DLSポッドキャスト epi562 エビデンスベースでネガティブレビューを読んでみよう!

DLSでバレエ解剖学を学ぶ教師が増える中、「安全なバレエ=下手な指導?」というSNS投稿が注目を集めました。今回のポッドキャストでは、その内容を客観的なデータや科学的な証拠に基づいて読み解き、エビデンスベースとは何かを分かりやすく解説します。指導者や保護者が知っておきたい、情報の読み取り方と伝え方の大切さも考察します。 Transcript最近、クッキングゲームの「プレートアップ!」にハマっている佐藤愛です。私はPS5で夫と共にやっていますが、任天堂スイッチでも出ているんですってね。昔、オーバークックにもハマり、同じシリーズのオーバークック2も制覇しましたが、協力して、時間内に料理を作るというゲームが、私は好きなようです。毎晩、夫と共にやっております。知っている人、これに似ているゲームをご存じの方はインスタにDMかメールして教えてくださいね!さて、今日のポッドキャストはDLS公認スタンスインストラクターコース5期生申込終了間近に皆さまの元へ届く予定です。どういう内容にしようかなーと考えながら、最新のIADMSの機関紙を見ていたのですが、アドバンスドインストラクターの1人から、スクショをもらいました。スクショは、投稿した方や、投稿した場所が分かる形ではなかったのですが、内容はDLSに関するネガティブにもとれる意見だったので、今日はその内容を、エビデンスベースで読んでいきたいと思います。先にお話しておきます。この投稿を書いた方を否定しているわけではありません。未だに誰なのか私には分からないからです。この投稿トピックでは目と目を見ないかもしれないけど、その他の社会情勢や、時事問題については、馬が合うかもしれません。家族内でも、全ての意見が一致するわけではないですから、赤の他人だったら、猶更、同じ意見になることがないかもしれません。そうだったとしても、1つの意見が合わないからといって、相手の全てを否定するというのはいけないでしょう?学校のいじめって、そういうところから生まれるのだと思います。とはいえ、自分の意見を理路整然と伝える事、自分にとって大切なことは、周りの評価と関係なく、行動を起こすこと、も同じように大切だと思いますので、今日のポッドキャストをレコーディングすることにしました。さて、肝心の投稿内容にいく前に。エビデンスベースって何?と思われる人やエビデンスベースって聞いたことがあるけど、ちゃんと説明してと言われたら言葉に詰まる、という人もいますよね。辞書で調べてみると、「エビデンスベースとは、単なる思い込みや経験だけでなく、客観的なデータや証拠に基づいて意思決定や行動をする考え方です。日本語では「根拠に基づいた」や「証拠に基づいた」と訳されることもあります」と出てきました。もちろん、医学や文学の世界では、エビデンスベースというのは科学的根拠という意味になりますが、客観的なデータや証拠に基づいて、OOしようとか、XXしないようにしよう、と考えること全体をエビデンスベースと言えるんですね。では、元となるスクショを読んでいきます。文字数の関係かスムーズでない部分もありますが、一字一句そのまま読んでいきますね。「最近DLSとか勉強して、ストレッチしたら下手になる筋肉が落ちる!安全バレエとか歌っている教室が多いですが、9割は下手なスタジオですwストレッチするからケガをするのではなく、プロを目指すくらい真剣にレッスン量もすると、ケガしそうになるのはどの世界でも当たり前。なんなら週1ではそもそもケガはしない。ストレッチ否定論者はなんなんでしょうね、流行りですかね笑💦体の柔らかさはどの世界でも必須ですし、バレエならなおさら💦」という事でした。数値化してみようまずは、最初の1文「最近DLSとか勉強して、ストレッチしたら下手になる筋肉が落ちる!安全バレエとか歌っている教室が多いですが、9割は下手なスタジオです」から見ていきましょう。DLSとか勉強して、という文章からDLSに対して、ではない事が分かります。教室についてお話しているので、DLSで勉強している先生たち、という意味でしょう。「最近」とも書いてあるのでここ半年くらいだと仮説を立てていきます。この期間の中には、3月に行われた来日セミナー約400人毎月行われているボディコンサークル、半年計算で1クラス30人×6=180人、それにボディコンエクスプレスも4クラスあるので、少なめに換算して250人くらい?DLS公認スタンスインストラクターコース4期生の40名アドバンスドコースの再試験もあったので15人ほどDLS教師の為のライブラリ1年会員約60人、3か月会員16人だとします。来日セミナーやボディコンサークルは参加者の100%が先生ではありません。ダンサーの場合もありますが、全てのクラスで半分以上は先生たちなので、やはり少なめに換算して来日セミナーの200人+オンラインエクササイズクラスの175人=375人。インストラクターは全員先生ですから、約400人の先生たちがDLSで勉強したと計算します。この数字の中には、教師の為のライブラリで勉強している先生たちは含まれていませんが、セミナーやコースには重複している人達もいると思ったので、ライブラリ分の人数は全て抜きました。保守的な計算がしたかったので。そうすると、400人のうちの9割が下手なスタジオです、ということですから360個のスタジオが下手なスタジオという計算になります。この方が言っている事を、データ化するとね。それって結構ボールドな提言だと思うのですよ。DLSはオンラインでもクラスを提供している関係上、日本だけでなく、世界各国から受講してくれているので、その中の360個のスタジオが”下手”と確定するには、かなりの労力がかかります。また何をもってして「下手」と定義づけるのかも難しいのではないでしょうか?プロダンサーを出す?留学生がいる?コンクールで上位?でも、体育大学に入学した場合は下手?ダンスの経験を使って、リハビリ系に進んだらダメ?ダンス教室の友達がいたから、学校でのいじめに耐えられて、卒業出来たという子がいたら、それはどうなる?側弯症の治療の一環で、基礎レッスンを受け続けて、手術なしで生活していたら、それもダメ?ま、SNSはインパクトがある文章が好まれるので、9割というのは、もしかしたらパンチのある言葉選びなのかもしれません。ただし、私たちが喜ぶべき言葉が書いてあるんです。「安全バレエとか歌っている教室が多い」ポッドキャストを聞いてくれている皆さんならご存じのように、先週のエピソードで10年で0.5%しか成長できなかったように感じる…というお話をしたじゃないですか。でもね、この方曰く安全なバレエを!と言っているスタジオが多いんですって!それって大きな成長じゃないかしら。だって、DLSをスタートした2013年には、安全バレエなんて謳うスタジオはなかったのですから。事実かどうかを確認するでは次は、「ストレッチしたら下手になる筋肉が落ちる!安全バレエとか歌っている教室が多い」という部分を見ていきましょう。私のことを知らない人が、このスレッドを読んだら「まぁ!DLSはストレッチしたら下手になる、筋肉が落ちる!って言っているのね!」と思うでしょうから。 簡単に調べる方法は、DLSサイトの検索バーにこれらキーワードを入れてみる事です。「ストレッチ」と「下手」というキーワードを一緒に検索したところ、これに該当する記事はない、と出てきました。 次に「筋肉が落ちる」というキーワードを検索したところ、これに該当する記事はない、とやっぱり出てきました。 セミナー参加者の皆さんはご存じのように、もう、ネタの様に全てのクラスで「ストレッチがダメとは言っていないからね」と繰り返す私を覚えていますか? セミナーに参加していない人でも、直近の3月のポッドキャストではストレッチについて、エビデンスベースのポッドキャストをお送りしましたよね。ここでいうエビデンスベースというのは、科学的根拠、実際に論文を読みながらお届けしました。 これらから考えるに、このスクショの文章を書いてくださった人は、DLSのセミナーに参加した事はなく、ポッドキャストやブログを読んでいる方ではないんだろうな、ということが分かりました。 確かに、文献などは英語で分かりづらいかもしれないけれど、今やったように、サイトの検索は、日本語のキーワードで、無料で、すぐに出来るからです。 頑張る≠ケガ と知ってほしい次の文章も読んでみましょう。「ストレッチするからケガをするのではなく、プロを目指すくらい真剣にレッスン量もすると、ケガしそうになるのはどの世界でも当たり前。」 3月のストレッチポッドキャストでもお話したように、2004年の研究によると、ストレッチとスタジオ内でのケガが繋がっていると出ているので、これは、ちょっと違うんじゃないかな?とは思いますが、全員が全員、論文を読みながらレッスン指導はしないですからね。 でもその後のところが問題だと私は思いました。「プロを目指すくらい真剣にレッスン量もすると、ケガしそうになるのはどの世界でも当たり前。」 DLSのスローガンは生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンが「当たり前」に。でも、この方曰く、真剣だったらケガするのは、ケガしそうになるのはどの世界でも「当たり前」。 私は、安全が当たり前になってほしいけれど、もしかしたら真剣にやってたら痛くて当たり前、という考えの方が強いのかもしれません。ほら、やっぱり0.5%しか成長していないかもしれないから。そして、それはとても悲しいと思う。 舞台を見に行ったとき、ケガでダンサーが降板するのを見た事ありません?プリンシパルやソリストレベルだったら、それが発表されるのだけど、コールドだった場合、そのような張り紙をシアターで見ることはないでしょう。 ケガしていたら、オーディションにも参加出来ないし痛みがあったら、バレエ学校生活も大変だし、何度もケガするダンサーは、やっぱりキャスティングされづらい。つまり、ケガしているダンサーは使ってもらえないわけですよね? 使ってもらえないから、痛くても言えない、ケガしていても伝えられない。というダンサーが多いのであれば、それはそれで問題でしょう。カンパニーは職場なので、そんなブラック企業を応援しては困ります。 など考えると、やっぱりケガしないダンサーが舞台に上がれるチャンスが増えるのではないでしょうか?だからこそ、プロを育てたかったら、ケガしないダンサーを育てるべきではないでしょうか? ストレッチだけが柔軟性アップ方法ではない最後の文章も読んでいきましょう。「ストレッチ否定論者はなんなんでしょうね、流行りですかね体の柔らかさはどの世界でも必須ですし、バレエならなおさら」 先ほどもお話したように、360個のスタジオをベースにお話しているとしたら、私も全員が「ストレッチ否定論者」だとは調べることが出来ません。 DLS公認スタンスインストラクター、通称小鬼たちだったら、10ヵ月一緒に勉強していますし、彼らの投稿内容は見ることがありますが、それでもコース内でストレッチを学んでいます。ストレッチが試験にも出ますので、否定論者にはならないと思います。 もう1つの問題は、「体の柔らかさはストレッチでしか手に入らない」となっていること。「体の柔らかさはどの世界でも必須」というのは私も同意です。一度も体が硬い方がよい、とは言っていないので! ですが、体の柔らかさとは、静的ストレッチでしか手に入らないのでしょうか? まず、体の柔らかさというのは、関節の柔らかさの話だと思います。そして、関節の柔らかさ、つまり関節可動域を制限するものには、様々な種類があります。靭帯、骨の形、関節包、皮膚、神経など。 殆どのものは変えられないため、関節の柔らかさを「作る」時に注目されるのは、筋肉です。筋肉は、性質上伸び縮みするようになっていますし、関節を動かすパワーも持っているので。 筋肉を柔らかくするためには、ストレッチも1つの手ではありますが、部屋の温度、体温ストレスや緊張など精神的なもの水分や栄養休息なども影響します。 つまり、ストレッチは筋肉を柔らかくする1つの方法でしかない。 しかも、ストレッチの中にも様々な種類があり、IADMS、国際ダンス医科学学会や、様々な論文が、危険性やタイミングなどをお話しています。 この部分をもっと詳しく知りたかったら、まずは3月のポッドキャストをチェックしてください。無料ですから。 そして、その後に、教師の為のライブラリにある、「柔軟性」クラスを受講してください。1クラスだけ、単発でも受けられます。 矛盾を見つけること、自分の意見を見つけることということで、頂いたスクショをデータと共に読み解いてみましたが、ここである矛盾に気づきましたか? 「ストレッチがケガに繋がらない=ストレッチを否定すべきではない」という意見は分かりましたが 「上手になりたいならレッスン量が必要で、練習量が多い事がケガに繋がる」という意見もあるわけですよね? でもケガしていたら、必要な練習が出来ない。骨が折れていたら、ジャンプは出来ないしルルベが痛かったら、ピルエットの練習は出来ない。腰が痛かったら、アラベスクにあげるのは大変。 だとしたら、上手になるためのレッスン量に満たない、となってしまいます。ケガが多いと練習量は減るのです。 じゃ、どうするの?この答えは、私は既に出してあります。 エビデンスベース、論文や科学的根拠はもちろんのこと、10年以上、バレエ学校でプロダンサーを夢見ている子達と仕事をしながら、何度も世界各国からプロダンサーが集まるガラコンサートの裏側でバレエ団の医療チームの意見を聞きながら、日本のバレエ関係者と12年セミナーを通じて話を聞きながら、もちろん、自分自身の経験から。 単なる経験談かもしれないけれど、それでも、成功したダンサーの裏には涙した100人がいるのではないかと思っているので、その人たちの現場の声を聴きながら、私が出した結論は、生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンが、プロを育てるということです。 もちろん、プロダンサーだけでなく、健康な大人を育てるとも思います。 でも、バレエに関わっている人達は、自分で考えてみましょう。根拠、データと共に。 「子供の安全と健康を考えない親はいないよね」というインスタストーリーに、私と同じバレエ学校を卒業した、今はお母さんになっている人からコメントをもらいました。「子供の安全と健康を考えない親はいないです。身体の安全、心の安全いつも気にしています。真剣にしていたらケガするんですと言っているお教室に入れたいとは思いません!」 彼女の意見は、データではありません。でも大切な娘さんを守りたいお母さんの声です。そして、自分自身もプロを目指し、バレエ学校に留学した経験のある人です。 あなたの考えは何でしょう?何を当たり前にしたいですか?たとえ、世界全体に浸透していないかもしれないけど、ご家庭で、自分のスタジオで、どんな風景を当たり前に見たいですか?そしてそのためには、どのような勉強や、練習、変更が必要ですか? もし、このポッドキャストを聞いてくれている先生たち、治療家、トレーナーの方で、生徒の安全と将来の健康を考えるレッスンが当たり前になるべきだよね!と思ってくれた人たちがいたら、DLS公認スタンスインストラクターコースの5期生の詳細をご確認ください。 ちゃんと、コースに合わない人についても言及してありますので、コースに向いてるか?テストもやってみてください。自分がコースに向いてると分かったら、1年に1度の成長のチャンスをお見逃しなく。 お申込みは今週末5月25日までです。 Happy Dancing!佐藤愛

