5本指タイツはバレエに役立つのか?

5本指ソックスについてはよくセミナ―会場で話していたんだけど

(話していた、というか「脱げー」っていっていた笑)

最近じゃ5本指タイツとかあるじゃないですか。

 

それについて色々聞かれたので、メーカーから非難される覚悟でいきましょう!

今日のテーマは「5本指タイツは果たしてダンサーの味方なのか?」

 

*最初に言っておくよ。何を買うか、買わないかは個人の自由ですからね!

ただ、たくさんの同じ質問が来るから説明します。

結論だけ知りたい人は一番下へどーぞ。

 

まずは足の基本解剖学

足には3つのアーチがあります。

この部分は「ダンサーの足セミナ―」で4時間かけて話しているので簡単バージョンしかお話しないよ。

だってネバーエンディング記事になっちゃうもん。

 

アーチは生きています。

コントロールしながらアーチを上げたり、下げたりする必要があります。

 

プリエだけではダメで、ルルベだけではダメ。

上も下も、上手に使うことでスムーズな踊りになりますよね。

それと同じ。

 

アーチのお仕事は衝撃吸収。

ジャンプの着地などで床からの衝撃を最初にカバーしようとしてくれます。

偏平足はそれがないから、疲れやすいとかアライメントが悪いとか言われますが、

今回のテーマではないから割愛。

 

ロールインした足首や、ペンギン歩きで偏平足になってる子もかなりいますが、

  • 扁平に見えても、機能している足なら問題ない。
  • ただ、扁平で、機能していない足はダメ。
  • 扁平に見えなくても、機能していない足はダメ。

 

今は、アーチはなきゃいけない、が上がってりゃー良いわけでもない。

とだけ覚えておいて。

 

筋肉の性質

次は筋肉について。

ストレッチって神、みたいに思われてますが(そして私が嫌っているのはDLSフォロアーさんなら知ってるね)、

筋肉ってね、固い状態が楽な状態なんだよ。

えーーーー!?

 

だからね、筋肉が弱い=固くなるわけ。

この部分は既にターンアウト出来てますか?で説明しているから、そっちを読んでね。

好評アマゾンベストセラー中!(自己宣伝笑)

 

ストレッチし過ぎると(筋肉は)疲れます=働かなくなるので使えません。

体のすごく柔らかい子(二重関節の記事で説明したね)は、すぐに疲れます。

 

ストレッチがダイエットにいいよ、というのは日本特有の考えみたいで、

こっちのエクササイズ雑誌(一般の人が読むもの)などには書いてありません。

私はどうしてダイエットにいいのか分からないし、実際にデータも見た事ないからわかりませんが、

ストレッチ信仰は強いですよ、日本とバレエ界。

 

オーストラリアバレエ団の記事で、「ストレッチは砂糖みたいに中毒になる」って書いてあったし!

 

5本指タイツ

上の2つの情報、足の基本解剖学(アーチの役割)と筋肉の性質(筋肉の癖)を混ぜて考えてみようか。

 

5本指タイツでは、指が伸びる、指を離す、という形になるため、

アーチの筋肉である内在筋、もしくは固有筋と呼ばれるものたちは伸ばされちゃいます。

つまり、筋肉が疲れやすいところにいっちゃう

 

アーチのエクササイズを知っている人は分かるよね?

これらの筋肉を鍛えるための「ドーミング」はアーチを上げて、アーチの3点を「寄せてくる」動き。

5本指タイツはその逆をする。

 

となると、バレエで使いたい土踏まずの筋肉や、軸脚の安定、衝撃吸収の最初の砦である足が機能しづらいポジションにきます

 

だからケガのリスクは大きいんじゃない?

 

 

アーチが落ちるとうちくるぶしが落ちます。

うちくるぶし、って脛の骨です。

脛の骨は膝関節を作る骨だから、その骨が落ちたら、膝も前に落ちます。

膝が前に落ちるということは、膝関節の反対側にある大腿骨も落ちます。

そうすると・・・太ももがターンインされます。

(ターンアウト本のP49に図で説明してあります)

 

よって

  • 股関節コントロールはほぼ無理、
  • ターンアウトは出来ない。
  • お尻はつかえない。
  • ひざが前におちてプリエでケガしやすい

しかも

甲を伸ばすために、強くルルベに立つために、ポワントで素敵に踊るために必要な

  • 固有筋、内在筋を「敢えて」使いづらい、スイッチオフする場所に持ってきます。

 

5本指タイツと外反母趾

外反母趾、しかも大人バレエトレーニーさんだったらどうでしょうか?

