顎を食いしばってしまうダンサーへ

何を隠そう、私も歯を食いしばる癖があります。

別に何か重いものを持ち上げているわけではないんだけど(持ち上げるもので一番重いのはうちの大きな方の犬、カヤック。18キロ…)

癖なんだろうね。

こうやってブログを書いていたり、インスタストーリーを作っていても、気づくと顎を食いしばっている。

 

顎を含め、首回りに力が入ってしまう理由はこの記事で説明しているのでそちらを読んでください。

今日は「どうして?」の部分ではなく「じゃ、何をしたらいいの?」の方に行きたいと思います。

 

*なんで歯を食いしばる、ではなく顎をと書いているかというと、

質問をくれた人がそのような言い回しだったからです。深い意味はございません。

顎を食いしばる筋肉、咬筋

噛む筋肉と書いて咬筋(こうきん)

こいつが歯を食いしばる原因となっております(下のイラストの赤い部分)

エラが張る、なんていうのもこの筋肉が成長してしまうから。

By Kevjonesin – Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=26222892

 

ここにボトックスを打って、緊張を和らげる事で顎が開きやすくする、という人もいます。

特にボーカル系で問題がある人や、オペラ歌手など顔の筋肉の柔らかさがパフォーマンスのクオリティに影響する人達。

 

ボトックス、というのはねぇ、しわ取り剤じゃないんですよ。

ボツリヌス菌の毒素なの。

筋肉を収縮させないように、つまり麻痺みたいな感じにさせる効果があって、

咬筋のように収縮しちゃってどうしようもない筋肉に打つことで、筋肉の緊張を減らすために使われたりもします。

しわっていうのは表情筋の収縮だから、それを緩和させるために美容に使われるのだと思うけれど、私は専門じゃないので「そうらしいです」とだけお伝えしておきます。

 

私が働いていたメルボルンのクリニックは、パフォーマーがくる場所で、ボーカル治療を得意としていたので、こういったケースを見たり聞いたりもしてきました。

咬筋マッサージ方法

ま、ボトックスまで行く人はダンサーではいないと思うよ。

  • 顎を開くことが出来ず食事が出来ないレベル
  • 収入源がボーカル筋肉たちにかかっている

人達じゃないからねぇ。

 

自分の指で咬筋をマッサージするのは手っ取り早くできるし、どこでもできます。

頬骨の下あたりに指を置いて、軽く顎をカミカミしてみてください。

結構分厚い、動く筋肉が見つかったら、そいつをグリグリします。

 

お友達である胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん イラスト右)と、側頭筋(そくとうきん イラスト左)も一緒にアタックしてもOK。

Henry Vandyke Carter – Henry Gray (1918年) Anatomy of the Human Body (See “ブック” section below)Bartleby.com: Gray’s Anatomy, Plate 382, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=528874による

Image:Gray385.png modified by Uwe Gille – Image:Gray385.png, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2492590による

 

がしかし、そこまでやると治療家のように指筋トレしている人達でなければ、指に結構なダメージを受けます。

 

エラ1、指ゼロ、このままでは負けてしまう…

顔の側面マッサージ

側頭筋から咬筋までの顔の側面をマッサージボールでグリグリする、という方法もあります。

色々な方法があるけど、私は

  1. うつぶせになって、
  2. 胸の下に枕を入れて、
  3. 首だけ横向きになって
  4. ボールの上に頭を乗せる、

というのが一番好き。

 

そうそう、できれば足裏マッサージした後のボールはやめてくださいませ。

DLSで扱っているマッサージボールを薄めのタオルでくるむとか、ハンカチを上に載せるなどしたら衛生的ですし、イガイガ度も減らすことが出来ます。

レッスンで顎を食いしばらないために

ウォームアップの前にこのようなマッサージやリリースをしておくというのも、

歯を食いしばっている自分に気づいて、癖を修正していくというのも

とってもいい案なんですが、「レッスン」の中で気を付けたい事、それは

 

  • 他の部分の弱さをカバーしていないか?
  • 先生が怖すぎないか?
  • 失敗を恐れていないか?

という事。

 

上の2点は首の力みの記事で書いたので今回は省略して、「失敗を恐れていないか?」を考えてみて。

いいんですよ、バランス取れなくても。

いいんですよ、ピルエットで失敗しても。

いいんですよ、アダージオでグラグラしてしまっても。

そのための練習場所がレッスンなんですから

 

結果を求めるのではなく、プロセスが大事なんです。

バレエの世界だけではないけどさ。

 

振り付けを覚えていないと私は怒ります。

でも、

  • 頑張って覚えようとして失敗してしまう
  • リバースに慣れていないからわからなくなる

というのは長年教師、試験管をやっていれば見分けられるんです。

 

あ、今パニックになって、頭真っ白だなっていうのは見える。

キッズセミナ―に来ている保護者の方はご存知のように、私は子供の失敗を笑う嫌な先生です。

だって真剣な顔して間違えるから、面白いんだもの。

(いい意味で、ね…?)

 

インストラクターコースの実技試験でもそうでした。

大人ですよ、10分だけの試験ですよ、だけどパニックになっているのは面白いほど見えます。

インストラクターとして外に飛び出し、クライアントの前でパニックになったらそれは失礼極まりく、お金を頂き、プロと名乗るためには絶対ダメな行動です。

 

でもコース中の試験はプログレスであり、出来ない自分を探し上達させる場所なんです。

 

バレエレッスンもそう。

たまたまうまくいっちゃっただけ、では上達しません。
出来る限り準備をしてからレッスンに挑み、間違えて、失敗して、そこから学ぶ。

それを繰り返すから上手になるんです。

そしてそれには時間がかかります。

 

顎を食いしばってもどうにもならないんです。

顎を食いしばらない準備をして挑む。

癖なら修正する。

バランスを「醜く」とるのではなく、美しく5番に戻ってくる練習に考え方を変える。

 

Progress, not perfectionなのでございます。

 

 

Happy Dancing!

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