レッスン後、筋肉痛にならない方法

バレエを習っている小学生から「筋肉痛にならない方法はありますか?」と質問をもらいました。

レッスンの後、筋肉痛にならない方法は…

レッスンで頑張らない事です!

 

は?

って思った方、すみません。

残念ながら今現在はそれくらいしか言えません。

何故かって?

筋肉痛(delayed onset muscle soreness 通称DOMS)はまだ原因とか分かっていないから。

(一般的に言われている事はありますが、セオリーだけで実証はされていないとか)。

 

ストレッチでは筋肉痛は楽にならない、っていうのは分かっているんだけど、それ以外は結構よく分かっておりません。

ストレッチと筋肉痛の繋がりは記事の一番下にいくつか論文を付けてありますので、興味があったらどうぞ。

 

インスタライブでも簡単に答えたけれど、ブログ記事では文献や参考書と照らしながらオタク度が高めでお送りいたします。

sorry in advance…

筋肉痛とは何なの?

オーストラリアバレエ団で研修していた時にほとんどすべての治療家デスクの上に置いてあった本で、(フィジオ、マッサージ、スポーツドクターetc! シェアじゃなく1冊ずつ笑)

もちろん若かりし佐藤愛も形だけ真似して買った(めちゃくちゃ高い)本、「clinical sports medicine」によると

DOM develops 24-48hours after unaccustomed physical activity.

It appears to be more severe after eccentric exercise

と書いてあります。

不慣れな運動の後24-48時間に出てくる。

つまり慣れている動きの時は出ない痛みだというのが分かりますね。

 

その後「it appears to be」とありますが、これは「・・・であるように見える」という言葉。

つまりよく分かってないけど、そんな感じらしいね、って事。

 

eccentric exerciseはすでにブログで紹介したけど伸張性収縮ってやつで、伸ばしながら筋肉を使う事だからバレエレッスンではよく見る体の使い方です。

 

参考書の続きを読んでみましょうか。

The etiology of DOMS is unclear.

Six theories have been proposed: Lactic acid, muscle spasm, torn tissue, connective tissue, enzyme efflux and tissue fluid theories.

It is thought to occur less in those who train regularly, although even trained individuals may become sore after an unaccustomed exercise bout.

どうして筋肉痛になるのか分かってませんが6種類のセオリーがあります。

んでもって、そのセオリーは難しいから今は飛ばそう笑

 

体を鍛えている人(運動している人)には起こりづらいと思われるが、不慣れなエクササイズの後になることがある。

Anti inflammatory medication does not alleviate DOMS.

Factors that appear to lesson DOMS include warm-down, post event massage, active non-weight-bearing exercises, hydrotherapy and spa baths

抗炎症剤では良くなりません(よく言われるけど…笑)。

ここでは「・・みたい」という書き方ではなく「does not」と書いてあるのがミソ。

 

その後の説明ではクールダウン、クラスの後のリリース&マッサージ、おもりを使わないエクササイズ、ハイドロセラピー(水の中で行うエクササイズ)、お風呂、がDOMSを減らしてくれる「みたいだ」と書いてあります。

 

ただし、私がもっているバージョンは3rd editionで、今は5thまで出ているみたいだから、

このセクションが変わった、というのをご存知な方がいたらご一報ください。

 

痛みは体の出しているサイン

DLSブログでよくいう台詞「痛みは体の出しているサイン」という考え方は筋肉痛にも当てはまります。

 

  • 24-48時間くらいでなくなる痛み
  • 不慣れな運動をした後に起こる

という2点を考えると

毎日踊っているプロダンサーでなく、練習中のダンサーが、

レッスンで新しいテクニックをやったり、今までの癖を治そうとして、正しい筋肉を使ったりしたら出てくる、ということでしょう?

 

レッスン後3日以上痛みが続く場合はDOMSではなく筋肉のケガだ、って分かるから治療家に見てもらうタイミングもわかりますよね。

 

つまり、筋肉痛という「サイン」は

  • レッスンで使っている筋肉がどこか?
  • 先生に言われた注意は出来ているか?
  • 自分の出来る100%で踊ったか?

を教えてくれているんですね。

使った筋肉が筋肉痛になる

レッスンで内転筋を使おう!とか外旋六筋を使おう、と考えて挑んだとするじゃない。

次の日、その場所が筋肉痛になっていたらイエーイ!なんですね。

 

逆に脛の前(前脛骨筋)、肩こりのエリア(僧帽筋上部)が筋肉痛になっていたら

うーん、何をしたんだろう?

