パドドゥをするから痩せなきゃいけないの?

もう、18,9年前の話。(うわー年寄りに感じるね…)

バレエスタジオの発表会でジゼルのペザントのパドドゥをやる事になりました。

でも、発表会バージョンだから俗にいうペザンパ(Peasant pas de deuxの略で英語ではこの発音になる。カタカナにすると間が抜ける笑)

ではなく、メインのカップルがいて、私と友達は1名の男性をシェアという、パドドゥ+パドトロアだったんだけど。

 

そこでお友達が先生に痩せろと言われました

それを覚えているのではなくって、その時の私の対応を今でも、スタジオのどこに先生がいて、どんな気持ちだったかまで鮮明に覚えてる。

 

「先生、私も痩せた方がいいですか?」

床に座って、CDの片付けをしながらノートに書いてある発表会振り付けメモを読んでいた先生に向かって私はこう言いました。

そして先生に「愛ちゃんは別にいいわよ」と言われて優越感があったのを覚えています。

この時、身長168、体重51。

自分史上、2番目に”よかった”体型。

一番目は小学6年生、162㎝、39㎏。

 

こうやって覚えているもんだね、数字。

一番太っている時ももちろん覚えている。

踊りの上手下手ではなく、どれだけ数字に執着していたか?がよく分かりますよ。

同じ時期の学校の授業をこれだけ覚えていたら、どれだけ良かったか!!

 

痩せなくていいよ、が優越感になるって事。

これは今の私だったら「だれかこの子をカウンセリングに連れていってあげて」レベルだと分かるんだけどさ。

こうやってブログのために記憶を掘り下げていくと、恐ろしいですな。

パドドゥをするから痩せなきゃいけないの?

これが今日のお題です。

このような質問が来たののではなく、

「パドドゥのために痩せなさい」と言われたのが引き金となり摂食障害になった

という人と会話をしたから。

 

この手の話は、日本人生徒と会話をしていても、

教師講座に参加してくれた方と昔話をしていても出てきます。

だから、ダンサーにとっては日常茶飯事の出来事なんでしょう。

 

私の答えは、

パドドゥをするから痩せなきゃいけない、と言われたら120%大人を疑え!

でございます。

→バレエ体型について

→脚の太さについて

 

発表会で男性と組むから痩せろ

こう言われることありますよね。

ゲスト男性にケガされちゃ困るから!って。

 

スタジオで子供の頃から貴方を慕い、貴方の元で頑張っていて、

しっかりと月謝を払ってくれている成長期の彼女の健康より、

大金を払い、スタジオの発表会練習に参加しつつ、煙草をすっている彼の体を優先させるのですか?

 

このブログを読んでいて、日本の普通サイズスタジオの事情を知らない人のために。

男性と組んで踊るって日本ではすごくお金がかかります

発表会費の中に含まれている事はほとんどなく、別途パドドゥ費がかかります。

何十万も。

そして発表会後に、謝礼が必要なスタジオもあります。

 

つまりね、相手はお金をもらっているプロなんですよ。

しかも契約時点で

  • 発表会である
  • 学生である

パートナーと組んで踊る事は百も承知なわけさ。

 

つまり、承諾した時点で

  • パドドゥの基礎的練習はしたことがないであろう
  • テクニックや体型がバレエ団員のようではないだろう

って事は知っているはず。

 

これを男性ゲストに説明していなかったら、契約をしたバレエスタジオ経営者の責任だからね。

それはそれで、ビジネス経営の問題よ

持ち上げられない、と言われたら彼の力量不足が露呈していると思いなさい

そんなバックグラウンドの中で

「貴方は重すぎるから持ちあげられない」

と言われたとしましょう。

 

そうしたら、食べるのを辞めたり、ドカ食いしては吐いたり、毎日体重計にのる必要はないんです。

大丈夫、全部私やってるから、その気持ちはとってもよく分かるよ。

だけど聞いて。

 

引っ越しやサンに、木製のタンスが2つとアップライトピアノが1台あるんです、と仕事を依頼して、

了解っす!と言われたとしましょう。

なのに当日、ピアノ重すぎます、鍵盤外してください。

とか言われたらどう思う?

 

はぁ!?

ってなるでしょ?

