体型が恵まれないと嘆く前に

 

まず最初に。

私が体型がどーのこーのという質問や言葉を聞いた場合、

「体型を除けばプリンシパルレベルの実力があるんでしょうね?」

と聞き返します。

そうじゃなかったら、体型がどーのこーのよりもやることがあるんですから。

 

以上!

で終わらせてしまっても、この手の質問は山ほど来るので記事にします。

 

2021年追記

ダンサー体型=細い人、と思っているならばそれも大問題です。

 

それだけでも長くなるので今日は割愛しますが、この記事で話す「体型」というのは

  • 甲が出る
  • 膝がしなる
  • ターンアウトが出来る
  • 筋肉がつきづらい(細く見える)
  • まっすぐな脚

など「恵まれた体」と言われるエリアです。

ケガの頻度などを勉強するとこういう方がケガしやすいとわかるけど…

 

体型とは?

愛さんだって記事で書いてたじゃない。

人種によって骨格が違うンだって!

 

はい。そうです。

でも骨格と体型は違います

 

骨格…

高等動物で、骨が組み合わさって、体のささえをなすもの。骨組み。

 

体型…

体格を外見の特徴によって分類した型のこと

 

つまり骨格は中身、体型は外、見た目

骨格は変えられないかもしれないけど、この記事で書いたように、体型、ラインは変えられます。

 

「ダンサー体型」というものが存在するとしたら

それはバレエトレーニングにて作られた見た目のことを指す訳です。

 

ターンアウトは体型か!?

ターンアウトが出来ない、つま先が伸びない、というのがバレエダンサー(そして先生方)の言う

「恵まれない体型」

というものらしいのですが、よーく考えてみようか。

 

ターンアウトもつま先も「関節の動き」なんです。

動き、ムーブメントだから鍛えられるの。

確かに、股関節の深さはターンアウトに影響します。

でも自分の体が持っている100%の関節可動域を使うことが出来るくらい強いダンサーというのは数少ないです。(プロでもね!)

自分の持っているものを50%使っている人だって少ないです。

人によっては、筋肉の3-5%しか使っていないという人もいます。

脳みそみたいにね。

 

つま先が伸びる足というのはだいたい、プリエが浅い傾向があります。

ポワントとプリエは正反対の動きで、「骨格上」つま先が伸びやすい=プリエがしづらい、だから。

 

でもね、すっごくターンアウトできていないプロだって多いし、

名前はあげられないけど、超!有名なバレエダンサーは甲パットを使ってます。

プリエが浅いのに跳躍力のある男性プリンシパルも大勢。

 

嘘だと思ったらyoutubeのスロモ機能を使ってみてごらんって。

4分の1スピードまで落とせるから。

 

よって、関節可動域が広い人「だけ」がプロになるのではないというのも見えますね。

 

海外の先生に「日本人だから無理」といわれた

 

これもよく聞きます。

日本人だから、の部分をアジア人だから、東洋人だから、というように変更してもOKです。

 

まず、

  • 世界的バレエコンクールで日本人・及び東洋人が上位にいない事はありますか?
  • 世界トップバレエ団、バレエ学校に日本人・及び東洋人がいない事はありますか?

 

じゃ、なんでそんなことを言われるのでしょうか?

それはバレエ界にはまだまだ人種差別があるからだと私は思います。

  • ミスティ・コープランドさんが有名になった理由。
  • 2017年に初めてピンク以外のポワントが出た話…

最近のアメリカ政治をみても分かるように、白人至上主義は残念ながら根強く残っています

 

ロシア人じゃなければバレエダンサーではない、というロシアの先生の話や、

日本人はどうせターンアウト出来ないんだから、と言ったオーストラリア人の先生の話も聞いたことがあります。

同時にマリインスキー・バレエ団で活躍している日本人、オーストラリアバレエ団のプリンシパルの日本人、中国人もいるわけです。

 

もう一度、最初の質問に戻ってみようか。

日本人だから無理?

ほんと?それ。

 

→ロシア人だからターンアウトができる?という記事

 

バレエテクニックがバレエ体型を作る

リサーチ内容ばかりあげていても信じてもらえないのでここから先は実践編です。

(その人達は特別ですよーって読者の人が言ってくるのは分かっている。

特別か?特別=希少価値があるって事だよ!?)

 

バレエテクニックが正しく出来ていないと舞台で求められる体型になりません。

本当です。

ざっとだけ挙げますが、ここに書いてある他にもたくさんあります。

「見える」というのがキーワードです。

だって体型=見た目なんだものね。

 

あ、そうそう。

こういう記事を書くと、「絶対にどんな時でもやっちゃだめ!」って考える人がいるので。

そうじゃないですよーケースバイケースですから。

 

タックにすると太ももが太くなる

タックで1番ポジションするのと、ダックで一番ポジションするのではどっちの方がひざが曲がりやすい?

タックでしょ?

でも、膝曲げじゃダメなんだよね?

そうすると膝を伸ばす筋肉である大腿四頭筋が常にオーバーワークしなければいけません。

よって太くなります。

せぼねのカーブを伸ばし過ぎると胴長に見える

SをIにしたら距離的には長くなるでしょ?

それと同じ。

背骨は引きのばすけれど、まっ平らにするものではない。

 

まっ平らに練習してしまったら、胴体が長く見えるし、ケガのリスクも高まる。

バレエスタンス本で話したから省略。

ポーデブラが正しくないと腕が短く見え、胴体が大きく見える

腕が体の後ろに行っていたら(ブラバーやセカンド)、胴体は前に押し出されるので大きく見えます。

肩が腕の動きと共に動いてしまったら(2番や5番)、首が短く、胴体が長く見えます。

肘がつっぱると、伸びしろがなく見えるので、腕が短く見えます。

 

ポーデブラの練習を徹底的にしたとしても、ケガしないよ?

