DLSポッドキャスト epi485 発表会を成功させる秘訣

 

今回のポッドキャストでは、発表会を成功させる秘訣を5つご紹介します。

年末に発表会が迫っている人はもちろん、

来年の発表会準備を始めないとと思っている先生も知っておいてほしい情報になっていると思います。

既にインスタで見たよ、という人もいると思うけど

ポッドキャストでは、より深く説明を加えましたので、最後まで聞いてくださいね。

 

 

聞きたい人はこちらから(読みたい人はスクロールしてね)

 

 

みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?

 

ダンサーズライフサポート、通称DLSは”生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンを「当たり前」に。”を合言葉に、

元オーストラリアの政府認定バレエ学校専属セラピスト兼、セミプロフェッショナルレベルのダンサー向けエクササイズ、解剖学とケガ予防のクラスの講師を担当してきた佐藤愛が、

大好きなバレエを心ゆくまで続けたいダンサー、バレエの先生へ情報をお届けしています。

 

 

今日のポッドキャストでは、発表会を成功させる秘訣をご紹介します。

年末に発表会が迫っている人はもちろん、来年の発表会準備をはじめないとな、と思っている先生も知っておいてほしい情報になっていると思います。

既にインスタで見たよ、という人もいると思うけど

ポッドキャストでは、より深く説明を加えましたので、最後まで聞いてくださいね。

成功秘訣その1 振付が始まる前に、レッスンで学ぼう

リハーサルが始まってから、振付をする、と思っている人たちが多いですし、間違ってはいないのですが、そうするためには大きな前提があります。

それは、振付に出てくるステップを生徒がマスターしているということ。

 

プロダンサーを考えてみましょうか。

朝カンパニーレッスンを受けます。

もしかしたら、その前にコンディショニングやエクササイズを受けているダンサーもいるかもしれないし、

昨日の夜パフォーマンスがあったのでゆっくりしているという人もいるかもしれないけど、

通常、朝10時、11時くらいにレッスンがありますよね。

そして、そのあとリハーサルが始まります。

もちろん、カンパニーメンバーは、次の振付に入っているテクニックを全て経験済みではないかもしれませんし、

朝のレッスンでやっていないとは思います。

 

でも、カンパニーレベルだったら、

  • ほぼすべてのバレエテクニックを網羅している
  • カンパニーのレパートリーを知っていて、もう踊ったことがあるかもしれない

という状況にいるはずです。

 

もちろん、未成年ではなく、成長期の体ではなく、

学校や、他の習い事との両立なんてしている事もないでしょう。

 

これを日本の、習い事サイズのスタジオに当てはめてみましょう。

生徒たちはプロダンサーではありません。

そして、バレエのパをほぼカバーした、というレベルやバレエ歴の人もほとんどいないでしょう。

そうしたら、リハーサルの前に振付に出てくる、テクニック、パ、はレッスンでカバーしなければいけません。

 

そうすることで、

  • パの説明が不要だから、リハの時間を短縮出来る
  • 正しい形を習得しているはずだから、リハでへんな癖をつける心配がない
  • テクニックが安定しているはずなので、リハがスムーズに進む
  • テクニックがこなせる強さが身についているので、ケガのリスクも下がる

つまり、発表会が成功する可能性が大幅にアップします。

 

これをやるためには、意図的にレッスンプランを制作する必要がありますし、時間もかかります。

だから、発表会を1年に1回やろう、と思っているスタジオは

1年に一度の発表会が無理だ、とは言いませんが、

  • 発表会の頻度を考え直す
  • レッスンの内容を考え直す
  • 発表会の振付の内容を考え直す

必要があると思いますよ。大切な生徒たちのために。

成功秘訣その2 リハの種類を吟味する

リハーサルには種類があるってご存じでしたか?

別に特別に名前がついているわけではありませんが、

バレエ学校で10年以上舞台リハーサルを見たり、カンパニーやガラコンサートの舞台裏で働いてきた経験から、

リハの中には

  • 振付を覚えるため(振り渡し)
  • 振付を自分の体に入れ込む
  • スペース、たとえば立ち位置やほかの人との距離を理解する
  • テクニックやタイミングを徹底する
  • 表現や作品理解を一致させる
  • 衣装や舞台装置に慣れる

などがあると感じます。

 

分かりやすい例では、

  • 衣装と共に作品に出る全員が集まる通しリハ
  • 舞台の上で装置やライトのタイミングとともに行うゲネプロ

は皆さん分かりますよね?

