ダンサーの捻挫 テープ?サポーター?それとも・・・
この前、サッカー選手が治療に来ました。
彼曰く。
「何度も捻挫したから靭帯がほとんど残っていないんだ」
「だからいつもテーピングしているんだ」
と誇らしげにテープ負けした酷い皮膚を見せてくれました。
自慢するところなのかっ!?
ま、コンタクトスポーツであるサッカーでは、
自分の力ではコントロールできない分野でのけがが多くあります。
タックルされたり、足をかけられたり。
そのときのダメージを良くしておくんですって。
テーピングをすると。
踊っていて起こる捻挫にも外部からの力の場合と、自分のせいで起こる捻挫があります。
が。
圧倒的に、後者、つまり「自分のせいで起こる捻挫」が多いです。
どれくらい多いか?というと
私がここ5、6年ダンサーを治療してきた上で、
リフトで失敗して酷く捻挫したケースは一度しか見ていません。
「あれ?思ったより床が近かった!」
ぐきっ!
それ以外はジャンプの着地で失敗。
ポワントから変に落ちた。
など、自分のせいで起きた事がほとんどです。
という事を考えた時に浮かんだ疑問。
ダンサーにとってテーピング、そしてサポーターは役に立つのか?
今日のテーマはズバリここです。
テーピングVSサポーター
この面だけで言えば、テーピングの方がいいと個人的に思います。
ダンサーの場合、チュチュ、タイツ、トウシューズ。
その上にサポーター巻いてたら目立つでしょう。。。
コンテンポラリーで素足で踊っていても目立つし。
という芸術面から却下だと思うの。
練習中はいいかもしれないけれど。
って事でダンサーにおけるテーピングについて
早速同僚たちに意見を聞いてみました。
答え
「テーピングは効果的だよ。舞台に立たなければいけないならテーピングしてても大丈夫だよ。
だけどそれは怪我の原因は直していないよね」
って事でした。
つまり。
捻挫の再発を止めてくれる「かも」しれないけれど
問題は解決してくれない、って事。
どうして止めてくれる「かも」知れないのか?
というと、テーピングが100%捻挫を防いでくれる訳ではないから。
例えばジャンプの着地の体重全てを支えてくれる訳ないんですよね。
とはいっても研究結果によってはテーピング、サポーターは捻挫を70%防いでくれる、なんてデータもあります。
だから全然役に立たない訳ではないよ。
もっとデータを見てみましょうか。
足首のテーピングとサポーター、
そしてバランス感覚やコーディネーションを助けてくれる感覚、
固有感覚(運動感覚)にどういった変化・影響を及ぼすのかという過去の研究を全てまとめた記事によると、
研究結果は結構バラバラ。
テープか否か?は人、研究法によって違うみたいですね。
元の質問に戻りましょう。
「ダンサーにとってテーピングは役に立つのか?」
舞台に立たなければいけないときは良い手助けになってくれるみたいです。
但し。
プロレベルで毎日捻挫を庇いながら踊らなければいけないダンサー以外は、
テーピングしておけば大丈夫!
って言う感覚よりも、
「どうして捻挫をしたのか?」
という根本的な事を考えなければいけません。
原因を探す事。
それが一番大切だ、と私はいつもお伝えしていますが、ここでも同じ事が言えるでしょう。
テーピングをしようが、サポーターをしようが。
原因が何なのか?
を考えて、
再発を防ぐために体を強くする。
これでリハビリもテクニック向上も一石二鳥で出来ちゃうって訳です。
よく、愛さんマメですね。
って言われます。
毎日ブログ更新しているからでしょうかね?
でも実際はめんどくさがりやなんです。
一石二鳥は嬉しいし、いつも手っ取り早く上達する方法を探しています。
どうせやるなら短期間で結果が欲しいし。
だから捻挫も、再度治療するくらいなら、または何度もテーピングしなおすくらいなら。
最初から治しちゃえっ!って思っています。
少し捻ったかな?程度だとしても、それを治す過程で足首強化、バランス向上、 テクニック向上するんですから、
放っておく方が損だと思うよ?
Happy Dancing!
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