愛さんのバレエ留学記 留学の現実

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高校3年生でトライしたオーディションでメルボルンにある2年生のバレエ学校留学を果たしたけれど、

現実はそんなに甘くないっていうか、全然甘くなかった話。

オーディションについてはこちら、留学準備はこっち

 

前回も書いたけれど、オーディションに受かった=留学の準備終了ではなく、そこから色々とリサーチしたり準備するべきでした。

そうすれば同じ留学期間がもっと充実して、濃くなった事でしょう。

 

留学する前に知っておけば良かったことの一つはリカバリー

 

一緒に留学した子達は私のほかに3人。

その中で一人だけ飛び級させてもらったので、周りからは誰?みたいな感じで見られていたのは知っています。

楽しかったよ、最初は。

 

ワガノワバレエ学校卒業の先生と、レッスンピアニストとのレッスン。

そんなに好きじゃないロシアンキャラクターと、小さいのにパワーのある先生、

つまらないけど楽な笑 コンテンポラリークラス。

すぐにリハーサルもあったし!

 

なんて、生活はすぐに終わりました

痛みはどんどん酷くなり、どんどん太っていく。

それと比例してなのか、クラス担当の先生は全く見てくれない。

結果、ドクターストップで踊れない時期が6か月以上も続きました

 

床に座り、クラスメイトを見ているだけ。

それが私のバレエ留学生活。

なんでバレエ留学して踊っていないの?という気持ちはずっとありました

 

それまでの食事管理って親がやってくれていたんですよね。

確かに朝ごはんを「選ぶ」ことはしたけど「事前に買っておく」「常備しておく」というのはやっていません。

学校の給食だって、お弁当だって、夕飯だって「出されたもの」からチョイスするっていうのは、食事管理している、とは言わないんだよね。

レッスンも、エクササイズも一緒。事前に考えて、ゼロから自分でやるって大事。

今なら分かりますが当時はそんなこと考えなかった。

 

ドカ食い、隠れて食べる、嫌悪感から食べない…の繰り返し。

友達のランチ、寮のごはん、スタジオ前のカフェのマフィン(時間になると安くなる)…恐ろしいほど食べ物に執着していました

摂食障害とは知らなかったよ、だってそれは周りの子達もやっていることだから。

「ダンサーの普通」

摂食障害って食べて吐く、だから細い人だけだと思っていたけれどそれも間違いだというのは今は知ってる。

 

痛いからレッスン休むというのも「ダンサーの普通」。

踊らないって事はエネルギーがいらないから食べなくてもいいっていうのも「ダンサーの普通」。

なのでレッスン出来ないくせに食事するなんて、なんて怠け者だろうと本気で考えていました

 

何をしていいのか、誰に相談していいのかわからなかった。

何か出来るかも、知らなかった。

 

今でこそ、DLSを通じて

怪我したって出来ることがあるよ、レッスンを見学しているときにでもやることがあるよ!という記事や、

セミナーで勉強できる場所を提供しているし、冬期バレエ講習会は留学模擬体験をしてもらう場所として作りました。

レッスンが出来ないときのエクササイズに至っては3冊の本に渡っていろいろと紹介している。

 

でもこれは…後から知ったことなんだよね。

言葉通り、後の祭り。

19歳の愛ちゃん(そう、このストーリの中で1歳年を取りました。6月生まれなので。)は知らなかった。

 

出来ない事だけにフォーカスし、人に会うのも嫌で。

鏡を見たら嫌悪感、寮では食べたら体重計にのる、起きたら体重計にのる・・・の繰り返し。

 

でも留学するために海外にきたんだから、毎日律儀に学校に通う。

そう、ギブスしたままで歩いて。

だって、有酸素運動ってダイエットにいいんでしょ

 

スキャンやドクターに通う中でお金がかかっていたので、罪悪感から無駄なところで節約する、というのもやっていました。

例えば、近所にプールがあったのに、それは「勿体ない」

でも90セントで買えるクッキーは安いから大丈夫。

成長するための価値観・金銭感覚からは相当遠いよね。

 

節約って良くないんだ、というのもDLSを始めて初めて知りました。

投資、と考えるのはいい。

必要な知識のためなら、必要な治療ならば、そこに投資するのは無駄ではない。

自分を幸せにしてくれるんだったら、友達とカフェに行くのもいい。

 

周りに流されて、必要ないものを買うっていうのが無駄なだけ。

脂肪を吸収させないサプリメントとかね、マツキヨで何箱買ったことか

 

DLSでセミナーし始めて6年、そして12月末に行ったアンケートでも顕著なのは、

  • 勉強したいけど、お金がない。
  • 安ければ(無料ならば)やる。
  • 時間が出来たらやる。

という意見。

そしてこれは言い訳だとわかっています。

なぜか?というと実際に実験して、そういう人の何人かに無料や、半額などオファーを出してみたから。

そうしたらね、今度は時間がない、やっぱり無理、考えてみます、などの返事で終わり。

 

自分への投資をする人は海外からでもセミナーに参加してくれるし、

一生懸命貯金して2千円しない本を買い、無料のイベントに参加して、いっぱい質問してくれる。

だから勉強してきたんだな、ってわかる。

 

どこで投資して、どこで節約するか?

なんのために投資(節約)するのか?

これが留学して、自分で金銭管理する前に分かっていたら良かったなぁと感じます。

 

治療を受け、リハビリをして早くレッスンに復帰した方が、留学費用を払いつつ踊れない6か月強よりも全然いいわけですよ…

 

全てがマイナスじゃなくって。

ここらへんで、今や仕事としている解剖学との運命の出会いがありました。

この時期がなければ、今の私もDLSもなかったから、結果オーライなんだけど、

そうでなかったダンサー達、摂食障害から体も心も壊れて、体を使う職業はもちろん、普通の生活に戻れなかった人達が沢山いるのは知っている。

 

幸い、ケガは歳月と共に良くなってくれたので、レッスンに復帰しました。

が、その後の方が大変だった。

最初のケガはまだ気持ち的に楽だっていうのは、2回目のケガをしたときに気づきました。

 

復帰したと思って、泥沼から出たと思って、これから挽回するぜ!って思って。

それでまた動けなくなる。

周りからは「あいつ、まただよ…」という目で見られる。

そっちの方が何倍も辛い。

 

ま、その話はまた今度

 

Happy Dancing!

 

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