留学したいダンサーへのアドバイス:練習量を考えよう

先日、日本から3ヶ月間だけ留学しにきている、という女の子の治療をしていました。 ケガの原因はいきなり練習量が増えたこと、と正しいテクニックが身についていないこと。   話を聞いたら、日本では毎日踊っていたけれど1時間程度のクラスだった、という事。 そしていきなりバレエ学校の最終学期で一日5時間踊り、 たくさんのリハーサルが続けばそりゃあケガもするでしょう・・・   でもそれって結構当たり前ですよね?日本だと。 学校が終わってレッスンに来るから一日2時間踊れるといいくらい。 そして毎日レッスンがあるスタジオも少ないから週に4,5日踊れるといいかな?   バレエ学校留学を希望する子は殆ど、 「バレエ漬けの生活がしたい!」 って思っていることでしょう。 宿題とか、試験とかで休まなくてもOKで、バレエに集中できる。 朝から晩まで踊っていたい!!   その気持ちは分かりますが、日本のレッスンからいきなりバレエ学校へジャンプしてしまうと 練習量の差で体にガタが来ます。   オーディションを夢見る子達へのアドバイス、ということで今日はその練習量の差を考えて見ましょうか。         最初にあげた日本のレッスンを計算すると 1日2時間程度×4日=週に8時間。   バレエ留学で一般的なフルタイムプログラムになると・・・ 1日6時間程度×5日=週に30時間。…

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バレエコンクールの善し悪し あなたのゴールは何ですか?

(音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・Youtubeで再生できます。)   先週末、メルボルン最大級のバレエコンクールファイナルが終わりました。   ballet teacher's workshopと呼ばれるこのコンクールは、 小さい子から一番上のメープルプライズ、と呼ばれる子達までカバーする大きなコンクールです。   この一番上のレベルの子達ではじめてバリエーションを踊ることができます。   そう 15歳以上で。   そのほかのレベルでは先生が振り付けした創作クラシックを踊ります。 12歳以下のレベルではトウシューズは禁止されています。   コンクールに出ることはいいことです。   舞台度胸もつくし、コンクール自体ではなく、ゴールを持って練習すること。 同じ年齢層の子達に感化されること。 自主練に責任を持ち、レッスンで習ったことのないステップも勉強。 踊りの心や観客に伝える、と言うことも勉強しますね。   発表会を毎年行うことができないような小さなスタジオの場合、とってもいい舞台経験になります。   ただ、メルボルンで大きなコンクール、 といっても世界レベルで見ればあまり意味がないコンクールです。   意味があるのは世界的に本当に大きなものだけでしょう。…

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バレエ留学のメリットVSデメリット コインの両側を知っておこう

  バレエ留学の前に自分に問いたい5つの事。 という記事は思ったよりも好評で、正直驚きました。 特に、「こういう声をかけてほしかった」というもの。   留学すればプロのダンサーになれる!将来が安定する!という考えが浸透している最近。 私も一応留学して「成功」しているカテゴリーに入るらしいですから考え物です。 (踊っていないのに!)   あと、海外ならば、バレエ環境が整っている、というのも「?」です。 愛さんは海外だから・・・というものとかね。   私のような仕事は海外のバレエ界でも浸透していません。 ゼロではないですが、日本よりもちょっとだけ進んでいる、くらい。   ケガをしてバレエを辞めてから7年間ずっと予防の大切さを話し続けてきましたが、 私のいたバレエ学校で根付くまで2-3年かかりましたし、 そして体を強化しようというアイデアも本当につい最近からです。   頑固に自分の正しいと思っている事を地道に伝え続けたから、やっとこうなりました。   大人の海外転勤でさえ、大きな決断ですもの、 子供のバレエ留学はとっても大きな決断。   今日は前回ちらっとお話ししたように、 バレエ留学のメリットとデメリットを私なりに解釈したものを紹介します。 ご存知の方も多いと思いますが、DLS初の方の為に。   バレエ留学の実情 私、佐藤愛は2004年にバレエ留学の為、オーストラリアに来ました。…

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バレエ留学を目指す前に自分に問いたい5つの事。

  バレエ留学のために豪州に来てから今年で10年目。 私の学校だけでなく、他の学校に来る生徒も治療する傍ら、たくさんの留学生を見てきました。   日本だけでなく、他のアジア圏、ヨーロッパ、そして田舎からの「留学」など。 プロになる子も、途中で帰って行く子も、他の留学先に移った子も。     今日はそんな経験から「バレエ留学したい」という前、したいかなーとか考えているダンサーへの5つの質問。 バレエ教師の方も、バレエ両親も、もしお子さんが留学したいかな?なんて言い出したらこれらの質問をしてみてください。 答えは出なくても疑問に思う事が大切です。       1.毎日5時間以上踊り続けていけるか? バレエ留学、というのは本当にバレエで留学します。そしてそれを目指してくるでしょう? しっかりとリサーチをしないと時々「バレエ学校だと思っていたのに大学にちょっとあるバレエコースだった」なんてこともあります。 そんな悲しいケースはおいておいて。     大体、バレエ留学すると週に6日踊り続ける生活になります。 朝8時ごろからクラスが始まり、自分のクラスが全て終わってからコンクールの練習や特別クラスなど。 結局一日最低5時間踊るけれど、実際はもっと長いことが多いです。     今までそのような環境で踊ったことがありますか?   留学を考えている子は実際にこのような環境で踊ってみるといいと思います。   踊るのが好きで好きでたまらない!という子はこの環境で伸びます。…

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