DLSポッドキャスト epi584 愛さん流 予定の立て直し方

いくら準備をしていてもスケジュールが崩れてしまうことがありますよね?

ケガ予防と同じ発想で、忙しいバレエの先生たちが

少しずつでも前進できるヒントを紹介します。

Transcript

先週のエピソード

「来週は、先が見えない時のスケジューリングや、

急に予定が変わってしまった時の立て直し方についてお話していきますね。」

とレコーディングした直後に病院から電話があった佐藤愛です。

手術日が決定したという連絡だったので、

あまりのタイミングに笑ってしまったのですが、

皆さんがこのエピソードを聞いているころには手術が終わっているはずですが、

今日はその話ではなく、インスタで募集した質問で頂いた

予定の立て直し方をテーマにお話していきたいと思います。

趣味とバレエと“下手でいい”という考え方

先週のエピソードでもお話したように、

DLSの多くのイベントは皆さんに告知する数か月前から動き始めています。

インストラクターコースでも勉強しているように、

  1. まずはゴール、目的を確立し
  2. そのゴールや目的を達成できるために必要な項目を考え
  3. その項目を一番理論的に並べるスケジュールを立ててから
  4. ようやく実行に進む

という流れが、私のお仕事スタイルではありますので、

こういう気分だからこれやろう!的な考えはお仕事のときはないみたいです。

ただ、趣味プロジェクトは複数一緒にスタートすることが多く、

その日の気分や天気、時間に合わせて選んでいます。

例えば今は、かぎ編みプロジェクトが半分進んでいて、

その隣にやっぱり半分進んでいる塗り絵。

術後にあると便利と友達から教えてもらった抱き枕が作りかけでリビングに置いてあるけど、

同じくリビングにあるPS5で新しくゲームを始めちゃいました…

同じくインスタで質問を募集した際に、こんな声がありました。

「きれい好きそうなイメージがあります。ご自身のお掃除ルールはありますか?」

きれいな部屋が好きか嫌いかで聞かれたら、もちろん好きです。

掃除も嫌いじゃありませんので、結構こまめにできます。

なので清潔かとは思いますが、

片付いているか?と聞かれたら…

いろんな趣味が家のところどころに落ちている感じですね。

でも、趣味は下手でいいし、いろいろあって良いし、

気分が乗るときにやって、気分が乗らないときにはやらなくていい、と思っています。

大好きだったバレエを仕事にしてしまった私も、

このポッドキャストを聞いてくれている多くの先生たちも、

”趣味のバレエ”という記憶が薄いと思うんですよね。

でもそのような趣味ってとても大切だと思うのです。

趣味なんだから下手でいいんですよ。

お仕事が忙しい時期ならレッスン休んでもいいし、

子供の体調が悪かったらそっちが優先で良いんです。

基礎が大切だと分かっていても、

ちょっと難しいことをするとワクワクしちゃっていいんですよ。

そうやって割り切るのも、大人の楽しみだと思います。

もちろん、上手になりたくないと言っているわけではないし、

ケガしないのは当たり前。

先生たちは、お金をもらって指導をしているのだから、

大人生徒さん指導の手を抜いていいとも言っていません。

ただ、上手にならないから辞めようかな、と考える必要はないと思うのね。

同じく、「先週も言ったのになんでできないの?!」

なんて怒る必要も皆無だと思います。

スケジュールが崩れる時、どう立て直す?

話をスケジュールに戻しましょう。頂いた質問にはこう書いてありました。

「スケジュールが外からのハプニングで立て続けにできなくなっていくとき、

どうやって立て直しますか?」

正に今、その状態なのでよくわかる悩みです!

スケジュールはその人によって異なるので、

エビデンスベースな回答にはならないのですが、

私がどうやって乗り越えているか?をお話しますね。

今回、最初の検診で引っ掛かり、再検査の日は結果5時間以上かかりました。

1つの検査、結果待ち、次の検査…どんどん待ち時間が伸びるもんだから、

その日の予定を全部キャンセルすることに。

その後も検査や通院は毎回2時間以上待たされるのが当たり前で、

しかも日程は病院からの電話で一方的に決まります。

なんてこと!と思うかもしれないですけど、

病院側、お医者さん、スタッフの皆さんが悪気があるわけではないんですよ。

公立の病院のスタッフ不足や、もっと重症な患者さんの対応もあるでしょうし

なによりも、質の良い医療サポートを、無料で受けられる国にいることを

感謝すべきなんだと思います。

ほら、日本は電車が2分遅れただけでお詫びのアナウンスが入るけど、

私の近所の電車、ただでさえ2,30分に1本しか来ないのに、

駅員さんのアナウンスで「連絡はないけどキャンセルになったらしい」

と伝えられるくらいだから、

お国柄もあるのかもしれませんが…

決断と変更をスピーディーに

そんなドタバタな2か月でしたが、8月下旬くらいから、

SNSでいくつもの新シリーズをお送りしているのに気づいた?

