ダンサーの熱中症予防とスタジオ内の熱中症対策アイデア

熱中症って何?と聞かれたら皆さん、答えられますか?

私は分かりませんでした。

 

もちろん、「熱中症」という言葉は知っていましたけど、

細かく説明出来ないし、予防は…暑くしない?くらいしか知りませんでした。

 

熱中症って何?

なので、厚生労働省のサイトに行ってみたんですけど

なんとなく、わかったような分からないような…

でもスタジオで印刷できる情報シートはあったのでリンクをつけておきますね。

*上のリンクが開けない方は、「厚生労働省」「熱中症」「リーフレット」というキーワードを検索すると出てきます。

 

厚生労働省のサイトより分かりやすかったのが(ごめんよ)

日本気象協会推進の「熱中症ゼロへ」というサイト。

 

そこに症状1-7までのリストがありましたので、こちらに書いておきます。 

 

  1. めまいや顔のほてり
  2. 筋肉痛や筋肉のけいれん
  3. 体のだるさや吐き気
  4. 汗のかき方がおかしい(大量の発汗)
  5. 体温が高い、皮膚の異常
  6. 呼びかけに反応しない、まっすぐに歩けない
  7. 水分補給が出来ない

 

ダンサーの熱中症予防の1つは体の声を聞くこと!

 

でもレッスンすれば、顔はほてるし、

筋肉痛にもなるだろうし、いつもより汗かくよね?

 

だからこそ、日ごろの(普通の?)レッスン中の体の声や様子を理解しておくことで、

いつもの調子 VS いつもと違う感じ

を比べることが出来ます。

 

いつも夏場は、アレグロくらいになると顔がほてって汗も流れるけど、

今日は、最初のウォームアップタンジュから顔がほてるし、最初のポーデブラでめまいがする…

と気づいたら、その日のレッスンを見学して様子を見た方が良さそうですよね。

 

いつも、レッスンの次の日あたりに、筋肉痛が出ることはあるけど、

レッスンをしている最中に筋肉の痛みを感じない。

 

だけど、今日はなんだか筋肉がつるような感じ、痛みがある。

でも、プランクやアンエールで長く足をホールドしているときに感じる、筋肉を使っている感じとは違う。

と分かったら、たとえ熱中症でなかったとしても、ケガ予防の面からもレッスンを中断した方がよいと気づきますよね?

 

1回のレッスンの途中でお休みするだけで、何週間も長引くケガの予防が出来るとしたら

休む方がいいって思いますでしょ?

→レッスンを休め、と言われた時にやりたいこと   

 

知識が少しでもあれば解決できること

 

教師のための月一勉強会では、毎月新しいケガについて学びます。

でもそれは別に、バレエの先生にケガを診断してほしいわけではありません

 

今日の記事も、皆さんが熱中症のプロ(なんだそれ?)になれるように書いていません。

最初に書いたように、私自身が知りたかった事を調べただけだから。

 

でも、「熱中症とはなにか?」を知っていると、「あれ?」って気づけるんですよね。

 

 

  • 足の甲の真ん中あたりが痛い
  • 常に痛いわけではないけど、ジャンプすると痛みがある日が続いている…

という体の声を聞いたとしましょう。

 

その時に、

  • ダンサーに多い疲労骨折の1つは第二中足骨
  • 疲労骨折初期は、動かないと痛くないけど、押すと痛みが出る
  • レントゲンで映らないけど、疲労反応というものも存在する

という知識があったらリスクとリターンを計算出来るじゃないですか。

 

この例の場合だったら、

  • 1,2週間アレグロなし、ポワントなしで様子を見る。
  • でも、レッスンには参加出来る(=休まなくて済む)
  • 良くなったらレッスンに復帰

OR

  • 痛みが続く、痛みが酷くなるなら、レントゲンやMRIをとってくれる専門家のアポをとる

(マッサージ、整体、などではない!)

