DLSポッドキャスト epi601 ダンサーが知っておきたい足のアーチ

足のアーチの役割の仕事知ってますか?

クラシックバレエを踊るなら知っておきたい足の構造についてを説明しました。

レッスンで意識したいことはもちろん

指導者なら知らないと困る知識を勉強しておきましょう。

Transcript

皆さんこんにちは、DLSの佐藤愛です。

もしこのポッドキャストをリアルタイムで聞いてくださっていたら

今週末の飛行機で、日本に戻る予定です。

昨年7月末に見つかったガンの治療のため

今年は来日セミナーをキャンセルしたのですが

DLS公認スタンスインストラクターコースの最終試験ウィークと

同じくアドバンスドコースの最終試験ウィーク

そして小鬼合宿の為に来日することになりました。

来日中の様子は、YouTubeにて動画でアップする予定なので

そちらも楽しみにしていてくださいね。

さて、セミナーでお会いできない分、ポッドキャストで十分勉強できるよう

今月はダンサーの足についてを深くお話しています。

  1. エピソード599では、必要最低限の知識
  2. エピソード600では、足にある骨について

を学びました。

今日は足のアーチについてをお話していきたいと思います。

幼児に土踏まずはない

まずはダンサーが知っておきたい必要最低限の知識確認。

エピソード599の復習となりますが

  1. 足には3つのアーチがあります
  2. 生まれた時にアーチはなく、体の成長と共に、7歳くらいに私たちが考える足のアーチになります

ここまでは大丈夫?

レッスンで「足のアーチを潰さないで!」とか「足のアーチを持ち上げて」と言われた時

土踏まずを持ち上げて、小指の方に体重をかけてしまうダンサーがいるのだけど

それは間違っています。

だって足のアーチは3つあるから。

また、幼稚園から小学校低学年のレッスンで、アーチについてを言うことは出来ないです。

さっき見たように、この年齢はまだ、アーチが出来上がっていないから。

もちろん、アーチがゼロとは言っていないですが、まだ成長中だからね。

よって、幼稚園~小学校低学年のレッスンでは

180度の1番ポジションや、フラットな5番ポジション、4番ポジションなどはしません。

エピソード599でお話したように

ダンサーだったら、2週間前にお話した必要最低限の知識さえ分かっていたら

踊っていく上では十分足りると思います。

ですが、指導者だったら、もう少し体の構造が分かっていると

安全に指導が出来ると思いますし

保護者だったらネット上の変な情報に踊らされちゃう前に

基礎知識を頭に入れておいた方が良いとお話したでしょう?

子供達の足の成長への理解があるだけで

レッスン内容や、レッスンの注意の言葉が確認出来るということが

分かっていただけたでしょうか?

足のアーチとは?

足のアーチの解剖学に話を戻しましょう。

足には3つのアーチ、縦アーチが2つに、横アーチが1つがあります。

この子達の第一のお仕事は、衝撃吸収です。

地面からの衝撃を吸収すること、上に乗っている体からの衝撃を吸収すること。

もちろん、足のアーチ「だけ」が衝撃吸収をするのではないですよ?

背骨のアーチも、膝や股関節などの関節も衝撃吸収を行います。

でも、足は唯一の地面との接地面なので、最初の衝撃吸収、と言えるかもしれないですね。

足のアーチとは、骨がアーチ状に並んでいる事を指すので

足のアーチは骨で出来ている、といっても良いかもしれないです。

だから先週、足にある骨の名前を勉強したんだね。

縦アーチその1は、第一中足骨骨頭から踵骨隆起(しょうこつりゅうき)で出来るアーチです。

それだけだとよく分からないよね。

第一中足骨とは、先週勉強したように親指の方にある、長いヤツラ。

長い骨なので、頭としっぽがあり、中足骨の場合、頭はデミポワントで曲がる関節の方です。

つまり、中足骨のつま先に近いほう。

そこから、踵の骨、踵骨にあるでっぱり、踵骨隆起を結ぶのが縦アーチその1

時に内側縦アーチなんて呼ばれたりします。

両足で立った時、親指は足の内側になるでしょう?

だから内側にある、縦アーチってことね。

あれ?愛さん?

本の中でも、ポッドキャストでも、セミナーでも

踵の真ん中って説明していなかった?