思ったようにスケジュールが進まなくても、

作業を進めることができたって証拠だと思うんですよね。

最初から意識したことは、100%確定でなくても、

スケジュールが変わりそうだったら早めに伝える。

相手がミーティングの準備をしている時間は、

ミーティングキャンセルになったら無駄になってしまうんですよね。

もちろん連絡の行き違いで、電話の前で待っている時間も減らせます。

なので、「こういう理由で、今日のミーティングには間に合わなさそう。」

と早めに伝えてしまった方が、相手も仕事がしやすいはず。

同じく、ほかのチームにも「この時期は連絡が遅くなる」

「こういう状態なので、連絡が途切れるかもしれない」

ということを伝えておけば、彼らも早めに準備ができるんです。

私のスケジュールのドタバタを、彼らにも回してしまったら、

DLS全体でドタバタしちゃいます。

でも私のドタバタを、リーダーとして「決断」し、

できる限り早くに「変更」してしまえば、

彼らから見たら、急な変更でビックリ!ではなく

「今週のスケジュールの変更」になるんですよね。

私の場合はチームを例にお話しましたが、

家族のメンバー、サポートしてくれる友達などへの連絡と

言い換えることができるかもしれません。

ただ、前回のポッドキャストでお話したように、

公式に発表する前には、100%決まっている方がいいと思います。

中途半端な発表ですと、

お客さんからの質問対応に時間がとられ、仕事が進まなくなってしまうので。

バッファーを作っておく

バッファーという言葉、ご存じですか?

余裕、ゆとり、余白という意味の言葉なんですが、

貯金みたいなイメージでもいいかもしれません。

私はいつも1か月のバッファーをもって作業をしています。

例えば、今は9月ですが10月分のポッドキャストをレコーディングしているとか

この先4週間分の投稿を作るとか。

何かがあった時は、スケジュールがずれてしまうのではなく

人生何かがあるだろう、という仮定の下、

スケジュールがずれることをスケジュールに入れてある

という感じですが、なんだか分かりづらいね。

1日の中にもバッファーがありますし、1週間の中にもバッファーがあります。

具体的には1日のスケジュールを立てるとき、

その日できるだろうと思われるお仕事をギューギュー詰めるのではなく、

だいたい60%くらいを目安に入れておきます。

スムーズに進めば、明日の仕事を先にスタートしちゃうこともあります。

本当は、バッファーの恩恵にあずかるために、

終わったらさっさと趣味活動に進んだ方が良いんですが

「同じ仕事だったら、早く終わって早く帰った方が仕事ができる人である。」

というロジカルな考え方より、「長く仕事をした方が偉い」

という昭和のマインドセットがしみ込んでいるので、日々改善中です。

1週間の中のバッファーとしては、私は原則金曜日に仕事を入れません。

金曜、土曜とお休みにしていて、日曜日にボディコンサークルをやっていました。

何か問題が起こったら、金曜を切り崩して使うことができるって感じ。

そのため、大幅に遅れること、変更しなければいけないということが少ないのかもしれないです。

徹底した効率化

お料理の作り置きもそうですが、

同じ作業は一緒に行ってしまった方が効率が良いですよね?

ニンジン4本使うとして、1本洗って、その子の皮むきして、カットして

2本目を洗うところに戻る…

という人はいないでしょう?

お仕事も、そういった効率の良い行動があると思っています。

例えばSNSにアップする投稿は

  1. バックグラウンドに使う写真を選ぶ
  2. 投稿用のテンプレを作る
  3. 投稿用の文章を作る
  4. テンプレに文章を入れてデザインを整理する
  5. スケジュールする

という手順があるのですが、

1つ1つやっていたら、さっきのニンジン事件になってしまいますので、

それぞれのカタマリで4~6週間くらいを1セットに作業を行っています。

そうするとね、自然と脳みそをそんなに使わない作業と、

集中力が必要な作業が見えてくるんですね。

写真選びや、すでに作ってある文章をテンプレに入れてデザインを整える作業は

疲れているときや、やる気が出ないとき、病院の待ち時間にも作業ができるけど、

文章作りは、集中できる時間、場所、心構えが必要。

もちろん、スケジュールは必要だけど、

気持ちがのらないときに、無理やりパソコンの前に向かっていても

効率の良い時間の使い方はできないと思うんですね。

だからこそ、1つのお仕事の手順を考えて、細かく分けて、

その中で選択できるようになるといいんじゃないかなって思ってます。

ほら、私の趣味プロジェクトがいろんなところに落ちてるって話をしたじゃない?

