようになるマジックセミナー!! みたいなことは言いたくなかったし、形を追い求めたり、ただ解剖学を本から学ぶのは意味がないって思ってる。  …

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トウシューズの前に。ママが知っておきたいポワントレッスン

  12歳以下のポワントレッスンは足の骨の成長上、危険である。 これについては何度も何度も記事にも、セミナーにもしてきました。   だけど、「10歳、トウシューズ歴は2年」なんて生徒がスタジオに来ました、なんて聞くと悲しくなります。 ランドセルを背負って、姿勢良くしっかりと登下校をするのが大変な小学2年生にポワントで踊らせるなんて。   2014年に出会った9歳の子は右のピルエットは5回回れるのに、まっすぐ立ってプリエは出来ませんでした。 ちなみに足は変形し、内股の筋肉はなく、スカスカ。膝の骨がぶつかって痛い、という1番ポジションでした。   最近頂くメールでお母さん方が気づいているケースも多いようです。 娘の体のためにお教室を変えるべきか。   とは言っても、お友達はいるし、送り迎えが出来る距離も決まっているし。 おかしなレッスン内容だけれど、それが正しいのかもしれない。 だって私はダンサーじゃないから。   今日はそんなポワントレッスンについていくつかの視点で見ていきましょう。 既に解剖学的な事はほかの記事でお話ししているので、今日の視点はママパパとしてよく見るであろうものを選抜しました。   ソーシャルメディアとトウシューズ 確かに、YouTubeでもすごく若い子がポワントで踊っています。 ただ、YouTubeでシェアされるバレエビデオってすごい!とか、びっくり!とか気持ちを煽るものではないでしょうか? あと猫。 猫って変な事しますよねー。   キーワードは「普通と違う。」 普遍的な物はシェアされません。 だからそれが普通だとは思わないでください。 普通だったら、どんなスタジオでも見かけられたら、ビデオになってみんながシェアする訳ないんだから。…

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クドゥピエとクッペと足先強化

この前かま足とフィッシュの足を説明したときに、 ちらっとクドゥピエというポジションをお話ししました。 その後に、クッペとクドゥピエについて説明した方がいいなーと思ったので 今日の記事にいきましょう。   クッペとクドゥピエの違い知っている人どれくらいいますか?   ふふふ。 いきなり言われたら分かんなくなっちゃう?   言葉の意味 前回説明したように、 クドゥピエ=足の首、 つまり足首を指している、という形のポジションでしたね。   ではクッペは何だろう? カットされた、した、という意味です。 フランス語だから、バゲットの種類でもクッペというのがあるそうですよ。   「クラシックバレエテクニック」という素晴らしい本には、 クッペは5番ポジションを通過する動きで、 支持脚が入れ替わる   と書いてありますが、入れ替わらないシラバスもたくさんありますし、 私は入れ替わる必要がない、と習っているのでそのままで。   足が入れ替わろうが、そのままだろうが。 ジェスチャーレッグ、つまり動かしている足で 軸足の足首をカットしているかのような動きを指します。  …

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かま足とフィッシュ ダンサーの足をみる

    今まですごい量のブログを書いているDLSですが、 (ブログと呼ばない、と言われた事がある。やけに長いらしい笑 記事って言うべきかな?)   今まで「かま足」という言葉が出てきた事は 2回だけ。 しかも長い記事の中に一言ぽつん。   バレエやっていたら誰だって知っている事実。 かま足はいけない。 だから、別に今まで記事にした事がなかったのです。   だってみんな知っているでしょ? かま足の見た目も、 レッスンでかま足を使う事がない事も。   でも大人バレエトレーニーさん(大人でバレエレッスンを受けている方々をDLSではトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます)や、幼い子供たちのレッスンでは 見られる現象なので一度しっかりと見ていきましょうか。   かま足の正体 かま足の正体は足の「形」ではなく、 足首と指の強さが大きく影響する足首の「動き」です。   足首が内側に曲がってしまうと、かま足の形になり、 親指、人差し指を曲げる筋肉たちが弱いと かま足を助けてしまいます。   つまり、生まれつきかま足だから治らない・・・…

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足がロールインしちゃうのはなぜ?

ロールインって言葉、聞いたことあります? バレエをやっていると知っていますよね。 俗にいう、アーチを落として立ってしまっている、という状況。 !注意! アーチが落ちる=ロールインではありません。 俗に言われているだけで、この2つは一緒に起こることが多いのだけれど、同じ事を指しているのではないよ!     ともちゃんの足をみながら、 外反母趾についてお話ししたときにちらっとロールインについてお話ししましたが、 (まだ読んでいない人はこの記事を見てね) 今日はロールインの正体を見ていきましょう。   ロールイン=回内足(かいないそく) ロールインしている足の事を解剖学上では回内足、というそうです。 私は日本語が苦手なので初めて知りましたが・・・ 英語ではpronationと言います。   足首の距骨下関節、と呼ばれる場所で起こる動きで、 動き自体は自然な事なんです。 (なんだそれ?って思った人、 別にダンサーは知らなくていいです。 足首の下あたりって感じで大丈夫) 普通に生活し、歩いたり走ったりするときに必要な動きなの。 これが地面からの衝撃を和らげてくれるんですもの。   だから、電車に乗るためにコンクリートの上をダッシュしても、 脳震盪にならないって訳 (良い子は真似しないでね)  …

