DLSポッドキャスト epi603 バランス感覚ってなに?

バランスがとれない…そんな悩みを持っているダンサー達や

バランスがとれない子達の指導に悩んでいる先生は必見!

バランス感覚とはいったい何なのかを科学的根拠と共に勉強してみましょう。

Transcript

こんにちは、DLSの佐藤愛です。

先月のポッドキャストの後、今月も足についてお話していこうか真剣に迷いました。

ちょっとだけ話に出てきた

足首関節の距腿関節と距骨下関節の違いや動きと、バレエで必要な足首の動きだったり

足首付近にある靭帯についてと、捻挫など靭帯のケガの繋がり

アキレス腱だけでも色々話したいことはあるんですが

先週のエピソードでお話したように

1年ずーっと足だけ話しているポッドキャストなんてやったら

リスナーさんがゼロになっちゃうよね、と思ったので辞めました。

じゃ、今月は何についてマニアックに見ていくか。

どんなエビデンスを参考にしていくか。

そう気になっている人達も多くいると思いますので

さっそく3月のテーマを発表しましょう。

今月のDLSポッドキャストは、バランス感覚

特に固有感覚、プロポリオセプション(proprioception)を紐解いていきたいと思います。

エビデンスは、いつもお世話になっているIADMSの教師用リソースペーパー

その名も「プロポリオセプション」です。

いつも通り、参考にした文献等のリンクは

DLSサイトにあるポッドキャストのブログ版に入れておきます。

今年より、YouTubeのポッドキャスト動画の詳細ボックスにも入れておくようにしますので

アクセスしたい人はどうぞ。

その際、今後のエピソードを見逃さないためにチャンネル登録もしておいてくださいね。

バランス感覚とは何?

固有感覚という言葉は、何度かポッドキャストで出てきていますよね。

直近では、先週のエピソード「ダンサーが知っておきたい足の筋肉について」で

内在筋の仕事の1つは固有感覚だという話をしました。

その前は、エピソード574で5歳児の運動能力とバレエのつながりを勉強した際

バランスをとるには

  1. 視覚
  2. 前庭(ぜんてい)感覚
  3. 固有(こゆう)感覚

という感覚が必要だそうです、とお伝えしました。

この言葉もまた、今年の裏テーマになってきている

「今さら聞けないけど、説明できない知識」の1つじゃないかしら?

バランス感覚と同義語で使われることもある固有感覚という言葉は

  1. 固有覚
  2. 固有受容覚

なんて訳されることもあれば、英語をカタカナ読みした

  1. プロポリオセプション

という言葉が使われることもありますが、どれも同じなのでご心配なく。

私は、使い慣れ親しんでいる、プロポリオセプションか

固有感覚という言葉を使っていきたいと思います。

ちなみに、先月勉強した内在筋の別名は、足の固有筋というんですよ。

DLSがスタートした最初の方は、固有筋と読んでいましたが

皆さんが外在筋と内在筋の違いをイメージしやすいように

内在筋と言うようにしています。

じゃ、固有感覚とバランス感覚は一緒なのか?

ちゃんとした答えは、一応ベツモノです。

バランス感覚という感覚は総合的なもので、

  1. 視覚、つまり目から来る情報
  2. 前庭(ぜんてい)感覚、簡単な言葉では平衡(へいこう)感覚というと分かりやすいでしょうか?耳の中にある感覚器官からの情報
  3. 固有(こゆう)感覚、今回勉強していく感覚

の3つの情報をまとめて、姿勢や安定した動きを保つ能力のことなんです。

バランス感覚という言葉は

日常生活でも、レッスンの中でも使っているでしょう?

実は3つの情報の総合バージョンだったなんて、ビックリしません?

嬉しいことに、これら3つの感覚は育てること、強化することが出来るんです。

つまり、ローズ・アダージオの見せ場

アチチュードデリエールのプロムナードからバランスをとる動きは

生まれつきの才能ではなく、みんなも練習出来るってことだよ!

固有感覚とは何?

