レッスン中の骨盤を安定させるために

骨盤引き上げて、タックにしないで、ダックにしないで

おしりの筋肉使って、おしりの筋肉固めないで

腹筋使って、おなか入れて、コアマッスルで…

 

バレエレッスン中に骨盤周りの注意をされないことはないと思うのですが、

正直混乱しません?

 

さっきは骨盤が後ろに逃げていると言われたけど、今度はタックにするなと言われるし

おしりの筋肉を使えと言われて頑張っていたら、足は動かないし。

これらの注意は結局レッスン中、動きの中で骨盤を安定させろ、というときに使われるんですね。

 

この記事では、骨盤を安定させるってどういうことなのか?

どうしたら骨盤が安定して踊れるのか?ということについてお話していきましょう。

 

骨盤の復習

話をこれ以上進める前に、骨盤って何か?の復習とどうしてダンサーにとって大切な知識なのか?をささっとしておきましょう。

骨盤とは3つの骨でできている骨の塊でしたね。

背骨の一番最後となる仙骨&尾骨と、股関節を作る骨の1つである寛骨(腸骨+坐骨+恥骨の3つのセクションがある)骨でできている部分。

つまり上半身と、下半身のちょうど真ん中にあって、両方に影響します。

 

→背骨の復習+詳細はこちら

→骨盤の大切さを深く見る記事はこちら

 

だからレッスン中に骨盤を安定させるってとても大切になってくるのよ。

  • 体幹の安定(スクエアが正しく保てる)
  • 背骨の安定(上半身が自由に使いやすくなる)
  • 重心の安定(バランスが取りやすくなる)
  • 股関節の安定(ターンアウトがしやすくなる)
  • 大腿骨の安定(軸足、動足も安定しやすくなる)
  • 膝関節の安定(膝関節を作る骨の一つである、大腿骨が安定するから)

List goes on.

 

ね、大切さがわかったところで、続きに進みましょう!

 

安定と固定は違う

さっきから骨盤の「安定」って言葉を使い続けているけど、安定って何を指すのか?と考えてみたことあります?

 

辞書で言葉の定義をチェックしておきましょうね。

安定(stability)

  • 激しい変化がなく、物事が落ち着いた状態にあること。
  • 物体・物質に少々の変化を与えても、もとの状態にもどろう、またはもとの状態を保とうとする性質を示すこと。

 

固定(fixation)

  • 一定の位置や状態にあって、動かないこと。また、そのようにすること。

 

似て非なるものだということがわかりましたでしょうか?

骨盤を安定させるということは

× 固める事

〇 動いても、元の位置に戻ってこられること、落ち着いてあるべき場所に保たれていること

ということですね。

 

骨盤の「正しい位置」とは?

DLSサポーターの皆さんだったらもう、骨盤=三角形という考え方が浸透しているとは思うんだけど、

 

骨盤の前の三角形とは

  • 左右のASIS
  • 恥骨結合

でできる三角形でしたよね?

 

  • 体の前にあるから確認しやすい
  • 筋肉の形ではなく、骨のでっぱりを使っているため確実である

という2点からバレエ歴や体形に関係なく使うことができます。

(衣装の時は無理だけど…でも衣装を着て踊るときには、骨盤の安定が身についているべきだよね)

 

それが

  • 真っすぐ立っているときは地面と垂直
  • 両手バーの時はバーと平行
  • 片手バーの時はバーと垂直

となること。

 

これが骨盤のプレースメントが正しいか?を確認する、という事だったよね?

→アライメントとプレースメントの違いについて

 

骨盤は常に1か所にあるわけではないけれど…

もちろん、踊っているとき全てで骨盤の前の三角形が上に書いたようになるわけではありませんよ。

スクエアのときもお話したけれど、脚を高くあげるのであれば骨盤は動かなければいけません

この話は教師のためのバレエ解剖学講座で詳しくしているのでブログでは飛ばしていますが、

踊っている人たち全員に覚えておいてほしいことは

動き(可動域、重心移動など)の前に正しい「形」を身につけなければいけないということ。

 

バレエの動きはポジションからポジションに移動します。

つまり点から点に移動するということね。

 

アンシェヌマンでもそうでしょ?

