DLSポッドキャスト 632 ダンス関係者が知っておきたいダンサーの股関節 総集編

股関節の痛みは、ダンサーだから仕方ない?もっとストレッチしなきゃ?

股関節の構造や可動域を知ると、バレエに必要なのは柔軟性だけではないことが見えてきます。

安全に踊り続けるために何が大切かを、学んでみませんか?

Transcript

こんにちは、DLSの佐藤愛です。

今週は、ダンス関係者が知っておきたい

ダンサーの股関節についてをまとめた総集編とワークブックをお届けします。

ダンサーが知っておきたい、ではなく、ダンス関係者が知っておきたい、とした理由は、

本人だけでなく、先生、保護者、そして治療家やトレーナーにも知っておいてほしいから。

バレエ、特にターンアウトや高く上がる脚が目に入りやすいからか

「ダンサーは特別だから」とか「痛くて当たり前」

という考えが残っている人達がいるようです。

でも、ダンサーだって人間ですから解剖学的事実がありますし、

バレエだろうが、スポーツだろうが、痛いのが当たり前なはずはないんですよ。

事実やエビデンスを、一緒に勉強していけるよう、今週もワークブックを作ってあります。

ワークブックは、こちらからダウンロードしてください。

DLSライブラリの3か月会員と1年会員の皆さんは、

ライブラリ内に新しく「音声クラス+ワークブック」というセクションを作ってあります。

ライブラリ詳細はこちらから。

ではどうぞ。

股関節=骨盤+大腿骨

股関節がどこにあるか?からはスタートしなくていいですよね?

股関節とは、名前の通り関節ですから、2つ、もしくは2つ以上の骨がぶつかる場所を指します。

骨は動けません、筋肉が動かさない限り。

骨は曲がりません、骨折しない限り。

よって、ターンアウトとか高く足を上げるなんていう

股関節からの動きを上達させたかったら、

股関節を作る骨を、筋肉が動かす必要があります。

だからね、いくら床でストレッチしても

アダージオの足が低いままだし、

ジャンプしたつま先がかま足になり、ジャンプの着地の膝は内側に落ちてしまうのよ。

ま、今日はその話ではないから飛ばしていきましょう。

では、股関節を作る骨とは何でしょうか?

簡単な説明は骨盤と太ももの骨ですね。

もう少し詳しく説明すると、寛骨と呼ばれる骨盤の骨と、大腿骨です。

マニアレベルになると、寛骨臼と大腿骨骨頭となります。

寛骨臼のことを知らなくても踊れるか?

答えはYES。

骨盤を知らないで踊れるか?

答えはNO。

なので、”ダンサーのための”解剖学だったら、

骨盤と太ももの骨という理解があれば十分です。

股関節の動き

股関節は、球関節という特別な形をしています。

どれだけ特別かというと、人間の体の中に球関節は4つしかないんですよ。

200以上の骨があるのに。

ね、特別でしょ?

股関節の右と左、そして肩関節の右と左が球関節となります。

球関節はボール部分とソケット部分がある関節で、

股関節の場合、大腿骨の頭、骨頭部分がボール、

そして骨盤のくぼみ、寛骨臼がソケットになります。

この形のおかげで、股関節は様々な方向に動くように出来ているんですね。

ではクイズです。

股関節は6つの方向に動きます。

名前、分かりますか?

  • 屈曲
  • 伸展
  • 外転
  • 内転
  • 外旋
  • 内旋

ですね。

屈曲、外転、伸展を通過する動きのことを分回し運動なんて呼んだりしますが

さっき説明した6つが分かっていれば問題なし。

バレエの言葉で説明すると

屈曲=パラレルのデヴァン

伸展=パラレルのデリエール

外転=パラレルのアラセコンド

内転=パラレルの5番ポジションのようにクロスポジション

外旋=ターンアウト

内旋=ターンイン

分回し=ロンデジャンプ

ですね。

だから、タンジュデヴァンは股関節の外旋+屈曲となります。

股関節は安定している…はず

たしかに、球関節である股関節は様々な動きが出来ます。

解剖学では、動ける範囲のことを、可動域と呼ぶので、

股関節は広い可動域を持っている関節だと説明出来ます。

だけど、体の中で一番動ける関節は肩関節。

このポッドキャストを聞いている保護者の皆さんだったら

子供たちの肩は抜けやすい、って分かるでしょ?

股関節は動けはしますが、

上半身と下半身を繋げる大切な関節でもあるため

そう簡単に外れないように出来ています。

  • 他の関節にもある関節包ももちろんありますし、
  • 寛骨臼の形や深さ
  • 股関節周りにある数多くの靭帯
  • 股関節の中にも、骨頭とソケット部分を繋げる靭帯も入っていますし
  • 股関節唇という、不思議な形の軟骨もあります。

