バレエに必要なフィットネス項目9つを知っていますか?
項目を理解することで、トレーニングの盲点に気づきやすくなり
テクニックの上達とケガ予防につながります。
賢くトレーニングして、よりよいダンサーになろう!
Transcript
こんにちは、DLSの佐藤愛です。
今月のDLSポッドキャストでは
ダンサーに必要なフィットネスについてを深く勉強しています。
先週もお話したように
フィットネスという言葉は日本語で痩せるための運動みたいなイメージが強いですが
そうではなくて、fitという言葉の名詞形としてのFitnessをお話しています。
- 体力があり、健康である状態
- 健康を維持する活動、運動
- 何かを行うに適していること、適性
なども意味するFitという言葉なので
ダンスフィットネスとか、ダンサーに必要なフィットネスと言ったら
「ダンスをこなすにあたって、適しているだけの健康状態」という意味でお話しています。
先週は、レッスンだけではダンサーに必要なフィットネスレベルは達成できないのか?
という疑問をいくつかの研究をつかって考えてみましたよね?覚えていますか?
今日はその続き。
OK、ダンス医学の専門家たちの意見では
21世紀ダンサーはレッスンだけでは足りないので
他のエクササイズを取り入れる必要があるというのは納得できた。
でも、具体的には何をしたらいいの?という事をお話していきましょうね。
ダンスフィットネス項目
IADMSのリソースペーパーによると
スタイルによって求められるフィットネス要素が違う場合がある
ということが書いてありましたが
総合的なダンストレーニングプログラム
つまり、振付や舞台に向けてのリハーサルではなく、日々のレッスンでは
全てのフィットネス要素を考慮する必要があるそうです。
全てのフィットネス要素って、そんなに数多くあるの?と思いますよね?
あるんですよー、9個も項目が書いてあるんです。
一筋縄ではいかないものですね。
では全ての項目と一言説明を読んでいきますよ?
- 有酸素フィットネス:中等度で比較的長時間続くダンスに必要なフィットネス
- 無酸素フィットネス:高強度・全力で行われる短時間のダンスに必要なフィットネス
- 筋持久力:筋肉が継続的に動きを生み出す能力
- 筋力:筋肉が一度の収縮で最大の力を発揮する能力
- パワー:筋力の種類ですが、瞬発的に発揮できる力のこと
- 柔軟性:関節可動域のこと
- 神経筋コーディネーション:バランス、敏捷(びんしょう)性、コーディネーションやテクニックに影響する力
- 身体組成(そせい):体重に占める筋肉量と脂肪量の割合
- 休息:回復と再生のためのお休み期間
いかがですか?分かりやすいものと、分かりづらいものがありますよね。
柔軟性は、今まで様々なポッドキャストで取り上げているので問題ないでしょうね。
休息も、意図的に”トレーニング”として取り入れているかは別として
言葉そのままだから分かると思う。
神経筋コーディネーション、とは難しく聞こえるけれど
神経と筋肉とのコーディネーション、つまり、やりとり。
こうやって動きたい!と思った通りに体を動かすことが出来る力という意味で
日本語ではコーディネーション力で大丈夫です。
この前勉強したばっかりの、バランス感覚もこの種類に含まれます。
身体組成という言葉は知らなくても、筋肉量と脂肪量の割合と言われたら
確かにそれってフィットしてるかどうかを決めるよね?と分かると思うし
有酸素運動も大丈夫でしょう?
ただ、無酸素運動、筋持久力、筋力、パワーの違いは分かりづらいですよね?
ダンサーが知っておきたい運動の種類
無酸素運動とは
ダッシュ、素早いステップ、ジャンプ、素早い縄跳びなどが例にあたるのですが
レッスンでいったら、プチアレグロな感じと言ったら通じますか?
ブルーバードのバリエーションや、キューピッドのバリエーションのように短い曲だけど
難しいテクニックがたくさん含まれていて
踊り切ると全力ダッシュしたような感じになります。
有酸素運動とは
コンスタントに踊り続ける力なので
コールドバレエ的なイメージを持つと分かりやすいかもしれませんよね。
ジゼルの2幕のウィリーや、白鳥の2幕のような感じで
爆発的なテクニックは入っていないものの
バリエーションの何倍も踊り続ける必要があります。
正確には、有酸素、無酸素運動というのはエネルギーの話なのですが
ダンサーや先生が知っておきたいレベルという考え方では
バリエーションの例が分かりやすいと思いました。
短いバリエーションだろうが、全幕を踊っていようが
つまり、有酸素運動だろうが、無酸素運動だろうが
筋力やバランス、コーディネーション力は必要です。
筋力というカテゴリの中には、筋持久力やパワーというものがあるんですね。
筋力って言葉にするのは楽だけれど
一応、定義では「どれだけの力が出せるか?」と言われています。
Again、先生&ダンサーが分かるように、とっても簡単に説明しますよ。
- 「どれだけの力が出せるか?」×「どれだけ続けられるか?」=筋持久力
- 「どれだけの力が出せるか?」×「どれだけ早くできるか?」=パワー
となります。
スピードに影響するので、パワーは「瞬発力」と訳されることもありますね。
フィットネスの種類を知って何になる?
