上手な子と上手になる子を研究してみた。

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上手な子と上手になる子を研究してみた。

題名をみて、なんだそれ?って思った人が多いと思うけれど、先生方は「そうそう」って思う生徒達をたくさん知っていると思う。

 

上手な子と、上手になる子。

この事について今日はお話していきます。

上手な子って?

上手な子、というのは文字通り、上手な子です。

回転もできるし、体型もいいし、いつもスタジオではいい役をやってる。

コンクールでも何度か入賞しているし、みんなからはちやほやされる。

単発ワークショップなどでも、講師の人に気にいられる子たち。

 

これを上手な子と呼びましょう。

 

上手「になる」子とはどのような子なのか?

努力のできる子のことを指します。

この半年でググッと伸びる子。1年で全く違うダンサーに見える子。

そのような子の事をさします。

 

確かに、いくら上達した、といっても上手な子と比べてまだ劣っている部分があるかもしれません。

ただ努力ができるのでコンスタントに上手になっていきます。

 

1日以上の講習会や、予選でバーレッスンから始まるような将来が決まるコンクール、

そしてオーディションで「ポテンシャルがある」と形容されるダンサーはこちらです。

 

ポテンシャル=伸びしろですからね。

数日でこんなに伸びるんだから、ウチで育ててあげたい!と思わせる事が出来るという子達。

 

ケーススタディ Aちゃん:上手になる子

バレエ学校に入ってきた時、開脚もできなくって、体力もない。

そんな子がいました。

踊るのは好きなんだけれど、足の甲が自然に伸びる、とかではない。

 

1年後。

彼女はとても上達していました。

毎日努力している姿は見えるし、レッスンには真剣に参加します。

言われたことがすぐにできるわけではないかもしれないけれど、頑張っているのが分かる。

留学当時目についたO脚は、先生たちから指摘されるほどにきれいなラインに育っていきました。

 

卒業公演では、ソリスト役をいくつも貰い、学校公演では活躍しまくっていました。

しかもトレーニングも続けていたので体も強く、ケガせずに踊り終えました。

 

ケーススタディ Bちゃん:上手な子

すごく上手な子でした。

いきなり2年生にあがるし、いつもクラスでは真ん中。

1年目の試験結果も素晴らしい。

 

・・・

2年目。

やっぱりいい役は踊っているのですが、何も変化なし。

元々、他の子たちよりもずば抜けていたのでまだいい役だし、試験でもいいんだけれど。

2年前に注意されていた膝の裏を伸ばしなさい、という事も、

肘を伸ばし過ぎない、という注意もやっぱり出来ていない。

 

脚の強さだけで踊ってしまうため、下半身のラインが育たない。

トップで卒業したのにも関わらず、仕事が見つからず。

だけど留学前のスタジオではちやほやされるから、そこで落ち着いています。

 

 

ケーススタディ Cちゃん:上手になる子

元々上手だったのだけれど、ずばずば伸びたのが彼女。

前に記事でちらっとお話したので覚えている人もいるかもしれません。

 

ローザンヌにてディレクター達の前で踊ったけど結果はあまりなく、帰国。

その後、オーディション巡りで同じカンパニーのディレクターに「6か月前よりも上達しているから」といって契約をもらった子。

 

見ている人は、見ているのよね。

ダンサーの「素質」。

 

ケーススタディ Dちゃん:上手になる子

本当にバレエがやりたいか疑問に思って1年踊ることをやめた子。

 

その後、やっぱり踊りたいんだ!という気持ちが強くなりバレエ学校に入学。

ケガの手術で休んでいたり、1年踊っていないとか、年齢が他の子たちよりも上、という事もあったけれど、

2年後、オーディションにて世界でも有名な作品オーディションに受かり、世界各国からのダンサーと一緒に舞台に立ちました。

 

年齢もブランクも、彼女には関係なかったよって話。

 

ケーススタディ Eちゃん:上手な子

バレエ学校で主役も務め、いつでもトップ役を踊っていた彼女。

顔だちも美しく、本当にザ・お姫さま!

だけれど、1年目の踊りも、3年目の踊りも一緒。

 

オーディションにいくもどこも引っかからず、結局バレエを辞めました。

 

 

結論:上手になる子に必要なものは?

上手「になる」子は別に並外れて体型がいい、とかテクニックがある、とかでないケースが多いです。

だけれど、気持ちは誰にも負けない。

  • メンタルが強い
  • 努力が出来る

そして

  • いい先生がついていて、その先生を信頼している場合

上手になる子になるみたいです。

 

ここでご紹介した上手になる子たち、誰一人として、レッスンの内容はスケジュール、先生の愚痴は言っていませんでした。

 

だけれど、上手な子は愚痴も多く、先生に言われた注意を信頼していないよう。

「こう言われたけど、私はできない」

「どーしなさい、って言われたけど間違ってると思う」

とか決めつけている部分が多かった。

 

メンタル、気持ち、というのが決め手になるのは10年以上こうやって生徒たちを見ていると分かる事。

そして努力をするのも才能の一部

 

ただ「信頼関係」というのは両方向で起こることです。

先生のいう事を、ただ闇雲にYESと答えるロボットがいいダンサーになるわけでは決してありません。

生徒が努力していても、先生が正しい方向に導いて上げないと上達しないからです。

 

早く効果が出ないと、時間や金銭的に厳しい場合もありますし

(仕事が決まらないまま、レッスンを受け続けオーディション巡りをするにはお金がかかります)。

ケガしている生徒をサポートし「上手になる子」に持ってくるのも技量がいります。

その子たちは先生との信頼関係はもちろん、自分の体との信頼関係を築き上げなければいけないからです。

 

生徒がどこから勉強の大切さや、努力を学ぶか?といったら

小さいころからお世話になっている先生の後姿を見ている事が多いのね。

だって、保護者以外で一番長い時間を過ごすローモデルになる人じゃない?

 

だから先生が言葉だけでなく、背中で&行動で柔軟に新しい知識を取り入れて、練習し続ける努力が出来る様子を見せるのは大切になってきますよね。

生徒&先生の二人三脚はやっぱり必要みたいです。

 

  • 生徒のポテンシャルを無駄にしないために、将来をつぶさないように勉強したい先生向けのバレエ解剖学講座詳細はこちら。
  • どこから努力していいのか分からない…という子はまずはボディコンサークルで週に一度、体の声を聞き、コンスタントにエクササイズしていく習慣を作りましょう。

 

Happy Dancing!

ai

 

 

 

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