DLSポッドキャスト epi512 自分が主宰者でない先生たちへ

「若いからいいわね」と言われたのが悔しくて、早く30歳になりたかったあの頃から10年。

39歳になった私が、First No Harmの信条に基づき、

勇気を持って改善に取り組む多くの若い先生たちに伝えたいことをお話しました。

正しい知識を得て、自分の信じる道を進み、理想の指導者となるための心得を考えてみました。

Transcript

こんにちは、今週の火曜日が誕生日だったため、また1つ年を重ねた佐藤愛です。

 

誕生日が近づいてくると、昔、祖母が「あいちゃんはシュガーラブなのよ」と

知っている英語で頑張って名前の説明をしていたのを思い出します。

 

そうやって言われたのが誕生日だったわけではないですが、

誕生日が虫歯の日じゃないですか!

だから、シュガーがラブで虫歯の日なんて、

なんだか笑えるなと思うのです。

 

そんなこんなで私は39歳になりました。

DLSを始めたのは20代後半で、その際は早く30歳になりたいと思っていたものです。

 

理由は簡単で、日本で頑張って活動していても

「愛さんは若いから」

の一言で終わらせられてしまうのが悔しかったんです。

「愛さんは女性だから」

というのも男性のトレーナーから言われたことがあります。

 

日本のジェンダーギャップ指数でどんどん数値が下がっており、

2024年は144カ国中114位だったそうですよ。

下から数えた方が早く、先進国として恥ずかしいこの数字の中で、

未だに「女性の方が仕事になる」という考え方をしている人がいるんですから、

道理でジェンダーギャップがなくならないわけですね。

 

話を年齢に戻しましょう。

  • 愛さんは若いから、こうやって色々言えるんですよ
  • 愛さんは若いから、こうやって活動できるんですよ

なんて言葉を最初の5年くらいですかね、は聞き続けました。

 

日本に帰る度に言われていましたが、

オーストラリアで起業しようが、クリニックで働こうが、

舞台裏でプロダンサーと仕事をしようが、治療家セミナーに参加しようが、

年齢について言われたことはありません。

それがある意味カルチャーショックで、早く30歳になりたいと思ったんだと思います。

 

今年の来日セミナーでようやく、1つの夢が叶ったんですよ。

それはね、セミナー参加者がSNSでアップしてくれたポストに

「大人の女性」とか「貫禄」という言葉が使われていたの!

あー10年経って、ようやく大人扱いされるようになった!としみじみと感じました。

 

 

年齢とは不思議なものです。

若い方がいいという風潮は世界全体にありますが、

特に日本は強いと感じます。

 

同時に、若いとナメられる、真剣にとってもらえないという問題も

先ほど挙げたように、日本で強く感じます。

 

私は年齢を重ねることに対して、ポジティブにもネガティブにも感じませんが、

実力や活動経歴ではなく、年齢でレッテルを貼られることについては強い違和感を感じます。

 

先ほど挙げたトレーナーさんの話に戻ると、

女性だから人気があるという話だったのですが、

その時点で私はバレエダンサーだけ、毎日治療・リハビリしてきた経歴がありました。

 

性別とは関係なく、1か月に1,2回ダンサーが来ることがあります的な人よりも

場数を踏んできている事には変わりありません。

ただ、そうは見てもらえないんですよね。

 

10年前の私と比べて、今の私は「色々言っていない」のか?

