舞台に立つ前に練習しておいてね

今日のテーマは「歩く」というステップでございます。 題名通り、舞台に立つ前に練習してください。   高く上がる足、ライン、回転… だけどそのつなぎのステップである、歩く、走るがきったないこと!! 甘く見られているステップなんでしょうね。   つなぎのステップとして甘く見られがちなプリエは、本にしちゃいました。 先行予約は8月1日から、手に入るのは11月1日となりますのでお楽しみに。   なんでこんなことを書こうか?と思ったかというと、 2019年冬期バレエ講習会で参加者宛に書いた注意事項があったんだけど、 それを整理していたらたくさん書いてあったから!   バレエなのに「歩く」を練習するだって? どんなバリエーション、男性だろうが女性だろうが。 というか、ソロじゃなくてもパドトロワとかソリストレベルでも、コールドバレエでもそうだけど、 舞台に立てばどんな役でも「歩く」というステップが入ってきます。   例えそれが、くるみ割り人形の1幕、お母さんたちだろうが、メイドさんだろうが、 歩きます、ね?   でも歩く練習したことありますか? リハーサルで時間をとってやったことありますか?   場所とりやタイミングを計るためにやったことはあるかも。 でも「バレエ的に歩く」とか「綺麗に歩く」、もしくは「役がらに合わせて歩く」とかやったことあります?   ただターンアウトして歩けば良いわけじゃない 歩く練習なんてしなくても、みんな歩けますよ?って?…

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解剖学バレエが普通の時代へ

  11才まではトウシューズは履かなくていい!(YAGP)の記事、というのを書いたのは2017年10月30日。 ちょうど1年前くらいですね。   今年のYAGP日本予選もありましたし、最近強く感じている事である 「解剖学バレエが普通」になりつつある状況を書いてみようと思います。 (AKA ほーら言った!オンパレードの記事笑)   立ち方の本がベストセラーになる これ自体、変なんですよ、自分が著者なのに言うけど笑 2016年にオファーを貰って、立ち方について書きたい、と言ったときの編集長の顔と言ったら!! こんなのが売れるのか?というのはこの本を作るにあたってかかわってくれた全員(私も含め!→おい)が感じたことです。   でもなっちゃいました。 ま、狭い世界でのベストセラーだけどさ。 未だにスタンスワークショップはすぐに定員になります。   これは、みんなが疑問に思っていた(けど声に出せなかった)部分の現れだと思います。 その後のターンアウト本では、某バレエ用品やサンが大きく取り上げてくれるよう、 全国各地のストアにメールを送ってくれたそうです。 ということは、お店側、ものを作る側も必要性を感じてくれた証拠だと勝手に思っています。   *応援してくれたみなさんどうもありがとうございます! 消費者のパワーってすごいよね。だから第二弾、第三弾と続くことが出来ています。   年齢別に選べるバリエーションが分かれている これも最近は普通になりましたが、昔は違ったし、 今でも地方の小さい(といっても日本コンクールの規模はすっごく大きいが…)コンクールではまだ取り入れられていませんね。   ただ、これも解剖学バレエなんですよ。…

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スタジオ外のバレエワークショップに挑む前に

バレエワークショップ。 外部の講習会や、スタジオにゲストの先生が来てくれるとか、そういうシチュエーションで絶対に!考えておかなければいけない事があります。 そして、毎回日本でセミナーを行う度に、そういうバレエ界のマナーのようなことをスタジオ内で教えてもらっていないダンサーが多いのも気になってますし、たくさん質問もきます(特にセミナー前に!)   ある程度の年齢のダンサーは知っていて当たり前なので、今日は子供たち向け、そして親向けに書いてみましょう。 (10代後半、オーディションなんかを考えている子達であれば、そして大人だったら知ってなきゃいけないですからね! こっそり隠れてこの記事を読んで、メモをとっておきましょうか) ワークショップの素敵なところ いい先生(憧れの人)のクラスが受講できる! 知りたかった内容が勉強できる! とか「当たり前の良さ」はとりはらって、ただ単純に「外部ワークショップ」としてお話していきますね。   結論から言うと、外部のワークショップは素晴らしい経験になります。 いつもの先生やお教室と違ったところで踊るという経験は、たとえ同じレッスンを同じ注意を言われながらやっていても新鮮に感じるんです。 環境が変わるという事自体がチャレンジになるってことね。   そして同じような年齢の他の子達と出会えるのも大事。 そこでBBF(Best Friend Foever!若い子の言葉を真似してみました笑)になってラインで繋がらなくても、周りから刺激というものは受けます。   スタジオでもお友達というのはいるのですが、スタジオの風習というのがどうしても存在します。 いつもの仲良しグループ、だったり上下関係ができているのも事実。 学校でもそうだよね。 そういうのが全くない外部セミナーでは、周りを見るだけでなく、自分を見つめるいい機会になるんです。   DLSだけではないですが、エクササイズやトレーニングのセミナ―の場合、いつもの悩みが解決するとか、先生に聞けないことが分かったとかもありますし、 ワークショップは経験、自信をつける、周りを見るというだけでなく、 知識を得る 知りたいことを勉強する…

