DLSポッドキャスト epi610 ダンサーに必要なフィットネスを手に入れるには?

ダンサーに必要なフィットネスは、どうやったら手に入るのでしょうか?

IDAMSのリソースペーパーを使い、先生ならしっかりと考えておきたい点をまとめました。

ダンサーの体を育てるなら絶対に必要なのに、見落としがちな休息の重要性も解説。

Transcript

こんにちは、DLSの佐藤愛です。

今月のポッドキャストでは、ダンスフィットネス

つまり、ダンスをこなすにあたって、適しているだけの健康状態とは何か?

という話をしております。

”ダンスを使って健康的に痩せよう!”という意味のダンスフィットネスではないですよ。

Fitという単語の正式な意味である

  1. 体力があり、健康である状態
  2. 健康を維持する活動、運動
  3. 何かを行うに適していること、適性

ということを踏まえて、踊りに適した健康を維持する活動や状態を指した言葉でしたよね?

ただ脂肪が少ないとか、痩せてるとかという見た目の話ではなくて

9つの項目全てを総合的にフィットネスと呼ぶんでしたよね。

9つの項目も復習しておこうか?

  1. 有酸素フィットネス
  2. 無酸素フィットネス
  3. 筋持久力
  4. 筋力
  5. パワー
  6. 柔軟性
  7. 神経筋コーディネーション
  8. 身体組成
  9. 休息

現代のダンサーに求められるレベルや、より進んだダンス医学の研究より

バレエダンサーはレッスンだけでなく

フィットネスを高めるトレーニングが必要だと分かっているんです。

だから

  1. プロを育てたかったら
  2. 憧れのダンサーの様に踊りたかったら
  3. 50年代の舞台ではなく、21世紀の舞台を発表会でこなしたかったら

ダンスフィットネスはレッスンの外で鍛えられるべき。

筋トレしたら太くなるとか、硬くなるとか不安になってしまう人達向けのエピソードは

先週カバーしたから大丈夫だよね?

クラスの中で出来ないの?

今までのエピソードで勉強してきた内容から分かるように

もしコンクールや発表会で生徒にプリンシパルレベルのバリエーションを躍らせるのであれば

その前に振付に耐えられるだけのフィットネスも作っておかなければいけません。

フィットネスの項目に気を付けてレッスンプランを作ったら

クラスの中でカバー出来るものなのでしょうか?

IADMSのリソースペーパーによると

普段のレッスンは神経筋のコーディネーション力には焦点が当たっているようです。

固有感覚もこの分類に含まれるので

バランス感覚シリーズでお話したような気を付ける点が

カバー出来たレッスンを提供していたら、ですけど。

ただ、普段のレッスンではダンサーに必要な全ての項目を

満たすことは出来ない場合があると書いてあります。

  1. スタジオのスペース
  2. クラスサイズ、つまり人数

に大きく左右されますし

生徒達全員がちゃんと出来ているかを見たり

体を直したりする時間もエクササイズ強度に影響してしまいます。

そのため、レッスンに加えて

つまり、レッスンの外でコンディショニングエクササイズを行うことが

推奨されているようです。

バランス感覚のエピソードと同様、レッスンの中で工夫は出来ますよ。

いくらレッスンしても、フィットネスが上がらないと言っているわけでもありません。

ただ、足りない。

特に

  1. コンクールや発表会でレベルの高い踊りをしたいなら
  2. 成長期で一時的に筋力やコーディネーション力が低下している時期なら
  3. プロを目指していたら

これはペーパーに書いてあったわけではありませんが

上記の人達がエクストラのフィットネスが必要だとしたら

  1. 楽しく、体を動かすことを学んでいる幼稚園児クラス
  2. 基礎を練習し、運動不足を解消するための大人クラス

であれば、レッスンの外でエクササイズを行う必要はないかもしれませんね。

ただ、幼稚園児クラスでは、運動能力的にこなせるバレエのステップが少ないです。

そのため、エクササイズとバレエの基礎中の基礎を取り入れて

体づくりのクラスとして提供している場合はあるかもしれませんね。

この件は、5歳児のバレエレッスンシリーズで深くお話したので

そちらのエピソードを聞いてください。

ちなみに、日本は特に幼稚園生クラスの生徒数が多いようなので

幼稚園児クラスに適したエクササイズレベルやボリューム、プランニングは

DLS公認スタンスインストラクターコースのアドバンスドコースで勉強しています。

また、大人クラスでも、エピソード607で引用したように

「レッスン、リハーサル、本番パフォーマンスの間には、身体的な負荷に差があること

つまり、伝統的なレッスンだけでは、舞台に求められる身体的要素の準備が足りない」

と書かれているわけですから

  1. ポワントをやりたい
  2. 発表会に出る
  3. コンクールに挑戦したい

なんて人達がいたら

レッスンの外でフィットネスを高めることが大切になると思います。

うちのスタジオでは、エクササイズやってくれない

次に思い浮かぶ質問は

「先生はやってくれない、もしくは先生はエクササイズ指導が出来ない。

自分で出来ることはある?」ということではないでしょうか?