そんなことはないと思います。

 

5月末に終了した4期生申込でも、多くの申込者の方々をお断りしなければいけない状況になりました。

もちろん、スタジオ内で発されている言葉全てを確認する事は出来ませんが、

  1. スタジオでオーバーストレッチをしている
  2. 12歳未満にポワントを履かせている

の2点はコース信条の1つ、First No Harmより

  1. 変更するか
  2. お断りするか

の2択をお願いしました。

 

オーバーストレッチが「絶対」ケガに繋がるとは言いません。

12歳未満のポワントが100%足の変形に繋がるとも言いません。

 

でも、「まずはケガさせない」が信条だったら

多くの研究で分かっており、世界各国の有識者が声をあげている2つの問題は無視できないでしょう。

 

ほら、未成年がお酒を飲んでも、全員に脳の問題が起こるわけではないですよね。

飲酒運転しても、絶対に事故を起こしてしまうわけでもないでしょう。

だけど、危ないから法律になっている。

 

こういう感じで、早くからのポワントオーバーストレッチは考えられています。

それが守れていなかったら、コースにご招待する事は出来ません。

 

知らなかったというのもあると思うので、

説明会でお話したり、メールで説明したりします。

そして、その説明を聞いて、すぐに行動に起こしてくれる先生たちもたくさんいます。

同じく、そうではない先生たちもいます。

今すぐは無理だから。

 

そうだったら、このコースは向きません。

自分がそうやって踊ってきて、大先生からスタジオを受け継いで、

必死にやってきて、今ようやく気付いた!という人は

悪い先生じゃないんだと思います。

 

知らなかった、つまり無知だっただけで

 

でも、知った途端、行動に移せたら素晴らしいですよね。

過去には戻れないんだから。

 

逆に知っているけど、行動を起こせないならば、

それは「見て見ぬふり」というやつでしょう。

お年寄りが電車で立っていて、自分は座っているけど、寝ているふりをするみたいな感じ?

でも、最近の傾向として、子供達に無理なストレッチや危険な動きをさせるのは、犯罪扱いだとなっています。

 

今年の1月に参加したRADのカンファレンスでも、

先生たちがスタジオ内の危険を知っていて、行動を起こさなかったら懲役ありの犯罪になりうる

という話が出ていました。

 

大きなバレエ団やスクールでも、

昔の生徒、メンバーがパワハラについて声をあげ、大きな注目を集めたり、

実際にスクールが閉鎖したところもありますね。

 

そう、「痩せないと役あげないよ」とか

ケガしてもプッシュする、嫌味を言うなどの行動はパワハラなんですよね。

ディレクターとか先生とか、権限のある人たちからのハラスメントなので。

 

それを考えたら、コースの申し込み云々ではなく、

自分とスタジオを守るためにも、早く変更した方が良いんですけどね。

もしくは、そのスタジオから離れた方がいいんですよね。

犯罪者扱いされないように。

 

 

今回のインストラクターコース申込で、今までと違った点は、

多くの若い先生たちが申し込んでくれたことです。

自分が通っていたスタジオで、指導を始めたばかりの人達という感じ。

 

主宰者がいて、その下で働いている先生達は、

先ほどお話した2択ってとても難しいのではないかと思うのです。

 

ただでさえ、大先生って怖いし、

自分は指導経験も少ないし、コースも無事卒業できるか分からないのに、

こうやって変更してくださいってお願いするのは勇気がいると思います。

 

もしかしたら、その大先生が色々な先生と繋がっていて、

ここで嫌われたら、お仕事を探すのが大変だという人もいるかもしれません。

だけどね、全員とは言いませんが、この子達の方がガッツがあったように見えます。

 

「スタジオを辞める覚悟で、大先生に伝えました」

という声を複数頂いたんです。

凄いな!と思ったのと同時に

「若いから出来るのよ~」

ではなく、彼らの方がプロフェッショナル精神が強いんだろうなと思いました。

 

危険性も分かっているし、

見て見ぬふりをしていたら、前に進めないのも分かっているのかもしれません。

自分自身が、辛いケガを体験してきたのかもしれません。

 

でも、このような人達と10ヵ月を共に出来るのは、

私にとっての喜びであり、責任も感じます。

 

 

奇しくも、今回申込をしてくれた1人は、1期生のスタジオを受け継いだ先生でした。

1期生の人が大先生で、今回申し込んでくれた子が4期生ってことね。

 

