DLSポッドキャスト epi341 レッスン中泣きそうになったらどうする?

中学生ダンサーから進級してクラス内容が難しくなったので、レッスン中に泣きたくなることがある、と相談を受けました。

そんな時、どうしたらいいんでしょうか?

レッスン中に泣きたくなるシチュエーションを自分軸と他人軸で考えてみて、どうやって対処したらいいのか?を考えたポッドキャストです。

 

 

聞きたい人はこちらから

 

スクリプト

みなさんこんにちは、DLSポッドキャストへようこそ、佐藤愛です。お元気ですか?

 

DLSポッドキャストはプロの現場から健康なダンス生活を応援する情報サイト、ダンサーズライフサポートドットコムのブログ音声バージョンプラス

ポッドキャストだけの裏話などを毎週金曜日にお送りしています。

 

今月最後のポッドキャストはリスナー質問に答える日。

今日は13歳のバレエを習っている子からの質問に答えていきましょう。

まずはもらったメールを読みますね。

 

初めまして!!

バレエ歴10年の女子(匿名希望)です!!ちなみに今13歳です!!

去年から聞いてます。ブログのメルマガ登録しました!

進級してクラスが上がって、レッスンの内容が難しすぎて、もう無理と思わず感じてしまうことがあります。そんな時に私、いつも泣きそうになるんですね。

そういう時って、どうしたら波を乗り越えられますか?

文章が長くなってごめんなさいm(_ _)m

出来たら、ポッドキャストで答えていただけるとありがたいです。

 

という事でした。

どう、心当たりのある人いない?

 

レッスン中に涙が出るときって時分軸の時と、他人軸の時があると思うのでまずはそこから考えていきましょう。

 

  • 出来なくて悔しい。つまり自分に対しての感情。
  • 出来なくて怒られるので怖い。つまり他人に対しての感情。

 

自分に対する感情はまたその中でちょっと分けてみていきたいので、まずは後者である、先生が怖い、間違えたら怖い、の方から行きましょうか。

 

 

レッスン中に緊張感は大切です。

特にこれからオーディションや国際コンクールを考えている子たちであれば、ピリピリした空気の中でのレッスンでも、力を出し切れる強さは必要だと私は思います。

例えば、私がバレエ学校で働いていた時、ヨーロッパにある現地オーディションに行った子は(結局バレエ学校に入学したんだけど)

レッスン中に試験管が自分の方を指さして話していたり、最後3人になってグランアレグロを一人ずつやった時の緊張感などが半端なかったと言っていました。

そういうものに負けず、周りで起こっている事、周りの人に感化されずに自分に集中するという力を養うには、

やっぱり練習が必要なので、日々のレッスンでもある程度の緊張感は必要ですよね。

 

 

例え習い事の一環として踊る楽しさを学ぶという場合でも、スタジオのマナーとしておしゃべりしないとか、

先生の話を静かに聞くとか、言われたことをやるとかの緊張感は必要ですし、

大人バレエトレーニーだって、ある程度緊張感を持ちつつレッスンに参加しないと、思いがけないケガにつながる可能性があります

 

レッスンの振付を覚えるのは絶対だ、と私はブログやセミナーでお話してますが、これは周りの人達とぶつからないためにもとっても大事でしょ?

グランバットマンで蹴られたらケガするし、

アレグロで他の子を避けるために捻挫、というのは結構よくあるケガなんです。

 

だから、レッスンで緊張して当たり前だし、特に学校試験やオーディション用に練習しているクラスであればうまく出来なくて先生にきつく注意されることもあるでしょう。

 

だけど、意味もなく先生が怖い場合というのは別です。

例えば、また間違えた、の後にだからあなたはダメなのよ、とか才能がないんだから、体型が…とか個人アタックをしてくる先生の場合は人格否定をしてくるんだもの、怖いよね。

また体罰的なものになってきたら犯罪です。

 

例えば先生がスティックでたたくとか、

ケガしてるのに、疲れて体が震えてきちゃっているのにもう一度やりなさいって言われるとか、

無理やりつま先を伸ばされる、足を引っ張られるなどはダメです。

 

当たり前ですが、関節のまだ出来ていない子供の骨を引っ張るのは、

たとえ先生としては遠くに伸ばしてほしいからやっていたとしても危険すぎます。

よってこういう先生に習っているから、怖くて涙が出てくる、という場合は一刻も早く新しいスタジオを探しましょう。

 

 

ただ、ここで再確認しておかなければいけないのは、バレエ以外でも真剣に取り組む場合、

先生だって真剣にあなたに向き合ってくれていますから、怖い雰囲気があっても仕方ないと私個人は思います。

 

特にほかの子のケガに繋がるかもしれない、もしくは自分のケガに繋がる場合は、きつく言われても仕方ないです。

ほら、ハサミを振り回し、他の子を追いかけて遊んでいる子供がいたら、お母さんが怒るのと同じように。

 

ということで、他人軸の場合、つまり先生が怖くてレッスン中に涙が出てくるのであれば、

その理由を今みたいに冷静に見て、個人アタック、体罰の要素があれば逃げましょう

逃げるが勝ちです。

 

