パドドゥの前にやっておきたい上腕二頭筋のエクササイズ
エクササイズの説明を始める前に、ここでお話するパドドゥは、パドドゥ初級、クラスワークだと思ってください。
「リフト」もパドドゥの中のテクニックの一つで、名前通り男性が女性を持ち上げるステップの総称ですが、コンテンポラリーや振付の内容によっては女性同士、女性が男性をリフトする事もありますよね。
女の子のポワントワークと同じように、日本の男の子たちの多くはいきなり発表会の練習等でパドドゥを学ぶそうです。
人数が少ないからクラスにならない、という先生もいますが、
- パドドゥの前に必要な体の強さを身につけていない→不必要なケガに繋がる
- パドドゥの正しいテクニックを身につけることが出来ない→間違った癖に繋がる
という問題はすぐに思いつきますでしょ?
もちろん、同じことが女の子のポワントワークでも、女の子側のパドドゥでも言えるんだけどね。
今日ご紹介するエクササイズは、パドドゥの前にやってほしいトレーニング。
プロムナードとか、ピルエット、5番ススのバランスなどパドドゥクラスのワークの前にやる用であり、
このエクササイズをやったら、いきなりオーバーヘッドリフトや、フィッシュダイブが出来るのではございませんので、あしからず。
エクササイズをやらない方がいい人
- 肩をケガしていて、腕の重さをホールドする事も難しい人
→ただし、高く腕を挙げると肩が痛い人だったら、いいリハビリになるはずなので、治療家と相談してください。
- 肩関節をホールドしておくだけの力がない人
→ってことはバーレッスンで腕をブラバー、1番、2番でホールドする力がないってことで、
パドドゥなんて考えている場合じゃございません。
- 正しく立てない人(なんですって!?)
→立つとマズい怪我をしている人も含む。その場合は椅子で同じエクササイズを行う事が可能です
エクササイズの前にやっておきたいこと
- タオルストレッチ
- 四つん這い手足上げ
- ローテーターカフ(この記事)
- 菱形筋エクササイズ
- 左右のバランスを整えるエクササイズ(立)
この順番で行うと
胸筋リリース→体幹→肩関節深部→菱形筋→立位でセンター確認
が出来るので、その後で今日のエクササイズに進んでね。
*上で紹介したエクササイズ(ローテーターカフを除く)は、yours truly、スタンス本から。
エクササイズのやり方
正しく立ち、エクササイズバンドを踏みます。
手をグーでバンドを持つか、写真のように親指と人差し指の間に挟んでください。
(その方が、汗でバンドが滑る事が少ないけれど、親指が痛くなる人もいます。調整してみて)
肘を45度に曲げてホールドします(写真真ん中)
OR・AND
肘を90度に曲げてホールドします(写真右)
気を付ける事
シンプルなエクササイズ、特にホールド系だとやっている間に飽きたり、集中力がなくなってしまったりします。
それじゃ意味ないからね、私が隣に立っているくらいの気持ちでどうぞ。
エクササイズバンドを引っ張っても、肘下しか変わりません。
エクササイズバンドを引っ張ると体が後ろに逃げてしまう人は腕の弱さを重心の位置を変える事でズルしています。
- 鏡で体の横を確認しながら行う(鏡の切れ目を使って確認してもOK)
- 壁の少し前に立ち、壁に近くなってしまったら気づくようにする
肘が体の後ろに逃げてしまう人は
- 上腕二頭筋の弱さをカバーしている
- 肩関節が前に落ちてしまっている
- 肋骨(胸椎)を反らせて、反動をつけている
なんてことが考えられます。
ローテーターカフのエクササイズのように肘とウエストの間にタオルを挟んで意識したり、
壁の前に立って肘の位置を確認する、という方法を試してみてね。
弱い方の腕が落ちてきちゃう
ホールドしている際に弱い方がじわじわと落ちてしまう事があります(写真右)
あまりにも左右の差があるようだったら、片腕ずつこのエクササイズをしてくださいね。
手首から動かしてしまう
腕の筋肉が疲れてくると、手首をまっすぐにホールドする意識・力が弱くなってしまいます(写真左)
手首を痛める男性ダンサーって結構多いんですよ。