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11才まではトウシューズは履かなくていい!(YAGP)の記事

  あーーーーーー!幸せ!   愛さん、どんなブログのはじめかたですか、それは?って感じでしょ?   まずは順を追ってお話しましょう。 2017年12月30日にはダンサーの卵サポート会というセミナーというか、お話会が行われます(詳細はこちら、申込は11月4日より) その資料作りでYAGPのサイトを検索していたら、ダンスマガジンに掲載された記事が載っていました。 タイトルは「11歳まではトウシューズは履かなくていい」 そしてサブタイトルは 「若手ダンサーの登竜門コンクール、ユース・アメリカ・グランプリ日本予選で世界のバレエ学校の教師陣が日本の子供たちに貴重な提言を行った」というもの。   DLSでこのことを最初に書いた記事は骨についての記事。 この記事の公開日は2013年8月6日。そこで骨の成長についてと早くからポワントを履く危険性をお話しました。 これは私が考えだした素晴らしい案!ではなくって、IADMSとか世界のバレエ医学の人達が提唱しているものよ。   その後も何度も様々な記事で同じテーマについてお話しています。 ちびっこダンサーのボディコンディショニング(2014-11-26)では幼い子達は特化したバレエトレーニングやコンクールレッスンは必要ない、とか コンクールの良しあしという記事(2014-8-18)ではバリエーションはプリンシパルレベルが踊るという話だとか、将来の留学には意味がないとか。   だけどさ、別に私みたいな人がそんなこと言っていても、聞いてくれる人は少ないと思うのですよ。 でも、おおきなバレエ学校では言われている事だったり、英語では記事などがあったりするから、そういうのを日本語でみなさんに伝えられたらHappy Dancing!な子達が増えるだろうと思って。   それが、このように、おおきなコンクールの審査員から言われて、そしてそれが日本語訳されるという事、そしてバレエマガジンのようにおおきな媒体(DLSなんてそれに比べたらありっこですからね笑)にとり上げられるという事実。 それがようやく2017年にして起こったようです!   だから、冒涜の幸せーーーーーーに繋がるわけですよ。   元となる雑誌記事は皆さまに読んでいただくとして、そこで…

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この夏コンクールに出る前に考えて欲しいこと

気温が上がってくると一緒に上がってくる日本のコンクール熱。 私のコンクールに対する意見はネガティブですが、それはすでに記事にしてあります。   また様々な研究(練習量、偏った練習、コンクールと心理学、成長期のからだなど)を見てもいいことが書いていないのがわかるはずだし、 海外の大きな学校は生徒をコンクールに出していない、という世界のバレエ界の見方も頭に入れておきたいです。   とはいえ、コンクールに出るな!っていうだけだったら聞いてくれないと思うので、 今日は出る前に考えて欲しい事をリストにしてみました。   ここに書いてある事を考慮に入れて欲しい、っていうことと、お母さんや先生のガイデンスになりますように。 ちなみに過去記事では年齢の上の子たち(留学希望の子たち14、15歳以上)を想定して書いてあるので、今日書いてあることは、12歳以下だと思ってください。 もちろん、大人バレエトレーニーさん(大人でバレエレッスンを受けている方々をDLSではトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます)さんがコンクールに参加したいと思っても考える必要のあることですけどね。   →バレエコンクールの良し悪し →数字で見るコンクール →コンクール?スカラーシップ?留学? →うちの子本気でバレエがしたいのかしら?   誰のためのコンクール? もちろん、娘、生徒のため!! って言いたいけれど、本当にそうですか?   一度自分に正直になって考えてみてください。   「この子くらいの年齢の子たちはみんなやっているから」 「バレエをやっているのならば出ているべきって言われたから」 「出してください、と親から言われたので」 「いいお金になるから(まーこうやって公に言う人はいないと思うけどさ)」 「上達するために(自信をつけるために)必要だからと言われたので」  …

