タックとダックの狭間で:タック


ダック

バレエダンサーにとって骨盤のプレースメントはとっても大事。

よくある間違いにタックちゃんとダックちゃんというのがあって、前回はダックを研究しました。

タックの方がダックよりも悪質ですってところで終わってましたよね。

まだそっちを読んでいない人はどうぞ、そちらから。

今日はその悪質なタックがどうして悪いのか、を研究していきます。

 

研究その1:タックの探し方。

ダックの反対という事で、タックは骨盤後傾です。

骨盤の前の3角形でいうと、恥骨がASISよりも前に来ることです。

 

ダックと同じように、骨盤のプレースメントがずれるので体のアライメントに影響してきます。

仙骨が前方に巻き込まれてしまうので、腰椎が伸びます

それに引っ張られて全ての背骨のカーブが下向きに落ちます

 

「背骨カーブがない方がいいのでしょう?」

 

背骨カーブが「引き上がることはいいことです。

重心が上がり動きが軽やかになる、というのはもう述べました。

けれど背骨カーブが「ひっぱられる」ことは悪いことです。

 

???

なんだそれ?

 

この答えを知るには、

「背骨カーブがどうして人間にあるのでしょうか?」

という答えを知らなければいけません。

 

背骨のカーブが人間の体にある理由、

それはカーブがクッションになって、脳みそにかかるショックを分散してくれています。

コンクリートの床を走っても毎回ステップを踏むたびに脳震盪にならない理由はここにあります。

 

正しく背骨を「引き上げている」場合、カーブが全くなくなる事はありません。

また、重心が上がっているので体を軽く使うことが出来ます。

 

タックした状態だと、腰椎が引っ張られます。

結果、カーブが全くなくなってしまう事があります。

これはすべり症、ヘルニアなど、腰椎のケガに繋がります。

 

怪我のタチが悪い、それがタックが悪質な理由の一つです。

 

→引き上げについての記事

→引き上げと脊柱起立筋

→背骨を引き上げる練習は無駄なのか?

→芸術的な引き上げ!?

 

 

研究その2:タックの隠れ場所

 

タックが隠れている場合もありますが、

多くの日本人ダンサーの場合堂々と日の当たる場所に居ます

悪質な上に態度がでかいのです。

 

 

1番ポジションをしている生徒たちを横から見ると、ほとんどの生徒がタックしているのが見えるでしょう。

センターのアダージォで脚をデヴァンに上げているときの殆どの生徒がタックです。

アラセコンドの半分はダックですが、残りの半分はタックです。

プリエが深くなると比例してタックも大きくなっていきます。

 

「おしりを使ってターンアウトしなさい」

「おしりを引き締めなさい」

という注意を聞く所では、95%の確率(勝手な想像だけどさ、今までの生徒達はそうだったよ)でタックが生まれています。

 

上の注意は間違っていません。

正しい注意です。

が。

情報が足りなすぎです。

 

片方のおしりだけ見ても、3つの臀部筋肉、その下に6つの小さな筋肉がついています。

 

骨盤についている筋肉はもっとたくさんありますから、

解剖学を知らないと骨盤から始まる全ての筋肉=おしりの筋肉と勘違いしている生徒もいます。

 

例え、解剖学を少し知っている生徒がいたとしても9つの筋肉のうち、

どれを使っていいのか、何て知りません。

 

おしりの筋肉の話はしっかりとしなければいけないのでそれだけで時間をとる予定ですが、

今現在だけで言っておきたい事は

 

9つのうち、6.5個の筋肉を使ってターンアウトします。

 

という事です。

.5って何!?

それはまた今度・・・

 

ターンアウトをしている気でもタックの落とし穴にはまっているケースもあるから本当に、タックちゃんは悪質です!

 

小さな子供に「おしりを引き締めなさい」といって正しいところを引き締めている確立はとっても少ないのがお分かりになるでしょうか?

