二重関節っていったい何?

二重関節という言葉はバレエを含め、体の柔軟性が必要なスポーツを行う人たちなら知っているでしょう。 今日はその言葉について、お話ししようと思います。   まず最初に。 二重関節、という言葉は解剖学用語でも、医学用語でもないそうです。   私は解剖学を英語で勉強したので二重関節とはdouble jointed となりますが、これも医学用語ではありません。 つまり解剖学的に、医学的に見た時に二重関節の人間とは存在しません。   ですから、「彼女は二重関節だから脚があがるんだ。わたしは無理」というのはお門違いもいいところです。 そんな事を言っている暇があるのなら、ストレッチに励みましょう。   ではいったい全体、二重関節ってなんなのさ?   という事ですよね。   二重関節というのは関節過度可動性という症状の事です。 そう、症状なの。   もともと生まれ持って体の柔らかい人っていうのは存在します。 また、年齢によって体の可動域=柔軟性も変わります。   赤ちゃんの体が柔らかくってお年寄りの体が固い、というのは簡単に理解できるでしょう? 妊娠中の女性もホルモンの関係上体が柔らかくなりますしね。   では「体の柔らかい人」と「関節過度可動性」の人の違いは何でしょう?   関節過度可動性は、遺伝であることが多いです。 なぜならこの可動域を決めるもの、それは靭帯だったり、骨の形だったりするからです。…

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バレエ解剖学 関節:動きの生まれるところ

*このブログは2013年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   今日は解剖学基本編として、関節についてお話していきたいと思います。 皆さんの知っている通り、「骨自体」は動きません。骨だけ勝手にどっか行っちゃわないし、動きを作ろうとしたら…折れてしまいますよね。   じゃ、動きはどこから生まれるのか? その答えは関節が握っています。 関節はダンサーにとってとても大事 強いテクニックを繰り出す脚、ダイナミックな跳躍、そして雄弁な腕の動き… 人間の全ての動きは骨と骨がぶつかるところ、関節から生まれています。   つまりダンサーが求めている柔軟性とか、俊敏な動き、柔らかいプリエとか全てを練習する前に、 「筋肉」が「骨」を「関節」から動かしている という事実をしっかりと理解する必要があります。   そりゃそうだ(本日1回目)って思うでしょ。 でもさ、ストレッチしてる時関節の構造とか動く方向、動く範囲とか気にしてる? ダンサーの多く(そして指導者の多く…)は関節を大事にしていない気がするのよ。   関節の動く方向や動く範囲ではないところでギューギューストレッチする 関節を守る筋肉は「太くなるから」嫌い ウォームアップやクールダウンなど体のケアをしない こういう事をしていると関節を健康に保つことが出来ません。   Joint healthなんて言い方もするんだけど、関節の面倒を見てあげていないとケガします。 痛み、ケガ、変形などから動きも制限されてしまいます。 動きが制限されるって、ダンサーにとって致命的でしょ? →ストレッチを指導している先生なら絶対に受けておいてほしい教師が知っておきたい柔軟性講座詳細はこちら 関節の構造…

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