「レッスン中の英語は分かる」という人へ
留学生でも、海外の先生のセミナ―でも、シチュエーションは何でもいいのですが、
「レッスン中の英語は分かるンだよね。」
「なんとなく言われたことが分かるンだ」
「会話になると・日常生活だと分からない」
という人がいます。
そして英語力って気になる人も多いみたいなので「バレエ留学に必要な英語はどれくらい?」という記事で少し説明しました。
今日の記事はその続き、というか応用編というか。
レッスン中の英語が分かるのではない
まず最初にここをしっかりと説明しますね。
レッスン中の英語は分かるンだよねーというのは「分かっている」とは言いません。
国語の授業を考えてみましょうか。
読めない漢字が出てくることもあるし、イマイチよく分からない表現があったりするでしょう。
でもね、その部分を完全にスルーしちゃっても、内容は何となく分かるンですよね。
新聞を読んでいてもそういう事ありますよね。なんとなくこのニュースの感覚がつかめた、みたいな。
これがレッスン中の英語が「わかった」気分になる秘密です。
他の部分がなんとなく分かれば話のニュアンスが伝わるように、
言葉がよく分からなくても、アンシェヌマンの名前は日本語でも英語でも一緒だし、
周りの子が動いているし、そして何よりも先生も動いているから、あーこういうステップね、よしよし。って考えられるの。
でもそこには、
- 自分勝手な解釈が入っているかもしれない
- 100%先生(国語だったら筆者・著者)の言いたいことが伝わっていない
なんて問題が生まれてきます。
もっと困っちゃうのが、レッスン中は先生から見ても英語が分かっているように見えるのですよ。
上で挙げたように、なんとなく踊れちゃうから。
そのくせ、言われた注意ができなかったり、提出しなきゃいけない資料の英語があまりにも下手だったり、インタビューで答えられなかったら
「この子、バレエばっかりやっていて、他のことは聞いていないじゃない!」
って誤解されることがあるのです。
何のためにレッスンを受けているの?
海外でレッスンを受けるとか、ワークショップに参加するとか。
これらのことをするのって「上手になりたいから」でしょ?
だってね、日本にいたら絶対にできないアンシェヌマンってないんですよ。
その気になれば毎日踊ることだってできます。
日本のバレエスタジオ数は世界でもトップだと言われているし。
じゃ、なんで留学だったり、ワークショップだったり、講習会にいくのか?
それは、その先生に習いたいから、とか新しい環境でチャレンジしたいから、同じような夢を持った子達と一緒に踊りたいから、とかそういう理由じゃない?
もしそうだったら・・・
先生の注意が100%分からない環境で練習していて、本当に満足ですか?
ただいつものレッスンで踊っているだけじゃ上手にならない、って気づいたから他の場所でチャレンジしているんでしょう?
でも言われている事が分からなかったらいつものスタジオにいるのと同じじゃないの?
別に、ネイティブみたいにペラペラになりなさい!ではないですよ。
英語ができないとプロになれない、でもないですよ(とは言いつつ、契約書とかは英語ですし、カンパニーでは毎年ディレクターとインタビューがあって話しあうことが必要なんですけどね・・・)
プリエが深く使えれば、ジャンプや踊りの流暢さに変化を付けることができますね。
脚が高く上がれば、その分表現する幅も広がりますね。
体力があれば、毎回レッスンでたっぷり筋肉を使いきって鍛えていくことが出来ますね。
それと同じように、語彙力があれば、その分理解できる内容が増えるのです。
理解できる内容が増える、という事は上手になるヒントや、アドバイスをより多くゲットすることができるって事。
周りが助けてくれる…を当たり前にしない
だいたいのバレエ学校では周りの生徒たちが助けてくれます。
例えば私のバレエ学校であれば、既に日本人留学生がいるし、私も教師として働いていますから。
でもね、それはセーフティーネットなんですよ。
わかる?
サーカスで綱渡りをしている時に、下に引いてあるネット。
万が一パフォーマーが失敗して落ちた時にケガしない様にある奴ね。
(といってもケガしますが、まー死なないだけマシということで笑)
それが、周りの助けなんです。
自分で頑張って、それでも分からなかったら聞けばいい。
どうしても分からない、医学英語だったりとか資料とかがあったら聞けばいい。
だけど、最初から誰かがやってくれるもーん!としていたら留学の意味がないですね。
家族・バレエの先生が助けちゃう
今日の記事は英語の話、みたいだったけれど実は留学などを考えている人は聞いて欲しいことをまとめてあるンです。
そして、最後の項目は「家族が助けちゃう」というところ。
留学やセミナーの情報を探してくるのも、手続きの資料も、ビザも…
お母さんが、お父さんがやってくれた、というのが非常に多いです。
これはダンサーをサポートしているように見えるけれど、サポートになってません。
家族と仲良しがダメだ、ではないんですよ。
だけどね、そういう子達の方がホームシックになります。
そういう子達の方が、留学後日本にいるのが心地よくって…ってプロへの道を諦めてしまいます。
バレエの先生がいつでもお世話してくれて、面倒見てくれている子の方が、自分で作業をするのが苦手です。
あと、大人との会話の仕方を知らない事も多いですし、自分で質問するってのも苦手です。
いつも先生が代わりに答えてくれちゃうから。
9月にはうちのバレエ学校のオーディション・ワークショップがあります。
2018年に18歳になる子達はオーディションでも、ワークショップでもどっちでも良く、年齢以下の子達はワークショップとして受講できます。
オーディションの子達はその後、インタビューがあるそうです(必要な子のみ)
英語です。
私が通訳にいますよ、だけど上で書いたように「サポート」でいます。
ACBに留学するって決まったら、私が色々お手伝いをします。
でも「お手伝い」です。全部はやってあげません!
どれくらいの英語が分かるんだろう、と気になった子は是非9月24日のワークショップ・オーディションに参加してみてください。
そして「レッスンの英語は分かる気がする」というと「英語が分かる」の違いを感じてみてください。
そうしたら、どんな準備をして留学に備えればいいのか見えてくるはずですから。
Happy Dancing!