ただし、自分は先生が怖いと思っているけれど、その原因が集中力がなくて間違えてばかり、

他の子の迷惑になって怪我のリスクがある、などであればダンサー自身の責任になるとは思います。

 

特に小学生高学年以上は。

幼稚園生徒にそんな責任を取らせるのは難しいですけどね。

 

 

また、楽しいスタジオで間違えてもあははーとレッスンをしてきた子たちがオーディションやバレエ学校生活で初めて厳しい現実を見たなんて事があるので、

最初にお話したように、そっちを目指している子たちであれば愛情のある厳しいレッスンは大切だとは思います。

バレエ学校は職業訓練校なんでね。

 

 

では次は出来なくて悔しい。

つまり自分に対しての感情から涙が出てくるバージョンを考えてみましょう。

 

ダンサーは体を使って感情を表現する職業だと私は思います。

なのでオンライン学校にもある表現力クラスでも、最初に自分の中にある感情を理解しよう、というトピックで勉強していますよね。

よって、感情豊かな人達がバレエを選びやすいという事から、自分の出来なささが悔しくて涙が出てくるというのは決して悪い事ではないと思います。

 

私が知っている大きなバレエ団のプリンシパルの人は、リハーサル中に思ったようにいかなくて大泣きし、すっきりしたらまた自習に戻るという事をよくやるそうです。

周りから見たら完璧なんじゃない?と思うような踊りでも本人が納得いかないそうです。

 

ただ、過去に何度かレッスン中に泣き出す生徒の中には、あまりにも心も体も疲れすぎていて、なんだか分からないけど泣けてくるという子がいました。

これは赤信号です。

 

体と心のケアが足りないという証拠ですし、今のレッスン量と休息の比率が合っていないという証拠にもなります。

もちろんケガのリスクも上がるし、バーンアウトと英語では言うんだけど、燃え尽き症候群になってしまうと戻ってくるのが大変です。

 

よって、自分が出来なくて悔しい、というのが時々あるくらいであれば心配はいらないかもしれないけど、

  • 毎回レッスンで泣けてくる
  • レッスンでなくてもお家でも泣きたくなる
  • 疲れすぎて夜は寝つきが悪いし、朝は体が重くて思うようにレッスンで集中できない

なんて問題がある場合はレッスン量も含め日常生活を見直しましょう。

 

 

特にこれから日本は新学期が始まりますよね?あと1か月くらいで。

そしてコロナで休学だった時のツケが回ってきてとても忙しい子たちもいると聞いています。

その場合、体と心を休めるというのもダンサーの仕事です。

 

 

パソコンがオーバーヒートしたら休ませるとか、携帯の充電が減ってきたらチャージするというのと同じように、

心も体もエネルギーが必要で、エネルギーを貯める時間というのも必要です。

 

携帯もそうだけど、充電が減ってくると省エネモードになっちゃうじゃない?

人間の体もそうだから、そこに行く前に日々足りない部分を補充するように考えてくださいね。

週に1度でいいから自分の体と向き合う時間を作るとか、ゆっくりだけど体力をつけるようなことをして、自分のチャージできる容量を増やすとかね。

 

 

最後に、ちょっと厳しいコメントだけど、もし自分が努力不足だって分かっていて、疲れているって分かっていて、

だけど放っておいてレッスンで泣くという場合は周りの迷惑になると思うのね。

 

 

レッスンはみんなが皆、自分と向き合ってより良くなろうと前向きに頑張っているスペースだと思うんです。

そこで誰かが毎回のレッスンで泣いている、だけどレッスンが終わるとケロっとしてバレエノートも書かないし、

ウォームアップもしないでレッスン前はおしゃべりに夢中…

であればそれはちがうんじゃないかな?と思います。

 

 

ということで、レッスン中に泣きそうになったらどうする?という質問にお答えすると、

どうして泣きそうになるんだろう?というのを立ち止まって考えてみようか。

他人軸だったら逃げる。

自分だったら、疲れてるのかな、最近ケアしてるかな?どんな努力が出来るかな?と考えて行動を起こす。

 

もちろん、意識的にダラダラする週末を作る事は努力の一環ですからね。

努力っていうとプッシュプッシュ!という感じでみんな考えてるけれど、その部分は常に100%で踊るために、というブログで詳しくお話しているのでそっちも参考にしてください。

 

そして、感情豊かな事はダンサーにとって悪いことではないから、泣くことが悪いのではないというのもしっかりと理解しておこう

 

悔しい、という気持ちがわいてこないとしたら、それはたぶんバレエが好きでないという証拠だとも思うから、

悔しいという感情をエネルギーにして、昨日の自分より今日の自分の方が1ミリでも前進できるように考えてみよう。

というのが私の返信です。

 

質問メールとても嬉しかったです。どうもありがとう。

彼女のように、ポッドキャストで聞いてみたい事があったらhello@dancerslifesupport.comにポッドキャスト質問という題名でメールを送ってくださいね。

楽しみにしています。

 

ではまた、来週金曜日にお話しましょう。

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