なのに、正しい形の腕のポジションを指導していないスタジオは多い。

 

腕は体を飾る額縁(フレーム)だと思って下さい。

そのフレームのサイズが合っていなかったら、いくら素晴らしい絵でも安く見えるわけよ。

今度、美術館にいって額縁を研究してごらん?

5番にしっかりと締めないと足首が太く見える

5番に入れたときに生まれる足首のひし形スペースあるじゃない?

クロスされていなかったら、このスペースが減るので足首が太く見えますよ。

 

また、しっかりと締まっていない5番から出されるステップは全て広くなってしまうので、

踊りも幅広に見えます。

ちゃんと5番じゃなければ、タンジュデヴァンが正しい位置にいくわけがない、ってことね。

手首、手先の癖は腕を短く見せる

ミュラー・リヤー錯視という言葉聞いたことあります?

ググってみてね。

同じ長さの棒でも、その先についている矢印の方向で長く見えたり、短く見えたりするっていう視覚現象。

 

腕と手先もおなじ。

手先が折れていたり、指をピンとはる癖があったりすると、総合的に腕が短く見えます。

結局はシンプルに手先が使える、正しいポジションに指先を置く、と腕が長く見えるってことね。

音に遅れると重く見える

重く見えるって致命的でしょ、ダンサーだと。

音に遅れていると、重く見えるのですよ。

みんなが4でジャンプしたのに、一人だけ4.5でジャンプしたら重く見えるじゃない。

それ。

逆に着地が遅れたら、高く飛んでいるように見えるし、

ソフトな着地であれば、軽く見えますよね。

 

舞台上はイリュージョンなのよ!

床から持ちあげるタンジュ、骨盤を動かすタンジュは脚を太くする

正しいテクニック、の最後で例にあげるのはタンジュ。

これね、本当に多いので、自分がタンジュしている姿をスマホで撮影してみてください。

 

1番ポジションからタンジュアラセコンドにした場合、一番最初に動くのは、足全体が床をスライドする動きであり、かかとが地面から浮く、ではないです。

もちろん秒の話だけど、持ち上げタンジュは持ちあげる筋肉を強く=太くします。

 

同じ系統で、足の指を浮かせてタンジュしたり、ポジションに戻ってくるダンサーは前脛骨筋という筋肉が発達しやすくなり、

  • 膝下が太くなる
  • 足の固有筋が育たない(=つま先が伸びない)
  • 踵重心になる

などの問題が起こります。

 

体を育てる習慣

テクニックだけでなく、ちょっとした事だけでもみんなの言う「ダンサー体型」になるヒントがあるかもしれません。

早すぎるポワント

ポワントを早くから履くと、足の骨たちが成長しきらない、変形する可能性が生まれます。

足のサイズはタンジュやオンポワントの時に、脚の長さに加担するもの。

体型の面でも、早くからポワントを履かないというのは大事。

 

ちゃんと寝る、食べる

当たり前ですが、体が成長するためには=伸びるためには寝る時間が必要です。

身長制限も含まれるバレエオーディションのためにも寝る時間確保は大事だよね。

 

無理なダイエットは体が「溜めこむモード」になります。

逆効果です。

って私に言われなくてもいいよね。

ふみさんのブログを読んで勉強してください。

スタジオ・先生を変える

いくら自分が頑張ろうとしていても、いい指導をしてくれない場合、

もしくは体型について色々と言ってくる先生の元では自分を守ることは難しくなります。

 

残念ながら、痩せたらなんでも解決すると信じている先生達は多くいます。

脚が太いからターンアウトができない?という記事でも書きました。

指導者の力量不足・知識不足の場合もあります。

 

その場合、スタジオを変えることも視野に入れましょう。

お金を払っているのは貴方たちダンサーで、向こうは指導者なんだから解剖学が分からなくても、バレエのテクニックはしっかりと知っているはずでしょ?(それでご飯食べているんだから)

 

 

ただし!スタジオを点々と変えるダンサーを応援しているのではない。

そういう人も多くいるけど、最終的には貴方の努力が一番大事なんだから、

先生をいいわけにするのもやめなさい。

→先生はカギ、でもドアを開けるのは生徒。

 

体型が恵まれていないと嘆く前に

  • 恵まれていないという「思い込み」はないか?
  • 求める体型を作るレッスンをしっかりとしているか?
  • 求める体型を作る生活をしているか?

を冷静に確認してください。

そして自分が今努力できるエリアを探して下さい。

 

体型≠骨格。

体のラインは変えられる。

 

でもって、最後に一番大事なところ。

本当にあなたがダンサーになりたかったら、そんな言葉にへこたれている時間はありません

いくらバレエ団に入ったとしても、毎回のキャスティングで思い通りにならない事はたくさん。

 

簡単な職業ではなく、たくさん時間をかけて、それでもうまくいかない場合も多いもの。

自分の責任ではないミスで、ケガして踊れなくなるかもしれませんし、

国の方針が変わって、カンパニーがビザを出さなくなるかもしれません。

 

貴方のことをしっかりと知らないどっかの誰かさんの一言でバレエを辞めると考えるなら、

早く辞めてしまった方が楽だよ?

 

何を言われても辞められない、踊るのが好きで堪らない!

というのならば、この記事を参考に「今」変えられる部分から変えていきましょう。

 

そして、自分にとって必要でない情報(言葉)だったら笑顔で無視する強さも持ってください。

人種差別、性差別は残念ながらダンサーの世界でも存在します。

たとえ自分の先生だったとしても、勉強不足の人の言葉に振り回される必要はないということも覚えておいてくださいね。

 

 

Happy Dancing!

 

 

  • 佐藤愛著シリーズ



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