でもね、股関節が不安定な人がいます。

さっきお話したように、股関節というのは関節なので2つ以上の骨が関係しますが、

股関節が不安定な人は、寛骨臼のソケット、お椀部分が浅いんですね。

このような人たちを臼蓋形成不全(きゅうがい けいせいふぜん)なんて言います。

このような股関節の人は、股関節の可動域が広いため

バレエ向きの体なんて言われることがありますし、新体操選手にも多く見られます。

新体操をするから、骨の形が変わるわけではないですが、

股関節が柔らかい人が褒められたり、選ばれたりしやすいためです。

生まれつきの骨の形ではなく、人工的に無理やりストレッチなどで

股関節の可動域を広くしている人もダンサーに良く見られます。

でもね、これは危険なんです。

ダンサーの股関節の痛みの多くは股関節が不安定

広い可動域を安全に使うためには、筋肉の強さが必要ですが

筋肉は使わないと弱くなります。

筋肉を保つために、人間の体はエネルギーを使うので、

省エネ大好き、つまりエネルギーをセーブしてサバイバルに使いたい人間は、

使わない筋肉をとっておきません。

靭帯や軟骨にはそのようなデメリットはありません。

なので、生まれつきでも、無理やりでも股関節の可動域を広げてしまった人は、

一生股関節周りの筋肉をトレーニングし続けなければいけないんです。

そのような強さを保たないと、関節が傷ついていきます。

軟骨がすり減ったり、骨が変形したりして

人工股関節になってしまうこともあります。

さっき、股関節にはたくさんの靭帯や股関節唇と呼ばれる軟骨があるとか説明しましたよね?

こういうことを考えずにストレッチすると

  • 股関節の捻挫や靭帯損傷
  • 不安定症やマイクロインステビリティ
  • 股関節唇損傷
  • 股関節亜脱臼症候群

なんてケガに繋がってしまいます。

私が知っている限り、人工股関節は10年くらいしか持たないので、

早くから人工関節になってしまったら、何度も手術を繰り返す事になるでしょう。

踊っているときに痛みがあった股関節が

先生になり、自分のレッスンが減ったので痛みが続く先生も多くいますし、

無理やりストレッチで20代から人工関節になってしまった選手も知っています。

また、度重なる股関節の痛みでプロダンサー生活を終わらせた人たちもいます。

怖がらせているわけではないですよ!

今日のエピソードで皆さんにしってもらいたいことは

  • 股関節とは、骨盤と大腿骨でできた関節
  • 球関節という特殊な形から様々な方向に動き
  • 安定させるために、関節の周りには様々な組織がある

そういう事を知らずに形だけ真似したストレッチを続けると

  • バレエを辞めなければいけない
  • 一生続くケガになる可能性がある

という事実を理解してくださいね。

臼蓋形成不全と日本人ダンサー

先週のポッドキャストで、

”生まれつきでも、無理やりでも股関節の可動域を広げてしまった人は、

一生股関節周りの筋肉をトレーニングし続けなければいけないんです。

そのような強さを保たないと、関節が傷ついていきます。

軟骨がすり減ったり、骨が変形したりして

人工股関節になってしまうこともあります。”

なんてお話したから、

私、臼蓋形成不全だし踊り続けることが出来ないんだろうか…

と不安に思ってしまったダンサーもいるかもしれません。

今日はその部分をもう少し見ていきますね。

臼蓋形成不全とは、先週のポッドキャストで勉強したように

股関節のソケット部分である寛骨臼の形成が浅い疾患です。

そのため、大腿骨の骨頭が動きすぎてしまうという問題があります。

アジア人に多いとも言われ、

男女比で見てみると、女性の方が多く見られるというデータがあります。

日本のバレエ人口を見ると女性の方が男性より圧倒的に多いことから

そして、日本で指導していたら、

必然的に遺伝子が日本人の人たちが多いだろうから、

結果として、臼蓋形成不全のダンサーを見る可能性が多くなります。

ちなみに、今遺伝子が日本人の人たちといったのは、

国籍で見る日本人ではなく、遺伝子で見る日本人という方を言いたかったからです。

だからね、日本のダンサーたち、保護者達、

なによりも、バレエの先生たちが、股関節についてや臼蓋形成不全について

少しでも知っておくことは大切なんですよ。

統計的にも。

逆に言うと、こういう事を知らず、無理やりストレッチをしていたら

危険因子を理解せず、ケガのリスクを理解せずに指導しているという証拠でもあります。

幼いうちは、他の子たちよりも足が上がるとか、

床でスプリッツが出来るから上手ねーと言われるかもしれないし、

バレエ学校のオーディションにまったく関係のない年齢やサイズのコンクールで

上位になることがあっても、

長期的に彼らの夢や健康を考えた行動とは言えません。

8月のDLSお誕生日イベントでも行った

「保護者が知っておきたい成長期の体」セミナーでもお話したけど、

プロダンサーを目指す子供がいたら、

最低でも18歳までは踊り続けることが出来る体を維持しなければいけません。

だって、職業として契約書が出たり、ビザが出る必要があるから。

それなのに早くからポワントが履けた方が上手だと思っていたり

今しか時間がないから!とケガをプッシュして踊り続けることを

肯定している先生がいることに頭を抱えますが、それはまた今度のお話で。

日本人だからターンアウト出来ない?!

この先に進む前に、もう1つだけお話させて。

さっき統計学的には、どういう人に臼蓋形成不全が見られやすいって言ったか覚えてる?

  • 男性よりは女性
  • アジア人に多いといわれる

と言ったじゃない?

そして、臼蓋形成不全は股関節の可動域が大きい。

だからケガしやすいんだけどね。

可動域が大きいということは

足は高く上がりやすいし、ターンアウトもしやすいです。

亜脱臼や脱臼もしやすいし、靭帯にも大きな負担がかかるし、

股関節の変形にも繋がるんだけど、可動域は大きいです。

つまりね、アジア人女性、つまり日本人女性ダンサーの股関節可動域は

統計学的には大きいはずなんです。

だけど、こういう言葉を聞いたことありません?

