貼るホッカイロつけて踊ってます?

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この前「湿布とダンサー」という記事を大幅アップデートしたので、今日は貼る使い捨てカイロをつけて踊っているというダンサー目撃情報について書いていきます。

長い文章は読みたくないから結論だけ教えてくれ!!

という方のために、最初に言っておきますね。

 

ホッカイロ貼って踊るんじゃないよ。

以上。

 

ではここから先は細かく見ていきましょう。

 

体を温める事は大切

レッスン前に体を温める事、リハ中に冷やさないという事は安全に踊るためにも非常に大事です。

でもそれは、1か所を温める事ではなく、体全体を温める事をさします。

 

そのためには、ウォームアップ、つまり体を動かすことで血流を使い、隅々まで温めるという作業が大切なんですよね。

→ウォームアップについてはこちら

 

ウォームアップはただ体を温めるだけではなく、

  • その日の体の調子を聞いて、レッスン内容を考える
  • 左右差、日常生活でついた癖をリセットしてレッスンに挑む
  • 関節を動かし、関節包の中で滑液を出したり、筋膜や腱などのコラーゲンを柔らかくしておくなど物理的に体の組織を柔軟にする

なんて効果があります。

 

今書いたものは、貼る使い捨てカイロではできません

 

レッスンの後に保温をするのであれば、サウナパンツなど保温用素材(熱を作るものではなく、熱を貯めるもの)がいいはずです。

ただし、サウナパンツで踊るんじゃないよ?

サウナパンツについてはこの記事で説明しているので、まだ読んでいない方はどうぞ。

 

 

汗は体を冷やすもの

使い捨てカイロを貼っている部分はうっすらと汗をかきますよね。

蒸れる、と表現した方がいいかもしれないけれど同じことを指しています。

汗がうまく水蒸気にならないから蒸れるので。

 

汗は体が「冷やそう」として出してくれるもの。

一部分だけ普通よりも熱くなると、ホメオスタシスという素晴らしい機能で体の温度を調整してくれます。

つまり

  • 汗をかいて冷やそうとする
  • 血管を広げて放熱してくれる

わけですね。

 

使い捨てカイロをつける理由が温めるためだったとしたら、本末転倒なの分かります?

 

温めると痛みを感じづらくなる

でも、温めると気持ちいいし、痛みが減る感じがするよね。

ずっと痛い腰は、カイロを貼ってレッスンすると動きやすいよね。

これはケガが良くなっている訳ではないんですよ。

 

感覚受容器:痛みをキャッチするところは、温めるとペインシグナル(痛みがあるよ!という連絡)を止めます

なので痛みを我慢しなければいけないシチュエーション、例えば

  • 生理痛
  • 座りっぱなしの腰(でむやみやたらと動けない)
  • 寒い部屋での試験中の肩(これから受験シーズンだからね)

であれば意味があると思いますよ。

 

暖かいと副交感神経優位にもなるため、気持ちもリラックスするかもしれません。

(という事は、眠くなっちゃうという事なんだけど…)

 

温める事とペインシグナルについてはこちらの記事でピアレビューされたお医者さんの記事があるので英語が読みたい人&出典元を知りたい人はどうぞ。

 

生理中の痛みはもちろん、生理前の腰の痛み(ダンサーだったら多く見られると思う、ホルモンの関係上靭帯が緩み、炎症でコアマッスルが上手く働かないと特に。)で

自然な痛み止めとして+リラックス効果で使うんだったらどーぞどーぞ!なんだけど

 

レッスン中に痛みをカバーしてしまったら、痛みというサインが感じられない為

  • ケガした部分を無理に使ってしまう
  • ケガの痛みが一時的に楽に感じられるため、無理できちゃう

という問題があります。

 

本来ならば

  • しっかりとウォームアップをして関節や筋肉を動きやすくして
  • 体の声(痛みを含む)を感じながら、無理せずレッスンをして
  • 信頼できる治療家やトレーナーのサポートを受ける

としたいんだけど「年だから腰が痛いんだよねー」なんて言って何もしないダンサーが多い。

あ、何もしない方が本当は良くって、中途半端にホッカイロ貼って、ストレッチしちゃうもんだから

筋肉強化、痛みの根本を解消するリハビリが出来ずにケガが長引くっていうね…

 

そうそう、いくら温めても腰椎の疲労骨折は楽になりません

骨折れているんだからね。

しっかりと診断してもらう事はダンサーが早くケガから復帰するためには最初の一歩になります。

成長期ダンサーになりやすいケガ(成長期スポーツ障害+疲労骨折)なので、指導者はしっかりと理解しておいてくださいね。

→教師のための月一勉強会はこちら

低温やけどの危険性

今までの話だけでも、ホッカイロ貼ってレッスンなんて辞めなきゃ!と思ってくれたかもしれないけれど、もう一つ追加して書いておきますね。

 

薄手レオタードの上にホッカイロ、としているダンサー達は低温やけどの危険性も考えなければいけません。

ホッカイロの粘着力を考えると、露出したままで踊ることはあまりないと思うので、

上から履けるタイツで落ちないようにしているか

ショールみたいなものを腰回りにグルグル巻いているかもしれません。

 

カンパニー契約があり、ある程度のレベルになっているプロだったらいいかもしれないけど

そして、カンパニー内に治療家やトレーナーが居て、痛みが小さいうちにサポートしてもらえるんだったらいいかもしれないけど、

バレエ学校でそんな恰好はしません。雑誌の写真とかでも見た事ないでしょ?

レッスンで「上達」を目指している人達は、とっても大切なおなか回り+骨盤周りが先生や鏡で確認できない服装をしていたら、

せっかく頑張っているレッスンの中で、間違った癖をつけているかもしれませんよ。

 

この資料によると、低温やけどとは60度以下の熱源によっておこるやけどの事だそうです。

様々なメーカーのホッカイロ温度を計った資料によると最高温度は60℃以上、平均温度は50℃以上だそうで。

最初の低温やけどになる時間と温度の情報と、ホッカイロ温度を当てはめると1時間以下でやけどする事になりますよね?

 

体が温まるまでのバーレッスンでつけているだけだから…

と思っている人がいたら、低温やけど甘く見ないでくださいね。

先ほど説明したように、ただでさえ、温める事で痛みの感覚が鈍っているんだから。

 

バレエの先生にお願いしたいこと

これから日本はどんどん寒くなると思います。

バレエの先生方にお願いしたいことは、生徒で使い捨てカイロを貼ってきていたら外してもらってください。

レッスンに来て、低温やけどしてほしくないからです。

 

空調をコントロールするのは先生(もしくはスタジオオーナー)の仕事です。

ちゃんとウォームアップしてもホッカイロを貼らないとレッスンにならないくらい寒いスタジオでレッスンさせないでください

 

また

  • ウォームアップをしっかりと指導する事(しておきなさいよ!では床でストレッチしているだけの生徒もいますからね)
  • レッスン中しゃべりすぎない事(立っている時間が長いと体が冷える)

にも気をつけてください。

 

先生だから出来る&先生にしかできない、安全にレッスンを提供する知識を一緒に勉強したい方は

お正月にDLSセミナーが戻ってきます。

今回のホッカイロ、前回の湿布みたいに、知っていれば簡単に行動を起こせるものがたくさんあるんです。

 

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Happy Dancing!

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