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DLSポッドキャスト epi561 0.5%とコインの話

計画通りにいかない現実に焦りや落ち込みを感じている佐藤愛が、今こそ思い出したい「プロセスを味わう」という視点について語ります。指導者として、保護者として、生徒として、感じる不安やもどかしさ。でも、目的地に向かう道のりで出会う風景や仲間こそが、成長の証なのかもしれません。旅そのものを楽しむヒントをお届けします。 Transcriptビジネス的に言う、Q2の真ん中に近づいてきて、ちょっと焦っている佐藤愛です。 Qというのはクオーターの頭文字で、一年を3か月ずつに分けて考える方法から、Q1=1,2,3月Q2=4,5,6月Q3=7,8,9月Q4=10,11,12月と言います。 そのため、このポッドキャストが出る2025年5月16日はQ2のちょうど真ん中の月で、1か月のちょうど真ん中あたりとなるんですね。なのでちょっと焦りを感じているんです。 今年掲げた大きなゴール、「Expanshion(拡大)」に対して、思ったように進みが見えなくて。 ポッドキャストでシリーズにしていたので、私の2025年ゴールが「Expanshion(拡大)」だって知っている人は多くいると思うのですが、そのゴールを細かく分けてチームの拡大クラスの拡大知識の拡大ネットワークの拡大健康面での拡大というのを挙げていたのね。 成長がゼロではないです。少しずつ進んでいるものもあります。でも今年の頭に計画していた通りには進んでいない。 しかも、中には自分ではどうしようも出来ないような遅れの原因もあります。例えば、この日までに終わらせるように、と伝えていた仕事がセミナーから帰ってきたら終わっていなかったとか、想定外のケガとか。 ケガの中には防げるものと、防げないものがあり、ダンサーに見られがちなオーバーユーズ障害とも言われる慢性のケガは知識があればある程度防げるのだけど 皮膚の問題で病院に行って、そこで窒素で焼いてもらったんだけどそれがすっごく大きな水ぶくれになり、腫れて、包帯でぐるぐる巻きになるっていう問題がおきまして、思ったように動けないし、タイピングも難しいみたいな状態になっちゃったんですよ、とか。 正直、ガッカリしますよね。今年の4分の1が終わってしまったのに、思ったように前に進んでいないように感じる。進みが遅いだけでなく、後ろに戻っているような部分もあります。 このまま前に進めないんじゃないか?という不安や私には、このゴールを達成できるだけの器がないんじゃないか?という落ち込みやなんでいつもこうなっちゃうの!という怒りとか。そういう気持ちがたくさんあるかもしれません。 もしかしたら、諦めもあるかも。スタートも遅れたんだから、これ以上頑張っても無理、私には無理と思う人もいると思うんです。 結果ではなくプロセスが大事そういう気持ちになっている人はもちろん、今は大丈夫でも、1年というスパンで見た時に、こういう気持ちになることがある人自分ではなく、子供(生徒)の成長で同じように、焦りとか不安がある人は、つまり人間だったら、今日のエピソードは聞いてもらいたいなと思っています。 DLSポッドキャストを聞いてくださっていたら、特に、指導者用セミナーや、インストラクターコースを受けてくれたことがある人なら私が嫌って程、ゴール設定についてお話するのを知っていると思います。 目的地が決まっていなければ、思った方向に進めません。思った方向、というのが決まっていないのだから、当たり前だよね? そして、指導者はスタジオの方向性という大きなゴールから、毎週のクラスのゴールまでを考えないといけない。 それが明確でないと、生徒達がどれくらい成長したのかはもちろん、何を指導するのか、どこまで指導するのかを計算することが出来ない。だからゴール設定は大事。 ダンサーも一緒。プロダンサーになりたいという最終目的地を忘れて甲出しとか、膝を「入れる」ためのストレッチだとかをやってしまうと、ケガして、踊れなくなってしまって、プロダンサーになるというゴールからかけ離れてしまう。 でもね、ゴール「だけ」に執着してしまうとプロセス(過程)を楽しむのを忘れてしまうと思うの。 確かに、ゴールに掲げたものを手に入れるのは楽しみですよね。だってOOが欲しいから、ゴールに掲げているんだから。 だけど、目的地に向かう道にサクラの木が咲いていたり久しぶりに再会した昔の友達がいたり途中まで一緒に歩ける旅仲間と出会ったり風の音や、青葉に太陽が反射している様子が見られたりするわけじゃない? 来日セミナーの為に東京に長く滞在していると、携帯を見て歩いている人が多い事に気づきます。私も含め、地図を見ながらオロオロしている人もいるけれどずーっと携帯の動画(ドラマ?映画??)を見ている人。顔を上げず、何かをタイピングしている人。 毎日見ている風景だから飽きてしまうのかもしれないけど、長いことメルボルンの田舎に住んでいる私にとって、東京ほど観察していて楽しいものはないです。 四季がある国だということはもちろん、掲示板とか、広告とかすぐに変わるし、歩いている人達のファッションや、ポップアップショップなど。それに気づかないのは勿体ないなぁって思ってしまう。 そんな感じで、ゴールに向かっている道にある”風景”も見逃してしまったら勿体ないなぁって思うことがよくあります。それがプロセス(経過)というもの。 最終目的地→6500人の先生が生徒の安全と、将来の健康について勉強している世界2021年日本のバレエ教育に関する全国調査によると、日本には(2021年時点で)1万3千人のバレエの先生がいるそうです。 そして、DLSのゴールは生徒の安全と将来の健康を第一に考えるレッスンが「当たり前」になること。 当たり前の為には、大多数の人達が同じ方向性の考えをする必要があると思うので、導き出された数字が6500人の先生、ってわけ。 もちろん、全員がDLSで勉強する必要はありませんが1回勉強しただけでは、長きに渡る癖や考え方、スタジオ方針は変わらないと思うし21世紀ダンサーを育てるならば、強化エクササイズまで出来なくても最低限全てのバレエスタジオで「正しい」ウォームアップが指導されるようになる必要があると考えているので、(だってウォームアップは、ケガを予防するって立証されているものだからね!) 5-6000人がDLS公認スタンスインストラクターコースを受けてほしい。というゴールを持っています。 そのゴールを早く達成させたいか?答えはYESです。 そのゴールに向かって進んでいるか?答えはYESですが、凄くゆっくりです。 例えば、現在の小鬼(コース修了生)の人数はさっきお話した先生人口の約0.5%なんですって。前には進んでいるけどさ、12年DLSをやってきて、4回コースを開催して1%にも満たないってこと。 0.5%ってグラフにしても、殆ど違いが見えないサイズでしょう?目に見える進捗がないから、思ったように進まないから、諦めるべきか? 答えは…正直なところ、時々そう思う事もありますが、目的地に向かう風景が素晴らしいのでこの旅を楽しむことを優先させたいと考えられるようになりました。 どんな風景が見えるかって?2019年にスタートした1期生がアドバンスドコースを卒業し、より一層ダンサーの安全と健康をサポートしてくれているまだコロナの問題が残っていた2期生が、コースが終わっても集まって勉強していたり、仲間の発表会をサポートしたりしている姿を頻繁に見ることができる初海外参加者もいて、地方組も多い3期生が、小鬼合宿で久しぶりに仲間と再開したり、遠くにいてもオンラインで一緒に活動したりしているコース試験が終わって、まだ結果が出ていない微妙な時期だったのにも関わらず、もっと勉強を続けたいと思ってくれている4期生が、先輩たちに混ざって合宿に参加してくれていたというような風景。 