先生を恨む前に

バレエの先生だからってエクササイズが指導できるわけではありません。

バレエの先生とエクササイズの先生は別なので。

なので、あなたの先生がエクササイズクラスを提供していないからって

ダメな先生なわけではないですよ。

私は10年以上海外の政府認定バレエ学校で

プロを目指しているフルタイムの生徒達を指導してきました。

私の仕事は解剖学とエクササイズの指導

放課後は治療家として生徒達のリハビリなどを見ること。

つまり、バレエ学校の講師だったとしても

バレエレッスンを指導していたわけではありません。

  1. クラシックバレエの先生
  2. コンテンポラリーの先生
  3. ロシアン・キャラクターの先生
  4. ジャズ・シアターの先生

など、先生たちは自分のジャンルを指導します。

それぞれのクラスでエクササイズをやっている場合もありますよ。

例えばクラシックバレエの先生が

バーとセンターとの間にカフライズを入れていたり

ウォームアップのエクササイズを指導していることはあります。

コンテンポラリーでパートナリングをやるから

みんな上半身を鍛えるエクササイズもやるという場合もあるかもしれませんし

ロシアン・キャラクターでは、コザックダンスのように

バレエのレッスンよりも深いプリエを繰り返さなければいけないので

スクワットがウォームアップとして入れられる、などもあるかも。

でも、「エクササイズクラス」の担当は私でした。

理由は簡単で、エクササイズを指導するには

エクササイズ指導の勉強をしなければいけないから。

そのため、あなたの先生はクラシックバレエに特化していて

  1. クラシックバレエのシラバス
  2. クラシックバレエに見られやすいケガについて
  3. ポワントに必要な強さを作るレッスンについて

などを勉強してくれているかもしれませんので、感謝してね。

ただ、自分でエクササイズを指導しない先生は2つ考えなければいけないと思います。

  1. エクササイズを指導できる人とタッグを組む
  2. 生徒達をエクササイズクラスに送る

こうすれば、スタジオで提供していなくても

生徒達を発表会やコンクールのレベルにフィットネスを持ち上げることが出来ると思います。

ダンサー自身が努力出来る?

そして、この2点はダンサー自身が出来る努力でもありますね。

どのレベルを目指しているかによりますが

もしバレエ学校レベルを目指していたり、プロダンサーなら

  1. レッスン以外にエクササイズクラスを受講すること
  2. 個別セッションを受けること

の両方をお勧めします。

個別セッションの方が値段が高いと思うので、月に1回とかでもいいかも。

グループクラスのゴールと、個別セッションのゴールは異なるので

両方必要だということですね。

実際、バレエ学校でエクササイズクラスを指導していましたけど

多くの生徒達が放課後少人数制のエクササイズクラスにも来ていました。

ただし、エクササイズクラスを追加するなら

フィットネスの項目の1つ「休息」をしっかりと考えなければいけません。

休むことは、フィットネスの1つです。つまり、努力の1つです。

今レッスンを週に6,7回受けているのであれば、

  1. レッスンを4,5回に減らす
  2. エクササイズを1回入れる
  3. 休息日をとる

ことは「努力」となります。

もし、ここで先生がレッスンを減らしてはダメよ!みたいなことを言ってきたら

スタジオを移籍することを考えましょう。

今月の最初にお話したように、現在のエビデンスでは

レッスンでは足りないことが分かっているのですから

レッスンを増やせば上手になると思っている先生がいる場合、時代遅れです。

そして、科学的根拠のない指導となりますので

そこにいても上手になる可能性は少ないでしょうね。

もちろん、既に組まれている発表会スケジュールの場合は別ですけどね。

そのスケジュールにツッコミどころはあります。

発表会に命をかけた練習をするスタジオは避けるべきだと私は思います。

とはいえ、自分、もしくは保護者がYESと言ったのであれば

途中でやーめた、は難しいでしょうね。

確かに、自分でエクササイズをすることは可能です。

有酸素運動は一番分かりやすい例ですが

  1. ランニング
  2. スイミング
  3. バイク・自転車
  4. 縄跳び

などは日本の学校に通っている子達なら習っていると思います。

オーストラリアの学校にはプールがないことが殆どなので

スイミングを学校で習わないんですよ。

縄跳びも知らない子達がたくさんです。

ネットボールとかクリケットなど

私は未だにルールもよく分からない球技はあるみたいなので

体育の授業でカバーすることが違うんですよね。

遅れているところや、古い習慣はあるものの

日本の学校システムって素晴らしいところもいっぱいです。

ただ、自分でエクササイズをやる場合、常に同じことをしていても上達しません。

オーバーロードの原則といって、トレーニング効果を継続的に得るためには

体が慣れてしまわないよう、毎回少しずつ強度や回数などを高めていく必要がある

という運動生理学の基本原則があるんですが、それを考える必要が出てきます。

今の時代、その気になればバレエレッスンに行かなくても

YouTubeでバレエ習えちゃうでしょう?