この部分は意識と練習が必要です。真っすぐに保つ意識を常に持ってください。
エクササイズの理由と応用
このエクササイズは女性ダンサーのウエストをもってバランスをとっている、基礎的なパドドゥのポジションを練習しています。
掌を真ん中に向けている理由もそこ。
90度と45度でやっている理由は、パートナーの身長や動きによって、肘をどの角度で曲げてホールドするかが変わるから。
肘の角度が変わっても、上腕二頭筋の筋出力が変わらないようにしたいところです。
ただし、実際に女性をサポートするときは、肘が体にピッタリ!ではありません。
応用編として肘を少し開いて行ってもOK。
ただし、肘を広げる(=肩関節の外転)と、僧帽筋上部「だけ」が働きやすい。
僧帽筋は肘についていないので、肩を動かして腕を動かすズルが出来ちゃうので初心者は辞めておいて。
ホールドするだけでなく、素早く45度⇔90度を行ったり来たりする練習方法もあります。
エクササイズバンドはゴムなので、ゴムの勢いに負けず、肘の角度を保つのはとっても難しい。
モデルのSoshi君は…出来なさ過ぎて、(私と左右木先生は)大笑いでしたけどね。
全部出来ちゃったら、彼らの練習にならないもんね!
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写真、モデル&協力
Soshi君と、Soki Ballet International
Happy Dancing!
愛さん、はじめまして。
バレエ歴もうすぐ20年の50代前半大人バレエトレーニーです。
ご相談と言いますか、私のモヤモヤにしばらくお付き合い下さいませ。こちらのメールの内容と関係無くてすみません。
私のお教室の先生が愛さんの講座を受けられ、一生懸命教えて下さっています。
本当に有り難いのですが、たくさんたくさん教えたいことがあるようで、アンシェヌマンを伝える最中にたくさん情報を盛り込まれ、レッスンがとっ散らかった感じがして、毎回混乱してしまいます。
最近はなんだか体操教室に通っているような気持ちになってきました。
先生が解剖学を頑張り過ぎてしまい、バレエは芸術だとか、音楽に乗って踊れるようになるためのレッスンを忘れてしまっているのではないかと思ってしまいます。音取りも時々変です。
もちろん、基礎は大事だと思うのですが、さずけられるアンシェヌマンは基礎的なものではなく、どちらかと言うとトリッキーです。
一生懸命教えて下さっているので、こちらから意見はしづらいです。(先生、バレエは芸術ですよ、なんて言えません(^_^;)
地方に住んでいるため、簡単にお教室を変えるわけにも行きません。
このまま辛抱してレッスンについて行けば、こんな私でもいつか未来は開けるのでしょうか?
年齢的にも時間がないので、焦ってしまいます。
私のボヤキにお付き合い頂き、ありがとうございました。
はじめまして。
質問?ではないかなと思ったのですが「このまま辛抱してレッスンについて行けば、こんな私でもいつか未来は開けるのでしょうか?」と疑問形だったので一応お答えしておきますね。
あと、年齢とかよりもバレエ歴20年の方へアドバイスという形にしますね。
解剖学を頑張る=体操になるわけでもないと思いますが先生がしゃべりすぎということでしょうか?
でも、アンシェヌマンは難しい=難しいテクニックが振りに入っているという事でしょうか?
音どりも時々大変です、というのは先生の指示がないから?それとも自分がついていけないから?
芸術的に踊るというのは、先生に教えてもらうものだけではなく(それももちろん大事だけど20年やっているという事から)自分で極める、作り上げるものでは?
なにが「辛抱」に当たるのか、どんな「未来」をレッスンの果てに求めているのか分かりませんが、
1)先生に意見をするのは、タイミングと話をまとめて簡潔にすれば問題ないのでは?
2)その先生だけでなく、オンラインでレッスンを受けるなどほかの手段もあるのでは?
3)未来を拓くのは先生でも、スタジオでもなく、自分自身だって、若い生徒たちには伝えると思うので、同じようにお伝えしておきますね。