脚が太いからターンアウトが出来ない!?

 

こういう質問をされると正直腹がたちます。

特に最近は摂食障害の子達と関わっているし、私自身も太いからできない、って何度も言われてきましたし。

が、よく来るって事は先生方も先生方で悩んでいるのでしょうから、ここで一気に答える事にします。

 

確かに!お肉は関節の動きを止める…けど

むかーし、DLSがまだ新しい時に関節の動きを止める原因は4つほどある、って説明をしました。

1)骨と骨がぶつかってしまう

2)関節の周りの靭帯が硬い

3)骨と骨をつなぐ筋肉が固く、短い

4)筋肉、または脂肪がぶつかってしまう。

 

たしかにそうなんです。

ただし、ターンアウトだけに関しては4番目はほとんど関係なくなります。

 

だってさ、股関節の動きを考えてみてよ。

ターンアウトしてるって、骨盤のソケットの中で大腿骨が回るんだよね?

ひざみたいに、グランプリエしたらハムストリングとふくらはぎがぶつかっちゃう!とかじゃないんだもの。

特に、脚を「外側に回す」のだから太い太ももとかは外に回される=邪魔じゃないところに行く

だから、ここで脚が太いから彼女はターンアウトが出来ない、というのは言い訳です。

(うちモモの方がぶつかるところまで回せてたら、ターンアウト出来てるじゃん!!)

 

ターンアウトが出来る=5番ポジションが入れられる、ではない

多分、先生方が言いたいのは「5番にしっかりと閉まらない」という事だと思われます。

だけどさ、脚が太かったら実は5番ポジションちゃんと閉まるンですよ。

だってお肉たちが先にぶつかるから、タイトな5番ポジションにする前に両脚が閉まったように見えるんですもの。

 

わかります?

確かに、右足前の5番ポジションで、右足の子指と左足の親指はぶつからないかもしれないけれど、

そこまで出来てる子って、特に動きの中でね、殆どいないんだって考えたら、脚の太い彼女だけ特殊なことじゃないでしょう?

→みんな出来ていない部分なんだけど、太さが目につくからなのか?を考えて!

 

じゃ1番ポジションの場合は?というと同じことが言えます。

太ももやふくらはぎがぶつかっちゃうかもしれないけれど、バレエの先生達がだーい好きな膝の過伸展の子達もそうじゃない。

だから、脚の太い子だけの特殊な問題ではない。

→脚の形によってそうなる子がいるって事は、太いだけが原因じゃない!

 

そしてここで問題になってくるのは「しっかりとポジションにならない」ってやつね。

しっかり、ってどういう事?

  • ひざが伸び、骨盤が正しい位置にあるままでポジションを作ることができる
  • 足首がロールインせず、股関節から脚全体を外旋している
  • 脚と脚の隙間が空かず、しっかりと閉じられている

 

これがしっかりと作られたポジションだとしたらさ、太い足が原因なのか、他に直さなければいけないところがあるのか?が分かってくるのではないでしょうか?

 

体の細い子がやっていたら、骨盤を持ち上げて!と注意するところを、脚が太い、という見た目「だけ」で太いからできない、と匙(さじ)を投げていたら指導者失格ではないか?

 

原因をしっかりと追究すること=指導すること

別にここでは難しい解剖学や、ケガのリハビリを話していません。

基本的なバレエのステップをお話してます。

股関節のターンアウトではお肉がぶつかる動きはほとんどない(ぶつかるところまで回せたら嬉しいのよ!)というのが前提で

足のポジションがしっかりと入らない理由を追究する!

このような部分はバレエを指導する上で最低限必要な知識です。

 

脚が太いから5番ポジションに入らない、と言われた子はどのような行動に出ると思います?

  • 悲しい!細くならなくっちゃ→摂食障害
  • 脚が太いからできないんだ→バレエを辞める
  • できないのは体のせいなのね→正しく体を使う努力をやめる

ポジティブな部分ってない気がするんだけど?

 

逆に正しい知識を教えてあげたらどうなるだろう?

 

  • 外旋六筋を使ってターンアウトします→

ああ、お尻に無駄な力をいれてぎゅーっとターンアウトしてたんだ!→

大殿筋の使用が減り、サイズが小さくなる

 

  • ターンアウトを妨げる大腿筋膜張筋を伸ばして使いましょう→

骨盤を正しく持ちあげて使えるようになる→

大腿骨の周りの筋肉を無理に使わなくてすむようになる

 

  • 脚がそろっていても、ポジションで立っている時は内転筋を常に使いましょう→

レッスンで使う筋肉量が増える+脚のラインが美しくなる

 

んでもって、本当に原因が100%太さのせいであったとしたならば、そしてそれが100%確実に分かった時だけ、どうして太くなってしまったのか?を考えていく必要があります。

ターンアウトの筋肉が使えない=骨盤が安定しないという事は解剖学的に分かる。

という事は、安定させる深部の筋肉たちがうまく働かず、表面の筋肉ばかりを使っているのか?

というテクニック、筋力的な事から、

 

  • そのような指導をしてきたのか?
  • そのような筋肉が感じられやすいレッスンプランを作っているのか?
  • そのような筋肉を育てるようなダンサーの卵向けレッスン(つまり、難易度の高すぎないレッスンで変な癖をつけないように細心の注意を払っているのか?

という指導方針の見直し、

 

レッスン中に飲む水の量(ほとんどのダンサーは飲まない!それはいけません)や食事の質が悪い=家庭環境の見直しまで。

 

食べる量を減らしなさい、という前に調べなければいけない事はたくさんあります。

 

厳しい と 非情

私ね、セミナーとかで鬼って言われてます。

メールでも厳しいことをいいます。

 

ただ、ターンアウトが出来てないって注意したことはありません。

ピルエットが足りない、って言ったことも、甲が低いって言ったこともありません。

だってそれはレッスンで練習するところだもの。

 

順番を間違えたら怒ります。

昨日言われていた注意を忘れていたら怒ります。

理由もなく途中でエクササイズを諦めたら怒ります。

もちろん、できるようになったステップが気のゆるみでできない場合は怒ります。

 

ただね、やり方(How)を指導せずに、何かをやりなさい、という指導は非情だと思います。

 

一度も泳いだことがない子に、

息継ぎやクロールの方法を指導せず25m泳ぎなさいって言いますか?

1キロさえ走った事のない子に、

長距離の練習や説明をせず、マラソンに出場しなさい、って言いますか?

英語の分からない子に、

英語の授業なしでシェークスピア原文を読んで感想文書きなさいっていいますか?

 

ターンアウトが何かを指導せず、

ターンアウトが出来ない、って言い切りますか?

 

 

Happy Dancing!

 

 

  • <お知らせ>

    体の声を聞く練習と共に、弱点を克服し踊り続ける事、長く指導し続ける事が出来る体を育てるボディコンサークルは毎週日曜日にZoomにて行われています。

    スケジュールやトピックの詳細はこちら

  • <お知らせ>

    DLS教師のためのバレエ解剖学講座モジュール1&2を受講された方々向けに、毎月ダンサーに見られやすいケガ予防とレッスンの作り方についてを勉強する「教師のための月一勉強会」があります。

    モジュール受講者は毎月のテーマとスケジュールをこちらからご確認くださいね。

  • 佐藤愛著シリーズ



  • Follow Us!

  • お知らせメールを受け取ろう!(無料)

    最新情報、メルマガ限定コンテンツ、セミナー早期申込などのお得情報が満載!
  • Categories