ネットレビューでは★1つよ、それ。

連絡していた仕事内容をこなせず、当日文句を言った!なんだからさ。

 

だからね、その場合彼の力不足を露呈しているだけだと覚えておきましょう。

日本のバレエ団と働いたことがないから言えませんが、

今までこっちで仕事をしてきて、様々な国のゲストの人が来ているけど、

持ちあげられなかったらカッコ悪い、の世界になっています。

バレエ学校の場合

バレエ学校の場合、男性「生徒」であり、プロではないので少し話が変わってきます。

例えば、女の子も男の子も、パドドゥの基礎から練習しますし、

筋力のない子はトレーニングしますが、その子達が育つまではケガのリスクもあるためリフトをしない事もあります。

 

年齢によっては女の子の方が全然身長が高い時期(プラスポワント!)っていうのもあるのでね。

ウエストあたりのサポートは出来てもフィンガーターンとかは難しいので、

プロムナードとかピルエットとかのペアワーク練習だけの場合もあります。

 

様々なSNSでも分かるように、男性ダンサーのトレーニング内容はウエイトリフティングがいっぱい。

機材、人材ともそろっているオーストラリアンバレエやロイヤルでは生徒がトレーニングしている風景を見ることが出来ます。

そうでないような小さなバレエ学校の場合、クラスメイト達が放課後一緒にジムに通ったり、

近所のジムとバレエスタジオが提携して、生徒には激安のメンバー制度があったりします。

 

何が言いたいか?というと生徒の場合でも、

女性「だけ」痩せろ、とかテクニック不足だ、とか言われるのではなく、

男性もダンサーとして必要なテクニックの一つとしてパドドゥやリフトがあるのだから、

テクニック上達(=リフト上達)と、ケガ予防のためにトレーニングをする必要がある、って事です。

 

まー、簡単に言うと、プロ意識、って奴です。

スタジオ発表会でパドドゥを入れる前に

確かに、パドドゥがあると舞台が映えますし、

生徒にとってチャレンジとなること間違いありません!

 

でもプロを目指している家庭の場合、発表会の男性費用を留学に使いたいと思っているところもあるかもしれません。

実際、お金の問題はバレエダンサーの将来を左右します。

 

パドドゥをするな!!ではないけれど、

  • それを発表会で行う理由は?
  • 何にチャレンジしてほしいから?
  • 彼女の将来(長期)ゴールは何ですか?
  • 弊害(リハになるとぶり返す痛み、変な体型意識など)はありますか?
  • 金銭的負担はどれ位だろうか?そして親はそれをOKしているか?

を確認した方がいいと、私個人は思います。

 

金銭的負担は、親だって子供や先生に言いたくないこと。

そのせいでスタジオを辞めてしまったり、レッスンの数を減らされてしまっては、

将来プロを目指している子も辛いけれど、スタジオ経営者としてもビジネス的に辛いですよ。

 

また、パドドゥは絶対にポワントで踊りますし、普通にバリエーションを踊るよりも長時間踊ります

ということは、毎回リハーサルが続くと痛くなるケガをしている子達は、

ケガの再発リスク、ケガの進行リスクが考えられます。

発表会に出させたいのであれば、考えておきたいポイントです。

 

そして何よりも、

貴方を信頼し、毎日通っているダンサーの卵にとって最適な行動はなんだろう?

ここが指導者として大事なポイントじゃないかな?と思うのです。

親としても知っておいて

この記事のゴールは読んでくれた人が

そりゃ、そーだ!

と言ってくれる事。(言ってくれた?笑)

 

当たり前のことを、当たり前に書いたつもり。

そしていつもは見えない海外の事をちらっと説明したつもり。

ダンサーの卵を持つ親御さん達は、娘さんを守るために「パドドゥで痩せろ!は普通じゃない」と知っておいて下さい。

 

この前、キッズセミナ―に昔から参加してくれていた方からメールがあって、

体型について罵倒され続けていた娘がバレエを辞めた、とありました。

すごく悲しかった。

キッズに来てくれる年齢だよ?

 

同じくキッズセミナ―の参加者で、

バレエ鑑賞にいったら、悪いところばっかりを見ていて、バレエを楽しむ感覚がなくなっていた、

と言っていたお母さんもいました。

 

逆に、ダンサーの卵セッションに親子で来てくれた方からのメールで、

ゴールデンウィークはお友達と遊びたいから、参加しない事を決めたという話も教えてもらいました。

お母さん側は、プロになるならキッズセミナ―で基礎を固めてほしい!と思うのだけど、

娘の意思を尊重し、チアリーダーになるようにセミナ―で勉強したので頑張ります、と書いてありました。

 

バレエの問題は先生と生徒、だけではなく家族も関わってきます。

親として知っておきたい事は結構あるんです。

DLSのブログ内でも記事がありますが、食事系であったら、ふみさんのブログやYouTubeビデオシリーズをお勧めします。

親子で一緒に見てみてくださいね。

 

Happy Dancing!

 

 

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    DLS教師のためのバレエ解剖学講座モジュール1&2を受講された方々向けに、毎月ダンサーに見られやすいケガ予防とレッスンの作り方についてを勉強する「教師のための月一勉強会」があります。

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