でも、自己流では上達しないから、スタジオに行くよね?

もちろん、アレグロに必要なスタジオのサイズもありますし

床の素材はケガ予防に大きく影響します。

それと同じで、エクササイズも自己流にならないよう

誰かに習うことが大事だというのを忘れないでくださいね。

DLSではダンサーに特化したオンラインエクササイズクラスをお届けしています。

先生たちは全員

DLS公認スタンスインストラクターコースのアドバンスドコースを卒業した人達。

さっきお話したように、これ「だけ」では足りないレベルの人もいると思いますが

オンラインなので、どこに住んでいても、送り迎え関係なく参加出来るという意味で

スタートしやすいと思います。

DLSのオンラインクラスは中学生以上のダンサーと先生たちにお送りしています。

理由はいくつかあるけれど

  1. 中学生以下の場合、追加のフィットネスが必要なレベルの振付をすべきではない
  2. ケガや成長スピードが理由でエクササイズを行うなら、グループではなく一対一で受けるべき

の2点は大きな理由です。

最近は、これに追加してオンラインの安全性も考えなければいけないと思います。

DLSでは参加者の安全を徹底するために、様々な処置を行っています。

例えば、参加者全員が顔出しで参加しなければいけないとか

グループの録画を配布しないなどは

盗撮や悪質な行動を避けるための処置です。

ディープフェイクって言葉を聞いたことがありますか?

AIを使って顔や声を組み合わせたり、新しく作ったり出来る技術のことです。

つまり、あなたの写真や動画を、誰かが着替えさせたり

言ってもいないことを言わせたり出来ちゃうので

何をアップするか、シェアするかは慎重になりたいところ。

大人数でオンラインで参加出来るクラスを受けるなら

主催者の人がどれだけ参加者の安全を確保しているかをしっかりとチェックしてから

申し込んでくださいね。

エクササイズ指導をしたいなら

今月お話してきたことだけでなく、今までのポッドキャストや勉強内容で

エクササイズの大切さ、ケガ予防の大切さを感じた先生は

エクササイズ指導の勉強をするのも良い手だと思います。

特に

  1. 地方のスタジオなので、周りに連携できるようなトレーナーさんがいない
  2. スタジオ経営をしていて、レッスンがない時のスタジオを有効に使いたい
  3. 特別なエクササイズクラスではないが、レッスン前にウォームアップを取り入れたい
  4. ポワントに上がる前に、期間限定のエクササイズクラスを提供したい

などを考えているなら、とってもいい勉強になると思いますよ。

また

  1. バレエのお手本を見せるのが大変なケガや病気がある
  2. フリーランサーで指導しているので、バレエだけでなく他にも教えられるようになりたい

という人達もいいと思う。

ただ、このエクササイズだけ学んでおけばOKというものは存在しません。

よく聞かれるのは、ピラティスはバレエに向いていますか?的なもの。

ピラティスだろうが、ジャイロだろうが

ちゃんと指導出来るなら役に立つと思いますが

自分が指導したい相手を考えた上でコースを選んでみてください。

私もピラティスの資格を持っていますが

コースの中ではダンサーはもちろん

通常の可動域以上を使う職業、成長期の体

ケガしている場合のエクササイズや勉強は含まれていませんでした。

先週のエピソードでもお話しましたが

トレーニングの原理・原則の1つに、特異性の原則というのがあります。

よく踊れるようになりたいなら、それに特化したエクササイズが必要です。

サッカーでもバレエでも、体力は必要ですし

後方インピンジメント症候群も良く見られます。

また、グランバットマンのように、足を前に蹴り上げる可動域が必要になります。

でも、サッカーとバレエダンサー、同じトレーニングはしないだろうな、っていうのは

エクササイズの勉強をしていなくても分かりますでしょう?

DLSでは、ダンサーに特化したエクササイズ指導が出来るようになるコースを提供しています。

クラシックバレエを基にしていますが、今まで

  1. モダンダンス
  2. コンテンポラリー
  3. チアダンス

などの先生たちも参加していました。

この種類もバレエと同じような基礎が必要になるからです。

1年に1度しか申込を受け付けていないコースですが

来月5月より6期生募集が始まります。

毎年行おうと努力しているコースではありますが

ご存じのように私のがん治療の進行具合などによって

来年は行われないかもしれないので、興味がある人は資料請求をお忘れなく。

Hello@dancerslifesupport.comに「コース資料」とご連絡くださいね。

インスタのDMでも大丈夫です。

今月も一緒にマニアックなポッドキャストを聞いてくださってどうもありがとうございました。

また来週、新しいテーマでお送りしていくので

金曜日のポッドキャストを楽しみにしていてくださいね。

Happy Dancing!

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