1期生で勉強してくれた方は、コース中がらっとスタジオを変更しました。

共同で運営していた人と分かれ、保護者会を開き、保護者の皆さんに説明し、

スタジオを安全な場所へと変えてくれました。

 

「愛さん、私パソコン使えないんですよ!若い子達についていけない!」

なんて言いながら、だけど凄まじい行動力で。

それが2019年。

 

2024年にその人の愛弟子でもあり、

新スタジオオーナーとなった子が4期生に入ってくれたんです。

彼女も高校生の時からかな?DLSで勉強し続けてくれた子です。

 

コース申込中はボーナスエピソードもお送りしたから、多くの方が知っていると思うけど、

私の夢は日本のバレエの先生たちの半分以上が、

生徒の安全と将来の健康を第一に考えてくれるような世の中を作る事。

 

今回の申込者とのやり取りや、このようなエピソード、

そして多くのコース卒業生たちが、自分たちでインスタライブをしてくれたり、

投稿をあげてくれたりしながら、コース募集を応援してくれました。

 

実際に体験した人からのお勧めって、役に立ちますよね。

役に立つだけでなく、私にとっては、やってきたことが間違いじゃなかったんだ

という勇気になりました。

 

このコースは私の30代最後のコースになります。

18歳で留学し、21歳で治療家に方向転換し、20代後半からやってきたDLSの節目ともなる時代に、

過去最多数の、しかも先ほどお話したように度胸や覚悟のある皆さんと、

一緒に時間を過ごせることは幸せという言葉では足りない気がします。

 

そんな私から、自分が主宰者ではない、指導を始めたばっかりの先生たちへ

お姉さん面してアドバイス。

 

“自分が正しいと思う事を、突き進む勇気をもって。”

たとえ、大先生に恩があったとしても

たとえ最初は周りが理解してくれなかったとしても、

目の前にいる生徒さんにとって、あこがれのお姉さんであり、先生なんです。

 

子供たちにとって「大人の事情」は分かりません。

その子達が、皆さんがやってくれている事や苦労、必死で勉強していることは知らないでしょう。

 

でも、彼らが大人になって振り返った時に、

憧れの人でいられるのか、それともどうして助けてくれなかったんだろうと思われるか、

もしくは、こういう情報知らなくて可哀そうな、古い先生と思われるのか。

それをイメージしてみると良いかもしれません。

 

もちろん、誰かの為に人生を費やしているわけではないですが、

  • 自分がなりたい指導者像ってなんだろう?

と考えることや

  • 自分の子供を習い事に送るなら、どういう先生がいいだろう?

と考えるのも良いかもしれません。

 

最初は

「愛さんは若いから、好き勝手に出来てイイネ」

なんて言われるかもしれません。

でもね、こういう積み重ねが何年かしたら顕著に見えてくると思うんです。

 

なによりも、39歳の私は、29歳の私よりも

健康で、愛する家族と仲間もいて、本も5冊出して、雑誌で連載もして、

一緒に勉強したい!と言ってくれる小鬼たちに囲まれています。

 

自分の夢がはっきりしていて、それに向かって1歩ずつ前に進んでいると感じます。

もう少し早く歩きたいと思う事は多々あるけどね。

 

時間は勝手に流れていきますから、年を重ねるのは難しくありません。

でも年取るのが嫌だ~あちこち痛い…と思う必要がなく、

いくつになっても成長している!と感じるためには

今の行動が大切なんだと思いますよ。

 

ということで、今日のポッドキャストはここまで。

感想はDMで教えてくださいね。

 

ポッドキャストを聞いてくださっているアプリにレビューを残していただけると、

このような情報をより多くのダンサーに届けることが出来ます。

より良いバレエ界を作るために、ご協力頂けますと幸いです。

ではまた来週金曜日にお話しましょう!

Happy Dancing!

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