DLSアドバンスドインストラクターでもあり、
毎週金曜日と日曜日に、
ダンサーに特化したオンラインエクササイズの指導もしている平栗愛子さん。
50歳で舞台復帰した道のりと、怪我予防のヒントを聞きました。
Transcript
多分ビーチホリディ中の佐藤愛です。
ポッドキャストリスナーさんだったら、
「たぶん」と私が言った時は事前収録しているんだろうな、
と思ってもらえていますよね?
毎年恒例の真冬のメルボルンを逃げようという企画なのですが、
これについてはエピソード514「北に向かう話とバレエ人生を豊かにする3点」
というポッドキャストでお伝えしていますので、
興味があったらそちらも聞いてください。
先週に引き続き、今週もゲストインタビューのポッドキャストです。
今週は平栗愛子さんにお越しいただきました。
では早速スタートしましょう!
愛:
愛子さん、DLSポッドキャストへいらっしゃいませ。お元気ですか?
愛子:
愛さん、ポッドキャストにお招きいただきありがとうございます。
今年も風邪さえひいていないくらい元気です。
愛:
ポッドキャストリスナーの皆さんに、
簡単に自己紹介と今の心境を教えてください。
愛子:
みなさんこんにちは。平栗愛子です。
DLSアドバンスドインストラクターとして、
ボディコンエクスプレスの金曜日と日曜日を担当しております。
私はモダンダンスサークル運営を19年続けております。
立ち上げ当初からの生徒はもうしっかりと大人になりました。
昨年、50歳になりたてで舞台復帰をして、
また「ダンサーです」と言うことができるようになって
ますます楽しくなってきました。
今日はよろしくお願いします。
愛:
DLSというとクラシックバレエ!というイメージが強いと思うんですね、
私自身もクラシック畑の人間ですし、海外のバレエ学校で働いていたので。
でも愛子さんのバックグラウンドは違うんですよね?
愛子:
私はクラシックバレエは習ったことがなくて、
出身スタジオから教えまでモダンダンス一本です。
教えをするようになって、指導に行き詰まったところから、
ネットでヒントを探し始めてDLSのバレエ解剖学にたどりつきました。
愛さんのブログを読んで、
エビデンスベースで解説されていることで疑問がクリアになっていくのが
面白くて勉強が続きました。
2017年の愛さんの「バレエの立ち方できてますか」
その次に「ターンアウトできてますか」の出版があって、
その本のワークショップに行ったんですね。
そこで今まで勉強してきたことを、
エクササイズという動きで直すことができるのを体験して衝撃を受けました。
そして、そのエクササイズを指導することができる
インストラクターコースが始まると聞いて、その場でやりますって言ってましたよね。
なんの迷いもなかったのは「自分にできるかな」と考えるよりも、
生徒にこれを指導できるようになったら、みんな上手くなるぞぉ〜!
という手応えを先に感じちゃったからです。
愛:
私自身、クラシックバレエ=柔軟!という考えが強い中で育ったのですが、
今お話して頂いたように、モダンダンスのバックグラウンドがある愛子さんですが、
モダンの場合、オーバーストレッチとかやるの?
DLSやエクササイズの勉強をする前は、
どんな感じでウォームアップしていたり、トレーニングしていたんですか?
愛子:
20代まではがっつり開脚ストレッチでした。
レッスンはバーレッスンから始まるので、
スタジオに入ったらまず横開脚、縦開脚して、立ち上がって壁に足上げて前と横と後ろと。
どこまで足上げられるかが勝負でした。
レッスン前に動きやすくしておこうとしての開脚でしたが、
開脚をするのはマストで、そういうものだと思ってやっていたところもありました。
モダンではレッスン中も、舞台衣装としても、シューズは履かないんですよ。
当時はタイツから足の指だけ出るようにするんですけど、
1番ポジションは180度開くと思っていたので、
足の指でストッパーのようにして無理やりつま先が横を向くように訓練してました。
なので、この方法でレッスンしていたら、外反母趾の人が増えていくと思いますよ。
私は外反母趾ではないですが、膝が悪いです。
愛:
このポッドキャストを聞いてくれている多くの先生たちが、
「年だから」とか「昔痛めたから」というような感じで、
痛いのが普通?諦めている?という考え方を持っていると思うのですが、
50台で舞台に立っている愛子さんから、このような人達にアドバイスはありますか?
