DLSポッドキャストepi459 努力と無理は違う 似て非なるものシリーズ#1

「努力」と「無理」の違い、わかりますか?

バレエの世界では混同しがちな努力と無理。

今回のポッドキャストでは、ケガを避けるためにも理解することが必要な

この二つの言葉の違いを考えてみました。

自分がしていることは本当に「努力」なのか?

「無理」になってしまっていないか?考えながら聞いてみてくださいね。

 

 

聞きたい人はこちらから(読みたい人はスクロールしてね)

 

 

みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?

 

ダンサーズライフサポート、通称DLSは”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”を合言葉に、

元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、

大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。

 

 

6月になりましたね。

佐藤家は6月は結構忙しいのです。

両親の結婚記念日から始まり、私の誕生日、父、母の誕生日と続きます。

もちろん、父の日もあるじゃないですか。

オーストラリアの父の日は9月なので、いつも忘れそうになってしまうんですけど。

母の日は世界共通みたいですが、なんでなんでしょうね。

それと今月のポッドキャストはまったく関係ございません。

たわいのない近況報告というか、裏話でした。

 

 

では、今月のポッドキャストでは何をテーマに話していくのか?

今月は、似て非なるものシリーズを開催しようと思っております。

第一回目の今日のポッドキャストでは、努力と無理は違うという話をしていきたいと思います。

 

5月に何度もお送りしてきた、昭和のスポ根の会話と近いところがあるかもしれませんが、

スポーツ根性!の前の段階というんでしょうかね、ちょっと無理してやってみる、的な部分を努力だと思っている人たちが多くいるため、

トピックに選びました。

 

古き良き、DLSの流れに伴い、まずは言葉の定義から確認していきましょう。

辞書によって記載内容が少し違いますが、いくつか調べてみた中では

  1. ある目的のために力を尽くして励むこと
  2. 力をこめて事をすること
  3. あることを成し遂げるために、休んだり怠けたりすることなく、つとめ励むこと

なんて出てきました。

 

では無理とは何でしょうか?

  1. 物事の道筋が立たず、道理に合わないこと
  2. 強引に行うこと
  3. 心身や経済的能力に過度の負担をかけること

だそうです。

 

努力も、無理も、何かを行うときに使われる言葉ですが

大きな違いは、道理に合わない、過度の負担をかけたり、強引に押し切ること、のようですね。

努力と無理。

同義語ではないと分かっているはずですが、ダンサーたちは同じに考えている気がします。

だから似て非なるものシリーズ、なの。

 

 

「プロになる」を例にとってみてみましょう。

この目的のために、力を尽くしてレッスンに励むこと、海外の先生の講習会に参加したり、

オーディションに出るであろうコンテ、バリエーション、面接用の英語などの練習に時間を割くこと。

これは努力と言えますね。

 

でも、ケガをプッシュしてたくさんコンクールに出ることは道理にかなっていますか?

ダイエットを続け、エネルギー不足で骨や筋肉が成長せず、

プロダンサーはもちろん、バレエ学校さえ耐えられないような体にすることが、本当に目標のための行動だといえますか?

絶対にオーディションで聞かれないけど、自慢する人が多い、長いトウシューズ歴、つまり幼いころからポワントで踊るとか、

オーディションだけでなく、国際的なコンクールでも絶対に審査に入らない床での柔軟性を手に入れるべく強引にストレッチを続ける、が努力なんでしょうか?

 

でもダンサーたち、というか先生たちは

細くないとダンサーになれないわよ

みんな、どこかしら痛いんだから我慢しなさいよ

と言い続けます。

 

この前来日した時には、トウシューズを履くためのテストに、開脚があったと教えてくれた人がいました。

股関節の外転可動域が、足首から下の骨の整列が必要なトウシューズに対しどう関係するのか、私にはまったく見えません。

 

これこれ。

理論的にわけのわからないことを、無理やり行うことが無理なんですよね、辞書によると。

 

 

では自分の行動を振り返ってみましょう。

努力だと思ってやってきたこと、本当に努力でしたか?それとも無理でしたか?

私がバレエ学校で足のケガをしたとき、運動量が減ってしまうから、痩せないといけないから、とケガしている足で毎日学校まで歩いたことは努力だったのでしょうか?

それとも、無理をしていたのでしょうか?

答えは無理だ、ってすぐに分かりますね。

 

では、足のケガをしたとき、レッスンを休まなければいけない時、全く動かない方がいいのか?

ベッドから天井を眺めているしか方法はないのか?

答えはもちろんNOですね。

  1. ケガしている部分に負担をかけずレッスンに参加する方法
  2. ジャンプやポワントなど出来ない動きの代わりに出来るエクササイズ
  3. たとえエクササイズする場所がなくても、リハで見学している時のコツ

こういう知識があったら、ケガしている間の”努力”が出来ます。

 

でも、最初に上げた例のように、ケガを長引かせてしまい、ケガの原因であるテクニックを修正せず、

「こんなに頑張っているのに結果が出ないなんて、私はやっぱりダメなんだ」と無意味に凹むような行動は、努力とは言いません。

この違いが分かっていたら、ケガ自体を防ぐことが出来なくても、ケガからの復帰は早まるだろうし、ケガの再発も減るだろうし、

何よりも、長く踊り続けることが出来るダンサーが増えると思いませんか?

 

 

こういった努力の方法を勉強するために、DLSには教師のためのライブラリがあります。

教師向けの情報がつまってはいますが、さっき例に出した私のように、高校生以上のケガに悩んでいるダンサーや、留学を考えているダンサーは自分のケガについて、

日本語で学び、レッスンで何をしたらいいのか、何を避けたらいいのか、どうやってケガと向き合えばいいか?が学べます。

先生たちは、生徒のケガを予防するためには、ケガについての知識をケガする前に知っておかなければいけないので、3か月会員や1年会員をおススメしていますが、

ダンサーが自分のケガを学ぶなら、該当するケガや、シチュエーションに合わせたクラスだけを選択する事が出来ますよ。

 

ライブラリで名前が見えないけど、こういうケガしているんだよね、という人はhello@dancerslifesupport.comにメールで教えてください。

クラスの表題になっていなくても、カバーされているケガや、ケガ自体は違うけど、リハビリ方法がほぼ同じクラスなどをアドバイスする事が出来ます。

ライブラリやボディコンサークルなどを使って、バレエに必要な知識と共に体を作っていくのと、

どこから数字が来たのか分からないエシャッペ1000回や、2人がかりでギューギュー押すストレッチ、

夜遅く、寝る時間を削って、基礎も出来ていないのにプリンシパルが踊るように出来ているバリエーションを繰り返すこと。

どっちの方が努力で、どっちが無理か、わかりましたよね?

 

 

ということで、似て非なるものシリーズ第一回目はここまで。

今日も最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。

来週は「ルーティーンと頑固は違う」というテーマでポッドキャストをお送りします。

聞き逃さないためにも、DLSポッドキャストの登録をお忘れなく。

 

Happy Dancing!

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