  • 私は日本人だからターンアウトが出来ない
  • 日本人体型だから足が上がらない

そして、このような言葉の多くは、女性ダンサーが言うか、言われる。

どこからこの言葉が来ているのか、誰が言っているのか

元をつかむことが出来ませんでしたが、

私は人種差別と性差別から来ていると思います。

バレエと人種差別については過去のポッドキャストでお話していますが、

最近のエピソードだと519 「知らなきゃ困るちびっこダンサーのつま先」でカバーしたので

気になったらそちらも聞いてください。

DLSポッドキャストを携帯のポッドキャストアプリで登録しておくと

聞き逃しちゃうエピソードをなくすことが出来ますが、

アプリ派ではない人は、YouTubeで登録+通知ベルをオンにしておいてくださいね。

ダンサーたち、先生たち、そして保護者達。

何かやりながらこのエピソードを聞いていたら、集中して聞いて。

メモしても、正座してもいいから聞いて。

巷で言われている事が正しいって

鵜呑みにするんじゃないよ!

日本人だからターンアウトが出来ないんだと信じてしまい、

小さいうちから頑張ってストレッチした結果、

股関節のケガにつながってバレエが出来ないだけでなく、

杖が必要な生活にならないためにも、情報は吟味すること。

好きな人から聞くだけでなく、信頼できる人から情報を得ること。

ほら、好きな芸能人が歯磨きについてお話していたとしても、

歯医者さんの意見を聞くべきだって分かるでしょう?

歯医者さんのことが好きな人はいないと思うけど、

プロフェッショナルで、しっかりと勉強している人から意見を聞くでしょう?

そういうことね。

ターンアウトには股関節の可動域が必要です。

可動域とは、関節の動く幅だったね。

そして、可動域には2種類あります。

1つは受動的可動域、床で出来るとか手で押せば出来る的な可動域。

もう1つは能動的可動域、自分で動かすことが出来る可動域。

踊りの中でターンアウトを使いたいなら、2つ目の能動的な可動域を育てる必要があります。

そしてこれってトレーニングの事だからね。

詳しくは私の「ターンアウト本」を読んでください。

臼蓋形成不全と痛み

と、皆さんにカツを入れたところで、

ダンサーの股関節について勉強してきた今日のポッドキャストの中で

一番のグッドニュースをお届けしましょう。

臼蓋形成不全だからといっても、痛いわけではありません。

良かったね!

逆に股関節の痛みがあるダンサー全員が

臼蓋形成不全なわけでもありません。

臼蓋形成不全があって、股関節の痛みがあったとしても

臼蓋形成不全が原因ないこともあります。

良かったね!

臼蓋形成不全とは、先ほど見てみたように股関節の形の問題です。

形の問題と使い方、筋肉の強さは一致するわけではないため、

臼蓋形成不全でも、自分の体の声を聞いて、

必要なトレーニングを行っているダンサーなら問題なく踊れます。

逆に股関節の形は教科書通りの「健全」と言われるものだったとしても

使い方が悪く、股関節周りの筋肉が弱い場合、

少しでも動いたら股関節が痛くなって当たり前ですね。

臼蓋形成不全があっても踊れる

今月のポッドキャストでは

ダンサーの股関節にフォーカスを当てたシリーズをお送りしています。

  • 股関節とは骨盤と大腿骨でできた球関節
  • 様々な方向に動くけれど、安定するようにデザインされている関節

ですが

  • 日本人、特に女性ダンサーは臼蓋形成不全の統計が大きいこと
  • 臼蓋形成不全でなくても、無理やりストレッチなどで、人工的に股関節を不安定にしてしまうとケガや一生向き合わなければいけない痛み、手術などの問題が起こる可能性がある

とお話しました。

そして先週のポッドキャストの最後に、

  • 臼蓋形成不全だからといっても、痛いわけではない
  • 股関節の痛みがあるダンサー全員が臼蓋形成不全なわけでもない。
  • 臼蓋形成不全があって、股関節の痛みがあったとしても臼蓋形成不全が原因でないこともある