小学生になったばっかりの娘と一緒に、ゲーム感覚で解剖学クイズをした中学受験中の娘と一緒に、コースの勉強をしたあまり話すことのなくなった成人した子供が、パソコンなど助けてくれたエクササイズの練習台になってくれた夫の運動不足が解消されたなんていう、アットホームな風景。 スタジオに来たら勝手にプランクしている子達が増えたという話エクササイズクラスを始めるという連絡に対し、保護者からは前向きなフィードバックしかなかった話発表会前の練習はあえて短くして、本番は誰もケガすることなく、皆で舞台に立てた話なんていう、ダンサーの安全と健康が、それぞれのスタジオで根付いてきている風景。 これらを見ることが出来るから、たとえまだゴールに手が届いていないとしても前を向いて歩いていくことが出来ますし、目的地の方向性が間違っていなかったんだ、と確信を持つことが出来ます。 それって、ガッカリしないとか、イライラしない、不安にならない、という意味ではないです。そういうネガティブな気持ちと「共に」ポジティブな変化を「意図的に」意識すること。 コインには両面があるように、ポジティブとネガティブ、どちらから1つではなく、両方とも存在するんですよね。 好きなことでも、大変な部分があるインストラクターコース中、特に試験の近くで、どのグループにもお話するのですが、自分で選んで、好きで入ったコースでも、試験の勉強のストレスは絶対にある興味があり、好きな分野でも、疲れて、やりたくないって感じることがあるこれがコインの両面という意味です。 でもね、試験勉強のストレスが嫌だ疲れるから、忙しいからと言っていると、一見嫌なことを避けられるように思えるけど、良いことも一緒に避けてしまうんですよね。 コインが欲しかったら、片方だけ手に入れることは出来なくて、両面一緒についてきます。だから、思ったように今年のゴールが達成出来ていない人、成長が見えなくて、諦めかけている人、出来ないかも…ついていけないかも…私には無理かも…と思っている人。少しでも前に進むためには、行動を起こさなければいけません。 ただ、行動を起こせば「100%」思ったように進めるわけではないし、スムーズに、問題なく物事を終わらせることが出来るわけではないけど、そのリスクを背負わないと、何も変わらないです。 何もしない、というのは心地よいように感じるし、OOが出来たら、XXが終わったら、などタイミングを待つのも”冷静な対応”に感じるけど待っていても、リスクが減るわけでもありません。 特に忙しい毎日を送っているダンサーや先生なら1つが終わると、次の準備がやってくるってことを十分知っていますよね? 発表会の準備は長くかかるし、レッスンプランも作らなきゃいけないし新しい生徒募集の準備や、新クラスを作るかどうかも考えるし、確定申告だって、毎年決まった時期にやってきます。今あげたような仕事は、1年待っても、3年待っても減ることはないでしょう。 もちろん、長期治療中の家族がいて、最後の時間を一緒に過ごす子供がいじめられていて、不登校だからサポートが必要赤ちゃんが生まれたばかりで、毎晩3時間毎に起きている など特別なシチュエーションだったら、別だけど、それは分別がつく大人なら分かる事でしょう。 例えばスタジオを開いたばかりで大変という人もいれば長くスタジオをやってきて、生徒さん達も毎年こういうスケジュールというのに慣れているから変更しづらい、という人もいます。 生徒が少なくて困っているという人もいれば生徒が多くて、事務作業だけで週末終わってしまうという人もいるはずです。 今あげた例の先生たちは大変な思いをしていると思います。たとえ、自分が好きなバレエで、自分の夢だったスタジオを経営していたとしても。コインは常に両面があるのです。 0.5%の成長先ほどもお話したように、0.5%ってグラフでも見えづらい。とはいえ、思ったように成長しないんだから、って放っておいても何も変わりません。あ、それは嘘だ。逆戻りしちゃうでしょうね。 そして、たとえ成長が0.5%だったとしても、そこに向かう途中の風景は素晴らしく、小鬼たちという旅の仲間も出来ました。 私も含め、誰も0.5%成長するのがゴールに掲げる人もいないだろうけど、自分が信じる道を選び、思ったように成長しないリスクの方が、何も行動を起こさず、情報が存在し、防げるケガを横目で見ながら「そうは言っても、島国体質の日本で、古い考えの先生たちが健在しているバレエ界で変わるわけないもんね」と言って、見せつけるかのようにため息をつく中年元バレエ学校教師になるリスクと比べてぜーんぜん小さく感じるので、私は、エビデンスベースの情報をアップし続けます。 こうやって、ポッドキャストやインスタなど無料でやったり、1日、2日で出来るセミナーにしたり、毎週、お家から簡単に参加出来るオンラインエクササイズクラスにしたりして。 12年間、精魂込めて作ってきたDLSですから悪口を言われたり、0.5%だけしか成長がないという数字を見てガッカリしますよ。 でもね、行動を起こしてガッカリする方が、行動を起こさずに、ガッカリするよりも、数倍も良いと思う。 人目に出るということは、良い意味も、悪い意味もありますし、エビデンスを見るということは、自分にとって悪い数字だとしても、統計を見る必要があります。だって、コインは常に両面が付いてくるからね。 DLSをスタートさせる1年前から来日セミナーをしていたため、今年3月の来日をもって私のセミナー指導歴は12年、一回りしました。 実は、一番最初の来日セミナーから参加してくれていた先生の1人が、今年も教師の為のバレエ解剖学 モジュール3を受けに来てくれました。1日だけしか時間が取れなかったけど、復習したいから、と。 その先生の生徒さん、昔のセミナーでは子供だったのに今ではオーディション活動に励んているダンサーになっていて、やっぱりクラスに来てくれていました。 別の、だけど同じく12年前からセミナーを受けてくれている先生はインストラクターコースも、アドバンスドコースも終えて今でも小鬼合宿に来てくれています。 私の本をキッカケに、解剖学に興味を持って理学療法士の勉強を始め、この春、国家試験に合格した、という元プロダンサーも忙しい引っ越しの合間に、受講しに来てくれました。 ケガしてた時に、ボディコンサークルが支えになったと教えてくれた中学生や解剖学やエクササイズが大好きで、もっと勉強したいと何枚ものページにお手紙を書いてくれた高校生にも会いました。 たとえ統計的には0.5%の成長だったとしても、干支が1週回るだけの時間、応援し続けてくれた人達がいて、誰かの人生にポジティブな影響を与えることができたのであれば、それって素晴らしいプロセス、過程なんじゃないかなって思います。 そして、たとえ6500人というゴールを達成する事ができなくても、その目的への道の途中、こういった人達と時間を過ごすことが出来るなら、ゴールが達成できなくても、十分収穫のある旅だったのではないかとも思います。 もし、このポッドキャストを聞いてくれている人達の中でリスクや言い訳はたくさん思いつくけれど、コインの暗い側面から逃げず、もっと高い山に登ってみたいもしかしたら山のてっぺんに届かないかもしれないけど、その道の途中でしか見えない風景や、仲間と出会いたいと思った人がいたら、DLS公認スタンスインストラクターコース5期生の詳細を確認してください。 生徒の安全と将来の健康を第一に考えるのが「当たり前」になるべきと思っている人達が集まり、お互いを高めあったり、感化したり出来る側面と、プレッシャーの中、出来ない自分と向き合わなければいけない側面コインの両面から、今までになく成長できるはずです。 先日、5月13日に無料説明会が行われ、1年に一度の申込がオープンしました。詳細資料、コースに向いてるかテスト、そして説明会の動画をご希望の方はhello@dancerslifesupport.comにメールしてくださいね。 短い期間しか小鬼への扉は開かれません。迷っている人はお早めに行動を起こしてくださいね。 Happy Dancing!佐藤愛

