DLSポッドキャスト epi420 13歳の愛ちゃんの話

私が13歳だったとき、バレエ雑誌「クララ」の創刊号が出ました。

私が17歳のカナダへの短期留学も、バレエ学校オーディションも

クララの宣伝ページで見ました。

 

雑誌の情報が、その人のバレエ人生だけでなく

人生すべてを変えるかもしれない、という連載と単行本の裏話です。

 

聞きたい人はこちらから

スクリプト

みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?

 

DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス

ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。

 

約2年半ぶりの来日と、DLS公認スタンスインストラクターコースの山場である実技試験が2つ終了し、

DLS9周年記念お祝いのスペシャルポッドキャストを1か月お送り、という

かなーり詰まった8月を終えて、

新学期、9月がスタートしました。

 

8月の特別ポッドキャストはいかがでしたか?

楽しんでもらえましたか?

 

ふみさんの話から、バレエの経験を使った職業や、

バレエダンサーをサポートしている人たちの日常というか、普段の姿を垣間見ることができたら、

いい勉強になるだろうなと思って今回のコンテンツをお願いしました。

 

ダンサーをサポートしている人=セミナー指導者とか、

ケガを見てくれる先生だけではないということですよね。

 

 

私が真剣にプロダンサーになろう!と思い始めたのが

多分、小学校6年生とか中学生の時だったのですが、

その時は、プロダンサーになるというよりは、

上手な子はバレエ留学を目指して、プロのカンパニーに入る。

そこまでしか考えていなかったし、そこまでしか言われてきませんでした。

 

本当にプロダンサーを目指すんだったら、

プロになるまで、はスタート地点に立つための行動で、

なった「後」が実際の夢をかなえることになるはずですよね?

 

それが、スタート地点に立つまでしか視野に入っていなかったんです。

勝手な考えですが、多くのバレエ教師の皆さんもそう考えているのではないでしょうか?

 

プロになった後の話は、カンパニーでの生活などは、

最近になってワールドバレエディなどでみられるようになったものの、

やっぱり謎に包まれているから想像しづらい。

 

逆にスタート地点に立つ前はいろいろなところで目にします。

私が踊っていたときは、主にバレエ雑誌でした。

コンクールで賞を取った人の写真やインタビューが主なコンテンツで、

なんとかバレエ団に入りました、という人へのインタビューもあったけど、

研修生の生活だとか、コールドバレエの1人にスポットライトを当ててインタビューなんて見たことないでしょう?

 

インタビューされる人、コンテンツになる人は、日本人初でどこかに入った人か、

プリンシパルに昇格された人など。

 

さっきのスタート地点に立つ、という表現を使うとしたら、

実際に走っている人たちの話ではなく、スタート地点に立ったばかりの人か、

ある意味、バレエ界で行くところまでいった、プリンシパルというゴールを達成した人の話だけ。

 

そうすると、

  • スタート地点に立てなかった人
  • スタート地点から最初の10キロマークにいる人
  • ハーフマラソンの距離にいる人
  • ゴールギリギリな人

つまりマラソンという全体像の大多数の人が当てはまるセクションには

スポットライトが当たらないのですよね。

 

スポットライトが当たらないということは、

その部分を理解できる人が少なかったり、準備の情報が足りないということ。

 

だから多くのダンサーがバレエ留学した後に心がバレエから離れてしまったり

わざわざ、プロになって長く活躍するための、

つまりスタート地点に立ってしっかりと走るためのチャンスをつぶすような指導をしてしまうのでしょう。

 

 

ダンサー全員の意見を代表してお話することはできないけれど、私はまさにそうでした。

どこでもいいからバレエ留学しなければいけない。

そうしたら、みんなプロになれるなんて甘く思っていたところもありました。

 

だからこそ、長期的に健康を考えず、

短期的なダイエットでケガをするチャンス、ケガを長引かせるチャンスを自分で作ってしまっていたり、

遠くにあるゴール、職業として踊ること、を見つめることができなかったから、

近くの問題である「このレッスンで踊る」にフォーカスして、痛みを無視したり。

 

 

なんでこんな話を今日のポッドキャストでしているか、というと

私のバレエ留学のスタートはみんなも知っているバレエ雑誌、「クララ」の宣伝ページだったからです。

 

そして、今年、あとからポッドキャストを聞いている人たちは、

今年というのは2022年なんだけど、8月1日にクララの連載をまとめた単行本が出版されました。

 

ネットで調べてみたところ、クララの創刊号は1998年だったそうです。

トップインタビューは草刈民代さん。

「賢く食べてスリムになろう」とか「あなたの足はどこまで開く?」という特集とともにスタートしたようです。

 