愛子:
「みなさん、痛いことに気づいてますか?」
愛さんの本のタイトルみたいですけど。
当たり前のことって、気にも留めないというか、
そのままスルーしちゃうことがよくあると思うんです。
慣れちゃって危機感がなくなっちゃうというか。
朝、アラームが鳴っているのに止めて後5分寝ちゃうのに似てる。
かなり大きい音で、赤ランプがくるくるして
初めて「やばい!」って思うんじゃなくて、
朝小さい音でピピピピってなり始めたら
すぐに起きてアラームを止められる人になりましょう。
痛みは身体のサインです。
私、膝の半月板を損傷して膝が曲げられなくなるまで、
痛みの警告を無視していたのかもしれません。
やっちまったっていう瞬間がわからないで、
ある時ひどい痛みと腫れになって初めて「やばい」となりました。
先ほどもお話ししたように、これほどの大きなケガをしたことがなかったので、
いつも感じている程度の痛みには慣れてしまって、
危機感がなかったんだと思います。
そこからまるまる2年間、生活に支障をきたすほどの怪我になりました。
お医者さんには「歳だから」といわれました。めちゃくちゃ悲しかったです。
そこからの私はエクササイズで身体を作り、
愛さんのボディコンサークルに毎週参加して身体の声を聞けるようになっていきました。
大きい怪我が自分ごとになってからようやく、自分自身への向かい方が変わりました。
インストラクターの勉強をしながらも、それは生徒や悩んでいるダンサーのためで、
その頃はまだ自分が二の次だったんだと思います。
これ以上この怪我を悪化させないと決意してトレーニングを続けたおかげで、
今では舞台で踊りたいという気持ちまで湧いてきまして、
50代で舞台復帰しました。今年も舞台に出ます。
怪我をしたことで舞台を諦めてしまうのではなく、その逆で、
今の自分でできることを精一杯やって舞台に出ようと思えたのは
勉強し続けたからだと思いますし、
今ボディコンエクスプレスを担当させていただいてますが、
そのクラスでも怪我予防を念頭に置いて、
心も身体も健康になることを目指してクラスをお届けしています。
愛:
ボディコンエクスプレスでは、私が担当していた日曜日のクラスの
引継ぎをしてくれたところからスタートしましたが、
スタートした時の心境覚えてる?
愛子:
ただただ緊張してました。愛さんのお時間だったこともあって、
私に変わって選んでくれる人なんているんだろうか、と思ってました。
でも、私の雰囲気や声を心地いいと言ってくださったり、
クラスの進め方が日曜日の朝にぴったりだと言ってくださった方もいて、
「あ、私のクラスを受けにきてくれているんだ」と改めて気づきました。
愛さんのクラスを再現するという勘違いから抜け出せた本当に嬉しい感想でした。
愛:
今では日曜日午前10時半だけでなく、
金曜日の朝9時のクラスも担当してくれていますが、
自分のクラスの特徴を一言にすると、どんな感じ?
愛子:
私のクラスは長く踊り続けていきたい方のボディコンディショニングにぴったりな雰囲気です。
ゆっくりなところからスタートして、しっかり頑張るところもあって、
使いたいところが使えてるか確認しながら、テーマに沿っての30分になっています。
初めての方にもわかりやすい説明を心がけていますので、安心して受けにきてください。
同時にリピーターの方ももちろん満足できるようなクラス構成を考えています。
エクササイズバンドなどのプロップの使い方も
その日の自分に合うようにバリエーションをお伝えしながら進めていくので、
ちょっとチャレンジしたい方も、無理せず身体の声を聞いて進めたい方も
一緒にクラスを受けられるようになっています。
動いてみて気付くことってたくさんあるんです。
毎週受けてくれている方ほど、よく気づくようになっていきます。
まだ伸び代があるんですね!と感想をいただけて嬉しくて、
私も一緒に頑張るぞと、パワーをいただいています。
時間が遅めの朝な理由は、私が朝早起き勢ではないので、
ゆっくりスタートのクラスがいいとお願いしたんです。
朝早い時間ではちょっと慌ただしいぞという方、
一連のルーティーンをこなした後、よし!動くぞ!という順番の方。
お休みの日はゆっくり起きて、それから自分時間を有意義に過ごしたいという方、
金曜日の9時からと日曜日の10時半からのクラスを使っていただけたら嬉しいなと思います。
愛:
愛子さんの担当クラスの、これからの方向性やゴール、意気込みはありますか?
愛子:
ジャンルを問わず、踊ることが大好きで
ダンスや舞台芸術を大事に思っている方を大事にしたいんです。
そういう方こそ舞台に出続けてほしいんです。
研究に研究を重ねて表現もテクニックも育った、
アイディア万歳の舞台って本当に面白いんです。
表現が素晴らしくて感動することもあります。
舞台までの努力とか、終演後の笑顔はまさにドキュメンタリードラマですよ。
それが観たいんです。
ダンス大好き大人トレーニーさんやその方々を支えている先生方に、
健康でずっと続けていてもらいたい、
そのためにエクササイズクラスがお手伝いできるところがたくさんあるので、
ぜひ一度ボディコンエクスプレスを体験してみてください。
30分なのにあれ、これいいかも。自分のためのクラスかも!
と感じていただけると思います。
そして、みなさんのご意見やご希望、こんなふうになりたい、とか、
ここに困ってますということを教えてください。
クラステーマとして取り上げてお答えできると思います。
私も長く踊り続けたいダンサーで指導者の1人として、
一緒にエクササイズで身体作りをしていきたいと思っています。
愛:
愛子さん、どうもありがとうございました。
愛子さん担当のクラスは、
毎週金曜日朝9時からと、日曜日午前10時半からの2つです。
特に日曜日10時半からのクラスは、
夜型人間の多いバレエの先生たちや、
休日くらい寝たい学生ダンサーも参加しやすいはず。
スケジュールやお申込みは、
DLSサイトよりボディコン、と検索して頂くと詳細ページに飛びますが、
愛子さんのクラスの様子を見たかったら、愛子さんに相談したかったら、
インスタでaikohiraguriと探してくださいね。
毎週インスタライブでエクササイズをご紹介してくれています。
来週はボディコンエクスプレス新クラス、
月曜日早朝を担当してくれる中村良子さんをインタビューしますので、
そちらも楽しみにしていてくださいね!
Happy Dancing!