という話をしましたね。

なんだか頭がこんがらがっちゃう話ですよね。

臼蓋形成不全とは、股関節の形の問題です。

確かに、ケガしやすいとかリスクが高い、という問題はありますが、

臼蓋形成不全自体がケガではないんですよ。

形の問題があっても、自分の体の声を聞いて、必要なトレーニングを行っているダンサーなら、

臼蓋形成不全のメリットとも言える、普通よりも広い可動域を

安全にコントロールすることが可能でしょう。

股関節の問題だけでなく、この話は様々なエリアで言い換えられます。

例えば側弯症もやせ型の女性に多く見られるなんて言われる症状ですが、

側弯症があったとしても、

しっかりとトレーニングを行っているダンサーだったら踊り続けられます。

実際にバレエ学校の元生徒の中には、

留学当時は直ぐにわかる側弯症があったけれど、

6か月で角度も改善されたし、何よりもパッと見ただけでは分からないレベルまで

筋肉の形や体の使い方を改善することが出来ました。

同じように、12歳からずっと見てきた生徒の一人も、

成長期に側弯症が見つかり、コルセットとエクササイズの両方を行って、

側弯症が一番悪化する成長期を、無事超えることが出来ただけでなく、

ローザンヌ国際バレエコンクールのビデオ審査に問題なく通ることができ、

大きなバレエ学校に留学、この9月からプロダンサーとして活躍しています。

側弯症の有無に関係なく、日本で踊っているダンサーの調査によると

90%以上が腰痛があると答えたそうですから、

診断名が、常にイコールで痛みや問題、

バレエを辞めなければいけないシチュエーションにはならないと覚えておいてくださいね。

ただし、先ほどあげた例は、本人たちの理解と努力がなければ成り立ちません。

1人目の例で挙げたダンサーは、日本にいるときに

側弯症だから手術が必要だと言われ続けたそうです。

正しい知識を得るためには、

時にセカンドオピニオンやダンス専門の治療家、トレーナーを探す必要もあります。

そして、私は臼蓋形成不全も同じように、

正しいバレエでの股関節の使い方と、踊りに耐えられるエクササイズが出来ていれば

踊り続けることが出来ると思うし、

そのようなダンサーと寄り添えるトレーナーを養成するために、

DLSでは公認スタンスインストラクターコースを行っています。

股関節が詰まって感じるダンサーたち

臼蓋形成不全など股関節の形に関係なく、

高く足をあげたり、ターンアウトを保ったりしなければいけない

ダンサーの股関節は、一般の人たちよりも強くなっている必要があります。

柔軟性も必要ですよ。

でもね、先週のポッドキャストでお話したように、可動域には2種類あります。

1つは受動的可動域、床で出来るとか手で押せば出来る的な可動域。

もう1つは能動的可動域、自分で動かすことが出来る可動域。

安全に、高く上がる足やターンアウトが出来る股関節を作りたかったら、

2つ目の能動的な可動域を育てる必要があります。

これは床での柔軟だけでは育ちません。

ストレッチが大事じゃないとは言っていないよ?だけど、ゴールが違うのです。

そして、股関節が痛いダンサーの場合、

  • アラセコンドにキープしていると、股関節が痛くなってくる
  • ルティレやレッグマウントで股関節が詰まる感じがする
  • 股関節をパキっとならすと、痛みが減って動きやすくなる

なんてダンサーたちは、柔軟性が足りないのではなく、使い方、つまり筋力の改善が必要です。

臼蓋形成不全に関係なく。

  • 詰まって感じるし
  • いつもより足が上がらない

だからストレッチしよう!と行きついてしまう理由は良くわかります。

「痛いところは入念にストレッチしておきましょう」

なんて情報は色々なところで目にしますものね。

ちょっと話はずれるけど、

8月のボディコンサークルは全身調整がテーマだったんですね。

そこで、「引っ張る」と「緩める」の違いについてお話しました。

エクササイズバンドを思い浮かべながら聞いてください。

バンドの両端を引っ張ると、バンドが伸びますよね?

これって引っ張る、つまりストレッチするということになると思うんだけど、

「緩める」という表現が適切だと思う?

引っ張る、ストレッチする、という表現は合ってるよね?

でも緩める、にはならないよね。

エクササイズバンドを緩めるためには、両端を近づける必要がありますから。

ということは、

もし筋肉が凝り固まっていたら、アイロンをかけるように伸ばしてあげると良いでしょうね。

ほら、洗濯機から出したワイシャツがくしゃくしゃだったら、

パンパン!って引っ張ってあげたり、アイロンかけるといいのは分かるよね。

だけど、筋肉が張っている感じがあるんだったら。

例えば腰が張ってるとか、肩や首周りが張ってるなら、すでに伸ばされているわけよ。

重力が肩を前に引っ張って、姿勢が悪くなっているから

僧帽筋上部が長時間ストレッチされている場合もあるし、

指導中、タックで立ち続け、

ウォームアップされていない体でお手本を見せていたら

腰方形筋が引っ張らて当たり前。

こういう場合は、ストレッチではなく緩めるという行動が必要になりますし、

姿勢が保てるように背中の筋肉の強化や、

タックせず、骨盤を正しいところで保つ筋力を育てないと、

毎週末にマッサージに通っても良くならないことが分かるでしょう?

この考え方を、股関節でもしてほしいわけです。

ダンサーは股関節を強化すべき!

股関節を強化する大切さが分かった。

じゃ、具体的には何をすべきでしょうか?