と行動出来ますよね。

 

1,2週間の様子見が出来た事で、

最悪6-8週間休まなければいけないケガを防げたり、一生骨が戻らなくなる、偽関節、という症状も避けられるかもしれません。

 

お医者さんに診てもらった時によく言われる

「レッスン休んで様子を見て、良くならなかったらまた来てください」

という言葉に対し

「レッスンは2週間休みました、痛みが良くなっていないため、検査をお願いします」

と堂々と返信出来るようにもなります。

 

知ってると気づける。

だから、熱中症についても「少し」知っているだけで、調子が良くない事に気づけます

 

熱中症予防の1つは体力作り

話を今日のトピック、熱中症に戻しましょう。

 

先ほどリンクをつけた日本気象協会推進サイトで、

予防法をチェックすると最初に出てくるのが体力づくりです。

 

もちろん、食事、睡眠も大切と書いてあるので

ベースラインの「健康」を保つことがここでも大事だと分かりますね。

(ここらへんで、DLSフォロアーさんだったら、私が「だから健康じゃなきゃ踊れないのよ」って言っている声が聞こえる事でしょう…空耳…)

 

ダンサーだったら、体力作りは熱中症に関係なく大切だって分かっていますよね。

  • レッスン中、マーキングを利用して練習量を増やすことが出来る
  • レッスン中の集中力を上げ、アクシデントを防ぐ
  • 長期に渡って行われるオーディションや海外のコンクールの後半でも実力を発揮出来る
  • リハーサルで他の人のエリアまでカバーする余裕があるため、チャンスが増えるかもしれない

など、たくさんあるリストに「熱中症予防が出来る」も追加してくださいませ。

 

→ダンサーのスタミナアップ

→マーキングを利用して上達しよう

→先輩ダンサーのオーディション経験

 

でも、現役ダンサーだけでなく、バレエの先生にも体力作りはしてほしい。

日中温まっている建物の中、休憩なしでレッスンが続く人達は

日頃から、しっかりと体力をつけておいてください

 

生徒達には「具合が良くなさそうだったら、大事をとってレッスンを休んでね、見学してね。」

と伝えられます。

 

でも先生はそれが出来ません

 

だからこそ、徹底して予防する事。

それは、

  • 自分の健康を守ること

だけでなく

  • 自分のビジネスを守ること
  • 不要な出費(代講など)を防ぐこと
  • 愛する生徒達に長くクラスを提供する事

に繋がります。

 

レッスン中の熱中症予防:年齢の低い子達

幼い子供達は、体温調整が上手く出来ない=熱中症になりやすい

グループに入るそうです。

 

気温の高い日が続いたり、

お盆休みの後のレッスン(熱中症になりやすい時期の1つはお盆明けだそう)は、

 

  • ゆっくりな両手バーレッスン
  • センターレッスン
  • ただしアレグロは避ける

だと、いいかもしれません。

 

新学期、久し振りに友達に会ったから、はしゃいじゃってる、

暑い教室で水分補給もあまりしていない後に、レッスンに来る

なんて子たちもいるかもしれませんからね。

 

アレグロやらなかったら、時間が余っちゃうという方へのアイデアとして

  • 「OO骨はどこだ?ゲーム」(体への理解)
  • プリエの意味は?タンジュの意味は?などバレエの言葉を学ぶ(バレエの勉強)
  • 目を閉じて音楽を聞いて、感想をバレエノートに書く(音楽性と集中力を育てる)

などはいかがでしょうか?

 

どれも必要な知識だと、バレエの先生は知っていますよね。

でも発表会の練習が始まってしまうと、ゆっくり時間をとってあげることができないエリアでしょう?

だから、熱中症予防用クラスアイデアとして準備してあげてくださいね。

 

レッスン中の熱中症予防:スタジオ全体

流石に、中学生以上のクラスや、大人バレエクラスでは先ほどお話した内容では物足りないですよね。

スタジオ用予防策を作りましたので、

自分のスタジオで使える部分をもってけドロボーしてくださいませ。

 

1)水分補給を「先生が」決める

以下のリストに沿って、水分補給をリマインドしてあげてください。

たっぷり飲まなくても、一口、口に含むだけでもOKです。

(英語で言う、drinkではなく、sip some waterの方)

 

 

  1. レッスンスタート前
  2. ジュッテまで終わったら
  3. アダージオの前
  4. グランバットマンが終ってから
  5. センターワークが終わったら
  6. プチアレグロが終ったら

