メイクとオーディションとプライドと。


メイクとオーディションとプライドと

バレエ学校の試験に対しては何度も記事にしています。

私の働いているバレエ学校は、毎年何人ものプロダンサーを送り出していますが、

それでも規模で言ったら中堅どころ。

 

大きなバレエ学校になると、最終学年の試験に

様々なバレエ団のディレクターが見に来ることは知っていますよね。

つまり、試験だと思って挑むよりも、オーディションだ、と思って挑んだほうがいいんです。

 

そこでオファーが来る人も多いし、

その前に既に契約が決まってしまっている人もいます。

17,18歳で将来を左右する踊りを踊り、

そのプレッシャーに負けないだけの精神力を作らなければいけません。

 

これね、バレエの世界では当たり前なんだけど

普通の学校で言ったら高校2,3年生。

将来何がしたいか分からない、

とか、

大学受験が終わって遊ぶぞーなんて思っている子達の年齢で、

ディレクターと話し、契約書を読み、色々なところを一人で回ってオーディションをするのです。

 

という事は、毎年行われる学校の試験は、

オーディションの練習、って考えられますよね。

 

振付を覚える、注意を体に入れる。

なんて事はもちろん、

 

テクニックを完璧にこなす。

集中力を切らさない。

なんてところも練習できます。

 

ここらへん、日本人の子達は得意です。

 

が。

苦手なところ。

それは自分を綺麗に見せるという意識。

 

自分を綺麗に見せる。

というとなんだか表面的な感じがしますが、

バレエというのは視覚芸術。

見た目が芸術なのですよね。

 

自分が一番綺麗に見える、という事は、

お団子の高さから

メイクの仕方から、

タイツの色の選び方から。

 

そういうところ。

 

オーディションでも大切なところです。

だって、300人とか来るんですよ?オープンオーディション。

そこでどれだけ自分が「出来る」ダンサーなのかを見せなければいけないの。

 

ここでいうメイクって言うのは

舞台メイクではなくって、普通のメイクなんですが、

これが出来ていない人が多い。

 

校長先生いわく、

「自分の行っていることにプライドを持ったら、

身づくろいだって出来るはず。」

という事で。

 

日本ではパーティーみたいなシチュエーションがないから

TPOに合わせたドレスアップが出来ないのかな?

だから高級ブランドショップに酷い格好でくるのか?

なんて思ってスタッフと話していたら

一言。

 

「先生が教えていないんじゃないの?」

と。

 

あ、そーか。

習慣やカルチャーを言い訳にしたらダメだって事ですね。

 

特に海外で踊りたいって思っていたら、

その世界で求められているものが出来ないと。

 

 

 

 

そういえば、高級クルーズシップでダンサーをやっている友達も

同じようなことを言っていました。

 

仕事時間中は、踊っていなくても綺麗に着飾って接待しなければいけない。

 

これは契約書に書かれていることだそうで。

 

高級感を味わうのが売りなんだから、

スタッフだって一段階上をいかなければいけない。

そういったエクスペリエンス(体験)を求められているのだから。

だそうだ。

 

 

 

オーディションや試験のときは、

見てくださっている試験管の人たちに敬意を表するためにも

しっかりとした見た目で挑みたいけれど、

普段のレッスンでも少しは気にしたいところですよね。

 

 

色や洋服がその人の精神状態に影響するっていうのは良く知られていること。

チュチュを着ると身が引き締まるみたいに、

ロマンチックチュチュと半分耳を隠した低いお団子をすると

仕草までおしとやかなジゼルになるのと同じ。

 

オーディションのとき。

緊張していて、周りも上手な子たちばかり。

そんな時、ぼさぼさ頭の下手なメイクな自分が鏡に映ったら

自信をなくしちゃうって思いませんか?

 

ラッキーカラーのレオタードを見につけるのと同じような感覚なんだけどな。

 

生徒達のレポートを読んでいたら

若い生徒のレポートに書いてあった一言が目に留まりました。

自分の見た目にプライドを持って学校に通いましょう。

と。

若い子達からそうやって言われて育ったダンサーは、

16,17になったときにそれが「普通」に出来るんじゃないかな?

 

そして郷に入ったら郷に従え、ではないけれど、

そのようなことも教えて上げられるのが先生なんではないんでしょうか?

テクニックだけでなくって、

 

立ち振る舞い。

精神年齢の高さ。

踊りへの感謝、理解。

「自分」というダンサーへの誇り。

 

テクニックや表現力のように、

自分に似合うもの。を理解するって大切じゃないかな?

それって自分の長所を理解する、ってことだから。

 

 

そしてテクニックの強さ、美しさだけでなくって、

内面の美しさ(ライバル心について書いた記事はこちら

だったり、プロとしての自分の魅せ方も含まれるのでしょうね。

 

 

Happy Dancing!

ai

 

 


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