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DLSポッドキャスト epi560 新!小鬼度チェックテスト

今回は、DLS公認スタンスインストラクターコースに本当に向いている人を見極める“新・小鬼度チェックテスト”をお届けします。SNSや口コミだけでは伝わらない、本気で学びたい人へのリアルな視点とメッセージをお伝えしました。10ヶ月間の挑戦にふさわしいのは、どんな人?紙とペンを準備して、ぜひ一緒にチェックしてみてください! Transcriptこの前の来日でガッカリしたことの1つに、宿泊先に一番近いコンビニで買ったアメリカンドッグが湿気ていておいしくなかった事がある、佐藤愛です。ある程度の長さ、DLSインスタをフォローしてくださっている人ならご存じのように、私が好きなものの1つにコンビニのアメリカンドッグがあります。英語ではコーンドッグと言うんですが、オーストラリアではあまり目にするものではないのね。なので日本に行ったときに、特別イベントとしてアメリカンドッグを買っていました。すごく楽しみにして買ったのに、なんとなく冷めてて湿気てたもんだから、まー残念で。2025年3月の来日でも複数回買ったのですが、2回も美味しくないのにあたって残念でした。そうは言っても、とっても美味しいのもあったので、また次回チャレンジします。さて、今日は新!小鬼度チェックテストをお送りしたいと思っています。小鬼というのは、インストラクターコース生、卒業生たちのあだ名で、私、鬼の愛が育てたということで、小鬼だよね、という1期生がつけてくれた名称で、簡単に言うと内輪ジョークみたいなものです。誰にでも、小鬼になろうよー!と声をかけることはできません。アメリカンドッグのように、楽しみにしていたのに中身が思ったのと違う…って結構残念じゃないですか。しかも、DLS公認スタンスインストラクターコースは約10か月、そう半端な気持ちではうまくいかない内容になっています。そのため、口コミとか、実際に参加した人の声というのも役に立つと思うので、申込時期にはアップするようにしているのですが、口コミとは結局その人の感想でしょう?今までの話で、アメリカンドッグはあれば食べるけど、飛行機に乗って行った先の国で食べたいと思うレベルじゃないな、と思う人もいれば加工肉は体に悪いし、コンビニ食は健康に悪いと思っている人もいるかもしれません。私の他の好物、カステラは理解が出来るけど、アメリカンドッグは別に…という人もいるでしょうね。だからネット上の誰かが「おいしかったよ!」「メルボルンから楽しみにしてた!」と言っていたとしても、そしてそれに興味があったとしても、自分の口に合っているかを知っておきたいじゃない?そのため、毎年インストラクターコースの申し込みシーズンには、無料説明会をやったり、コースに向かない人について明記したりしているんです。私も、100%コミットしてくれる人と一緒に10か月を過ごしたいから、コースに向いていないな、と思ったらちゃんと伝えられるよう、努力をしています。せっかく見つけた美味しいアメリカンドッグ、どうせなら、アメリカンドッグ好きの人たちと分かち合いたいじゃないですか。そんな感じ。さ、今週のポッドキャストでアメリカンドッグと私は何回繰り返すのかも興味深いですが、テストをしてみましょう。もし紙があったら、一緒に点数をつけながらやってみてくださいね。Q1 DLSセミナーやボディコンサークル、教師のためのライブラリなど、DLS有料クラスは受けたことある?A YES!大好きだし、毎回目からウロコですB タイミングが合わず参加が叶っていないのですが、ポッドキャストは全エピソード制覇済み、インスタやYouTubeも見て、DLSのミッションや愛さんの投稿内容に慣れていますC …実はインスタをちらほら見た程度で、最近愛さんが本を出しているって知りましたAの人は3、Bの人は2、Cの人は0の点数をつけましょう。既にDLSの有料クラスを受講したことがあると、贔屓しますよ!というわけではありませんが、既に私の提供しているクラスの様子やスピード、雰囲気が分かっていて、それに追加して10か月続くコースに興味があると言ってくれているなら、コースが向いている可能性が大きいですよね。逆に、私のことをあまり知らない人ならばSNSで見ている姿と、指導中の姿のギャップがあるかもしれません。ギャップ萌えみたいなポジティブな方ではなく、ガッカリする方のギャップです。Q2 オーバーストレッチやダイエット、12歳以下のポワントはダンサーにとってケガの原因である、生徒にやらせるべきではないと知っている?A YES! DLSで勉強して、スタジオでは廃止しました!B 正直まだ100%理解出来ているとは言えないけれど、「分からないことは指導出来ない」と習ったので、辞めました(&そういうスタジオでは働いていません)C そうなの?でも早くからポワント履いて、細くて体の柔らかい人がバレエ向きでしょう?Aの人、Bの人は2点追加、Cの人は-1です。このポッドキャストを聞いてくれていたら、すでに知っているとは思うけれど、知っているのとやっているのは違います。危険だと分かっているけど、辞められない…という人はこのコースには向きません。同じく、そういうことを指導している大先生の下でアシスタントをしている人も、このコースには向きません。これは4期生募集の時も多くの問い合わせを受けました。でもね、子供たちにとって、アシスタントだろうが、大先生だろうが、先生であることには変わりないのです。そして知識も経験もない子供たちが、あなたも怖いと思っている大先生に言い出せないなら大人であり、理解があるあなたが盾になって守ってあげないといけないでしょう?そのため、「そうは言ってもお世話になっている先生だから」と言っている方はコースに来ないでくださいね、ってお伝えしているんですね。自分が主宰者だったら、言い訳はありません。色々なところでお伝えしていますが、「そうは言っても、生徒が辞めてしまうから」と言っているとしたら、スタジオの経営の方が生徒の将来や安全よりも大切だと言っているのと同義語だと私は思います。そして、そういう人には、このコースは向きません。Q3 エクササイズの指導法を学ぶコースです。上手に出来なくてもいいですが、エクササイズの効果が分からない人は指導に説得力がなくなってしまいます。A コース受講を視野に入れてから、エクササイズ経験を増やすようクラスを受けていますB エビデンスベースのエクササイズを提供出来る先生、ダンサーに寄り添える治療家・トレーナーを目指しているので、今からコース中はエクササイズ受講経験を増やしていく予定ですC エクササイズに苦手意識があり、避けていますAの人、Bの人共に+1点、Cの人は0点です。この話は、先週のエピソードでお話しましたよね。A,B共に、エクササイズが好きですとか、エクササイズが上手ですとかは聞いていません。50m走8秒で走れる、って言うのも聞いていないです。そこは関係ないので。そうではなく、自分で体験したことがないことは、指導することが出来ないからという意味で、この質問を入れました。ちなみに、卒業生たちが口を揃えて言うのは、このコース中が、大人になってから一番強くなり、慢性の痛みも減り、動けるようになったという声。中には、曲がっていた指が元に戻った人や、50肩が改善して、腕が上がるようになったという人までいます。自分の体が変わったら、教えるときに自信につながると思います。たとえ1回で結果が出なかったとしても、「先生もね、毎週やるようになったらここまでできたよ!」と言ってあげることが出来る。それって指導の強みになると思いませんか?Q4 コース信条の1つにFirst, No Harm(絶対にケガさせない)があります。危険な行動、言葉を発しないという意味です。A 絶対に生徒をケガさせないよう、自分で出来る努力をしてきました。この先もしっかりと学びたいと思っています!B 今の指導で100%ケガさせないと言い切れないのが悔しいです。このコースで変わります!C プロを目指すなら無理して頑張らないと結果はついてこないし、どこか痛くても好きなことなら、我慢するべきでは?点数は、Aが3点、Bが2点、Cがマイナス1点です。Aの回答にある「自分で出来る努力をしてきました」というのは、今までの生徒がケガしませんでした、という意味ではありません。ケガした生徒がいたら、それ以上ひどくならないように勉強したとか出来る限りケガを減らせるように、発表会の準備をしたとか、定期的に勉強して、ケガを減らせるように努力してきたとか。こういった自分に出来る100%をしてきたか?という意味です。もちろん、人間ですもの、完璧は出来ないですが、ネガティブな経験から学び、次を予防するための努力は、誰でも、どんなスタジオサイズでも出来ます。ケガを怖がらなくてもいいし、痛みがあったら必ずしも悪いことではないのですが、指導者としての理解って意味で、この質問を入れてみました。Q5 このコースは自分で勉強するところ、クラス仲間と協力して練習するところ、Zoomを使って試験やクラスに参加したり、パソコンを使って提出物を作ります。A 学校の勉強は苦手だったかもしれませんが、生徒たちのために&自分が変わるために、自発的に勉強時間を作っていきますB パソコンに苦手意識があったり、自分から声をかける自信がありませんが、指導者としてだけでなく、人として一回り成長したいと思っているので、苦手なことも初めてなことも挑戦し続けますC …そんなに勉強時間が必要なコースですか?A、B共に+2点、Cは0点です。