今のDLSだったら、喧嘩売ってんのか、コノヤロー!と啖呵を切りそうな内容ですよね。

 

でも、これが13歳、中学1年生、先ほどお話したように

プロを目指してレッスン量を増やし、外部講習会などに参加し始めた愛ちゃんの読んでいた情報だったわけです。

 

若い世代のダンサーが聞いているかもしれないので、こちらの情報も一緒にお送りしましょう。

  • facebookがスタートしたのは2004年2月
  • Youtubeは2005年2月
  • インスタは2010年10月

だそうです。

 

つまりクララ第一号が出たときには、それしか日本語で、若いダンサー向けの情報がなかったということ。

 

 

住んでいる世界で、習慣が作られるというのは、

すでに皆さんが知っていることだと思います。

 

東京と大阪ではエスカレーターで立つ場所が違うとか、

食事の時に膝はテーブルのした、と学んでくる日本と、

正座は怒られている人みたいだからやめなさい、と言われるらしい韓国だとか。

 

世界地図でかなり近い場所にあったとしても、

同じ国だったとしても、方言や言葉が違うように、マナーが違うように、

住んでいる世界、見ているもの、周りの影響が、その人を作っていきます

 

足が開けばバレリーナになれると思い、

痩せていなければ価値がないと感じ、

バレエ留学したら、草刈民代さんみたいに、プリンシパルになれる。

 

バレエ雑誌「スワン」などを読み、寝る時間を削り、痛みをこらえて踊ることが美徳

そう自発的に思ったのか、潜在的に感じたのかは覚えていませんが、

これらの「普通」が結果18歳の愛ちゃんを作ったことは間違いありません。

 

 

エピソード 414でクララで連載するゴール、

そして単行本の夢はバレエ解剖学やエクササイズを同じ土俵に乗せることだとお話しましたよね。

 

皆さんの応援のおかげで、インスタのストーリーで「あー忘れてた!」的にアップした

先行予約スタートの日からアマゾンのバレエ部門で新着ランキングと

ベストセラーランキングで1位をいただき、本がでてから10日後確認した時も1位をいただけました。

 

ストーリーで何度も、1位になったことをアップしていたので、人によっては

どうして自慢してるのか? と思った人もいるかもしれません。

 

1位になることがそんなに大事なの?って。

 

私にとって、13歳の愛ちゃんが見ていた世界が変わるための行動の一つは

本を知っている人だけが本屋さんでオーダーできるレベルの本ではなく、

バレエショップに常に並ぶレベルの本を作ること。

だと思いました。

 

1998年のクララが簡単に手に届いたように。

 

もちろん、その時と比べ今のほうが情報はたくさんあります。

だからこそ、ランキングで上位になると買ってみようかな、と思ってくれる人たちが増えてくれるのではないかと思っています。

 

同じ土俵に乗せるということだよね。

買ってくれるかどうか、は別として。

読んでくれるかどうかは別として。

手に取る可能性がある場所に置くこと。

 

そうしたら、もしかしたらどこかにいる13歳の愛ちゃん、

バレエが楽しくって、もっと続けたくって、

周りからもバレエに向いてるよなんて言われている子が

プロ生活に行きつくまでの健康な体をサポートすることができるのではないか?と思っています。

 

 

18歳の愛ちゃんに引き続き、今日は13歳の愛ちゃんも登場してきたポッドキャストになりましたが、

皆さんの応援のおかげで、このように夢を語ることができています。

 

セミナーに参加してくれる人たちや、ボディコンサークルメンバーのおかげで、

1冊何十円しか収入にならない出版のような仕事を引き受けても、生活ができています。

本当にどうもありがとうございました。

 

次のゴールは、この本の重版です。

重版のためには出版社の手配が必要で、そうすれば、このような内容は需要があるんだなと思ってもらえるはず。

 

クララがあったから、私は新宿村で行われたバレエ学校のオーディションを知ることができました

そのおかげで、バレエ学校専属セラピストやエクササイズクラス解剖学クラスの担当をし、

今のDLSがあります。

 

 

1つの記事が、その人の人生を大きく変えるきっかけになるかもしれないということを

身をもって体験しているからこそ、

DLSの活動を通して、ダンサーやバレエ教師の皆さんにとってポジティブなきっかけになれたらなと強く思ってるよということをお話して、

長くなってしまった今日のポッドキャストを終わりにいたしましょう。

 

 

最後まで聞いてくださってどうもありがとうございました。

また次の金曜日にポッドキャストでお話しましょう。

 

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