って考えるきっかけになるね。

 

前脛骨筋が筋肉痛+ロシアのキャラクターダンス(的な動きが入るリハ)をやった

というシチュエーションであれば、

いつものバレエレッスンでは使わない「不慣れな動きをした」と分かるから筋肉痛になっても問題ない。

 

だけど、前脛骨筋が筋肉痛+いつもと同じようにバレエレッスンをやった…だったら

  • 足首の前のピキに力がはいりすぎていたんじゃないか?
  • 足の裏で床を使えていない、もしくは足指が地面から浮いているのではないか?
  • 体重が後ろに落ちているのではないか?

なんて前脛骨筋を使ってしまう、間違ったバレエの動きを考えることが出来るし

 

  • ふくらはぎのストレッチをレッスン前にしたり
  • 腓腹筋が弱いから庇っているのではないか?

なんて前脛骨筋とペアになる筋肉(後脛骨筋や腓腹筋)の筋肉バランスを考えるきっかけにもなりますね。

 

レッスンの動きと、解剖学の繋がりが分かっていれば、というのが前提ではありますが。

→DLSオンライン学校 解剖学編

自分の100%でレッスンをしているか?

もちろんバカみたいに自分を追い込む必要はないけれど、毎回のレッスンでは100%で踊りたい。

特に毎日踊っていない人はね。

こっちの記事で100%で踊ることの意味を説明してるよ)

 

としたら、4日ぶりのレッスンが終わって筋肉痛になっていなかったら、

私、100%でレッスンしたかな?って考えるきっかけになるよね。

 

逆に筋肉痛だと思っていたけど1週間たっても痛みが消えない、であればケガの可能性がある。

治療家に見てもらうレベルの痛みでなかったとしても、

  • 正しくレッスンをしているか?
  • ウォームアップは足りているか?

って考えるきっかけになります。

*DOMSはケガじゃないし、筋肉のダメージや炎症とは結び付かないけど、DOMSがないからといってケガじゃない、わけではないよ(出典元

 

同じ場所がいつも筋肉痛になるんだったら、ウォームアップクールダウン、体のケアなどを見直す、いい機会にもなるはずだよね。

レッスン後、筋肉痛にならない方法

ということで、まとめると

  • 筋肉痛にならない方法は、筋肉痛自体がまだ完全に分かっていないので分かりません

が回答ですが、

  • 筋肉痛になってもOKで、それを成長のチャンス!と思って利用しちゃった方がいいんじゃない?

ってことでございます。

知識があると、体の声を翻訳しやすくなりますよね。

 

えーでも、「ストレッチして筋肉痛にならないように」っていうよ、と思う方へ。

 

We concluded that static stretching and/or warm-up does not prevent DOMS resulting from exhaustive exercise.

David M. High, Edward T. Howley& B.Don Franks (1988)

リサーチ名は「The Effects of Static Stretching and Warm-Up on Prevention of Delayed-Onset Muscle Soreness」より。

1988にOKが出たリサーチだと上のように書いてありますが、その後2007年のAustralian Journal of Physiotherapyでは↓

warm-up performed immediately prior to unaccustomed eccentric exercise produces small reductions in delayed-onset muscle soreness but cool-down performed after exercise does not.

 

It is concluded that a stretching protocol, performed before or after eccentric exercise, does not reduce DOMS.

Wessel Jean Ph.D.; Wan, Aaron M.Sc. Clinical Journal of Sports Medicine 1994年4月

 

The evidence from randomised studies suggests that muscle stretching, whether conducted before, after, or before and after exercise, does not produce clinically important reductions in delayed‐onset muscle soreness in healthy adults.

Robert D Herbert Marcos de Noronha Steven J Kamper (2011)

リサーチ名は「Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise」

 

ひっさしぶりにclinical sports medicineなんて引用しちゃったから、学生の時がよみがえってきた…

のでこんなにリサーチつけちゃいました。

いつもは英語、日本語タイピングするのが面倒なのでやらないんだけど、いかがでしたでしょうか?

感想お待ちしております♡

(とはいっても書くのは面倒なので、そんなにやらない気がする笑)

 

P.s.

本来論文を引き抜いて書く場合は、研究のされ方とかサイズ、年齢層とかも調べて比ベル方が本格的であり、プロフェッショナルなリサーチになるんだけど、

そこまで時間をかけられなかったのでもっと深く掘り下げたい方はお好きなようにどうぞ。

 

Happy Dancing!

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