たくさんエクササイズはあるけど、

皆に共通する短い答えは「正しいレッスンをしてください」となります。

正しいレッスンを受けていたら、

  • 股関節の受動的可動域を作り
  • 股関節のクローズドチェーンでの能動的可動域を鍛え、
  • 徐々に股関節の能動的可動域を増やしていく

というトレーニングを行う事が出来ます。

今の言葉をバレエの言葉で説明しましょうか。

プリエでは、股関節は動きますが、

ルティレのように自分で持ち上げる形ではなく、

床と骨盤との距離が縮むので、折りたたみ傘のように関節を曲げる必要があります。

これが股関節の受動的な可動域。

その次に、床につま先をつけて行われるタンジュ。

これは自分で動かしていますが、足を持ち上げていないので

クローズドチェーンの能動的可動域となります。

そして、ジュッテやロンデジャンプ…と

オープンチェーンの可動域や可動方向が複雑になっていくレッスンになっていますよね。

足の高さにフォーカスするのではなく、

年齢やレベルに合わせて、徐々に足の高さを「鍛えていく」レッスンをしていたら

このように股関節に対して良い動きが含まれているんですよ。

だけど、多くのダンサーが

小さいころは床での開脚やカエルポーズで指導され、

ストレッチが出来ると、バレエ向きの体ねと言われたり褒められる。

大きくなってくると「自分でウォームアップしなさい」と言われるけど、

具体的には何をしていいのか分からないから、

小さいうちからやってきた床でのストレッチをする。

テクニックが複雑になるだけでなく、

身長も伸びると、足の骨も長くなり重くなるから

コントロールが難しくなる中で

足の高さと受動的な可動域だけにフォーカスしてきた結果

股関節の痛みを抱えるダンサーが増えてしまうんだと私は思います。

バレエ学校でエクササイズクラスを担当していた時、

長年エクササイズクラスを受けている子たちに

股関節の痛みはありませんでしたし、

股関節のケガの研究に強いオーストラリアバレエ団でも

股関節の痛みに対応するエクササイズプランやリハビリプランがありました。

そうはいっても、長年レッスンをしてきたダンサー達は

長年の使い方の癖がついています。

ただでさえ癖を修正するのは難しいけれど、

レッスンのように

  • 振付
  • 音楽
  • 他の人との距離やスタジオのスペース

など、他にも考えなければいけないことがある場合、

癖を治す方法が分かっていたとしても、それに集中することはとっても難しいでしょう。

プロでも難しいので

コーチングと呼ばれる一対一のテクニック練習を

レッスン以外でつけているダンサー達もたくさんいますし、

カンパニーには、専属のトレーナーがついていることもあります。

私が働いていたバレエ学校は小さな、私立でしたが、

私の仕事はエクササイズクラスの担当と解剖学の講師、治療家。

つまり必要であれば、生徒達は

バレエの事だけでなく、バレエ学校のスケジュールを知っていて

体のことやケガの事を知っている人と

トレーニングや治療を受けることが出来たということになります。

大きなバレエ学校だったら、このような仕事をする人が複数いるでしょう。

だけどそれらの個人の力でやるのは難しいでしょうね。

じゃ、どうしたらいいでしょうか?

どのレベルのダンサーでも、出来ること。それは

  • 正しい知識を身につけること
  • バレエのことを熟知している専門家とエクササイズすること

の2つだと思います。

正しい知識というと難しく感じるかもしれないけど、

今皆さんがやっているポッドキャストで勉強というのも1つですよ。

股関節の構造やケガのリスクを知っていれば

  • レッスン前に開脚じゃなくて、ウォームアップしないとな
  • 股関節が痛かったら、むやみやたらとストレッチしないほうが良さそうだな
  • バーとセンターとの間で行うレッグマウントは辞めて、その代わりに壁で空気椅子とかカフライズとか、ジャンプの着地の力や軸足の力を鍛えた方がいいかもな

など、今すぐ出来ることが見つかりますよね。

バレエのことを熟知している専門家とエクササイズするのも、

コロナの後は結構簡単になりましたよね。

DLSならボディコンサークルやボディコンエクスプレスなど

毎週いくつものクラスが行われていますし、

DLS以外でもSNSで多数のトレーナーさんを見かけます。

オンラインでなく、一対一のトレーニングをつけてもらいたい人は

DLSのインストラクターデータベースを見てみることも出来るでしょう。

時間的に、もしくは金銭的にそういうものが不可能だとしても

私の「ターンアウト出来てますか?」本に書いてあるエクササイズ、

特にベーシック部分のエクササイズは全て

股関節周りの筋肉や感覚を強化するエクササイズです。

ちゃんと読んで、しっかりと継続すれば。

何が言いたいかというと、

どんな人でも、本人の知識とやる気があれば、出来ることがあるってこと。

あと、行動力も必要だね。

簡単だとは言わないですが、

出来るか、出来ないか?の二択だったら「出来る」です。

股関節の問題は骨盤をチェックして

最後に、股関節が痛いからといっても

股関節「が」問題とは限りません。

面倒だよね、臼蓋形成不全だったとしても、それが痛みの原因ではない、とかさ。

もっとシンプルで、1+1=2!みたいな答えが欲しいよね。

指導者である私もそう思う。

でもね、人間の体はそんなにシンプルじゃないんですよ。

ただ、シンプルな答えの方が分かりやすいですし、広まりやすいです。

股関節の構造から、可動域や方向、

臼蓋形成不全の統計や、エクササイズ理論などを勉強するよりも、

「日本人だからターンアウトが出来ない」

と言った方が分かりやすいし、広がりやすい。

そして、ターンアウトが出来ない人は言い訳が出来る。

「あーそうか、私は日本人だからターンアウトが出来ないのね」

そして先生たちも言い訳が出来る。

年齢やレベルに合わせたレッスンをしていなくても

「あーそうか、日本人だから足が上がらないのね」で済むでしょう?

「これであなたも開脚できる」とか「OO流ターンアウトストレッチ」

とかあったら売れるでしょう?