というなんだかとってもコアな質問もよくあります。

※DLSでは大人でバレエレッスンを受けている方々をトレーニー「トレーニングする人」と呼んでいます

 

大人バレエトレーニーだったら、

というのであれば、片足で立つとか、バレエの動きとか慣れないものを行うので、

それこそ、固有筋がしっかりと働ける環境を作って上げることは大事だと思います。

鍛えるのに最適なバレエレッスンで「あえて使えない」ポジションにもってくるってどう?って思うから。

 

外反母趾の人はどうか?というと、

そんなに薄っぺらい布を入れる事で外反母趾はよくなるのか?

と逆に疑問に思います。

 

もし、きつい靴を履いてお仕事バリバリやって、レッスンの時に足の裏の感覚が分からん。

外反もかなりひどいです・・・という人の場合、

その部分の「感覚」を起こしてあげる必要=部分的ウォームアップ の方がいいでしょう。

 

  1. バレエの立ち方ブックに書いてある足のマッサージ、外反母趾のエクササイズをレッスン前に行う。
  2. そしてトウセパレーターをいれて、無理やりターンアウトをしても外反の角度が酷くならないように気をつける。
  3. んでもって、最後にシューズのサイズが小さすぎないか?を確認する。

の3ステップを行う方が、タイツよりもいいと思いますよ?

 

この3ステップをして、デメリットになるエリアは「全く!」ないんですから。

特に最初のステップは足の可動域も増やすから、プリエを深く、ルルベを高くするお手伝いをしてくれます。

リスクとリターンを考えて、バレエの動きと生活習慣を考えるとこんな感じ。

 

5本指タイツと水虫

5本指タイツ、ソックス系のうたい文句を見ると、

通気性がよい!

水虫対策に!

って書いてあります。

 

みんな、そんなに水虫あるの?笑

 

水虫ってカビです(英語ではfungal infections of the toe, athlete’s foot)

確かに、ジメジメしたところでなります。

このカビ、死んだ爪、髪、皮膚とかに住んでいるんですって。

 

ちなみに英語でも、日本語でも処置について調べてみたけど、5本指靴下が直します、とかよいです、とは書いてないよ?

 

もし、古い皮膚(+水虫)が靴下についてて、洗っても落ちなくて(だって形状上落ちにくいじゃん、靴下のほそーい指先とか)、それを干しておいたら(つまり湿気がいっぱい!)、

多分増えるよねぇ・・・

この部分は勝手な想像で、科学的根拠はございません。あしからず。

 

5本指タイツはバレエに役立つのか?

私の結論。

いいえ。

 

ただし、好きなら履いてれば?

それをやったら上手になった気がするならそうしたら?

プラシーボ効果がある人もいるかもしれませんしね。

 

また、解剖学とバレエレッスンにそって考えた結果、こうなりましたが、

5本指タイツ、及び靴下を履いて踊っているダンサーのケガの率、だとか

踊りのレベルや筋肉の発達など、データを見たことがございません。

なのでもしかしたら、そういうデータを考案者の人は持っているのかもしれない。

 

が、しかし。

海外では売ってません。

=多くの素敵なダンサーはそれをしなくても今の踊りをしています。

だから必要性がどこまでか?といわれると海外組の私は日本特有だと感じます。

 

タイツを履いた事でつま先伸びませんとか、軸足安定しません、とか偏平足がひどいんです、

なんて相談されたら上に書いたような返事をします。

もしくは、レッスン中、足の裏が疲れるんです、とか

足底筋膜炎だって言われましたとか言っても、同様。

(そうそう、筋肉の収縮で衝撃吸収がしっかりと出来ないと、筋膜に影響します)

 

もし水虫をタイツで直そうとしている人がいたら、薬局をお勧めします・・・

私はそのエリアのスペシャリストではございません。

 

知識はあなたをサポートします

バレエでなくても、消費者としてもそう。

自分の体、夢は自分で守りましょう。

 

 

追伸

ダンサーだったらやるべきなんでしょ?!という情報、特にダンサーの卵たちに必要な

「今現在」のバレエ界で必要な事、研究についてはダンサーの卵サポートセッションでお話しています。

親御さんやプロを育てたい教師も参加できるのでチェックしてね。

 

!追追伸!

この記事の後、たくさんの質問、コメントをもらったので、続編を作りました。

5本指タイツについて白黒つけたい人はどうぞ!

 

Happy Dancing!

 

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    DLS教師のためのバレエ解剖学講座モジュール1&2を受講された方々向けに、毎月ダンサーに見られやすいケガ予防とレッスンの作り方についてを勉強する「教師のための月一勉強会」があります。

    モジュール受講者は毎月のテーマとスケジュールをこちらからご確認くださいね。

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