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ポワント強化エクササイズクラス DLSセミナークラス作りの裏話

もう皆さんご存知のように、DLSでは年に2回、来日セミナーをしています。   冬のセミナーでは舞台で輝く為のレッスン. 留学のようにバレエ浸けの生活で自分を深く知ろう! という事がテーマでした。   解剖学を考えても、体は綺麗に動くのだ、ということ。 そしてテクニックを上達させると、シンプルなエクササイズさえ美しく見える、 という事を体感してもらいたくって作りました。     春のセミナーではそのための体作りがゴールです。 つまり、正しくレッスンに作れるための「体」を作っておくことで、 レッスン中の注意がより早く身につく。 ということは短期間で上達できる、っていう魂胆です。     春にはスタジオ訪問という事をしています。 これは地方のダンサーにもセミナーを受けて欲しい、という気持ちから、 私がスタジオに参ります! そしてそのスタジオのゴールに合わせてクラスを作っていきます。   例えば年齢、バレエ歴、発表会の内容・・・ こんなことを配慮しながら主催者のスタジオの先生と話し合っていきます。   今年で3年目のスタジオ訪問になる、SKバレエスタジオからのリクエストは 「中高校生向けにトウシューズ強化のエクササイズクラスをやってくれないか?」 というもの。   ポワントのみのクラスを作ることが難しい日本では必要な考えですよね。…

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「つま先を伸ばす」を深ーく考えてみる。パート2

久しぶりのシリーズものです。   この前は「バレエ」という芸術の中の「つま先を伸ばす」 という意味を考えてみました。   そして行き着いた結論は「見た目」 美しいラインを作りたいから伸ばしたい。 というところ。   だけど、「美しい」って人によって曖昧。   トレーニングのためだけ、 つまりバレエを芸術としてみるのではなく、バレエ「の」トレーニング、としてみたときに   見た目・・・ジェスチャーレッグ 使い方・・・ジェスチャーレッグ、軸足 強さ・・・軸足   という3つのポイントを 舞台上でしっかりと「使える」ように練習する必要がある。   という事をお話しました。 ・・・ したんですよ。 不安だったらパート1に戻って考えてきてね。   さて今日はこの3つの点をもう少し掘り下げていきます。   これら3つのカテゴリーがカバーできていないと美しいつま先とはいえません。 が、伸びたつま先、というのはステップをただ単にこなすだけならば必要ありません。…

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「つま先をのばす」を深ーく考えてみる。パート1

つま先をのばしたい! 足の甲をのばしたい! つま先が綺麗なりたい! こんな悩みはどこでも聞きます。   バレエ学校。 クリニック。 ブログ。 メール。 どっかのネットフォーラムとか。   どの筋肉を使うべきか。 どうやって強くするか(←強くするってどういうことかも考える必要があるね) なんのエクササイズが効果的か? などなど、質問は耐えません。   つまさきが綺麗になるってなによ? のばすってどこまで伸ばせばいいの? 解剖学的に言うとつま先を曲げているんだけどね。。。?   つま先を伸ばすエクササイズについてはこちらに書きました。   今日は単に 「バレエ」という芸術の中の「つま先をのばす」という意味を考えてみましょう。   バレエをスポーツと仮定した場合、つま先の伸びに点数がつくはずです。 つま先がかかとの骨よりも下がっていれば3点。 甲の部分がまっすぐになれば1点。 つま先が足首よりも高くなれば減点。  …

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ダンサーの捻挫 テープ?サポーター?それとも・・・

この前、サッカー選手が治療に来ました。 彼曰く。   「何度も捻挫したから靭帯がほとんど残っていないんだ」 「だからいつもテーピングしているんだ」   と誇らしげにテープ負けした酷い皮膚を見せてくれました。   自慢するところなのかっ!?   ま、コンタクトスポーツであるサッカーでは、 自分の力ではコントロールできない分野でのけがが多くあります。 タックルされたり、足をかけられたり。   そのときのダメージを良くしておくんですって。 テーピングをすると。   踊っていて起こる捻挫にも外部からの力の場合と、自分のせいで起こる捻挫があります。   が。 圧倒的に、後者、つまり「自分のせいで起こる捻挫」が多いです。   どれくらい多いか?というと 私がここ5、6年ダンサーを治療してきた上で、 リフトで失敗して酷く捻挫したケースは一度しか見ていません。   「あれ?思ったより床が近かった!」 ぐきっ!   それ以外はジャンプの着地で失敗。…

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