2019年1月に行われたターンアウト本の出版イベントで、

「そういうのを作ったら、私お金持ちになれる」って言いましたが、今でもそう思っています。

でも、コナン君には悪いけど、真実はいつも1つ!ではない。

  • 外旋六筋が弱い場合もあるし
  • 股関節の使い方が上手く出来ていない人もいる
  • ゆっくりやれば出来るけど、踊りの中で使えないというダンサーもいる
  • 股関節周りを使わない生活をしているので、ターンアウト以前に全体的な強化が必要な人もいる。

そうはいっても、

みんな人それぞれだからね~で終わりにしたら、

なんだか尻切れトンボなエピソードになってしまうので、

「迷ったら常に教科1」というインストラクターコースの教えを守りましょうか。

教科1とは、解剖学のことです。

つまり、股関節について困っていたら、解剖学に戻れということ。

では、今日のエピソードの最初にお話したことを思い出してみよう。

股関節とは、どの骨でできた関節でしたっけ?そう、骨盤と大腿骨。

そして私たちは、大腿骨にフォーカスしてお話してきました。

  • 足の高さやターンアウト
  • 足をあげると痛い股関節や
  • ルティレで詰まる股関節

など。

でも、今日は考えていない骨が残っています。

そう、骨盤。

ということで、股関節シリーズ最後となる、来週のポッドキャストでは、

ダンサーの股関節を守るために超重要な、骨盤についてもう少し勉強していきましょう。

ダンサーの股関節の痛みと骨盤

ラッキーなことに、同じレッスンを受けていても

ケガしないダンサーは存在します。

理由は様々ですが、今回のテーマに合わせてみると股関節の形。

  • 臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)か否か、
  • 臼蓋形成不全だったとしても、軽症なのか重症なのか
  • 子供の頃にどんなレッスンを受けてきたか
  • 現在の身長や、レッスン内容
  • 部活をしているか、学校までの距離はどんな感じか

など、様々なエリアが影響します。

臼蓋形成不全は股関節の形の問題だってお話しましたよね?

球関節、ボールとソケットで出来た関節のソケット部分の深さ、というか浅さ、の問題です。

ですが、浅いソケット部分といっても、

正常と言われる形より、すこーし浅いだけなのか、

かなり浅くて、大腿骨骨頭との接地面が殆どないのか

では状況が異なります。

仮に同じ臼蓋形成不全のダンサーが2人いたとしても、

子供の頃にゆっくり、正しいレッスンを受けてきた子と

先生が上から押すような、床で行うストレッチをしてきた子では

靭帯損傷の有無や、ストレッチに関する考え方などが変わってきますね。

股関節とは、上半身と下半身を繋げるカナメとなる部分ですし、

ダンサーの股関節に痛みが出るシチュエーションは、足を上げている時が殆どなので

足の長さ、つまり身長が影響するのは分かると思いますし、

レッスンで足の高さばかりつくるような振付なのか

デヴァン、アラセコンド、デリエールのどの方向にあげる振付がどれくらい入っているのか

などレッスンプランの偏りも影響することが分かるでしょう。

バレエはやっているけど、運動部でスクワットとかランニングなどをやっている子と

バレエの他には塾で座っている子だったら

股関節周りの強さに影響がでるのも分かりますよね。

何が言いたいかというと、

あなたが大丈夫だったからといって、全員が大丈夫なわけではない。

ということ。

そしてこれは、先生たちに伝えたいです。

生徒達のレントゲン、持っていないでしょう?

生徒達のレッスン以外の運動量を考慮して、クラス分けしていないでしょう?

経験はとても大切です。

でも、皆さんが昔やってきたレッスンを提供している「だけ」だったら

それに当てはまらない子達のケガのリスクは高くなってしまいます。

皆さんはバレエの世界に残って、バレエの先生という職業についたかもしれないけど、

同じスタジオに通っていた子達の多くはバレエを辞めたでしょう?

その理由にケガや痛みもあったはずです。

股関節の痛みがあったら骨盤をチェックして!

「昔からの癖が直っていないから、あなたはピルエット出来ないのよ」

と言われても、

「じゃーどうしたらいいんだよ!」とツッコミたくなってしまうのと同じで、

先生たちにお説教をしていても勉強にはなりませんよね。

1か月かけて勉強してきたことを復習してから、

今日のテーマ、骨盤についてを見ていくことにしましょう。

まず、9月最初のエピソードでは股関節の解剖学を復習しました。

  • 股関節とは骨盤と大腿骨で出来た関節である
  • 球関節と言われる形をしていて、様々な方向に動く
  • 球関節とはボール部分とソケット部分があり、ボール部分は大腿骨骨頭、ソケット部分は寛骨臼と呼ばれる

という感じでしたね。

そしてエピソード526では

  • ソケット部分の形の問題を臼蓋形成不全と言う
  • 統計で見てみると、アジア人の女性に多く見られる疾患であるから、日本のダンサーやバレエの先生だったら知っておくべき
  • ただ股関節の痛みがある人全員が臼蓋形成不全なわけではないし、臼蓋形成不全があっても痛みなく踊ることが出来る

という事をお話しました。

先週のエピソードでは

  • 股関節の形に関係なく、使い方に問題があったり、やりたい動きに対し柔軟性はあっても筋力がない場合、股関節に痛みが生じることがある
  • 股関節の形に関係なく、股関節の大きな可動域を必要とするダンサーは、股関節周りの筋肉を強化すべき

という話をしましたよね。

どう、覚えてる?