 

テクニックやタイミングの徹底は、その役、その曲に参加する人だけが行うリハで見られます。

ソリストはコーチング、と呼ばれる特別な練習で自分の作品を育てていることがありますよね。

表現や作品理解は、リハーサルの中でバレエミストレスから説明がある場合もあれば、

振付師と最初に行うリハで、説明、講義みたいな形で行われることもありますよね。

 

スタジオ発表会では、振り渡しは1か月かかるかもしれません。

その時のゴールは、つま先!並び方!ではなく、たた振付を覚えていくという時間かも。

そして、振付が頭に入ってから、細かく整理が必要かもしれないし、

大勢で動く群舞の場合は、何度も繰り返してタイミングを覚えたり、誰と誰がクロスするか?など地理的な事を練習していくでしょう。

なんて考えると、リハーサル期間が4か月だとしたら、そのうちどれくらいの時間を何に使うのか?を指導者が理解する必要がありますよね。

だからこそ、成功秘訣1のレッスンで振付に出てくるテクニックをやっておく、という作業が非常に大切になるわけ。

 

先生のイライラを減らすためにも、うまくリハ時間を調整するためにも、

生徒の体力配分のためにも。

成功秘訣その3 リハでは上達しないと理解する

難しい振付をやるとか、何度もリハを繰り返すことで上達する、と思っている先生たちがいるようですが、

トレーニング理論の世界からだと、その逆です。

繰り返すと、体は慣れてきます

 

慣れ、とは体が一番効率よく踊る方法を覚えたということ。

つまり一番楽して踊れる方法を見つけたという意味。

 

スタート時と比べ、筋力や体力がつくことはあるかもしれませんが、

慣れてきたら、それらは下降していきます。

 

人間の体はサバイバルする事がゴール。

慣れは、大切なエネルギーを保存し、必要最低限の運動量で作業をする事を指すんです。

だからこそ、上達したかったら普通のレッスンを飛ばしてリハばっかりしないでくださいね。

 

ここが、コンクールに何本も出ている子達が上達しないポイントでもあるんですよね。

難しいバリエーションを、毎晩夜遅くまで練習しているのに

どうしてオーディションで上手くいかないんだろう。

どうして、バレエ学校で遅れをとっているんだろう。

理由は、動き・振付に慣れるという事と、上達の違いを理解していないからなんですよ。

 

ちなみにオーディション会場で、コンクールダンサーは、すぐにバレます。

そーなんだ、と見てくれるディレクターもいるけど、好まれない可能性は高いのでお気をつけて。

成功秘訣その4 本番付近は練習量を減らす

このポイントは先生もそうだし、生徒も理解してほしい。

疲れが溜まっていたら、本番に本領発揮する事は出来ません。

ベストな状態で舞台に立てるように、本番前は練習をテーパーダウンして

 

テーパーとは、徐々に量を減らすことを指します。

練習をゼロにして、とは言っていませんが、減らすこと。

疲れを溜めない事。

 

年に50公演以上しているカンパニーの場合、シーズンだったらテーパーは出来ないかもしれません。

でも、発表会は毎日やりませんよね。

 

その1回が大切なら、オリンピック選手を考えてみましょう。

4年に一度の大舞台で力を発揮するために、

前日夜遅くまで練習し、当日疲れ果てている選手がいると思います?

 

発表会が、名前通り今までの練習の成果を発表する場、だとしたら

本番前にたくさん詰め込むのは、試験前の徹夜勉強みたいなもの。

意味がないし、本末転倒。

成功秘訣その5 発表会が終ってからが本番

発表会までは頑張るんだけど、その後ちょっと休んで通常レッスンに戻る先生。

発表会の反省会、と称してビデオを見てダメだしする先生。

発表会の次の日から、次の発表会の話を始める先生…

 

誰のための、何のための発表会なのでしょうか?

生徒達が上達するため、舞台経験をしてもらう場所だったら

それで勉強になってるの?

  • どこが上手く出来たか?
  • スケジュール管理や体調管理はどうだったか?
  • 作品に対する理解は増えたか?
  • 今後の課題が分かったか?

そして、何よりも大切な事は

  • 舞台が楽しかったかどうか

反省とは、ダメな部分を指摘する事ではありません。

よくできた事、改善が必要なところを具体的に説明しつつ、

生徒達が次のレッスンで何を練習すべきか、どうバレエや舞台と向き合っていくか?を学ぶ場所にしてくださいね。

 

自分の作品を、生徒を使って見せたいだけの人

自分が、舞台で踊りたいだけの先生

が存在するのは、残念だけど事実です。

 

踊りたいならダンサーになって。

作品を作りたいんだったら振付家になって。

ただ、先生をやるなら、ちゃんと指導してあげてほしい。

 

彼らからお金を巻き取って、自分の叶わなかった夢を達成させるのではなく、

生徒の為の舞台を考えてほしい、と常に思います。

 

 

ということで、発表会を成功させる秘訣5つをご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?

感想はhello@dancerslifesupport.comにメールか、

インスタで@dancerslifesupportを探して、DMくださいね。

 

次の舞台のお役に立てたら嬉しいです。

もっと勉強したい人は、DLSの教師の為のライブラリには、レッスンプランの立て方クラスがあります。

そちらを参考にしてくださいね。

 

 

ではまた、来週金曜日のポッドキャストでお話しましょう。

Happy Dancing!

佐藤愛

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