そう気づいた方、素晴らしい!

かかとの骨って皆さんが思っているより長いんです。

地面についている部分のかかとは一部なの。

またかかとの骨の周りにはfat pad、脂肪でできたクッションがついていて

骨を衝撃から守ってくれているのね。

だから、今お話した踵骨隆起を触って確認するのはとても難しい。

ですが、だいたい手で触れる、床に触れるかかとの丸の真ん中あたりに踵骨隆起があるため

分かりやすく説明するために「かかとの骨の真ん中」と説明しています。

小指側にある縦アーチは、内側縦アーチとほとんど同じような説明

第五中足骨骨頭から、踵骨隆起にあります。

ということは、最後のアーチ、横アーチがどこにあるのかが分かってきましたか?

第一中足骨骨頭から第五中足骨骨頭ですね。

内側縦アーチを深く見る

今までの説明は知ってるよ!と言える、マニアックな人達の為に

もう少し細かくアーチを見ていきましょう。

教師の為の解剖学講座で参考書としているAntomy of Movementという本を持っている人は

ここから先は本の足の骨を見ながら、もしくは色を塗りながら聞いていると

より一層楽しいと思います。

今運転中、家事の途中で聞いている人は

カフェに英語の参考書を持って行って

イヤホンでエピソードを繰り返しながら勉強してみてください。

頭に入るかどうかは置いておいて、おしゃれ度はアップすると思います。

内側縦アーチ、日本語では土踏まずと言われる部分を作るアーチは

3つのアーチの中で一番重要だと

「The physiology of the Joint」

日本語では「カパンジー機能解剖学」と呼ばれている本の

著者のカパンジー先生は言っています。

さっき勉強したように

第一中足骨の骨頭からかかとで出来るアーチなんですが

最初にお話したようにアーチとは骨の並び方。

ではどのような骨が内側縦アーチを作っているのでしょうか?

  1. 骨頭が地面についている第1中足骨
  2. 地面から完全に浮いている第一楔状骨
  3. アーチのキーストーン、要石(かなめいし)となる舟状骨
  4. 足の上に乗っている体重やプレッシャーを受け取り、アーチに分散させる役割を果たす距骨
  5. 地面についている踵骨隆起

の5つが、内側縦アーチを作ります。

どう?先週のエピソードから聞いている人は

骨の名前が大分分かるようになってきたかしら?

外側縦アーチを深く見る

さっき勉強した内側縦アーチは5つの骨で形成されていたのに対し

外側縦アーチの骨はたった3つ。

  1. アーチのスタートとなる第五中足骨骨頭
  2. 完全に地面から浮いている立方骨
  3. 内側アーチと同じように、踵骨隆起

骨の数が少ない=関節の数が少ない=動きが少ない、ということで

外側アーチの方が、内側アーチよりも固めです。

そのため、アーチが潰れるとか、偏平足が、なんて話している人達は

暗に土踏まずが潰れている事をさしていることが多いんですね。

先週のエピソードで、足は縦に2つにわけることが出来るとお話したの覚えています?

内側というのは

  1. 距骨→舟状骨→3つの楔状骨→3つの中足骨→3つの趾

外側というのは

  1. 踵骨→立方骨→2つの中足骨→2つの趾

でしたね。

また、「体の重心なんて言われる骨盤から、大腿骨を通り、体重は脛骨に乗ります。

腓骨に体重は乗りません。」とお話したのも覚えてます?

より重いものが乗っている内側のアーチの方が

より衝撃吸収が必要なので、内側アーチの方が柔軟性があるのではないか?

逆に、外側アーチの柔軟性が少ない理由は、腓骨側だからではないかと

私は勝手に考えています。

ほらね、足ってこうやって色々と思いを馳せることが出来るので

ロマンがあると思うのですよ。

だから足マニアになっていくんだと思います。

同じように、足の構造の神秘さとロマンを共有してくれる人達は

hello@dancerslifesupport.comにメールか、YouTubeのコメントで教えてくださいね。

横アーチを深く見る

最後に、私が踊れなくなったきっかけとなった横アーチを勉強していきましょう。

もうすでに理解できると思うけれど

横アーチは5つ全ての中足骨が関与するので、骨の数では5つがアーチを作ると言えます。

第一中足骨骨頭が地面につき、一番高いのは第二中足骨骨頭

第3,4は中間的な位置にあり、第5中足骨が地面につきます。

キーストーンとなるのは第二中足骨、そして私の痛みはここでした。

このアーチは、湾曲が比較的低く、サポートしている靭帯の数も筋肉も少ないため

アーチは弱く、過負荷になりやすく、潰れやすいんだそうです。

(The physiology of the Joint、P241)

足のアーチが3つあるとすると

縦アーチの真ん中あたりを結ぶ線も、少し湾曲になるのが分かりますか?