エピソード526でお話したように、バレエ解剖学の勉強のコツは繰り返しです。

何度も繰り返し勉強することで、気が付いたときには

股関節と言われたらイメージが頭に思い浮かぶくらいの知識が身についていきますから、

1度だけポッドキャストを聞いただけで

分かるようにならないって覚えておいてくださいね。

くれぐれも、1回やっただけで分からないからって

  • 私には才能がないんだ
  • バレエ解剖学は難しいからやめた

って思わないでくださいよ。

なんだって、やりがいのあるものは簡単ではありませんからね。

足は高く上げたいし、ターンアウトしたいけど股関節は痛い。

股関節周りの強化をしていきたいけど、

憧れのダンサーみたいに足を高く上げる柔軟性も欲しい。

じゃ、どうすればいいの?という人たち、ここから集中して聞いてね。

関節は2つ、もしくは2つ以上の骨がぶつかるところだ、と説明しましたよね?

大腿骨は外旋(ターンアウト)したいし、

屈曲(デヴァン)、外転(アラセコンド)、伸展(デリエール)したい!

でも問題がある…という場合、股関節をつくるもう1つの骨、骨盤の助けを借りましょう。

ポッドキャストでも、セミナーでも、私の書いた本でも。

様々なところで、能動的に膝を伸ばした形で

人間が動かせる股関節の可動域は思ったよりも小さいという話をしていると思います。

解剖学用語に慣れてきた皆さんなら、どういう意味か分かるよね?

骨盤を動かさず、膝を伸ばして、自分で動かせる股関節の動く幅は、思ったより小さいの。

  • 屈曲(デヴァン)では60-65度
  • 外転(アラセコンド)では45度
  • 伸展(デリエール)では15度

が平均的な最大可動域と言われています。

もちろん、今まで勉強してきた知識を使うと

臼蓋形成不全の人は、多分もっと足が上がる可能性があります。

でも、受動的可動域があったとしても、能動的可動域があるとは言い切れませんが。

「やっぱり、ダンサーは人間の体を超越した柔軟性が必要なんじゃない!

だからこそ、ストレッチしないとアラベスクが15度だったら

プロダンサーになれるわけないもの!」

と思った人、ちょっと止まってみようか。

確かに、ダンサーは電車で寝ているおじさんたちよりも体が柔らかいと思います。

でも、2つ考えてほしいことがあるの。

1つ目。

平均的な最大可動域とは、誰でも、練習しなくても出来る動き、とは言っていません。

最大可動域を使うって、思ったより体のコントロールが必要なので。

バレエを始めたばっかりの人たちは、まずはこの最大可動域を使えるように練習していきます。

そう、骨盤をずらさずに、膝をしっかりと伸ばした

タンジュ デヴァンやアラセコンドは、この練習なんですよね。

2つ目。

ダンサーだって人間です。

だから、人間的に不可能な動きや、人間の体を壊すような動きをしているわけがありません。

今回のオリンピックでもスポーツ選手の年齢が上がっているのが分かるように、

ダンサーの寿命は伸びているようです。

多くのカンパニーで、出産後に戻ってくるプリンシパルたちがたくさんいます。

バリエーションの比較研究では、

現在のバレエは昔のバレエより、高い足の高さが見られるそうです。

ただし、人間が進化し、股関節の形が変わっているわけではありません。

この2つのデータポイントから、

医学が進み、ダンサーのトレーニングが普及している今、

足の高さを安全に育てることが出来るから、

年齢が高いダンサーも踊り続けられると考えることが出来ると思いませんか?

そして、ダンサーが足を高く上げる秘訣は骨盤の傾きにあるんです。

骨盤が動かないと、足は上がらない

コンパスを思い浮かべてみてください。

コンパスって分かる?円を書く方の文房具のコンパスね、方位磁石の方ではなくて。

コンパスを45度くらい開いたとしましょう。

このコンパスは、これ以上角度を開くことは出来ません。

間違った方向への努力は、これ以上開かないって言ってるのに、

ぎゅーぎゅー開こうとする行動。

多分壊れます。

壊れなかったとしても、ねじが緩くなることでしょう。

でも、コンパスの持ち手部分を傾けたら?

そうしたらコンパスが傾くので、鉛筆部分は高く上がって見えますよね?

勘のいい皆さんなら分かると思うけど、コンパスの持ち手は骨盤です。

骨盤の方向が変われば、ソケット部分の方向が変わるため、ボールの方向も変わります。

股関節のボール部分とは、大腿骨のことでしたよね?

つまり、大腿骨の方向が変わります。

太ももの方向がかわれば、バレエで言われる足の高さも変わります。

構造上これ以上開かないコンパスを

もっと開くように!ってギューギュー押していたら

足の部分の素材と、持ち手下の部分の素材がぶつかるでしょうね。

これを、股関節インピンジメント症候群といいます。

股関節が

  • 詰まった感じがする
  • 挟まった感じがする

というダンサーたちの症状です。

インピンジメントとは、何かが挟まるケガの名前です。

骨と骨がぶつかる場合もあるし

関節の中の組織、関節周りの筋肉が挟まる場合もあります。

壊れなかったとしても、無理やり動かそうとしていたら、

コンパスの留め具部分が緩くなると思いますよね?

