スカラーシップ?コンクール??バレエ留学のヒミツ

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スカラーシップ?コンクール??バレエ留学のヒミツ

毎回プロを目指すダンサー向けのセミナ―を行うと聞かれる「スカラが出ない」という言葉。

よく聞いていると、バレエ留学は

コンクールに出場

スカラーシップをもらう

バレエ学校に留学

と考えている人達が多いのですね。

 

バレエ留学ってもちろん、その過程で行われることも多いです。

大きなコンクールではよくある道ですが、本当にこうやって留学している人達が殆どなのか?というとそうではないんですよ。

留学だけでなく、プロ契約も含まれるし、ジュニアスクールからプリプロフェッショナル、と呼ばれるカンパニー研修でも見られる道をいくつかご紹介します。

 

 

オーディションツアー

大きなバレエ学校の場合、国の中、もしくは海外でオーディションをやって回ることがあります。

オーストラリアの場合、シドニー、メルボルン、なんて都市を回るアメリカのバレエ団・カンパニーがあるほど。

バレエだけでなく、ディズニーのダンサーのオーディションも世界各国の都市でこのように行われています。

 

この場合、書類審査、実際にレッスンを受ける、という流れになり、その後コールバックが来た人達が、次のステージに進みます。つまり現地オーディションに行ける、って事なんです。

ここではスカラなんて出ません

それよりも第一次を合格することにみんな必死。

多くの人数が集まるこのオーディションプロセスでは、どれだけ輝けるか、記憶に残れるか?が大事になってきます。

 

学校でのオーディション

ただ今うちのバレエ学校では駆け込みオーディションに追われています。中堅どころ、もしくは小さなバレエ学校の場合、学校が都市を回ることはありませんが、学校がホリディになるときにオーディションを開始します。

この場合、書類審査の後、日にちを言われ、その時にバレエ学校に来て個人レッスンをします。

見られているのは、今までどんなレッスンをしてきたか?そしてその時に言われた注意をどのように解釈し、直していくか?

体の動きもそうですが、小さな学校の場合、この子が本当に学校に合っているのか?なども見られます。

その年によってオーディションに参加する人の数がかなり左右するのはこの形です。

受講者が少ない年の場合、当然チャンスが大きくなります。

 

 

現地&学校オーディションコンボ

書類審査、そして現地審査が終了すると、その後現地に招待されてクラスだったり、サマースクールだったりを行うのがこれです。

大きめの学校はこの手順を踏みますね。

現地でいいな、と思った子たちを現地生徒たちと比べてみてみる、という事。

だいたい1日で終わることはないのでスタミナや言われたことがすぐにできるか

そして順応力も見られます。ほかの子たちとの会話、食生活など、サマースクールでは1か月続くこともあるので体型維持も見られます。

 

 

 

スカラーシップ、奨学金って?

我らが校長先生に言われると、ヨーロッパの小さなバレエ学校に行くのならば、奨学金が出たほうがいい。

奨学金生徒、という目で見られればチャンスが増えるから。

ただ、名前の知られている学校、バレエ団がついているところであったら、奨学金なんて言わず入った方がいい。

バレエ団によっては、バレエ学校の生徒の90%を取るところがあるから。

 

という事です。

奨学金ってね、本当に特別で、才能のある子に出されるものです。

 

ただし、部分奨学金、なんて言われて少しだけ安くしてくれることもあります。

喜ばない方が賢明です。

なぜかって?海外からの生徒は、現地の生徒の何倍もの学費を払っているのが事実だから。

つまり、あなたたちの値段を少し安くしても、現地の子たちと比べたら何倍も払っている事になるんです。

ビジネス的にいいから留学するのか?それとも夢の学校だから入りたいのか?

その学校からどのような卒業生がでているのか?をチェックするのも大事です。

 

バレエ学校によっては、本当にいい生徒なのか?を見極めるために1学期は奨学金を出さない、というポリシーがあるところもあります。

2学期から、もしくは2年生から、自分がいい生徒で、可能性がある、と証明できて初めて奨学金を出し、生徒を応援してくれる、という事。

 

 

 

オーディションに一番必要なのは、普通のレッスン

これね、何度もセミナーで言っているけれど、本当です。

DVDのオーディションだろうが、現地だろうが、奨学金が出るおおきなコンクールだろうが。

最初に見られるのは、どれだけ基礎が出来ているか。

つまり普通のレッスンです。

 

コンクールの練習ばかりで右、左のテクニックに大きな差がある場合、逆に不利になってしまうかもしれません。

いくらフェッテができても、そこまでオーディションで進めなかったら意味がないんです。

 

うちの学校からローザンヌを通り、大手バレエ学校に留学した子がいました。

卒業の年、ほとんどのクラスメイトが仕事が決まる中で、彼女は苦戦していました。

彼女の得意技は素晴らしく強いジャンプです。

強い足さばき、高い跳躍力、軽い着地・・・

 

でもオーディションで、それを魅せるためにはアレグロまで進まなければいけず、

彼女の場合そこまでいけるオーディションが少なくって苦戦していたのです。

テクニックのこなせてしまう、だけれど体の方向さえできていない日本人ダンサーが大きくおとされる部分です。

 

 

DLSの冬期バレエ講習会ではそのような準備をするために、5日間レッスンをしていきます。

同じ時期に、近辺でコンクールがあるのは知っていますが、あえてこの時期に行い3年目。

 

毎年少人数しか受け付けていませんが、私が知っている中だけでも参加者の4分の1以上は海外留学しているか、バレエ団研修生になっています。

何百人という参加者のコンクールで4-5人留学、とはケタが違う理由はバレエ留学に必要な精神的なものだったり、自分と向き合う時間になるからだと私は思っていますが、

記事でご紹介したような世界のバレエダンサーがやっているステップを考え、それに対応できるようにクラス構成をしているのも秘密のひとつです。

 

バレエに向かない、と気づく子もたくさんいます。

スタジオで一番上手って言われて踊ってきたけれど、努力するのは好きじゃなかった。

毎日踊るって楽しいと思っていたら、全然違かった。

みんなが自習しているのに、自分は帰りたくってしかたなかった・・・

こういうものを日本にいるうちに見付けるのも素晴らしく大事です。

 

逆に1日目は大変でお家で泣いちゃったけれど、3日目から表情が変わり、家での自立も見えました。

というお母さんからの連絡や、

実際にオーディションを受けた後に、愛さんに言われていた事全てが求められたので、準備しておいてよかったです。

という子たちも。

 

何よりもがむしゃらにストレッチやテクニックの練習をするのではなくて、努力の方向性が見えてきます。

何が弱かったのか、苦手だったのは?同じ夢を見ている子たちから感化されたことや、自分の内面を見つめて気づいたことなど。

1年の最初にこの経験をしておけば、実りのある2017年を送る事ができるのではないでしょうか?

 

 

年に一度の冬期バレエ講習会、申込みは11月6日にはじまります。

タイムテーブル、申込み用紙などはこちらのページからご覧ください。

第1回が終わった感想ブログはこちら

第2回が終わった感想ブログはこちら

 

DLSカンフェレンス「バレエ留学のホンネ」では、私自身の短期、長期留学経験、そしてバレエ学校のスタッフとして10年海外でダンサーサポートをしている側からみなさんに知っておいてほしい留学についてをお話していきます。

バレエ歴、年齢に関係なく参加できるこのイベントはこちらのページからどうぞ。

 

 

Happy Dancing!

ai

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