「大人になって、こんなに勉強したのは初めて!」という人たちが多いのには理由があります。それは勉強が必要だから。といっても、すべて指導に直結する勉強「しか」ありません。教科1で バレエ解剖学やダンサーに特化したエクササイズ教科2で ダンサーに必要なエクササイズクラスの構成、ダンサーに響く言葉や、逆に害になる説明教科3で ダンサーに見られやすいケガや症状教科4で ダンサーからよく聞かれる悩みというように、このコースは「ダンサーに特化」した授業が展開されます。それだけではなく、オンライン、オフラインのハイブリッドコースなので、パソコンを使った学びやアセスメント提出が必要になります。エクセルの計算式を入れるとか、ChatGPTを使いこなすなどは不要ですが、タイピングは必要になってきます。今まで、そういう勉強をしてきていないなら時間がかかって当たり前です。だから、パソコン得意とか、タイピングが早い必要はないですが、オープンマインドで、やったことがないことに挑戦できる心は大切。でもそれって、学びのすべてで言えますよね?知らないことを勉強するから、学びというんだもの。Q6 このコースは約10か月のコミットメントが必要です。A コース期間に発表会、舞台などはありません。少し発表会の練習が始まる時期と重なりますが、問題はありませんB 発表会、イベントが1つだけありますが、それを乗り越えられるようスタッフや家族と事前に準備していますC コース期間中発表会、コンクール引率、自分の舞台があります。Aの人は3、Bの人は1、Cの人は0点を追加してください。Cを選んだ人でも、コースが出来ないわけではありませんが、努力と無茶は違うと私は思っています。コース中、毎回の試験の後に反省会というのが行われます。試験結果よりも、試験までの過程を振り返り、この先より良くする必要があるので試験結果を手渡して終わりではなく、フィードバックや総評、次に気を付けるところなどをお話するんですね。コース生の1人が「勉強が足りなかった」という反省をしたことがあります。でも、その人はこの先は舞台が2つあり、リハーサルが増えてくると言っていました。なので私は「では、どうやってもっと勉強するつもり?」と聞きました。少し考えた後、その人の答えは「朝早起きすることと、夜もっと頑張ること」この考え方は多くの皆さんがすると思うのね、特に頑張り屋さんだったら。でも、これは意味がありません。既に自分のキャパいっぱい勉強しているんだったら、これ以上時間を延ばすことは出来ないのです。早起きや夜遅くまでの勉強では、これから増えていくリハーサルに必要な体の回復時間がとれないでしょう。生徒の健康を守るためのコースで、自分の健康を犠牲にする行動は無意味です。だから、コースでは「酸素マスクは自分から」という言葉を多く使います。飛行機と同じ。生徒をサポートしたいなら、自分が最初に酸素マスクをつけなければいけないのです。だからね、コース中に舞台があったらダメ、と言っているわけではないけれど、勉強に必要な時間、練習時間を捻出できないようなすごく忙しいシーズンが来るのなら、今年参加しない方がいいかもしれません。とはいえ、コースの最初はタイムマネジメントから始まり、勉強のヒントや、自分に必要な部分や練習内容のアドバイスは、コース中ふんだんに届きますので、時間を増やさなくても、勉強内容の質、集中力、マネジメントを行うことで問題なくコースを行うことが出来る人も多いですけどね。例えば、教科ゼロ、タイムマネジメントを徹底した人は、コース中だったのにも関わらず、今までで一番発表会の準備が早く終わり、生徒たちのケガはゼロで、全員舞台に上がることが出来て、あまりにも暇だから、クラスメイトのみんな約40個の手作りお面を作っているだけ時間の余裕があったそうです。Q7 このコースはダンサーをサポートするインストラクターを育成します。A 私は現在指導者(バレエ、ダンス)、もしくは指導者を目指して勉強中の現役ダンサーで、生徒たちをよりよくサポートしたいと思っていますB 私は今治療家・トレーナーで、ダンサーのクライアントに寄り添えるような勉強を続けたいですC 私は体やエクササイズに興味がある大人バレエトレーニーですA、B共に+1点、Cの人はゼロ点を追加します。ゼロ点を追加って変だね、そのままの数字です。今回の来日セミナーでも聞かれたのですが、このコースは大人バレエトレーニーさん、つまり、自分自身がよりよく踊りたい人達には向きません。自分のために勉強するのは楽しいと思うんです。もしかしたら、この経験から指導者を目指すって思う人も出てくるかも。でも、そういう人たちは、ボディコンサークルで毎週一緒にエクササイズを学びましょう。大人でも参加できる来日セミナーもあるし、教師のためのライブラリは先生用ではありますが、自分で勉強したい人たちも参加できます。ちなみに、子供のために勉強したい保護者の皆さんも参加はお断りしています。これも今年のセミナーで言いました。子供たちにとって、お母さんは1人しかいない。でも先生は何人もいる。お家でも先生の顔をしないために、お家ではバレエの先生の文句が言えるくらい息抜き出来る場所にするために、指導者と保護者は役割を分ける必要があると私は考えています。保護者のためのセミナーは、今年力を入れている部分で、既に1つクラスがアップされていますから、子供を応援したい保護者は、そちらをご利用くださいね。Q8 このコースを受講したいと思っている理由に一番近いものはどれですか?A 自分もたくさんケガをしてきたのに、昔からの習慣や感覚で指導している部分があります。エビデンスベースのエクササイズをスタジオに取り入れて、よりよい指導者を目指していますB 今は治療やリハビリを行っていますが、ダンサーやパフォーマーに寄り添える治療家・トレーナーになりたいと夢見ています。そのためにダンスに特化したコースでの勉強の必要性を強く感じています。C 自分が上達するために、体のことを知りたいです。興味が大きいエリアです。これが最後の質問になりますが、点数はさっき同じ。A、B共に+1点、Cの人はプラマイZEROです。さっきの質問とほとんど同じような内容になりますが、勉強のモチベーションのベクトルが、自分から外に向いている人と、自分の中に向いている人、と表現した場合、自分から外にベクトルが向いている人が、このコースに適しています。自分のために勉強することは、無駄ではないし、人生を豊かにする1つだと思います。コース生も、自分と向き合ったとか、自分のことがよりよくわかった、過去の過ちを浄化できるような気持になった、と表現する人もいました。だけど、それらは副産物であって、メインのゴールではない。そのため、最後の質問では自分の興味のベクトルを考えてもらいたいなと思いました。点数はどうだった?すべての点数の合計が計算出来ましたか?12~16点だった人小鬼ポテンシャル高!生徒の安全と将来の健康を第一に考える世界が当たり前になるように、一緒に勉強していけるのを楽しみにしています👹8~11点小鬼ポテンシャル有り 残りはどれだけ 1)古い、凝り固まった考えを捨て、2)オープンマインドで 3)努力できるか?にかかっています。必死についていくぞ!と心を決めることができ、今から行動を取り始められるなら、申込してみましょう♡10点以下現時点でコースを受けるのは難しそう。まずはボディコンサークルや教師のためのライブラリで勉強を1年続けてみましょう。それが出来たら来年再度考えてみて。最初にお話したように、コースが向いてるか、向いていないかというのは、アメリカンドッグが好きか、嫌いかみたいなもの。点数が低かったからといって、指導者として悪い人!というわけではありません。でも、食べる前に好みに合っているか、は知っておきたいでしょう?なので、このテストが味見のようになっていたら嬉しいです。コースに興味はなかったけど、テストの結果が小鬼ポテンシャル激有だった!という人はいらっしゃいませ。もしかしたら、鏡に映る自分には、小さなツノが生えているのかもしれませんよ?エビデンスベース、科学的根拠や解剖学、運動生理学というドライな側面と10年以上バレエ学校でダンサーを診てきた経験、数々の舞台裏で、様々なバレエカンパニーダンサーと仕事をしてきた側面の両方を混ぜ合わせたDLS公認スタンスインストラクターコース 5期生は、あなたの指導スタイル、スタジオ、生徒さんを大きく変えるイベントとなること間違いありません。副作用として、今までで一番動ける体自分への理解や、心とからだの健康という理解大人の青春を過ごせる仲間や、一生ものの友情、新しい知識、新しいスキルが手に入ります。そうそう、お子さんがいるご家庭の小鬼たちは、受験勉強中の子供と一緒に頑張った小学生の娘の方が解剖学が覚えられていてびっくり成人している息子がパソコンのサポートしてくれている練習に付き合ってもらった旦那の運動不足が解消したなどの、家族へ広がる波紋もあるようです。親の背中を見て育つというのはこういうことなのかもしれませんね。生徒たちも、先生の背中を見て学ぶのでしょう。5期生の資料請求はDLSサイトより。もしくは、hello@dancerslifesupport.comへご連絡ください。無料説明会、お申込みスタートは来週5月13日より行われます。お早めにどうぞ。Happy Dancing!佐藤愛

