ダンサーが知っておきたい外反母趾について

  DLSの記事は、 バレエ学校であった生徒や保護者との会話 試験やオーディションに立ち会って見たもの、聞いたもの 実際に見てきた、聞いてきた質問&怪我 私がバレエ留学をしてきた体験 を元に作っています。    さて、今日の話はともちゃんの親指。 ともちゃんは今年入学した日本人生徒。 短い期間にとーっても上達したって先生方の間でも噂の努力家です。   学校で彼女とたまたますれ違い、世間話をしていた時に出てきた一言。 「プリエが使えないんです」   でも題名を見ても、プリエの事を書く予定はありません。 今日はその会話の続き、「最近、外反母趾も痛くなってきちゃって」にフォーカスして書いていきましょう。   この記事は2014年に書かれたものを、2022年により読みやすくまとめたものですが 2014年にこの記事を書いていた佐藤愛は、まさかプリエに関する本の著者になっているなんて思っていないでしょうね。 (だってプリエの話、飛ばしちゃってるし…笑)   外反母趾とは 「最近、外反母趾も痛くなってきちゃって。 でも出っ張りが酷くなってきたわけではないんです」   プリエの話の続きとして、ちらっと話に出てきた外反母趾。  このケガ?症状?体型?に悩んでいるダンサーは多くいると思います。   外反母趾には種類があり、原因も色々あります。…

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5本指タイツはバレエに役立つのか?

5本指ソックスについてはよくセミナ―会場で話していたんだけど (話していた、というか「脱げー」っていっていた笑) 最近じゃ5本指タイツとかあるじゃないですか。   それについて色々聞かれたので、メーカーから非難される覚悟でいきましょう! 今日のテーマは「5本指タイツは果たしてダンサーの味方なのか?」   *最初に言っておくよ。何を買うか、買わないかは個人の自由ですからね! ただ、たくさんの同じ質問が来るから説明します。 結論だけ知りたい人は一番下へどーぞ。 まずは足の基本解剖学 足には3つのアーチがあります。 この部分は「ダンサーの足セミナ―」で4時間かけて話しているので簡単バージョンしかお話しないよ。 だってネバーエンディング記事になっちゃうもん。   アーチは生きています。 コントロールしながらアーチを上げたり、下げたりする必要があります。   プリエだけではダメで、ルルベだけではダメ。 上も下も、上手に使うことでスムーズな踊りになりますよね。 それと同じ。   アーチのお仕事は衝撃吸収。 ジャンプの着地などで床からの衝撃を最初にカバーしようとしてくれます。 偏平足はそれがないから、疲れやすいとかアライメントが悪いとか言われますが、 今回のテーマではないから割愛。   ロールインした足首や、ペンギン歩きで偏平足になってる子もかなりいますが、 扁平に見えても、機能している足なら問題ない。 ただ、扁平で、機能していない足はダメ。…

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たかが親指、されど親指!ルルベを強くするためのストレッチ

  昨日、生徒と絶対にやりたくない職業、という話が出まして。 その時に彼女は「絶対に歯医者になりたくない!」って言ってました笑 口の中って汚いし、臭いし、腐った歯の根っことかあるし!!   その時、「トウシューズのくさい足を診る方が絶対マシだね」って言ったんだけど。 本当にその通りで。   私、ダンサーの足を診るの好きです。 だって、たっぷりヒントが詰まっているんだもの。 踊りの癖はもちろん、トウシューズが合っているか、どれだけレッスンしてるか? 何歳からポワントを履き始めたか?捻挫をどれくらい繰り返したか? なーんて見えてくるんですよ。   筋肉の具合を見ると性格まで分かります笑   変な人ーーーーーーーーーーー!   さて今日のテーマは親指。 親指については結構な数の記事がありますのでサイト内を検索してみて下さい。 今日は親指とデミポワント、つまりルルベを考えていきます。   つま先を伸ばしたい!という声はよく聞くのよ。 トウシューズで立つために大事だからね。 だけどよくみんなが忘れてしまう部分、それはデミポワント。 デミ、半分、ポワント、ということでポワントに立つための途中経過だよね。   それがしっかりとできていないと、フルポワントに立つ強さは作られません。 少ない面積でしっかりとバランスをとる 重心を正しいところに移動させる…

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噂のトゥセパレーター!

最近、ロールインの話をしたでしょう? ロールインしてしまうと、ダンサー特有の様々なケガに繋がりますよ、 ってお話ししましたよね。 →読んでいない人はこちらから   ロールインがダメだって知らないダンサーはいないけれど、 治すのはとっても難しい! 特に踊り始めたら、そんなこと考えている暇がなくなっちゃうでしょう?   そんな時にサポートになるのがこのトゥセパレーターです。 ロールインされた足の親指って、 体重のせいでつぶされてしまいます。   外反母趾の痛みがひどくなったり、 外反母趾になっちゃうダンサーが多いのもこのため。 この部分はともちゃんの足を観察したときにお話ししましたね。 →ともちゃんの親指についての記事   写真で見るとこうなっています     骨で見るとこうなっているんです。   そこに助けに来てくれるのがトゥセパレーター!   トゥセパレーターというのはシリコンでできたグミみたいサイズのもの これを親指と人差し指の間に入れることで、 物理的に親指が中に押し込まれちゃうのを防ぎます。   そうすることで…

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脱ペンギン歩き! ターンアウトで歩く弊害

*このブログは2014年に書かれたものを2020年に大幅加筆修正しました。   お団子頭。 大きなバッグ。 足首からちらちら見えるピンクタイツ… そしてペンギンのようにガニ股で歩く軍団をみたらバレエダンサーの卵を発見したことになります。   同じペンギン衆を見かけると、ライバル心からかガニ股度が上がります。 バレエスタジオで先生の前を歩くときもそうなりますし、コンクールや講習会でもガニ股度MAXの子達を見かけます。 中にはレッスン中よりも足が開いちゃっている子も。   バレエダンサーとしてのプライド?自覚??を持って生活している、というのは良い事なのかもしれません。 でも、体には、特に足(Foot)には非常によろしくない。 ケガにつながる可能性、すでに存在するケガや痛みを酷くする可能性もあるし、関節に大きな負担をかける事にもなります。 すでに外反母趾気味なダンサーだったら酷くなる可能性も。   この記事ではダンサーが不必要なケガを防ぐために必要な知識をお伝えしますので、ぜひ脱ペンギンして、人間に戻ってきてくださいね。 ターンアウトして歩くVS普通に歩く ペンギン歩きの弊害をお話する前に、ターンアウトして歩くときと普通に歩く時にどんな違いがあるか?を比べてみましょうか。 足の裏の体重移動動線 ある程度真っすぐに歩いている場合、体重移動はかかとから親指の付け根(母指球)、そして親指の先に抜けていきます。 あ、そうそう、かかとのどセンターじゃないじゃん!と思った方、かかとの骨って少し外側なので骨で見るとかかとの真ん中、肉をつけた足で見ると少し外側に見えるかもしれません。   ターンアウトして歩いていると 体重移動の動線が、踵の外側から親指の付け根ー土踏まずエリアに抜けていくのね。 親指のどこらへんか、土踏まずのどこまでなのか?というのは言及できないので、広いエリアというようにイラストに示しておきますね。 この部分はどれだけターンアウトして歩いているかと、どれだけ足をクロスさせているか?によって変わってくるので。 親指の関節が曲がる方向が変わる 上の続きみたいになるけれど、ここでは親指のMP関節に注目してみましょう。 地面をけるという動きでは、親指のMP関節が(関節のデザイン通り)屈伸します。…

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