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そのストレッチ、本当に役に立ってるの?

  バレエストレッチの代表といえば、スプリッツ。 アビーはスプリッツなんてお手の物で、 180度以上の開脚だってできちゃいます。 でも、 そのストレッチ、本当に役に立っているの? ということでチェック。   スプリッツは「前後開脚」と言いますね。 名前通り、 前に開く という動きと 後ろに開く という動きが必要になります。   では後ろからチェック。 後ろ脚は伸びているけれど・・・ 前の足がターンアウトしきれていないのが見えますね。 ということは、彼女のデヴァンは弱いのではないか? と推測できます。 (デヴァンとは前の事だから、前に足を動かすすべてのステップを指します) でもいい感じですよねー。   では前をチェック ここでズルの正体が見えました。 ハムストリングを伸ばしたときに見える体の固さ、 見えますか?   トレーナーの上からも見える腰椎の丸み。 そして骨盤のタック(後傾)!…

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数字で見る日本のバレエレッスンとコンクール

  ようやくFacebookでのローザンヌ熱が冷めてきました。 もー毎日毎日、だれかがブログを書いているし、 写真はアップされてくるし。 Facebookではなくってバレエ情報誌かと思いましたよ。   ローザンヌの素敵なところ。 前にもこの記事で書きましたが、 このコンクールは本当に生徒のためを思ってくれているところ。   言語のサポートもしっかりしているし、 医療チェック、特に摂食障害についてしっかりしています。 そして有名な先生に教えてもらえるなど、 コンクールではなくって大きなセミナーみたいになっていますよね。   そしてしっかりと将来に繋がるように手配されているのも素敵。   このようなコンクール、年齢があえば絶対に試してみるべきです。 その練習だけでも、とてもいい勉強になるでしょう。   私が日本で踊っていたときと比べ、 今のコンクールの多さにびっくりします。 猫も杓子もコンクール!!   前のブログにも書きましたが、私は「意味の分からない」コンクールが嫌いです。 目的がない、というかゴールがさまだって居ないというか。   そして誰かがいつも儲かっている、というビジネスの部分を全く考えていない。 (コンクール開催者、衣装屋さん、スポンサー、そしてコンクールレッスンで儲かる先生とか。)  …

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バレエコンクールの善し悪し あなたのゴールは何ですか?

(音声で聞きたい人は一番下へ。ポッドキャスト・Youtubeで再生できます。)   先週末、メルボルン最大級のバレエコンクールファイナルが終わりました。   ballet teacher's workshopと呼ばれるこのコンクールは、 小さい子から一番上のメープルプライズ、と呼ばれる子達までカバーする大きなコンクールです。   この一番上のレベルの子達ではじめてバリエーションを踊ることができます。   そう 15歳以上で。   そのほかのレベルでは先生が振り付けした創作クラシックを踊ります。 12歳以下のレベルではトウシューズは禁止されています。   コンクールに出ることはいいことです。   舞台度胸もつくし、コンクール自体ではなく、ゴールを持って練習すること。 同じ年齢層の子達に感化されること。 自主練に責任を持ち、レッスンで習ったことのないステップも勉強。 踊りの心や観客に伝える、と言うことも勉強しますね。   発表会を毎年行うことができないような小さなスタジオの場合、とってもいい舞台経験になります。   ただ、メルボルンで大きなコンクール、 といっても世界レベルで見ればあまり意味がないコンクールです。   意味があるのは世界的に本当に大きなものだけでしょう。…

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