スタートの5番ポジションがあって、フィニッシュのポーズがある。

スタートの点とフィニッシュの点の間は、ダンサーのレベルによって内容が違います。

  • スタートの5番→タンジュ→フィニッシュの5番

というときもあれば

  • スタートの5番→たくさん難しい動きが含まれるグランアレグロ→フィニッシュのアラベスクで走って抜ける

というときもあるかもしれません。

 

でもね、スタートとフィニッシュが「正しく」わからなければ、「正しく」踊ることは不可能です。

 

だからバーレッスンで、一つ一つのポジションを根気強く学ぶんだよね。

そしてセンターでその動きをつなげてもできるようになっているはずで、

発表会の振付ではアンシェヌマンで練習した動きやコーディネーションを与えられた役(表現)に合わせて踊る。

(だから計算されたレッスンプランを作れる先生であれば、スタジオ発表会のリハーサルで時間が大幅に押すことはないはずなんですが…それはまた今度)

→ダンサーに必要な舞台で使える表現力を学ぶオンライン学校はこちら

 

骨盤の安定に話を戻すと、

モチロン!骨盤を動かして踊っていいんだけど、

正しい位置がどこか?がわかっていなければ踊りも安定しませんし、ケガの原因にもなります

「骨盤の復習」という部分で説明した通り、骨盤のプレースメントは体の殆どの部分に影響するから。

 

骨盤を「正しい位置」で保つための筋肉は?

じゃ、具体的にどんな筋肉を鍛えたら、骨盤が安定するのでしょうか?

  • 腹筋?
  • コア?
  • おしり??

 

答えは全て。

体の全ての筋肉が必要になります。

 

どうしてかって?

だって骨盤は上半身の終わりであり、下半身のスタートだからです。

おなか「だけ」鍛えていても、おしりのトレーニング「だけ」しても足りません。

 

肋骨を前に押し出して踊る癖があるダンサーであれば、

肋骨を正しい位置に保つ練習

=胸椎を正しい位置に保つ練習

=背骨を正しいところで保つことができる

=骨盤の安定につながる

 

ともなりますし、逆もしかり。

骨盤を安定させることができる

=背骨が安定

=胸椎も、肋骨も安定する

ということにもなるわけ。

 

ダンサーによって踊り方の癖や体の使い方、強い部分や日常生活の偏りがあるじゃない?

それを考えなければいけないんだよね。

面倒でしょ。

 

ただ、骨盤安定のスターターキットとして

 

三角形の理解を深め、骨盤の方向に敏感になるために

  • 骨盤の前の三角形ファインダー
  • バックエクステンション

 

足の動きに骨盤が引っ張られないように練習するため

  • 四つん這い手足上げ
  • 骨盤ステーボライザー
  • 坐骨ファインダー

 

はどんなレベルのダンサーでも、バレエではない踊りをしている人でもおすすめです。

上記エクササイズのやり方は「バレエの立ち方出来てますか?」にてイラストと共に確認してもらえます。

 

レッスン中に骨盤を安定させるために

上であげたエクササイズをウォームアップとして取り入れてください

レッスンの前に

  • 骨盤の意識
  • 骨盤の感覚
  • 骨盤周りの筋肉を優しく使う

という準備をしておけば、レッスンでの安定レベルが増します。

(もちろんウォームアップはけが予防にもなるし、柔軟性も上がるのでDLSサポーターのみんなは絶対にやっているとは思うけど!)

→ウォームアップについてはこちら

 

そしてバーレッスンでは特に、プレパレーションの前、音楽が流れる前に骨盤の前の三角形を確認してください。

感覚は、何度も繰り返して身につきます

最初は自分の手と目で確認し、脳みそに指令を出してください。

そのうち、自転車のペダルに脚を乗せたら、勝手に漕ぎ始められるように、プレパレーションの姿勢をとったら、骨盤が正しいところに来るはずです。

 

そして、特に頑張り屋さんのダンサーが確認してほしいのは、

おしり、おなかの筋肉を固めていないか?を確認すること。

 

筋肉を使う、と「筋肉を100%収縮して固める」は同義語ではありません。

固定と安定は違う、って勉強したじゃない?

骨盤周りの筋肉をギューッと固めて「動かさないようにしよう!」と考えるのではなく

骨を正しい位置で「保つ」ことで、必要な筋肉が必要なだけ働いてくれます

 

まとめ:レッスン中の骨盤を安定させるために

  • 骨盤の三角形をしっかりと理解しよう
  • 安定と固定の違いを理解して、意識をしてみよう
  • エクササイズで自分の骨盤と空間認知の感覚を鍛えよう
  • レッスンで何度も繰り返すことで、あなたにとっての「骨盤の安定」身につけていこう

 

おまけとして、忘れてほしくないことを一つ。

おなか、おしりとお話すると

おなかが出ている、おしりが大きいなど、サイズの話をしてくるダンサーや先生が多いのですが、

骨盤の安定と体のサイズはまったく関係ありません

 

骨盤は骨です。

骨盤の安定は骨のプレースメントの話です。

 

体のサイズ、筋肉の形、脂肪細胞の位置で、その人の運動能力を図ることはできません。

マラソン選手も、重量挙げ選手も、力士やラグビー選手、クラシックバレエダンサーも、社交ダンスをする人も、水泳選手だって。

 

それらの動きでの安定があり、それぞれ練習をします。

みんなが同じ体形ではないでしょ?

 

その人の能力や努力を、見た目で判断しないこと

忘れないでくださいね。

 

  • 佐藤愛著シリーズ



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