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DLSポッドキャスト epi559 華やかな経験があるから指導者になれる?

「エクササイズなんて嫌い!」だった私が、今では指導者としてその重要性をお伝えしている理由をお話しました。バレエ留学時代の葛藤や、プロの現場で感じたエクササイズの必要性、そして良い先生になるために求められるものについて、本音でお話しています。ダンサーにとって“必要不可欠”なトレーニングの意味を一緒に考えてみましょう。  Transcriptバレエ学校時代、エクササイズクラスが大嫌いだった佐藤愛です。バレエのために留学したのに、どうしてよく分からないエクササイズをやらないといけないの?と思っていたし、毎日踊ってるのに、どうしてエクササイズ必要なのかもわからなかったし、エクササイズしたら筋肉が太くなるからダメなんじゃないか?とも思っていました。でも、今ではDLS来日セミナーでは解剖学のクラスでも「動ける恰好でお越し下さい」とお話していて、クラス内でもエクササイズを体験してもらっています。でもやっぱり、ボディコンサークルを毎週指導しているけれど、私はエクササイズが大好きなわけではないし、メルボルンでほぼ毎日ジムに行くとか体を動かしているけれど、好きなことは? と聞かれたらソーイングとか、ペインティングとか、体を動かさない趣味が多いです。じゃ、どうしてエクササイズをするのか?それは、体を動かしておけば、その日のエネルギーが違うから。筋肉が強ければ、長時間パソコンに向かって、セミナー資料を作っていても腰が痛くなったり、肩凝ったりなどが少ないから。つまり、必要不可欠だからやっているという感じです。エクササイズ指導も同じ。様々な年齢、バックグラウンド、ケガの歴やプライドがあるバレエの先生たちに長い座学の後に、急に踊ってもらうのは危険です。でも、エクササイズだったら、どんな参加者の人でも、ほとんど一緒に出来る。そして、今さっき勉強した筋肉の場所やら、背骨の動きを体験してもらうことが出来る。座って、メモしているだけではなく、身をもって、知識を感じてもらうことが出来る。つまり、必要不可欠だからやってるということ。現代ダンサーにとってエクササイズは不要不可欠今年のポッドキャストはバレエの歴史から最新の研究までを使って、現代ダンサーはバレエレッスンだけでは足りない、ということを説明してきましたよね?覚えてます?エピソード542では、バーレッスンが時代と共に変化していること。だけどパはあまり大きな変化がないこと。そのギャップを埋めるために、現代ダンサーはトレーニングが必要だという話をしました。エピソード544では、2004年に出された研究を使ってダンサーは座って仕事をしている人達と同じような心肺機能なんだという話をしました。だけど、現代ダンサーに求められるテクニックレベルは高くなっていて、先生や保護者は、そんなプロの動きを見て、幼い子供たちも同じように出来ていないといけないと焦っている。つまり早期の専門化とダンス特有のスキル習得への偏りがケガのリスクを上げているという話もしましたね。エピソード546では、やはり論文を引用しながら、プロフェッショナルダンサーというキャリアのために必要な、心肺機能や体力、筋力のバランスや関節を守る、使える柔軟性が足りないという背景には、一部のダンス界で共有されている、ダンスに直接関係しないトレーニングはダンサーに必要な見た目、つまり細さを損なうという根拠のない見解が反映しているせいだ、という話をしました。なので最初にあげたような、バレエダンサーを目指していて、バレエ留学をしている18歳の愛ちゃんでさえ、「エクササイズクラスは嫌だー」なんて言っているようになってしまうわけですよね。今回の来日セミナーはもちろん、スケジュールの問題などでセミナーに参加できなかった人たちでも、これらのポッドキャストを聞いてくれている皆さんなら、現代ダンサーにエクササイズは必要不可欠だって言われなくても、分かってくれますよね?そう、必要不可欠って言葉はエクササイズが好き、得意、クラスが待ちきれない!とは言っていません。そりゃ、どんなスキルでも練習すれば身に付きますからエクササイズが必要不可欠なので、毎週やっている人だったら、そうじゃない人たちに比べて、エクササイズが得意になって不思議ではないでしょうし、出来るようになると、楽しいと思う心理が働くし、楽しければ、続けられるから、もっと上達するし…という正のスパイラルに乗っかることが可能だとは思うけれど、嫌でも、気分が乗らなくても、やらなきゃいけないことが必要不可欠って言葉ですものね。華やかな経歴があるから、良い先生?今回の来日でもいくつかのクラスで議題に上がったのですが、華やかな経験があるダンサーだからといって、良い先生なわけではありません。ダンサーとは、自分の表現方法を追求している人で、仕事は、自分の体の持っているすべてのポテンシャルを使って芸術表現をする人。彼らにとって、自分の感覚は食べていくためにとっても大事で、自分が一番きれいに見える方法、良く踊れる準備や、考え方、イメージの仕方を知っている人。ほら、エピソード545でお話したように、イメトレは、アスリートにとってスキルですから。一方、先生とは、自分「以外」の人を指導する人。様々な感覚、癖、趣味嗜好、バレエ歴、ケガなどがある生徒たちを指導する人たちです。これってプロダンサーの真逆なんだよね。プロダンサーが良い先生になれない、とは言っていないですよ!ダンサーと先生とは、仕事が違うということをお話しているだけです。オリンピック選手と、コーチの違いみたいな感じ。そりゃ、コーチがオリンピック出場歴があったら、経験から教えてあげられるものがあるかもしれないけど、良いコーチとは、選手より早く走れる人ではない。その選手の最大のポテンシャルを引き出してあげる人だものね。動けるからエクササイズ指導者になるわけではない私がバレエ学校にいた時、エクササイズクラスは毎週定期的に行われていたわけではありませんでした。それは、私が治療家になり、講師になってから定着したのね。だから、エクササイズクラスのカリキュラムは、私が書き、RTOという政府認定学校組織に提出したんですもの。私が生徒だったときのエクササイズの先生は、とても良い先生でした。私が好きだった先生の一人。でも彼女の専門は、ちびっこクラスの指導、特にその年齢のキャラクターダンスだったんです。何がどうして、彼女が解剖学やら、エクササイズやらを指導していたのかは分かりません。でも、彼女がとっても勉強熱心だったことは覚えています。いつもいろいろな本を抱えて、クラス内容も、この本のこのエクササイズをやろう!みたいになっていたから。だからか、時にはフランクリンメソッド、時にはピラティスの先生に教えてもらったエクササイズ、みたいにいろいろな分野が混ざっていました。だからだろうね、生意気な私みたいな生徒たちは、エクササイズの効果が感じられなかったです。でも、彼女に小さいときから習ってきた地元組は、彼女のクラスが大好きでした。そんなこんなで、当時は真面目に授業を受けていなかったのだと思いますけど、私の解剖学試験を褒めてくれて、インサイト・バレエテクニックという本の日本語版の数ページのコピーをなぜか持っていて、この道に進むきっかけの一番最初になったミス・ケリー。彼女の旦那さんが、私の最初のバイト先のオーナーで、そこで働いていたのがきっかけで、今の夫に出会ったのだから、彼女の存在は、私のメルボルンライフで無くてはならない人だったんです。未だにFBで時々お話したりしますし、大きく感謝しています。感謝はしているけれど、今プロフェッショナルな目線で振り返った時、彼女のエクササイズクラスは背骨というか、軸がありませんでした。バレエの先生だから、バレエ学校で何年も指導しているから、たくさんの本を読んだり、ピラティスを受けているから、彼女が自動的によいエクササイズ指導者になれるわけではありません。それは、彼女が悪い人だって言っているのではなく、彼女が生徒をケガさせようとしていた、と言っているわけではないです。ただ、指導者は、指導内容を勉強していないといけないってこと。そして、その勉強というのは、経験とは異なるし、独学とも異なります。