 

*多分バーレッスンとセンターとの間に、トイレに行きたい子達が多くいると思うので

そこで時間がかかると考えて、時間配分を準備してくださいね。

 

2)ミディアム、グランアレグロはやらない

私は、バーレッスン「だけ」で終わってしまうレッスンは好きではありません。

ダンサー目線からもつまらないだろうし(でしょ?笑)

重心移動、友達との距離、方向が大きく変わる練習というのは、バーでは不可能です。

 

だからといって、アレグロをたくさんやらなくてもOKです。

 

アイデアとして

  1. センターアダージオの前に、アンファセのセンターポーデブラを入れる
  2. センタータンジュは鏡の方を向いて1セット、後ろ向きで1セット
  3. センターのワルツを2種類準備する(横移動系、縦移動系)

はいかがでしょうか?

 

特に2番の「鏡を見ずに踊る」「いつもと違った方向を見る」とすると、

多くのダンサーが(面白いほど)混乱します。

脳トレになりますが、舞台上でレッスンが行われることが、予選となっているコンクール対策にもなります。

→鏡を見て踊る癖についての記事

 

いつも、アレグロの一部にワルツを入れてきた人は、

ワルツは別に練習させてあげてください。

グランアレグロでの大きな重心移動練習がない代わりに、ワルツで大きく移動(斜め、マネージなど)を入れてあげて。

 

3)具合が悪かったら、座っていい事を伝える

痛ければ休んでいい、と伝えているスタジオは(DLSの記事を読んでくださっていたら)多いと思います。

でもちょっと具合が悪い、というのは伝えられないと思っている人が実は多いんです。

 

  • 体調不良を伝えるのは弱い証拠
  • 体調が管理できていない事を、怒られるかもしれないという恐怖
  • ちょっと具合が悪いけど「ケガじゃないから」大丈夫、という見ないふり

など理由や考え方は、ダンサーそれぞれですが。

 

なので、特に熱中症予防シーズン(5月ー9月頃?)は

熱中症の症状とはこういうものがあるよ、という事を伝えたうえで

(厚生労働省のリンクとかを、スタジオに貼っちゃうのも1つ)

 

  1. 少し休んで戻ってくる、でOK(上記通り、ジャンプが少ないため、レッスンに戻ってきてもケガのリスクは少ない)
  2. ちょっとおかしいな、と思ったら涼しいところ(クーラーの前、廊下など)で休む
  3. 必要だったら、タオルを濡らしてきて首にあてて、寝転がってお休み

 

など「休む方法」も一緒に教えてあげてください。

 

おまけ:古い考え方が残っているかもしれない先生方へ

これは、書くかどうか悩んだんだけど…

もしかしたら、古い考えで育ってきたバレエの先生方(や保護者、大人バレエトレーニーなど)がいるかもしれないので、一応書いておきます。

 

  1. 暑さに耐える事は努力ではありません。
  2. 汗をかいたら痩せる、健康的、デトックス!でもありません。
  3. 踊りに適切な温度調整をしてあげるというのは、甘えではありません。

 

1つ目は、夏場のニュースを見ている人達なら命に関わる事だと分かると思います。

2つ目は、サウナパンツの記事で説明したので割愛。

3つ目、英国ロイヤルもいつかのworld ballet dayで、スタジオだけでなく建物内は、ダンサーに適した温度になっている、と言っていました。

 

床の質や、コロナ対策と同じように、

温度調整も、ダンサーが安全に踊れる環境を作るSafe Danceの知識だという事をお忘れなく。

 

「私の時代は…」という言葉が出てきそうな人は、

貴方の時代と、今の時代は違うという時間の流れを感じてくださいませ。

私たち、過去に戻ることは出来ないんです。

 

Happy Dancing!

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    DLS教師のためのバレエ解剖学講座モジュール1&2を受講された方々向けに、毎月ダンサーに見られやすいケガ予防とレッスンの作り方についてを勉強する「教師のための月一勉強会」があります。

    モジュール受講者は毎月のテーマとスケジュールをこちらからご確認くださいね。

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