フィットネスには9つの項目があるのが分かった。
それぞれの項目の意味もなんとなく分かった。
だけど、その知識が何の役に立つんでしょうかね?
とっても簡単な理由は、トレーニングの盲点を発見しやすくなること。
レッスンで必要なフィットネスは9つの項目だということを勉強したじゃない?
そうすると、自分はどの部分が抜けているかが見えてくる訳です。
このポッドキャストを聞いてくれている人達ならいないとは思うけど
「レッスン+ストレッチ」が上手になるための努力だと思っているダンサーがいた場合
多くの盲点があることに気づきます。
それを埋めないと、テクニックの上達は見えないし、ケガもしやすくなってしまう。
発表会前にリハーサルばっかり練習しているダンサーがいた場合
例えば、発表会で32回転するからって32回転の練習ばかりしている人がいた場合
その動きに必要な部分は鍛えられているかもしれないけれど
グランパドドゥを通したらやっぱり出来なくなってしまう。
それは、振付を考慮して総合的なトレーニングをしていないからと
休息を取り入れていないから。
ケガの例も見てみましょうか。
ふくらはぎの肉離れしました!というダンサーがいた場合
ちゃんとケガが治るまで休みなさいと言われます。
ふくらはぎだと、立つことやつま先を伸ばすことが出来ないので
レッスンに参加するのも難しいでしょう。
それは正しいのだけど、その間に出来る他の項目をやっておくべきです。
そうしないと、ふくらはぎが良くなってきた時のリハビリが、ふくらはぎ「だけ」ではなく
休んでいた時に落ちてしまった筋力、体力、筋持久力、有酸素運動的な部分も全部
やり直さなければいけなくなってしまう。
つまり、リハビリが複雑に、そして時間がかかるようになってしまうんです。
殆どのダンサーは、そういったリハビリをしません。
ケガした部分だけ考えていて、体を総合的に考えていないというか
フィットネスの項目を理解していない。だからまたケガするんですよ。
同じ場所の時もあるし、筋力が落ちて影響が出る、同じ足の違う場所な場合もあるし
パワーが落ちているのに、いつもと同じように踊ろうとして
全く違う部分をケガする場合もあります。
レッスンプランにも役立つフィットネス項目
今お話したのはダンサーの例ですが
先生たちでもフィットネス項目を知っておくのは便利です。
だって、レッスンの穴が見えるから。
- バーレッスンは音楽やアンシェヌマンは少し変わるけど、ほとんど同じようなテンポでやる
- 小さなジャンプはプチアレグロでしかやらない
- 時間とスタジオのサイズの関係上、グランアレグロは2人ずつ左右1セットずつしか出来ない
- バーレッスンとセンターレッスンの間にリンバリング
なんてレッスンをしていると
そして、これらは絶対にダメ!なわけではないですが
偏りがあることに気づいてください。
同じステップでも、アンシェヌマンでも
- ゆっくりやる
- 2セットやる
- 素早くやる
など変更すれば、フィットネス項目をカバーしやすくなります。
知ってるだけで、色々出来るでしょう?
自分の指導を客観的に見直すことが出来るでしょう?
だから知識は大事なんですよね。
ということで
今日はダンサーに必要なフィットネスの項目を説明してみましたが
いかがでしたでしょうか?
来週はダンサーたちから聞こえてきそうな
「でもエクササイズしたら筋肉太くなるんじゃない?」とか
「硬くなっちゃうんじゃない?」という疑問に答えていきましょう。
このように研究、エビデンスをベースに
ダンサーに特化したエクササイズを指導したい人
科学的根拠のある指導法を身につけたい人は
DLS公認スタンスインストラクターコースのチェックをお忘れなく。
来月5月より、1年に1度だけのお申込みが始まります。
約10ヵ月のコースですが、会場で受講しなければいけないクラスは3-4個のみ。
海外にいても、地方に居ても受講しやすいオンラインと
オフラインのハイブリッドコースになっています。
簡単とは言いませんし、努力は必要です。
でも、自分のペースで勉強出来る部分も多いので、今まで
- 発表会と最終試験がほぼ同じ時期の先生
- 時差が大きくある、海外から受講した人
- 妊娠中、小さいお子さんがいるご家庭の先生
でも、ちゃんとコースを修了することが出来ています。
詳細をご希望の方は、hello@dancerslifesupport.comにメールして教えてくださいませ。
一緒に、生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを提供してきましょう!
Happy Dancing!