そんな感じで、今日の気分はこんな感じという選び方もありだし、

今日は2時間作業する予定だったけど、

急にお迎えに行かなきゃいけなくなったから、30分しか残ってない!となったら、

やらなければいけない作業リストの中から、

脳みそも時間もあまりかからない単純作業をやるという判断ができるはず。

出来ないときは諦める

そうはいっても、思ったように進まないと焦るし、

イライラするし、ストレス満載だとは思うんです。

でも、できないときは仕方ないんですよ。

いくら準備をしていたとしても、

子供が熱をだしたら、先生の顔から親の顔に戻らないといけない。

いきなり生徒が辞めたら、発表会の振付を変えなきゃいけない。

電車が遅れることもあれば、病院の待合室で2時間以上待っていることもあります。

そういう時は、潔く諦めましょう。

半腰で作業しても効率が悪いですし、

無意味に夜遅くまでお仕事していたら、

明日が始まる前に、明日のエネルギーを減らしてしまいます。

発表会近くなので、この前休みだったのがいつだったか覚えていない…

なんて投稿をしている先生方、

1日お休みをとっても、何も変わらないと思いますよ?

というか、きっと効率が良くなると思いますよ?

夜遅くまで、何をしているのかイマイチ分からない自主練していても、

変な癖がつくだけなのと一緒です。

振付を何度も繰り返したら上手になると思っているダンサーがいますが、

回数でどうにかなるんだったら、みんな上手になってます。

お仕事も一緒だって覚えておきましょうね。

予防しないと同じケガをする

愛さん、今日のテーマは

「思ったように進まないときに、どうやって予定を立て直すか?」だったよね?

立て直し方というよりは、

予定が崩れないための方法をたくさん話してる気がするんだけど?

と思った方、その通り。

  1. スケジュールが変わりそうだったら、すぐに行動
  2. バッファーを作っておく
  3. 徹底した効率化
  4. 出来ないときは諦める

という今までのポイントは、どちらかと言ったら

スケジュールが崩れないための予防法だと思いません?

バレエのケガと一緒。

予防しないと、ケガを防ぐことができません。

予定が崩れて、うまく進まないときのことを、ケガしている状態だと考えたとき、

そこから学び、予防方法を考えないと、また同じケガをするんですよね。

この質問をくださった方は、

きっと今予定がすでに崩れちゃっているんだと思います。

お母さんでもあり、先生でもあり、

自分のために勉強時間を取りたいとも思っている、

向上心もプロ意識も高い方なんだと思います。

だから私が何かアドバイスをしなくても、きっと今は立て直していると思うの。

だけど、というか、だからこそ。

波が一段落していたらぜひ、予防法を作ってほしい。

バレエの先生たちもそうなんですが、発表会直前の忙しさは半端ないと思うのね。

予想できない衣装の問題や、生徒の問題などが起こると思うの。

でも毎回発表会の前に、同じように忙しくなり、

寝るのが深夜を超えて、ストレスいっぱいでキーっとなっているなら、

それを変えないのは自分の責任ですよね?

そうは言っても、私も何度も何度も、同じ間違いをしてきました。

  1. 私がいなくても、問題なく進められるように作業を資料化すること
  2. チームへの説明やコミュニケーションを向上させること
  3. 何度もミスが起こるなら、作業をしているスタッフではなく指示を出している私の問題で、
  4. スケジュール通りに進まない問題があったら、スケジュールを見直すこと

舞台復帰のリハビリのように、

最初から1回で完璧に行うことは無理だと思うんですよね。

だけど、少し調子が悪い部分があったら、

後回しせずケアしたり、強化エクササイズをすることで

結果として、本番を無事にこなせるように、

スケジュールの問題も、今のうちに予防法を考えておくことで、

私のように病気になっても、

前に進み続けることが出来るようにしておいたらどうでしょうか?

私も、まだまだ指導者として、チームリーダーとして、経営者として

向上しなければいけない部分がたくさんあって、やりたいことも山ほどあって、

時間があったら…と思って机の端に追いやっているプロジェクトが山積みです。

いくらチームのサポートを早めに行っても、

バッファーを作っても、

今できる一番の効率化を図っていても、

問題がない時に比べ、一時的に進みは遅いと思います。

でもね、進みが遅いということは、前に進んでいるんですよ。

止まっていないから。

ギブアップしてないから。

たとえ遅れが出ても、思ったように進まなくても、

今日はもう無理だ!と諦めて早めにベッドに向かっても。

ギブアップしないことが、愛さん流予定の立て直し方のカギなのかもしれません。

ということで、今日のポッドキャストはここまで。

バレエとは離れているかもしれませんが、

皆予定はあるだろうし、皆予定が変わってしまう日があると思います。

そんな時にちょっとお役に立てたら嬉しいです。

このようなポッドキャスト質問は、

インスタのストーリーズで募集することがあります。

近況や#愛さんについていこう シリーズもアップしていますので、

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ポッドキャスト聞いてます、というDMも楽しみにしています。

来週のポッドキャストでは、私も未だに戦っている固定観念についてお話しますね。

Happy Dancing!

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