あーそっか、練習できるんだ!と思ったとしても

まだ本日の謎、「固有感覚とは何なのよ?」に答えていませんよね。

「固有感覚とは、動いている体を感じ取る感覚をさす専門用語だ」

とリソースペーパーには書いてありました。

分かりづらいかもしれないけれど

筋肉・腱・靱帯・関節などからのシグナルを、脳みそが理解して

体が空間のどこにあり、どのように動いているかを把握する感覚なんですね。

この感覚があるから

目を閉じていたり、鏡を見ていなくても

正確なポーデブラをすることが出来るし

コールドバレエで踊っている時

他の子達にぶつからずに舞台上を走ることが出来たりします。

こうやって練習してきた動きが無意識に正しく出来るようになるために

固有感覚は必要不可欠。

そうでないと、踊っている時ずーっと自分の体を意識し続けなければいけなくて

疲れちゃいますし、ケガのリスクもアップするそうです。

具体的には筋肉、筋膜、腱、靱帯、関節には特殊な神経があって

その神経が組織の伸び縮み、かかっているプレッシャー、動きの速度、方向

もちろん痛みなどを感知してくれるんです。

例として、このポッドキャストのスクリプトを作っている時の私を考えてみましょう。

椅子のクッションとお尻にかかるプレッシャー

背もたれに当たっている背骨の位置をいちいち考えなくても姿勢を維持できるし

キーボードを見なくても、勝手にタイピングする事が出来ます。

ちなみに同じ動きを首を傾けて、つまり耳の中にある平衡感覚をずらしても出来ますし

目をつぶってタイピングしても、椅子からずり落ちることはありません。

これが固有感覚。

そして、何度も繰り返してきた動きが勝手に出来れば出来るほど

ゲネプロで思ったよりライトがまぶしくても

先生が気合を入れ過ぎてリハーサルよりもスモークを焚いてしまっても

雪のシーンで危険だって分かってるのに

雰囲気作りの為にいつもより盛大な雪を降らしてしまったりしても

踊り続けることが出来るのです。

ケガ予防の面での固有感覚

固有感覚は無意識に出来てしまうことだけでなく

意識を研ぎ澄ますという意味で、意識的にも行うことが出来ます。

例えば、平均台でグラグラを感じ、自分がどちらに傾いているかを察知して

渡り切ることが出来るなどは、意識的にやっていること。

街を歩いていて、工事現場で砂利道になっていたとしても

アスファルトで歩いている時と同じスピードで歩けるのは、無意識にやっていること。

こんな感じで、固有感覚は日々の生活で皆さんをサポートしてくれているんです。

実はダンサーのケガ予防の面でも固有感覚は大切なのね。

  1. 自分の関節がどの方向に向いているか
  2. どの筋肉を、どれだけ収縮したらジャンプの着地が出来るか
  3. どうやってオンポワントのピケが出来るか、つまり片足の細いシューズの地面との接地面に、全体重を移動できるか

などを勝手にやってくれるんです。

もちろん、練習していたらだけど。

全ての動きを、100%考えなければいけないと、絶対に失敗します。

何より疲れてしまい、集中力にも影響しちゃいます。

痛みを感知することもできるので

この動きは辞めておこうとか、この方向は間違ってるかもという感じで

ケガする前に情報を教えてくれることもしてくれます。

ということで、固有感覚はただ上手に踊るだけではなく

ダンサーのケガも予防してくれる大切な感覚なんですね。

固有感覚チェックしてみよう!

感覚って、感じる必要がありますよね?

今日のエピソードはとっても簡単にできる固有感覚チェックをお伝えします。

一人では出来ないので、お友達と一緒にやってみてください。

もちろん、ダンサーでなくても出来るのでお母さんとお子さんでもOKです。

チェック方法その1

  1. ダンサーは目を閉じた状態で座ります
  2. チェックする人はダンサーの片方の手足を動かして、ポジションを作ってみてください。バレエのポジションでなくて、お好きなポジションで大丈夫。
  3. ダンサーは反対側の手足を使い、同じポジションを再現してみましょう

チェック方法その2

  1. ダンサーは目を閉じた状態で座ります
  2. チェックする人は足の指または手の指の一番先、先月勉強した末節骨をつかみます。他の骨は触ってはダメだよ?
  3. 掴んだ骨を小さく上または下へ動かします
  4. ダンサーはどの指がどの方向へ動いているか答えます

このチェック方法も、今月のエビデンス、IADMSのリソースペーパーに書いてありました。

それによると、このチェックで小さな違いや問題があっても

それを見つけるのは難しいと書いてありました。

また、このチェックだけでは

振付をこなすのに必要な固有感覚問題を十分に検出できない可能性があります。

とも書いてありました。

つまり、このチェックは固有感覚の問題を発見するための評価にはならないということです。

でも、目を閉じて、胴体が動かない

つまり視覚と前庭(ぜんてい)感覚を使わず、固有感覚を感じてみる練習には

十分役に立つと思ったので、ご紹介してみました。

ちなみに、私も夫と一緒にやってみたのですが

2つ目のチェックで足の人差し指と中指がこんがらがってしまいました。

私はこの部分をケガするリスクが高いという事なんだろうなー

なんて思いながらやってみたんですが

やってみた感想を是非教えてくださいね。

hello@dancerslifesupport.comにメールか

YouTubeで見ている人は、コメントを残してくださいませ。

読むのを楽しみにしています。

リソースペーパーではチェック方法を説明する文章の後に

バレエ専門の動きも含めるべきだという説明が書いてあるのですが

そのうち「最低限として出来る必要がある動き」として

目を閉じた状態で片脚立ちを30秒以上維持できる、というのがありました。

これだったら、ペアの人がいなくても出来るので一緒にやってみましょう。

ポッドキャストを聞きながら、その場で立ってください。

  1. 床に踏んだらケガしそうなものがないこと、周囲の安全をチェックしてください
  2. 目をつぶります
  3. パラレル、つまりターンアウトをしない立ち方で、片足立ちになります
  4. 床から持ち上げた足は、高く上げたり、つま先を伸ばす必要はありませんが、クドゥピエのように反対の足に触らないようにしてね

私は30秒数えますので、その姿勢でホールドしていてくださいね。

同じことを反対の足でもやってみましょう。

グラグラするのは当たり前ですが、グラグラが小さければ小さいほど素晴らしい。

左右の違いやスタミナなど、何か気づいたら、それもメールかコメントで教えてくださいね。

ということで、今週はバランス感覚、特に固有感覚についてを勉強してみました。

来週は体の柔らかさ、過去のケガとバランス感覚についてをお話しますので

金曜日のポッドキャストを楽しみにしていてくださいね。

Happy Dancing!

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