面白いことに、彼女は校長先生が作ったシラバスの試験官でした。だから、プリンシパルレベルのダンサーでも、シラバスの勉強をしなければいけないこと、たとえ大きな有名校でも、指導が良くなければ、生徒が良い点数が取れないことは知っていたはずです。指導者になる勉強は、どのレベルでも必要何度もになりますが、彼女はとても良い先生でした。私のバレエ学校時代の記憶を引っ張ってきても、面と向かって褒められた記憶があるのは彼女くらいです。留学生の私たちに親切で、機嫌のアップダウンも少なかった気がします。でも、エクササイズの「指導」勉強はしていませんでした。バレエの資格はあったけどね。バレエスタジオでエクササイズやストレッチを指導する人ってこういう感じの人が多いのではないでしょうか?バレエ、ダンスの先生だから体が柔らかいし、毎日ストレッチしているから生徒たちにも教えている留学先でエクササイズクラスがあったから、現役の時からピラティスを受けているから、生徒たちにもやっている昔から習っているスタジオで、アシスタントとしてスタートし、だいたいはちびっこクラスから指導を始めるから、自分も受けていたような、レッスン前のストレッチを子供クラスにやっているという人たち。その人たちは、エクササイズの大切さを知っている人たちです。生徒思いで、何か足りないと分かっている人たちだから、生徒たちをケガさせようと思っているわけでもないし、自分の興味があるエリアだから、本を読んだり、セミナーを受けたりしていると思います。ミス・ケリーのように。中には、うちのスタジオはプロを目指す子たちがいるわけではない体が硬い大人クラスの人たちだから、必要と思っている人たちもいると思います。そしてプロを目指す子たちが出てきたら、ほかのスタジオに行くのも応援するよ、というような素晴らしい先生。でもね、実はこのグループが一番ケガしやすいグループなんですよ。プロを指導しているから、正しいことをやらなければいけない?難しい動き、複雑なエクササイズをやらなければいけない?実はその逆です。ダンサーのレベルが高くなればなるほど、先ほどお話したように、自分の体のプロになっていくので、たとえ指導者があまり良くなくても、ちょっと間違ったことを話していても体の声に合わせて、調整することが出来るんです。だからね、エクササイズクラスを大々的にスタートするつもりはない小さいときに、基礎体力や筋力をつけてあげたいスタジオでウォームアップが習慣化するだけでいいという人たちでも、エクササイズを指導するなら勉強する必要があると、私は思います。知らないことは指導できないから。そして、知らないことは予防出来ないから。5期生情報が解禁になりました4月10日より、DLS公認スタンスインストラクターコース5期生の情報が解禁になりました。でも、このコースは、幼少期の子供たちへのエクササイズは勉強しません。その子たちに必要なのは、ダンスに特化したエクササイズではなく、体全体を使う運動だから。過去のポッドキャストでお話したように、早期の専門化はケガの原因になりますから、バレエに特化したエクササイズは幼稚園や小学生低・中学年には不要です。そうは言っても、最近は小学生中・高年の子たちがバンバンコンクールに出ていてその年齢に結果が出なければ、「結果」というのが何を指しているのか分からないけれど、みんなが口を揃えて言うので私も同じように「結果」と言いますが、中学受験でバレエを辞めてしまうとも聞きました。それはそれで、悲しいし、大きな問題だとも思いますが、今日のポッドキャストのテーマではないので飛ばしましょう。でも、さっきお話したように勉強熱心で、生徒思いで、21世紀、次世代のダンサーたちのことを考えてくれている先生たちは、このコースを是非検討してみてください。たとえ、エクササイズクラスを指導しなかったとしても。実は、コース卒業生、通称小鬼たちのほとんどが、エクササイズクラスは指導していません。1対1のプライベートセッションセミプライベートスタジオクラスに、ウォームアップを追加などをやっている人たちが殆どです。プロダンサーとして華やかな経験や留学体験がなくても問題ありません。経験は素敵だけど、それだけが指導者の質を決めるわけではないので。エクササイズが大好きで、プランク3分ホールドできます!という人でなくても問題ありません。私もできません。プランク3分ホールドすると、効果が薄れますから、10秒ホールドを何セットも行った方がいいんですが、その話は今日のテーマではないですね。もちろん、コース中はエクササイズを体験するために今までに増してエクササイズ経験を増やさなければいけないですよ。知らないことは指導出来ないから。バレエレッスンを受けたことがないのに、バレエの指導者になる勉強をしても、いい指導者になれないでしょう?それと同じで、エクササイズクラスを受けたことがなかったら生徒の気持ちを感じてあげることは出来ないです。また、バレエをはじめ、動きを指導する人は、体が資本でしょうから、今日のエピソードの最初にお話したように必要不可欠でしぶしぶ、だけど継続的にトレーニングは必要だと思いますが、上手にエクササイズが出来るか? 難易度アップがこなせるか?は関係ないです。今日のエピソードを聞きながら、ミス・ケリーに親近感がわいた人は是非DLSサイトより5期生の詳細資料や、このコースに向いてるか? テストを手に取ってみてくださいね。サイト内で見つからなくても、hello@dancerslifesupport.comにメールして頂けたら、資料をお届けできます。また、コースに関する質問があったら、メールで教えてくださいね。今日も最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。また来週金曜日のDLS ポッドキャストでお話しましょう。Happy Dancing!佐藤愛

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DLSポッドキャスト epi558 オーディション前にケガしているダンサーへメッセージ

今回は「オーディション前にケガをしてしまった人へのアドバイス」をテーマにしました。 ケガの種類、背景にある経済的・家庭的事情、そして夢を追う中で生まれる葛藤まで幅広くお話しました。 バレエ界やオーディションの現実、「踊れない状況」でできることとは? ダンサーだけでなく、保護者や指導者の方にもぜひ聞いていただきたい内容です。 Transcript 毎年恒例の、フレンドケーション、つまり友達グループとバケーション中の佐藤愛です。 バケーションと言っても、別に海辺リゾートでゆっくりとしているわけではなく、 キャンプ場の一角で、友達グループ約20人くらいと2泊3日くらい、ゆっくりしている、的な感じです。 それでも、日常を離れて、1年ぶりに会う人達と、 いつもと違う目線や、会話のトピックと共に生活するというのは、 それなりに刺激的なものなんですよね。   多分、毎年恒例の来日セミナーに参加してくださっている皆さんも こういう気持ちだったんじゃないかな、って勝手に想像しています。 いつもは、生徒達、保護者達とだけ話しているけど、 同じような先生たちと会話したり、違うジャンルの指導者とペアになったり。 いつもと違う目線や、会話があるからこそ、 自分の指導を、違う角度から見ることが出来るんだと思います。   たとえ、お話する機会がなかったとしても、他の人達の質問を聞くことで、 「私もそう思ってた!」と同感することもあれば、 「そういう問題もあるのかー」「そういう疑問が生まれるんだな」という発見もあったと思います。   私も、毎年来日セミナーはもちろん、DMなどでもらう質問から そういう悩みがあるんだ!と初めて知ることができます。   今月のポッドキャストは正に、皆さんからDMでもらった質問というか、コメント 「本番前でケガしている人へお話してください」を 発表会本番前にケガしている人 プロダンサーでシーズン中にケガしている人…

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DLSポッドキャスト epi557 コンクール前にケガしているダンサーへメッセージ

