勉強とダンサー:タイムマネージメントという才能
タイムマネージメントって言葉を聞いたことがありますか?
ビジネス用語として使われることが多いこの言葉ですが、英語で見て分かるように
time、時間を management管理すること。
辞書で引くとこんな感じに出てきます。
タイムマネジメントとは、目標を達成するために時間を有効活用し、仕事を効果的・効率的に進めるための技術のことを指す。 日本語では、時間管理のこと。
スケジュール管理と混同されることがあるが、スケジュール管理は、どちらかというとスケジュールの管理や把握といった意味合いが強い。biz-trend.jp/kenshu/words/timemanagement
この言葉、プロのダンサーを目指す子たちにとって非常に大事に言葉です。
留学する前はもちろんだし、留学しても、そして卒業してオーディション巡りをしていてもタイムマネージメントの技術は大事です。
ということで、今日はこんなダンサーの生活を逆算しながら考えてみましょうか。
オーディション巡り
バレエ学校に入学したら全員がプロになれるわけではありません。
ロイヤルバレエ学校の最終学年でもオファーがくるのは毎年2-3人程度。
それ以外のクラスメイト達は外部へオーディションに行きます。
オーディションをするためにタイムマネージメントは必要ですね。
様々な国、都市を回るためにはお金が必要だから、自分のトレーニングの時間と、バイトの時間のやりくりが大事ですよね。
短い期間で、様々なオーディションを回るために、現地でのタイムマネージメントも必要かもしれません。
オーディションは年がら年じゅう行われているわけではないから、2月のオーディション時期に合わせて自分のテクニックを磨くエクササイズプランを作らなければいけません。もちろん、そのプランに沿って生活していくという日々の生活の時間管理ももちろんですね。
オーディションビデオを作るためのスタジオレンタルや、先生を探したり、ビデオを編集してくれる人との打ち合わせなど、ほかの人も計算に入れたタイムマネージメントも必須になってきます。
テクニックがあっても、素敵に踊れても、実際に現場にいないとできないのがオーディション。
そのためには、自分の時間やお金をやりくりして、オーディション現場に出ること。
それが卒業生に求められる技術の一つです。
ちなみにこれを行う年齢は17,18歳あたり。
留学・バレエ学校生徒期間
ただ、バレエ学校にいたらみんなが上達するのか?といったら答えは否です。
バレエ学校という、時間割がはっきりしている場所でもタイムマネージメントは必要です。
勉強、試験との兼ね合いは大事ですね。学校によっては午前中アカデミックを勉強するところもありますから、
その場合、宿題などをどれだけ効率よく終わらせられるか?というものが、どれだけ踊りに集中できるか?に繋がります。
また、コンクールに出場する場合、普通のレッスンたちの上に特別レッスンを入れてくるわけで、体力分配や、時間管理も必要になってきます。
自分に足りない部分を補うため、エクストラでトレーニングする子たちは多いのも事実。
英国ナショナルに留学したうちの生徒は、学校が終わった後、近所のジムでトレーニングをしていたそう。
卒業後、すぐにカンパニーに入れた理由も、エキストラで行う努力があってこそですね。
治療に通う人や、トレーニングをする人、そして、バレエ一本では心配だから、と歌のレッスンに通ったり、演技のコースを行ったり。
自分磨きを行うためには、タイムマネージメントという技術が絶対です。
これを行う年齢?12歳ごろでしょうか。
私のもとでトレーニングしている子たちで12歳。宿題は朝早くに起きて終わらせ、私のもとでトレーニングしてからバレエ学校に向かうそうです。
留学する前
もちろん、日本にいたら、12歳からこんな生活はできませんが、15,16歳で留学を考えているのならば、中学校くらいでこの事を考えていきたいですね。
中学といえば、試験が難しくなってくるころ。
試験があるから、とバレエをお休みするのはいいですが、それは時間管理ができているとは言えません。
本気でバレエがしたいのならば、学校で真剣に勉強し、バレエのレッスンを休むことは絶対に避けなければ。
一番からだが伸びる時期、中学校や高校で、レッスンの量に波があるのでは困ります。
同じくらいの年齢で、毎日踊りこみ、その上でトレーニングをしている子たちと国際コンクールで出会うことになるのですから。
だからといって、勉強をしなくていいわけではありませんよ。
学校、という環境を使ってタイムマネージメントを練習する、と考えたほうがいいでしょう。
だって、英語はどこの国に行っても必要ですし、日本人として日本の歴史は知っておきたいもの。
世界史や宗教について知っておくことで、古典バレエの背景や、キャラクターの理解を深めることが出来るし、
体育の授業は絶好の体力づくりの場になりませんか?
数学は役に立たない見たいに感じるけれど・・・世界各国で共通なんですよね、数字って。
プロになって、35歳まで踊れたとしても、その後80歳まで長ーい時間があります。
バレエ以外に好きなこと、得意なことを探しておく、というのも大事な練習です。
ケガをして踊れなくなった時に、ほかのことを知っておくのも便利です。
バーサタイルなダンサーが求められる21世紀の話は2015年のオフ会でもしましたが、そのためにも様々な知識を取り入れる必要がありますね。
将来ダンサーになるか分からなくても、タイムマネージメントというスキルが無駄になることはありません。
一番最初にも書いたけれど、これね、ビジネス用語らしいから。
ということは、バレエを楽しく踊りながら、体力や運動神経を養い、将来社会で使える能力も作っちゃう。
バレエってなんて素敵な習い事なんでしょうね!
Happy Dancing!
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