オーディション 教師、両親編

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オーディションシリーズはこの前の感情編で終わりにしようと思っていたのですが、

先生と親御さんの目線からも見なければいけないトピックだと思ったので

もう一つ書きます。

(んでもって番外編も書いちゃいましたので、それは後程・・・)

 

オーディションの準備について書いた記事

オーディションに失敗したとき 理論編

オーディションで失敗したとき 感情編

 

バレエ学校入学のためのオーディションであろうが、

カンパニーのためのオーディションであろうが。

 

これは、オーディションされる側と、する側の2つだけしか存在しません

教師、親、というのは、

オーディションの前後は関与できても

オーディション最中はどうしようも出来ません。

 

オーディション前:無駄な期待をかけない

誰々ちゃんは上手くいったから。

去年は10人受かったから

コンクールで下位だった子も入っているから

なんて、勇気や自信を出してもらいたくてかける言葉は役に立ちません。

 

ダンサーにオーディションは付いて回る、というのは

シリーズで何度も書きましたが、

審査される、という事に慣れてもらう事、

オーディションという「経験」を勉強してもらうのが目的です。

 

よって、オーディションへのメンタル準備や、

周りと比べるのではなく、自分との戦いを練習してもらう場所でもあります。

 

理論編で書いたように、

オーディションに受かるという事は上手だから、ではない事が多いのです。

ちょうど求めているダンサーと一致しなかった、

だけかもしれません。

 

そういうときに、他のダンサーと比べたり、

過去の情報を持ってきても無駄なだけです。

去年は身長の高い子をとったけれど、

今年は小さめの子を探していたり。

 

子供に期待をするな、という訳ではないですが、

彼女が自分から進んでこれにチャレンジしている!

というのが大切なのであって、

彼女が親を喜ばせたいから、といってオーディションしていたら

本末転倒です。

 

結果への期待ではなく、

プロセスへの期待を口にしてください。

 

プロとしての準備段階を経験できるね、

とか

オーディションのための練習を頑張ってきたね

とか

プロのダンサーとしての一歩だねとか。

 

結果はどうであれ、大きな勇気になるはずです。

 

オーディション前:ゴールをしっかりと設定する

感情編でも書きましたが、

オーディションが上手くいかない、とう結果は辛い現実です。

いくら、理想が分かっていても、

感情がついてこない事が沢山あります。

 

そのためにも、オーディションの前に

ゴールを決定しておかなければいけません。

 

意味のないコンクールやオーディションで自信喪失、

挙句にバレエをやめてしまったら悲しいだけです。

 

オーディションに慣れるためのオーディションだったり、

短期留学のためのオーディションから始めたり。

 

もしかしたら、オーディションの前に

外部の先生から指導される、ということに慣れる必要があるダンサーもいるかもしれません。

 

オープンクラスで、なれないアンシェヌマンを素早く覚える練習だって必要かも。

短期留学式のDLS冬期バレエ講習会はその練習もかねて発表会が最終日にあるわけです。

舞台よりも近い距離に座っている観客だったり、

そこから聞こえてくる雑音だったりに慣れておく。

 

これだって立派な下準備です。

 

オーディション後:慰めすぎない

もし、失敗したときには、慰め過ぎないでください。

オーディションに受からなかった、ということは事実ですが、

プラスでもマイナスでもない、事実だと理解することが必要です。

 

この意識は将来、ダンサーとして打たれ強い性格を作るのに必要です。

結果。

それにはプラスもマイナスもないのです。

その経験、結果をプラスに使えるか、マイナスに陥るか?

ここが強さを作る分かれ道になります。

 

オーディション後:ジャッジしない

オーディション経験をマイナスにしてしまう最大の失敗は

ジャッジすることです。

この先生は私のことが嫌いだ、

とか

太すぎたから駄目だったんだ、

とか

最低なのは、うちのスタジオの先生の指導が悪いから駄目だったんだ。

とかね。

責任転嫁はやめましょう。

 

この責任転嫁をしないためにも、最初のステップで

「どうしてこのオーディションをしているのか?」

という目的がはっきりしていなければいけないのです。

 

目的がオーディションに慣れること、だったら

オーディションに参加した時点で目標達成なのですから。

 

オーディション後:次のステップを話し合う

経験をプラスに変えるためには反省が必要です。

ジャッジをすることと反省は違います。

 

反省。

省みること。

 

準備はどうだっただろうか?

精神的な変化はどうだろうか?

他のダンサーと比べて、何がよくできて、何がダメだったのか?

 

そして次のステップを考えるのです。

これは若いダンサーだけではできません。

両親の金銭的サポートも必要ですし、

教師のガイダンスも必要です。

 

みんなで話し合えると一番いいですよね。

 

アンシェヌマンを覚えるのが苦手で、自信がなかった。

とか

いわれた注意をすぐに行うことができなかった

とか

集中できず、周りのことが気になってしまった

とか。

 

このようなエリアを克服せずに次のステップには進めません。

そのために必要なことはなんなのか?

 

オーディションはゴールではなく、生徒の夢を叶えるステップの一つです。

夢にたどり着くまでの通過点は一つではありません。

前進あるのみ。

そしてそのような態度は、親そして教師から学んでいくのではないでしょうか?

 

オーディションシリーズの最初に書きましたが、

ダンサーの生活をしていると、オーディションは日常です。

役がもらえなかった。

カンパニーに入れなかった。

これらを事実として受け止め、そこから成長できるようなメンタルを作ること

これはダンサーだけでなく、周りの助けも必要なんです。

 

もちろん、自分の子供が否定されていい気分な親はいません。

生徒が落ちたとき、自分の教育方法に疑問を持ってしまう教師もたくさんいるでしょう。

 

私たち、サポートをする側も、このようなメンタルを練習しておく必要があるのではないか?

長年バレエ学校で働いてきた中で、そう感じます。

 

 

次回はオーディションシリーズ番外編を読んでみましょう!

 

 

Happy Dancing!

ai

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