DLSポッドキャスト epi535 骨のこと、どれだけ知ってる? #バレエ解剖学

骨のこと、どれだけ知ってる?

今回は、ダンサーが避けては通れない「骨の健康」についてお話しました。

骨が血液を生み出し、ミネラルを蓄え、身体のエネルギーバランスまで支えていることなど驚きがたくさん!

ダンサー特有の悩み、エネルギー不足についても触れました。

骨を知り、ケガを防ぎながら踊りを楽しむための必聴エピソードです。

Transcript

一番最初に骨折したのは、右の上腕骨だった佐藤愛です。

今では、何度一時帰国してもそのような様子を目にすることはなくなりましたが、

私が小学生の時は放課後、お家の前で近所の子供達が遊んでいたんです。

そして、私が自転車に乗っている時に、

キャッチボールをしていた高校生とぶつかって倒れ、折れました。

 

お母さんが、おぶって近所に住んでいた

お医者さんのお家に連れて行ってくれたのを覚えています。

ラッキーな事に、外科医が近所に住んでいたんですね。

 

時は経て、今年の頭にフレンドケーションに行ったとき、

フレンドケーションって、友達(フレンド)とバケーションに行くという

1年に1度私たちがやっていることね。

ポッドキャストでお話したこともあるから

知っている人も多いと思います。

 

その時に、当時の私と同じくらいの年齢の子をおぶって歩いたことがあったんです。

最初はすごく軽くてびっくりするんだけど、

長く歩いていると、同じ形で腕をホールドするから

筋肉が辛くなってくるんだよね。

 

しかも自分の子供でもないし、

その子は元気に色々喋ってるもんだから、

落ちるんじゃないかと心配で。

次の日は、しっかりと筋肉痛になっていました。

 

世のお父さん、お母さん、そして子供を世話するお仕事の皆さん。

お疲れ様です。

 

さて、今日は10月の終わりに行ったインスタライブでも取り上げた

骨についてをテーマにお話したいと思います。

 

  • ダンサーが疲労骨折しやすい脛骨
  • 折れたら、偽関節になりやすい中足骨
  • 成長期ダンサーが痛くなる可能性がある踵骨

などではなく、骨という組織について

 

ではいってみよう!

 

分かりやすい骨の仕事

体の全てに役目があるように、骨にも仕事があります。

 

分かりやすいのは、次の2つ

  1. 重力に反して、体を支える サポートの役目
  2. 脳みそ、肺など内臓を守る、プロテクトの役目

 

ここら辺は、イメージがつきやすいですよね。

骨が入れ物になっている形、つまり頭蓋骨、肋骨、骨盤は

中に入っているものを守るためにありますし、

打ち上げられたクラゲの様に、干からびなくて済むのは

骨があり、体の形を保ったまま、重力に反して支えてくれているからです。

 

3つ目の仕事は、筋肉がつく場所を提供すること。

 

これも最初は「何?」と思うかもしれないけれど、

解剖学を勉強している人なら分かりますね。

表情筋を除けば、全ての骨格筋は骨についています

表情筋はちょっと特殊ですが。

 

分かりづらい骨の仕事

では次は、もう少し分かりづらい骨の仕事を見てみましょう。

 

4)血液を作る

血液というと、心臓を考えやすいですが、心臓はポンプの役目をしています。

血液自体は、骨の中で作られるんですね!

 

白くて硬い物体、というイメージかもしれませんが、骨は生きています

皮膚ほど素早くはないですが、入れ替わりもします。

 

5)ミネラルを貯蔵しておく

血液だけでなく、ミネラル、水分などを貯めておいてくれるのも

骨のお仕事なんですね。

 

ダンサーが疲労骨折した際に、

ちゃんと勉強している治療家なら、生理についてや、食事についての質問をするはずです。

 

健康の為にはエネルギー、カロリーが必要で、

それは食事からしかやってきません。

食事量が足りない場合、骨に貯めてあるものを体は使い始めます。

結果、骨がもろくなります

 

生理に必要なエストロゲンも、骨の健康に大きく影響しますし、

食事量が足りないと、人間の体はサバイバルを優先させるため、

子供を産むための臓器よりも、生き残るために必要なところを優先させてしまいます。

 

そのため、生理の有無や食事については、

ダンサーの骨のケガと切っても切れない関係があるんです。

 

疲労骨折しました。

疲労っていうくらいだから、休めばいいんでしょ?