「本番前でケガしている人へ」をテーマにお送りしている今月のポッドキャスト。 今週は、「コンクール前にケガしているダンサーへ」というテーマで 小学生、中高生、大人バレエトレーニー、それぞれの立場から考えます。 ケガと向き合う勇気、大人が下すべき判断とは? ダンサーはもちろん、指導者や保護者の方にも聴いていただきたい内容です。 Transcript 皆さんにとっては毎週金曜日のポッドキャストですが、セミナー前にレコーディングしていたため 約2か月振りにポッドキャストの準備をしている佐藤愛です。   セミナーでお会いできた皆さん、どうもありがとうございました! 今年のセミナー、来日の赤裸々、ぶっちゃけ話は4月15日のメルマガでお送りしますので、そちらをお楽しみに。   今月のポッドキャストでは「本番前でケガしている人へお話してください」というテーマを舞台別に分けてお話していますが、 今週はコンクール前にケガしているダンサーへというテーマでお話していきます。   ただ、シリーズ頭でお話したように、バレエ学校のオファーが来るような国際コンクールは、 「オーディション前にケガしている人」に分類してお答えしました。 だって、ゴールは大きなコンクール1位ではなくて、 そこからバレエ学校への奨学金やら、入学許可やらが欲しいと思うので。   なので、今日お話するコンクールとは、地元の小さなコンクールで、上手くいっても奨学金少し。 留学には繋がらないものをお話していきます。 オーディションについては、来週のエピソードでカバーしましょう。   短い話、コンクール前にケガしていたら、コンクールに出るべきではないと私は思っています。 そして、それを何度も様々なところで伝えています。 そうは言っても…という反論が届くので 教師のためのライブラリでは「この夏、コンクールに出る前に」というシークレットライブを行ったことがあります。 保護者向けのコンクール情報も、オンラインセミナーにまとめて今年中に出す予定なので、楽しみにしていてくださいね。  …

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DLSポッドキャスト epi556 シーズン中&留学中にケガしている人へのメッセージ

今回は、プロダンサーやバレエ学校の生徒がシーズン中にケガをした際の対処法について掘り下げます。 発表会や公演に命をかけるべきではない理由、ケガを悪化させないためにできることについてお話します。 ケガをした時、舞台に立つべきか、それとも降板を選ぶべきか? 考慮すべきポイントや、実際のバレエ学校・カンパニーでの対応例もご紹介! Transcript サマータイムも終わり、日本との時差が1時間に戻ったメルボルンより佐藤愛です。 サマータイム、正式にはデイライトセービングと呼ばれるものは、夏時間は太陽が出ている時間が長いから、 朝を早くしよう!というなんともビックリな考え方のもの、1時間朝が早く来るようになります。 なので、通常は日本より1時間早く朝が来るメルボルンが、2時間早く朝が来るようになるんですね。   でも、州によって取り入れるところと、取り入れないところがあるため、 国内の時差も変わるという、なんとも面倒なシステムです。 廃止したらいいという意見が多いところですが、 私もクラスの時間を間違えるんじゃないか、とびくびくしているので、廃止してほしい一人ではあります。   さて、今月は皆さんからもらった質問を掘り下げていくよーということで 「舞台前にケガしている人へメッセージをお願いします」という質問というかリクエストを 様々な角度から研究しています。   先週は、「発表会前にケガしているダンサーへ」というテーマでお送りしましたが いかがでしたでしょうか?   厳しめの、鬼の愛語録もあったとは思いますが、 バレエのケガの80%以上は慢性のケガで、それって知識があれば防げるケガ。 だからこそ、今ケガしていなかったとしても、ポッドキャストを聞いて勉強しておいてほしいなと思います。   さて、今週は、プロダンサーでシーズン中にケガしている人、 そして留学中にケガしているバレエ学校生徒へのメッセージを取り上げます。 もちろん、学生とプロでは立場が異なりますし、 バレエカンパニーもサイズによって、医療システムがしっかりとしているかどうかが異なるのですが、…

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DLSポッドキャスト epi555 発表会前にケガしてる人へメッセージ

今年の来日セミナーも終盤!今回は、バレエのコンクールやストレッチに関する誤解についてお話します。 コンクールに出ることやストレッチをすることが目的になっていませんか? 一度ストレッチせずにレッスンを受けてほしい理由についてもお話しました。 生徒の安全と健康を第一に考えるために、本当に必要なことを一緒に考えてみましょう。 Transcript 今日の夜の飛行機で、明日朝メルボルンに到着する予定の佐藤愛です。   そして6日からボディコンサークルがございます! 既に申し込んで頂いてますか?   新学期はスクエア確認からスタートするので、 セミナーで学んだ知識の復習をしたい人 心を決めて、ボディコン生活をスタートさせたい人 にはもってこいの月間です。 しかも3回だけだしね。   さて、今月は皆さんから頂いた質問から 「本番前でケガしている人へお話してください」というテーマを選んで詳しく見ていきます。   過去に何度も質問があったらコメントしてね、という インスタストーリーをアップしてきていまして、 その内容は答えた、答えなかった、個別にDMしたに関わらず取ってあるんですね。   そのアーカイブの中から、短いストーリーじゃ詳しく説明出来なかった質問を取り上げて じっくり、マニアックにお答えしていきたいと思います。   でも、本番って何をさすか人によって異なるじゃないですか。 なので、今月は 発表会本番前にケガしている人 プロダンサーでシーズン中にケガしている人…

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DLSポッドキャスト epi554 ストレッチしないと不安…

今年の来日セミナーも終盤!今回は、バレエのコンクールやストレッチに関する誤解についてお話します。 コンクールに出ることやストレッチをすることが目的になっていませんか? 一度ストレッチせずにレッスンを受けてほしい理由についてもお話しました。 生徒の安全と健康を第一に考えるために、本当に必要なことを一緒に考えてみましょう。 Transcript 未来の自分が、大阪に向かう新幹線にちゃんと乗れたか心配な佐藤愛です。   いつも通り、来日セミナー中にアップされるポッドキャストは事前に収録しています。 聞いてくださっている皆さんは、3月末、だいぶ暖かくなって桜も満開かな? でもレコーディング今はね、1月の後半なの。   大阪で教師の為のバレエ解剖学講座モジュール1&2とダンサーの足セミナーが終わったら、 今年の来日セミナーは全て終わったことになります。 参加してくださったみなさん、大阪で待っててくれている皆さん、 どうもありがとうございました。   1月後半の私は、セミナーの申込状況を見ながら一喜一憂しています。 ご存じの通り、私のミッションは生徒の安全と将来の健康を第一に考えるのが「当たり前」になること。 当たり前になるためには、人口の半分以上が「それが普通でしょ」って言ってくれること。   体の構造を学び、安全な動きを、年齢に合わせて指導するのが当たり前だよね コンクールや発表会の練習を繰り返していても、動きに慣れるだけでテクニックや基礎が上達するわけじゃないって知ってるよね 細かったら軽く踊れるわけじゃないし、早くからトウシューズが履けたからって、プロになる可能性が増えるわけじゃないよね 健康じゃなきゃ、体を使う職業のダンサーになれるわけないよね こういう風になってほしいと思いながら、毎日ポッドキャストを作ったり、 メルマガを作ったり、ボディコンクラスを指導したりしています。   生徒の安全と将来の健康を第一に考えるのが一番大切だよね、と聞けば バレエの先生だけじゃなく、ダンサーも保護者も皆口をそろえてYESって言ってくれることでしょう。 でも箱を開けてみると、行動は危険な動きや健康を害する行動ばかり……

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DLSポッドキャスト epi553 年のせいで体が硬い?

今回は、年齢と柔軟性の関係について掘り下げます。 年齢とともに体が硬くなるのは本当?それとも思い込み? IADMSの研究データをもとに、ストレッチの誤解やリスク、そして大人が安全に柔軟性を高める方法についてお話します。 ストレッチはただやればいいわけではありません。 正しい知識を身につけて、安全に柔軟性を高めていきましょう! Transcript 東京暮らしもあと1週間になった佐藤愛です。 東京生まれではありますが、3歳の時に千葉に引っ越しまして、高校までは千葉にいました。   とはいえ、2004年にメルボルンにきて今年で21年! なんと、日本にいた時間より、メルボルンにいる時間の方が長くなりました。   これだけ長く海外に住んでいると、さぞかし英語が出来るかと思いますが、 義理の姉たちと、1番上の甥っ子、夫のグループで毎日点数を出しているクロスワードや、ワードゲームの出来なさったら! 日本語は下手になり、漢字は書けなくなり、 でも英語も自分が得意な単語しか使わなくなり、偏りの酷いこと。   これって、言葉だけではないのかもしれません。 違う環境に行かなければ、使わないものがあり、慣れがあり、自分の得意なことしかやらない。 これはレッスンも、指導も一緒じゃないかしら?   星の数ほどあるバレエのステップの中でも、 やっぱりアンシェヌマンで組む振付は似たり寄ったりになってきます。   慣れているスタジオで、同じようなバーの位置で、 いつも言われている注意にも慣れて、耳ちくわ。 右の耳から左の耳へ流れてしまうか、 いつも同じことを言われているので、「私は出来ない体型なんだ」なんて決めつけてしまったり。   先生はお手本を見せなければいけませんから、自分の得意なステップを、自分の得意な方で。…

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