 

説明が少なくて、かつ間違いが少ない指導法としては

「股関節からターンアウトしなさいというものがあります。

無難で、あいまいですがタックにはなりづらいかもしれません。

この注意については詳しく記事にしてあるので記事の題名(上のピンク文字)をクリックして読んでみてね。

 

研究その3:タックの起こす影響

タックの悪質具合が一番わかるのが筋肉バランスを見た時です。

タック

  • ハムストリングが縮む・・・脚が前に上がらなくなり、軸足の膝が曲がりやすくもなります。
  • 腹筋が縮まる=うまく使えなくなる・・・腹筋をしていると思っていてもタックの落とし穴にはまっている事があります。
  • 大腿四頭筋が太くなる・・・タックすると膝が曲がりやすくなります。それを伸ばそうとするので膝を伸ばす唯一の筋肉である大腿四頭筋が大きくなります。
  • 背筋が使えなくなる・・・背筋が伸びきってしまうので正しく使えなくなります。腰椎のケガをし易いのは、背筋と腹筋が自動的にスイッチオフされてしまうからです。

 

ターンアウトしようとしてタック。

腹筋の練習をしてもタック。

ハムストリングの柔軟をしてもタックのせいで体が柔らかくならない・・・

タックは悪質。

ダックも危険。

ああ、頭が痛い!!バレエなんてやめてしまえ!!

 

骨盤のプレースメントが正しいと、こんなに難しいことを考えなくても全ての筋肉がバランスよく働きます。

無駄な力が要らないので脚も太くならないし、ケガもしづらい。

2つのエクササイズ(これ、とこれ)を毎日行ってほしい理由はここにあるのです。

 

ダンサーの為の解剖学は全てを理解している必要がありません

正しいことが分かれば、そして貴方の体の癖だけが分かれば、それでOKなのです。

 

おわりに。

難しい!とあきらめないでください。

プロを目指している子はよりよいテクニックに、脚が太くて悩んでいる子には無理なダイエットなしで筋バランスのいい脚に、

なによりもケガを防ぎながら指導するためには大事な部分。

DLSセミナーでは様々なクラスでこのコンセプトをカバーしています。

セミナ―詳細はこちらのページからどうぞ。

Happy Dancing!

ai

 

 

 


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  • タックとダックの狭間で:タック”へのコメント

    • April 1, 2017 at 3:19 pm

      こんにちは。
      「ダック」という言葉サイコーにぴったりですよね。「タック」はよく耳にしますけど逆はなかったですよね。DSLで見てとても便利でよく使わせていただいております。
      ところで、そうなんです…タックなかなか直せないんです(‘_’)
      転勤で入会した生徒がすごいタックで愛さんの言うとおり足がロールインしています。
      どうもタック気味の人の方が骨盤まっすぐに直しにくいようでさらに腰をゆずらないとデヴァンに脚は上がらないので伸ばし方も妙な癖がついたり、前後開脚がナナメになったりして厄介です。結構、股関節が柔いんですがそういう子がタック多い気がします。お尻も硬くなりすぎる、下がってしまう、といった感じです。
      骨盤のブレースメント直すエクササイズ、生徒にやらせてみたいと思います。

      Reply
      • April 3, 2017 at 9:02 am

        こんにちは。
        骨盤のプレースメントを直すエクササイズたち、是非是非やってみて下さい!
        どんな体でも、ほぼすべてのケガでもできるエクササイズ達ですからウォームアップに取り入れてもらってもいいですし、分かりやすいエクササイズだから自主練もしやすくなると思います。
        体の柔らかい子がタック、そうなんですよ。股関節をホールドしておく筋肉がなかったり、体が柔らかい癖にいっぱいストレッチしてたりするとタックになります。
        長座もできちゃうけど、ちゃーんとハムストリングを伸ばすストレッチをズルせずにはできない・・・なんていう固い「部分」がある子達もこのグループです。
        勉強熱心な先生がついていると、生徒達は安心ですよね!

        Reply

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