としていると、

 

  • 疲労骨折の治りが遅くなる
  • 再発の可能性が高くなる
  • 偽関節と呼ばれる、骨がくっつかない状況に陥る

という問題が出てきてしまいます。

どれも全て、ダンサーにとっては致命的だよね。

 

どんどん明らかになっている骨の大切さ

サイエンスやテクノロジーが進めば進むほど、新しい研究も出来るようになっていきます。

上であげた5つのお仕事以外に、今分かっている事は

骨と血糖値、エネルギー代謝の調整の繋がり

 

骨の細胞が作るオステオカルシンというホルモンは、

インスリンに影響し、血糖値やエネルギー代謝の調節に重要な役割を果たしています。

 

記憶、認知など脳の働きや発達にも影響していると言われ、

鬱などの問題との繋がりもあるそうです。

 

ここら辺は、私の分野ではないので詳しく説明をすることも出来ないのですが、

何が言いたいかというと、骨はとっても大事だよってこと。

動くためとか、踊るためにも勿論大切だけど、

生きるために必要なもの・ことがたくさん影響されているんだよってこと。

 

ダイエットはしないで

先週のポッドキャストでRed-Sについてお話したじゃない?

覚えていない人は、「エピソード534 オリンピック委員会も体重測定に反対」を聞いてください。

難しくて、長いエピソードだったので、

もしかしたらもう1度聞き直した方がいいな、って思う人もいるかもしれないけれど、

そのエピソードの中で、「上達したいなら食べなきゃいけない」ってお話しましたよね?

 

正しい練習が出来ていたと仮定した場合、

練習を増やせば増やすほど、上達するはずですが、

利用可能エネルギー不足、Low energy availability LEA

Red-Sを引き起こし、ケガやパフォーマンス低下に繋がってしまうとお話しました。

 

練習しないと上達しないけど、エネルギー不足はケガにつながる…

このジレンマをどうにかするために、ダンサーは食べなければいけません。

 

今日はケガ予防やパフォーマンスの為だけでなく

生きるために必要なので、食事はとらなきゃいけない、

と追加しておきます。

 

「そんなこと言われなくても、毎日食べてるよ」と言われちゃうかもしれないけど、

そう言える人は幸せだと思って。

 

世の中には、

  • 食べることに罪悪感がある
  • 食べてしまう自分が嫌い
  • 食べている姿を他の人に見られたくない

というダンサーや先生がたくさんいるんです。

 

  • 空腹で踊ると頑張っている気がする
  • 食べた後に、運動しなければいけないって感じてしまう

などのダンサーもいっぱいいるでしょう。

 

私もそうだったの。

それをカバーするために、誰にも聞かれていないのに

食事の前には「私、たくさん食べるんです」と言っていたことも。

 

「食べること大好きなんです」って言うけれど、

実はそれって、好きなのではなく、食べ物のことしか考えられない、という病気だった。

 

でも、周りのダンサー達も、先生たちも

それが当たり前のように生活しているから、

危険だってことにすら気づかなかったです。

 

骨について勉強しよう!

そういう過去があったけれど、今はこうやって、

データやエビデンス、サイエンスと共に、

骨や健康、食事についてを皆さんにお伝えできるようになっています。

 

だからこそ、勉強は大切だと思うし、

知識のアップデートはダンサーも、先生も、保護者も救ってくれると信じています。

 

教師の為のライブラリには「疲労骨折」というクラスがあります。

題名通り、疲労骨折についてを学ぶクラスなんだけど、

ダンサーの疲労骨折に深く関係する、食事、エネルギー量、運動量のつながりもお話しています。

 

難しいクラスだけど、

  • 生徒に疲労骨折をした子がいる
  • 自分が疲労骨折をしたことがある
  • ダイエットや、細いことがケガ予防につながると思っている
  • 夜遅くまで練習することは、上達に繋がると思っている

人達は、ぜひ勉強してほしい。

 

ライブラリの他のクラスは要らなくても、

1クラスパスで、疲労骨折のクラスだけを購入出来ます。

ボリュームもあるけど、1ヵ月見放題だから自分のテンポで勉強出来るはず。

先生用のクラスですが、ダンサーや保護者も勉強することが出来ます。

私も疲労骨折を繰り返しました。

だけど、細くなかったし、食事も出来てたから

自分が摂食障害があり、骨の健康に問題があったなんて知りませんでした。

 

このクラスが、1人でも多くのダンサーをサポート出来ますように。

ライブラリのリンクが見当たらない人は、インスタでDMしてくれるか、

hello@dancerslifesupport.comにメールを送ってくださいね。

今日も最後まで聞いてくださってありがとうございました。

 

ではまた来週のポッドキャストでお話しましょう。

 

Happy Dancing!

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