その為、正式には横アーチではないんですが、中足骨だけでなく

足根骨(そっこんこつ)、足首の方の四角いヤツラ、にもアーチがあります。

例えば、3つある楔状骨(けつじょうこつ)と立方骨もアーチ型だし

舟状骨と立方骨もアーチ型になります。

アーチとバレエと柔軟性

今見てみたアーチ3つとも、全て

  1. 骨が作る形を
  2. 靭帯と筋肉がサポートしている

構造になります。

その為、アーチを保ちたかったら

靭帯をケガさせないことと、筋肉強化が大事になります。

骨の形は、生まれつきではありますが、骨が健全に成長してくれることは

アーチが健全に成長してくれること、とも考えることが出来るので

やっぱりダイエットはしないでください。

足に関わる筋肉については、来週勉強していく予定ではありますが

今日の有料クラス級エピソードを終わらせる前に1つ考えてほしい事があります。

靭帯は、伸ばしてしまうと手術しない限り戻ってきません。

そして長年、重力のある地球で生活していると、年齢と共に伸びてしまいます。

ここでは敢えて「靭帯が伸びる」という表現を使っていますよ。

ケガとは異なり、加齢と重力で起こる変化を指しているので。

そのため、足、フットのストレッチは十分気を付けて行いたいんです。

つま先を伸ばすため、ルルベを高くするため

  1. 幼い時から、つま先周りをギューギュー押すストレッチや、過剰なマッサージ
  2. 年齢に見合わないテクニックが含まれている振付、もちろんトウシューズ
  3. 筋力を育てていないのに、柔軟性ばかりを追い求める練習

は、足のアーチの為にも良くありません。

筋肉はエクササイズ出来るかもしれないけど

さっきお話したように靭帯はそうはいきません。

確かに

  1. ダンサーはつま先を伸ばさなければいけないよ
  2. ルルベやオンポワントでは、骨が整列する必要があるよ

だけど、年齢とレベルに合わせたレッスンで

このような柔軟性は育てられているという事実を忘れないでください。

バレエを指導しているからって

エクササイズやストレッチも指導出来ると勘違いしている人達がいるけれど

体のこと、エビデンスをしっかりと勉強していないのに

勝手に指導しないでください。

つま先が伸びれば、うちの子はバレリーナになれる!

なんて思ってネット検索しないでください。

お子さんが良いダンサーになるかどうかは良い先生に恵まれているかにかかります。

ここでいう良い先生と言うのは

しっかりと勉強していて、子供達が楽しいと思い

レッスンに通うこと、練習することが自発的に出来るようなスタジオです。

バレエが好きじゃないと、バレエを練習したいと思わないでしょう?

練習しなかったら、つま先を伸ばす筋力を鍛えることが出来ないでしょう?

筋力が育たなかったらつま先は伸びないでしょう?

だから、つま先を伸ばしたかったら、バレエが楽しい、好きだと思える環境が必要なのです。

通じました?

今月最初のエピソードでお話したように

10年以上やってきた「ダンサーの足」セミナー、今年はキャンセルになりました。

また来年を楽しみにしていてください。

ですが、このように解剖学や、エビデンスベースでダンサーを指導したい人

正しい知識を身につけて

ダンサーに特化したエクササイズが指導出来るようになりたい先生は

DLS公認スタンスインストラクターコースをチェックしてください。

まだ今年の情報はアップされていませんが

4月中旬に詳細が、5月から申込が始まります。

毎週火曜日が授業になるので、新学期のスケジュール調整をしておいてくださいね。

では、来週は足の筋肉について勉強していきましょう。

Happy Dancing!

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