これのことを、マイクロインスタビリティーと言います。

マイクロとは、小さなという意味

インスタビリティとは、ステーブル、安定という言葉の逆。

関節不安定症を指します。

ボールとソケットが上手くかみ合わず、緩くずれてしまう。

本来ならボールがソケット内でスムーズに動く構造なのに、

凸凹がかみ合わず、関節本来の動きが出来ない。

だから、ダンサーの股関節マイクロインスタビリティとインピンジメント症候群は

ほぼ一緒に見られます。

  • はまっていない感じがする
  • パキって動かすと、元に戻って動きやすく感じる

これらはマイクロかもしれませんが、不安定症だったり亜脱臼症候群の可能性があるわけです。

骨盤の安定は、高く上がる足の土台

骨盤を傾けるとは言いましたが、

  • 骨盤を柔らかくする
  • 骨盤の柔軟性を上げる

とは言っていないですから気を付けてくださいね。

そもそも、骨盤という骨の塊の大きな仕事は、Protect、内臓を守る事です。

そう簡単にずれたり、ゆがんだりしませんから。

巷では、そう言われていますけど…

「骨盤を傾ける練習が必要なのね!」と突っ走る前に聞いてください。

正しい場所で骨盤を保つことが出来なければ、骨盤を傾けたところで保つことは出来ません。

つまり、骨盤のプレースメントが正しく出来ていなければ

足を高く上げることは出来ないんです。

骨盤のプレースメントの大切さについては、

私の本「バレエの立ち方出来てますか?」でもお話してますし、

昔のポッドキャスト、インスタライブなど様々な場所で取り上げているから

今日は割愛しますよ。

でも、

  • 足を高くあげたかったら
  • 自分の持っているターンアウトを踊っている間保ちたかったら
  • 股関節の痛みなく、踊り続けたかったら

骨盤の安定を徹底しなければいけません。

股関節の形に関係なく、足を高く上げる土台になりますから。

そして、骨盤を安定させる筋肉は、床でのストレッチでは強くなりません。

だって、床が骨盤を支えてくれちゃうから。

骨盤を自分の足で支えること。

これが踊りで使える、骨盤の安定です。

このように股関節の構造や、足を高く上げるメカニズムを理解していないまま、

床で「骨盤をずらさないように!」と前後開脚をしていたとしたら、

  • いったい何をストレッチしているんでしょうか?
  • 人間の体はその方向に動くのでしょうか?
  • それを指導している先生は、正しいやり方を勉強しているのでしょうか?

バレエをやっているから、スプリッツの指導が出来る

と思っている保護者の方がいたら聞いてください。

バレエのシラバスには、前後開脚や開脚、胡坐のポーズなどは含まれていません。

ヨガにはあるかもしれませんが。

股関節の痛みはレッスンを振り返るいいチャンス!

このシリーズ中、何度もお話していますが、大切なのでもう一度。

  • ストレッチが絶対にいけない
  • スプリッツしたら絶対にケガをする

とは言っていません。

ただ今股関節が痛いダンサーたち、同じことをしていたら、同じ結果しか出ませんからね。

何かを変えないと、違う結果には行きつきません。

だからこそ、股関節の痛みがある場合

レッスンを振り返るいいチャンスにしてください。

股関節の構造について勉強をしてみるのも良いですし

ダンサーに見られやすい股関節のケガについて知識を身につけることも

体を守り、ケガについて理解するために必要かもしれません。

他人の体を預かって指導している先生たちは、

ご自身の「経験」だけではなく、生徒たちの体の作りも理解してあげてください。

先ほどお話した、

「同じことをしていたら、同じ結果しか出ない」という言葉を思い出してみましょう。

もし、ご自身がケガやテクニックの問題があって

自分が昔やっていたレッスンをしていたら、

あなたの生徒さんも同じシチュエーションに導いているかもしれないですよね?

生徒のケガや痛みは、指導者としてレッスンプランを見直すいいチャンスだと思います。

もちろん、全てのケガが先生の責任ではありません。

生徒たちが、SNSを見て、有名ダンサーの真似をしてケガしている場合、

私たちがいくら正しいことを伝えていても、痛みは減らないでしょう。

だけどね、

  • レッスン中に足が高く上がる子だけ褒めてないかな?
  • レッスン前にストレッチしている姿の写真をSNSに投稿して、「皆頑張ってます」なんて言ってないかな?
  • 生徒が痛みについて相談出来る環境を作っているかな?

という確認は出来ると思うんですよ。

  • スタジオで出来ること
  • 言わない方が良い言葉
  • 怪我した生徒が安全にレッスンに参加出来る方法

などを含む、より深い股関節インピンジメント症候群については、

教師のためのライブラリを参考にしてください。

いかがでしたか?

海外バレエ学校で10年以上ダンサーの治療をし、DLSを続けてきて13年、

ダンサー向けの本を5冊本を書いてきましたが、この中で私は一度も、

  • バレエやるなら仕方ない
  • 好きなことをやるんだから、痛みを我慢すべき

と思ったことはありません。

でも、そうやって言ってしまう治療家、トレーナー、

そしてバレエの先生がいることを知っています。

安全に踊り続けると、早く上達するという事実を、

逆に無理すれば、早くバレエ生命が終わってしまう事を、

ダンス関係者全員が知っておいてほしいと思っています。

ということで、9月のワークブック付き総集編ポッドキャストはここまで。

初企画でしたから、どうぞ感想やフィードバックを教えてくださいね。

hello@dancerslifesupport.comにメールか、インスタのDMをお待ちしております。

ではまた、来週金曜日のポッドキャストでエビデンスベースのバレエについてお話しましょう。

Happy Dancing!

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